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(連載2)米朝首脳会談後の日本外交 ← (連載1)米朝首脳会談後の日本外交  ツリー表示
投稿者:長島 昭久 (東京都・男性・衆議院議員/元防衛副大臣・50-59歳)  [投稿履歴]
投稿日時:2018-06-22 10:32 [修正][削除]
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4182/4182
 とはいうものの、すでに「賽は投げられた」のです。たしかに、トランプ大統領のやり方は常識破りです。普通の外交交渉であれば、首脳会談の前に実務協議を重ね議題など詳細を詰めておくものです。しかし、その真逆が「トランプ流」なのでしょう。とにかくトップ同士で握手を交わし、あとは実務者に丸投げ。先行きは不透明ながらも、非核化に向けて物事をスタートさせたことは間違いありません。しかも、ボールは北朝鮮のコートに投げ込まれました。今後は、北朝鮮が「迅速に」非核化のプロセスに入るかどうかが最大の焦点です。専門家の間から譲歩し過ぎだと批判を浴びていますが、米韓合同軍事演習の中止も北朝鮮の行動次第ではいつでも再開できるわけで、逆にこの米国の「善意」を反故にした場合には軍事行動へ転換する口実とすることもできますから、トランプ氏にしてみれば譲歩でもなんでもないということになるのでしょう。

 さて、ここから日本外交はどう進められるべきでしょうか。私は、中長期的な視点が重要だと考えます。当面、戦争の危機が回避できたことは歓迎すべきですが、非核化のプロセスは長く険しいものとなるでしょう。その間に我が国最大の懸案である拉致問題を解決するために、日朝首脳会談を真剣に模索すべきです。その前提として、ストックホルム合意に基づく拉致被害者に関する真の調査報告を求めねばなりません。史上稀に見る警察国家たる北朝鮮においては、(国民であれ外国人であれ)住民の動向は当局が完璧に把握していますから、拉致被害者の安否調査に時間がかかるはずがありません。その上で、非核化支援のための国際的な費用分担には誠実に応じればよいと考えます。

 さらに、中長期的な我が国安全保障の主要課題が、中国の動向であることを忘れてはなりません。過去30年に軍事費を51倍にまで拡大し、近代化された核ミサイル戦力が我が国を射程に収め、東シナ海や南シナ海で強硬姿勢を崩さない中国は、北朝鮮の脅威よりもはるかに強大で複雑です。その中国との関係を安定させるためには、経済的な結びつきの深化と同時に「力の均衡」も不可欠です。そのためには、常識破りの外交を展開するトランプ大統領率いる米国との同盟関係をどう維持、強化していくかが大事なポイントとなります。たとえ北朝鮮の核ミサイルの脅威が首尾よく低減されたとしても、弾道・巡航ミサイルに対する脅威は存在するのですから、それに対する抑止力のカギを握る陸上イージス防衛システムの配備は粛々と進めていくべきでしょう。同時に、できるかぎり「自分の国は自分で守る」だけの独自対処能力を確立するため、効率的な防衛力と多角的な情報収集能力の整備に努めるべきです。

 いずれにせよ、朝鮮半島に平和と安定をもたらすためには、単に南北朝鮮や米朝関係、日朝関係といった二国間関係の改善を図るだけでは足りません。米中や日中、日露、さらには日米間、日中韓関係など重層的な安全保障環境の安定化に向けた不断の努力が必要です。そのための戦略的な日本外交を、引き続き与野党の垣根を越えて提案し実行してまいります。(おわり)

(連載1)米朝首脳会談後の日本外交  ツリー表示
投稿者:長島 昭久 (東京都・男性・衆議院議員/元防衛副大臣・50-59歳)  [投稿履歴]
投稿日時:2018-06-21 10:30  
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4181/4182
 6月12日のシンガポールにおける米朝首脳会談は、たしかに歴史的ではありましたが、具体的な中身を期待していた人々の間には一様に失望が広がっています。とくに、専門家からは酷評されています。なぜなら、肝心の「非核化」について、会談前にトランプ大統領は、北朝鮮にCVID(完全(Complete)かつ検証可能(Verifiable)で不可逆的(Irreversible)な核廃棄(Denuclearization))を呑ませると豪語しておきながら、共同声明には「完全な非核化」(VとIは欠落!)としか謳われず、非核化の定義も、期限も、検証の枠組みすら示されなかったことから、非核化プロセスを限りなく先延ばししようとする金正恩氏の思うつぼではないかと。おまけに、長年北朝鮮が要求してきた米韓合同軍事演習の中止まで(同盟国に相談もなく)約束してしまったのは、あまりに軽率だとの批判を浴びました。

