先端技術をはじめとする技術分野において、米国は依然として高い国際的優位性を維持しているが、その技術的優位が、必ずしも国際秩序の安定や国際協力の持続性につながっているわけではない。背景には、米国内政治の不安定性がある。政権交代のたびに政策や対外関与の姿勢が変化することで、国際ルールや国際協力への継続的なコミットメントが揺らぎやすくなっているためである。
特に、気候変動、通商、人権、移民、言論・メディア・通信といった非軍事分野は、国内政治の分断や政策転換の影響を受けやすく、政策の継続性が損なわれやすい領域である。こうした変動は、同盟国にとって将来の予見可能性を低下させ、対外行動における不確実性を高める要因となっている。
軍事・安全保障分野における日米協力は依然として強固であるが、他方で、こうした非軍事分野における不確実性の高まりは、両国の日常的・実務的な協力関係を弱体化させ、協力関係の基礎というべき社会的・人的・制度的基盤を掘り崩す恐れがある。
そこで本研究会では、米国内政治の変動や社会認識の変化が、日米の非軍事分野の協力基盤にどのような影響を与えているのかを検討する。その上で、日米間に存在する認識のギャップや、日米協力を支える制度的基盤がどの程度の強靱性を有しているのか、またどのような形で摩耗が生じているのか分析し、持続可能な日米協力のあり方を模索していく。
以上の目的を達成するべく、本研究会は以下のメンバーを中心に調査・研究活動を実施している。
なお、本研究会は、独立行政法人国際交流基金による助成をはじめとする各種支援を受けて実施している。
メンバー構成
- 主査
前嶋 和弘
上智大学教授/日本国際フォーラム上席研究員
- 米国側研究メンバー
メアリー・アリス・ハダッド(Mary Alice Haddad)
ウェズリアン大学教授クリス・ケネディ(Chris Kennedy)
ブルームバーグ・エコノミクス地経学部門シニアエコノミスト
チャールズ・マックレーン (Charles MacLean)
イェール大学助教
ダイアナ・ニュートン (Diana Newton)
サザンメソジスト大学(SMU)ジョン・グッドウィン・タワー政治研究センターシニア・フェロー/公共政策・国際関係プログラム 講師ポール・スラシック(Paul Sracic)
ハドソン研究所 非常勤シニアフェロー









