公益財団法人日本国際フォーラム

多元的グローバリズム時代の
日本と世界 2020-2023

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最新のコメンタリー

e-論壇百花斉放

JFIR主催 / GFJ連携 / CEAC連携 / WSD後援


百年河清を俟たず、早急に若年層の相互理解の機会を拡充せよ

 イスラエル・ガザを始めとする諸戦争は、国際世論の動向を見つつ人質を交渉のカードに使う非人道的な駆け引きに終始し一向に終息の方向にはない。神話によれば、天まで届くバベルの塔を築く傲慢な人類を懲らしめるべく、民族間の言語を違がえたためこの野望は成就しなかったと言われている。ポーランド言語学者ザメンホフ博士による国際共通語(スペラント語)普及の試みは英語の勝利に帰し、英語は感情面を含めて生成AIにより

松井 啓

初代駐カザフスタン大使

「善きサマリヤ人」と食品ロス削減

 サマリヤ人とは紀元前に、旧イスラエル国の一地方に住んでいたユダヤ人が、アッシリアに占領されて移住してきたアッシリア人との間に生まれた人々を指す。元々のユダヤ人からは異民族として嫌われていたが、この民族を救ったのが、イエス・キリストの「汝の隣人を愛せよ」という、マタイ伝に記されたキリスト教のキーワードである。    さらに強盗に襲われ、瀕死の重症になったゆきずりの人を救ったとするサマリヤ人の善

船田 元

衆議院議員

50年前の中東戦争と石油危機

 10月7日にハマスがイスラエルを奇襲攻撃し、それにイスラエルが報復攻撃を行い、多数の犠牲者が出るとともに、ガザでは食料や水、燃料などの生活費必要な物資が不足し、人道危機が深刻になっている。戦闘の一時停止と人質の解放が進んでいるが、今後の展開が注目される。ハマスが行動を起こした日の50年前、1973年10月6日に第4次中東戦争(ヨム・キプール戦争)が勃発した。この戦争は、エジプト軍がシナイ半島、シ

舛添 要一

国際政治学者

イスラム圏諸国の人口圧力が世界を動かす

 ガザ危機をめぐる日本外交で、非常に気になるのは、冷戦時代からのステレオタイプの図式で進められていないか、ということである。日本の同盟国アメリカが他の先進国とともにイスラエルを支援するので、日本は反対できない。ただし日本は中東から石油を大量に輸入しているので、アラブ諸国の怒りを買う発言もできない。果たしてこの認識は、現代の世界情勢の認識として、正しいか。アメリカのイスラエル支持の姿勢は、単純明快な

篠田 英朗

東京外国語大学大学院教授

中国の野望、人民元国際化は可能か

 人民元の国際化を目指す中国が通貨の世界を特定地域で支配する可能性がある―先週末、福岡市博多区で開かれた日本国際政治学会2023年度研究大会で、ショッキングな報告が行われた。「決済制度の政治経済学―デジタル通貨の意義の現状と展望」部会で発表したのは、先駆的な経済安全保障研究で知られる長谷川将規・湘南工科大学教授。国際政治学会で、このテーマが正面切って取り上げられたのは初めてだろう。 「支配的

鈴木 美勝

日本国際フォーラム上席研究員

何故アメリカが民主党の時代に世界大戦が起きるのか?

 先日、APECの会議がアメリカのサンフランシスコで行われた。その中で米中首脳会談が開催された。なお、一緒に日中首脳会談も行われたのであるが、はっきり言って特筆すべき内容は全くない。岸田首相は、外交によって支持率を上げるというようなことを言っているが、そもそも「同じ生活習慣を持っている日本人に対してコミュニケーションが不足し、政策の理解を得られない政権」が「他の国民性やその国の国内事情を抱える外国

宇田川 敬介

作家・ジャーナリスト

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日本国際フォーラム ( JFIR ) とは

日本国際フォーラムは、市民社会の側から、つまり民間・非営利・独立・超党派の立場から、会員および市民の参加を得て、外交・国際問題について研究・討論・交流・提言等の活動を促し、もって内外の世論の啓発に努めることを目的としますが、それ自体が組織として特定の政策上の立場を支持し、もしくは排斥することはありません。

特定の提言の内容について責任を有するのは、あくまでもその提言に署名した者に限られます。日本国際フォーラムは、1987年3月に財団法人として設立されましたが、2011年4月以降は、内閣総理大臣からその活動の公益性を認められて、公益財団法人に移行しました。