 私も、米国のシンクタンクで研究員として勤務していた1997年以来、朝鮮半島問題に関わって来た者としても、功名心(11月の中間選挙を有利に進めたいという動機か?)が先に立つトランプ大統領のやり方はあまりにも拙速で、北朝鮮やその背後にいる中国の術中に嵌ってしまうのではないかと憂慮を禁じ得ませんでした。実際、欧米の識者の間では、「会談の勝者は中国」だといわれています。中国は、これまで一貫して朝鮮半島の平和的解決を主張。そのためには、北朝鮮による核やミサイル実験の停止と(米国の対北敵視政策を象徴する)米韓合同軍事演習を凍結する(「ダブル・フリーズ」政策)必要がある、と米朝双方に呼びかけてきました。今回の首脳会談の結果は、まさしくその通りになりました。

 しかも、米朝の共同声明によれば、両首脳が合意したのは「朝鮮半島の完全な非核化」でした。国際社会が求める北朝鮮の非核化ではなく、「朝鮮半島」全体の非核化というのには実は、深い意味があります。今や朝鮮半島の南側(韓国にも、在韓米軍にも)には核兵器は存在しません。にもかかわらず、非核化の対象を「朝鮮半島」全体とするのは、韓国に対する米国の「核の傘」も排除するという意図が潜んでいるからなのです。米国が核の傘を提供する根拠は、ひとえに米韓同盟です。米韓同盟を支えているのは3万余の在韓米軍です。中国の基本戦略は、朝鮮戦争以来一貫して朝鮮半島に対する米国の影響力の排除(換言すれば、中国による朝鮮半島支配の確立)です。今回のトランプ氏の示した方向性は、ずばり中国の思惑と合致するのです。

 そうだとすると、我が国にとっては一大事です。我が国の基本戦略は、戦後一貫して米国による韓国および日本への安全保障のコミットメントをいかに維持、強化していくかにあるからです。米韓合同軍事演習の中止にとどまらず、(将来的な)在韓米軍の撤退にまで言及したトランプ大統領の交渉姿勢を看過することはできません。しかも、我が国最大の懸案である拉致問題についても、トランプ氏が首脳会談の中で繰り返し言及したとされていますが、共同声明にも盛り込まれませんでした。それだけにとどまらず、トランプ氏は、非核化の経費は日本、韓国、中国が負担することになるだろうとも述べました。さらに、懸念されるのは、北朝鮮を真剣な対話のテーブルに向かわせた「最大限の圧力」が、米朝首脳による握手によって溶解してしまう可能性が高まることです。すでに中朝国境の交易は活発に行われているといわれていますし、韓国もロシアも北朝鮮への経済支援に前向きです。(つづく)

自民総裁選は安倍独走の形勢   
投稿者:杉浦 正章 (神奈川県・男性・政治評論家・70-79歳)  [投稿履歴]
投稿日時:2018-06-20 07:22 [修正][削除]
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4180/4182
 英語のdead angle を語源とする死角が自民党総裁選挙にあるだろうか。まずない。首相・安倍晋三は圧倒的にリードしていて、死角を探してもない。自民党内を見渡したところ虎視眈々とその安倍にチャレンジしようとしているのが元幹事長・石破茂だ。大勢は首相・安倍晋三3選支持の流れであり、石破は孤立気味だ。石破は昔、佐藤栄作の長期政権を阻止しようとした三木武夫を思い起こす。「男は1回勝負する」とチャレンジしたが、敗北。その後ロッキード事件が幸いして首相になったものの、党内の支持は得られず、すぐに潰れた。しかし、立候補者がいないと自民党内は活気が出ない。石破に限らず、野田聖子など例え売名でもオリンピック精神で出馬すればよい。総裁候補としては事実上安倍が独走している。森友・加計問題はまるで朝日と民放と野党の独壇場だったが、贈収賄疑惑があるわけでなし、予算委の終了と共に影を潜めた。攻め手がなく、今後も忘れた頃にぽっとか細く火が付く程度のものだろう。内閣支持率もモリカケがなくなって回復しはじめている。読売の調査では45%で支持が不支持を逆転した。朝日や産経、民放の支持率も同様の上昇ぶりを示している。長期政権は一時的な高支持率より、30から40%を安定して維持することが大切だ。佐藤内閣がそうであった。

