日米両国の安全保障協力は、日米同盟を基軸とし、これまで防衛力に焦点を当てたいわゆる「ハード」な安全保障に向けた取り組みが中心であった。 しかしながら、昨今、中国の経済大国・科学技術大国化に伴い、その強大な経済力・技術力を背景と した「グローバルサウス」諸国に対する地政学・地経学的手段の行使が頻繁になるなか、経済安全保障 や気候安全保障といった、いわゆる「ソフト」な、非軍事領域での安全保障の強化の重要性が高まっている。
そこで、本研究会では、軍事以外の側面、特に気候変動、貿易、人権、移民、メディア・通信などの異なる分野での協力の深化に焦点を当て、両国が共同で対処可能な具体的な方法や枠組みを再検討する。日米の非軍事面での協力体制の充実は日米同盟の新たな進化を意味し、持続可能な未来を構築するための世界的なモデルケースになりえる。
以上の目的を達成するべく、本研究会は、以下のメンバーを中心に、調査・研究活動を実施している。
メンバー構成
- 主査
前嶋 和弘
上智大学教授- 日本側メンバー
鈴木 一敏
上智大学教授三牧 聖子
同志社大学准教授手塚 沙織
南山大学准教授小尾 美千代
南山大学教授- 米国側メンバー
ザック・クーパー(Zack Cooper)
アメリカン・エンタープライズ研究所シニアフェロークリスティ・ゴベラ(Kristi Govella)
ハワイ大学マノア校助教メアリー・アリス・ハダッド(Mary Alice Haddad)
ウェズリアン大学教授ポール・スラシック(Paul Sracic)
ヤングスタウン州立大学教授/
ハドソン研究所 非常勤フェローニコラス・セーチェーニ(Nicholas Szechenyi)
戦略国際問題研究所(CSIS)日本部上席研究員/
アジア担当副部⾧- JFIR
伊藤和歌子
日本国際フォーラム研究主幹スミス 理紗
日本国際フォーラム研究助手
活動日誌
【2024年度】
2024年7月29日
第2回日本側定例研究会合
鈴木一敏メンバーより「貿易依存とネットワークパワーから見た日米協力」について、手塚沙織メンバーより「非軍事側面からの安全保障とは:人の国際移動と技術管理」について、三牧聖子メンバーより「ガザ危機とアメリカ」について研究報告が行われた。その後出席者との間で自由討論がなされた。
2024年7月16日
第1回日本側定例研究会合
前嶋和弘主査より、メディアに焦点を当てた「日米関係の現在と非軍事側面の日米協力関係の可能性」について研究報告が行われ、小尾美千代メンバーより、「アメリカの気候変動対策」について研究報告が行われた。その後出席者との間で自由討論がなされた。
2024年6月27日
米国側キックオフ会合
前嶋和弘主査より、研究会立ち上げにむけての挨拶と報告がなされ、次いで研究会の概要説明などが行われた。最後に出席者との間で意見交換がなされた。
2024年6月4日
日本側キックオフ会合
前嶋和弘主査より、研究会立ち上げにむけての挨拶と報告がなされ、 次いで研究会の概要説明などが行われた。最後に出席者との間で意見交換がなされた。