今日、中国とロシアの「勢力圏」競争において、その影響を大きく受ける地域として、中央アジア、コーカサス、大洋州地域を挙げることができよう。これら地域は、中露と「心冷経湧」(心は冷え込んでも経済は湧く)ともいうべき関係が続いている。本来、この「勢力圏」については、歴史的な支配地域を基礎とし、国家や国際法あるいは現下の国際関係などが複雑に絡み合って成り立つものであり、その時代に応じて、適正に考察されるとともに、自国の外交政策に活かされるべき概念でなければならない。
そこで、本研究会では、単にこれら地域動向を把握するというだけでなく、その過程において、中露接近がもたらす(潜在的なものを含め)リスクとオポチュニティの両面(主に政治、経済、軍事、文化等)を再評価する。そして、これら現状を踏まえた上で、日本の強み・弱みを把握しつつ、日本の強靭な総合力確保に向けた課題と展望を模索する。以上の目的を達成するべく、本研究会は、以下のメンバーを中心に、調査・研究活動を実施している。
また、本研究会の運営においては、必要に応じて、当法人内部に設置されている「アフリカ政策パネル」も協働する。
メンバー構成
コメンタリー
【2025年度】
【2024年度】
【2023年度】
活動日誌
【2025年度】

2025年4月17日
第1回定例研究会合(提言起草委員会会合)
当日は、本研究会の最終成果となる「政策提言」をどのように作成していくかなどについて、メンバー間で自由討論がなされた。

2025年4月7日〜4月10日
廣瀬陽子主査、アゼルバイジャンへ海外出張
本出張の目的は、アゼルバイジャンのADA大学の国際政策フォーラム「The 7th ADA University Policy Forum “Facing the New World Order”」に参加するとともに、イルハム・アリエフ大統領を囲むハイレベル・ミーティング等を行うことであった。なお、同ミーティングについては、アゼルバイジャン大統領府のウェブサイトにおいて、全てのやり取りが掲載されている。
【2024年度】

2025年3月14日
公開シンポジウム「中央アジア+日本」対話・第13回東京対話
さる2025年3月14日、本研究会の宇山智彦メンバーが、「中央アジア+日本」対話・第13回東京対話「中央アジア地域の地政学上の展望」にモデレーターとして参加した。当日は、本研究会から、高畑洋平メンバー、三船恵美メンバーおよびダヴィド・ゴギナシュヴィリメンバーなどが参加し、アイダル・クルマシェフ・カザフスタン大統領府付属戦略研究所国際研究課長、エディル・オスモンベトフ・キルギス外務省付属外交アカデミー国際関係分析センター長など中央アジア側5名を含む、総勢200名を超える参加者との間で活発な議論を交わした。

2025年2月21日
第7回定例研究会合
当日は外部報告者として、石塚恵外務省欧州局中央アジア・コーカサス室長より「中央アジア・コーカサスと日本外交」についての研究報告が行われた後、出席者との間で自由討論がなされた。

2024年5月21日
高畑洋平メンバー、佐渡へ出張
高畑メンバーは、 世界文化遺産登録を目指す「佐渡島の金山」で国内外の注目を集めている同島を訪れ、石田友紀・佐渡市市役所地域振興部部長らと意見交換を行った。当日は、佐渡市が推進する「多文化共生の島づくり」や「地域循環共生圏」をはじめ、世界遺産に関連した東アジア諸国間の対立などにおける課題や展望などについて縦横に議論を交わした。

2024年4月22日~26日
廣瀬陽子主査、アゼルバイジャンへ海外出張
本出張の目的は、アゼルバイジャンのADA大学の国際政策フォーラム「The 6th ADA University Policy Forum “Green Vision for Azerbaijan and Beyond”」に参加するとともに、イルハム・アリエフ大統領を囲むハイレベル・ミーティング等を行うことであった。なお、同ミーティングについては、アゼルバイジャン大統領府のウェブサイト(https://president.az/en/articles/view/65580)において、全てのやり取りが掲載されている。
【2023年度】

2023年12月5日
デニス・ベルダコフ・キルギス大統領府付属国立戦略研究所(NISS)顧問による高畑洋平常務理事への表敬訪問
さる12月5日、高畑常務理事は デニス・ベルダコフ・キルギス大統領府付属国立戦略研究所顧問による表敬訪問を受けました。会談では、日本とキルギスのシンクタンク交流の拡大をはじめ、日本の中央アジアを含めたユーラシア外交の現状や課題等について意見交換を行うとともに、今後も双方の交流を進めていくことを確認した。

2023年6月29日
第1回定例研究会合
廣瀬陽子主査より、研究会立ち上げにむけての挨拶と報告がなされ、次いで高畑洋平上席研究員より研究会の概要説明などが行われ、最後に出席者との間で意見交換がなされた。