 これを反映して6月10日の新潟知事選では、事前の世論調査では、接戦との見方が多かったが、開票結果は花角英世54万6670票に対して池田千賀子50万9568票と、3万7000票余りの差を付けた。与党系は「快勝」であり、政局で安倍にプラスの結果となった。こうした中で、総裁候補とされる面々は,動くに動けない情勢である。国会会期は7月22日まで延長されるが、この間は表立った動きをすれば世論の反発を受けるし、国会終了後総裁選まで2か月しかない。短期決戦を余儀なくされるが、安倍の独走を阻止できる候補は存在しない。政調会長・岸田文雄も、早々に旗を巻きそうな気配だ。4月16日に安倍と会談したのに続き、去る18日にも2時間半にわたって会食している。岸田は記者団に「北朝鮮、終盤国会、(自民党)総裁選の話をした」と語ったが、内容については「ノーコメント」とした。岸田の狙いは秋の総裁選で奪い取るのではなく、安倍の3選を認めて3年我慢をして禅譲を狙うところにあるのかもしれない。昔池田勇人にオリンピック花道論があった。池田は癌であることをひた隠しに隠して、任期を残して退陣する演出を行った。東京オリンピック閉会式翌日の10月25日に退陣を表明、自民党内での後継総裁選びの調整を見守った上で11月9日の議員総会で佐藤栄作を後継総裁として指名したのだ。佐藤は「待ちの佐藤」といわれたが、岸田も「待ちの岸田」として、昔のインスタントラーメンではないが「3年待つのだぞ」が、今考えられる最高の戦術だろう。

 総裁選への流れは、安倍が楽勝のように見えるが、油断は出来ない。問題は党員らの投票による地方票の動向も作用する。12年総裁選では、石破が党員らの投票による地方票で安倍を上回っだのだ。決選投票で議員票を固めた安倍に敗れたが、決選投票に地方票を加えた現行制度なら、石破が当選していたといわれる。閣僚を離れた石破は、活発に地方行脚を繰り返している。しかし、石破にとっての致命傷は派閥の人数が少ない点だ。国会議員の人望がないから数が集まらない。衆参合わせて20人で6番目では、なかなか突破口を開くのは難しいだろう。安倍は5年の在任の結果、地方票がかなり集まる状況にあり、油断しなければ、石破はそれほど獲得出来ないかも知れない。総務相野田聖子も、発言を先鋭化させている。15日に日本記者クラブで記者会見し、選択的夫婦別姓の導入などを総裁選の主要政策に掲げる考えを示した。安倍との対立軸を明確にする狙いがあるが、支持の広がりには全く欠けているのが実情だ。空回りな発言も目立ち、20人の推薦人確保ができるかどうかも不透明だ。安倍は意気軒昂だ。16日の読売テレビでは「まだまだやるべきことがたくさんある。北朝鮮の問題、拉致問題、これはやはり私自身の責任で解決をしなければならないという強い使命感も持っている」と政権維持に強い意欲を表明している。そして最終決断の時期については味な発言をした。「東京近辺のセミの声がうるさいと感じられるようになってきたら」だそうだ。もっとも、考えてみればこの発言は事実上の出馬表明にほかならない。

「米朝共同声明」では北朝鮮の核を廃絶できない   
投稿者:加藤 成一 (兵庫県・男性・元弁護士・70-79歳)  [投稿履歴]
投稿日時:2018-06-19 12:58 [修正][削除]
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4179/4182
 米国のトランプ大統領と北朝鮮の金正恩労働党委員長は6月12日シンガポールで史上初の米朝首脳会談を行い、共同声明に署名した。共同声明の骨子は、(1)金正恩委員長は朝鮮半島の完全非核化を約束(2)トランプ大統領は北朝鮮の安全を確約(3)米朝は朝鮮半島で持続的な平和体制を築くため努力(4)長年にわたる緊張状態や敵対関係を克服(5)米朝高官による交渉継続(6)戦没米兵の遺骨収集に協力、となっている。しかし、米国政府が求めた「完全且つ検証可能で不可逆的な非核化」(CVID)の合意はされなかった。これは今後の「非核化」交渉のうえで重大な障害になるであろう。

 上記の合意がされなかった理由は、北朝鮮にはもともと「非核化」の意思が全くないからである。すなわち、北朝鮮は「水爆実験」を含む6回に及ぶ核実験と米国を射程に収める長距離弾道ミサイルを含む多数回にわたるミサイル発射実験により、核・ミサイル開発技術をほぼ完成し、現に核爆弾と中・長距離弾道ミサイルを保有する「核保有国」である。したがって、北朝鮮にとっては今回の米朝首脳会談は核保有国同士の「対等」の交渉であるから、「米朝共同声明」のいう「朝鮮半島の完全非核化」とは、米国との首脳会談を実現し米国からの軍事的攻撃を免れるための方便としての単なる「スローガン」に過ぎず、「核保有国」の地位を放棄するものではあり得ない。その証拠に、翌日の朝鮮中央通信などは、非核化は「段階別、同時行動の原則との認識で一致した」と報道している。「段階別、同時行動の原則」とは、言い換えれば「非核化」を最大限引き延ばして、結局実行しないということであり、「非核化」を拒絶する絶好の口実になる。

 このように、もともと北朝鮮には「非核化」の意思が全くないから、今後北朝鮮がすべての核関連施設の申告、開示、破壊、検証や保有するすべての核爆弾、中・長距離弾道ミサイル等の申告、開示、破壊、検証、並びにこれらを担保するIAEA(国際原子力機関)による全面的査察を受け入れることは到底あり得ない。今回の「米朝共同声明」においても「検証可能」の合意も「不可逆的」の合意も一切されていない。今回の米朝首脳会談の結果、北朝鮮は「体制の保証」を得て当面米国からの軍事的攻撃を免れることに成功した。今後は当分の間、核実験やミサイル発射実験を自制するであろうが、「核保有国」としての地位は揺るがず、自国の経済発展に専念できる時間的余裕を手にした。今後「非核化」を実行しない北朝鮮によって、早晩トランプ大統領による今回の米朝首脳会談の「失敗」が明らかになるであろう。その場合は米国による軍事的選択肢しか残されていないが、韓国や中国はこれを阻止するであろう。

 日本政府としては、今回の米朝首脳会談の結果について、米国と引き続き緊密に連携し、北朝鮮に対し「非核化」の実行と「拉致問題」の解決を迫っていくべきであるが、それと同時に、依然として「核保有国」の北朝鮮のみならず、急速な軍拡を続ける核保有国の中国をも見据えた中長期的視点からも、防衛費の増額など日本の安全保障体制の一層の強化を怠ってはならない。

日米同盟を基軸とした多国間主義へ   
投稿者:四方 立夫 (東京都・男性・エコノミスト・60-69歳)  [投稿履歴]
投稿日時:2018-06-18 15:52 [修正][削除]
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 初の米朝会談は金正恩委員長の勝利に終わった。北朝鮮は従来の合意よりも緩やかな“denuclearization of the Korean Peninsula”の約束をしただけで、トランプ大統領より“security guarantees”を得、さらに米韓合同軍事演習の中止、並びに在韓米軍の縮小~撤退に関する発言まで引き出した。「日米韓を中心に世界が結束して北朝鮮によるCVID(Complete, Verifiable, Irreversible Dismantlement)が達成されるまで最大限の圧力を掛け続ける」はずが、肝心の米国が最も融和的な姿勢に転じたことは、トランプ政権が「中間選挙ありき」で安全保障に関する意識が低いことの現れに他ならない。直前に開催されたG7では、トランプ大統領は一旦合意した首脳宣言を、その後のトルドー首相の記者会見に激怒して反故にし、自由貿易を堅持するはずのG7の分断と共に、トランプ政権の同盟国軽視を世界に印象付けることとなった。同時期に開催された上海協力機構が反保護主義を掲げた共同宣言を発表したことと対照的である。

 トランプ大統領は大型減税、エルサレムへの首都移転、イラン核合意離脱、など続々と選挙公約を実行し、史上初の米朝首脳会談によりコアな支持者に加え新たな支持者も増え支持率は上向いている。また、トランプ大統領は、民主共和両党の絶大な支持を得て就任したモラー特別検察官に対しても批判を強め、嘗て同氏を支持した共和党員もトランプ大統領の支持率上昇を見て批判に転じ、民主党には今もトランプ大統領に対する有力な対抗馬がいないことから、トランプ大統領が現在の任期を全うし、更に2期目に突入する可能性も否定できない。一方、中国がAIIBを設立し、一帯一路を推進し、その影響力を広くインド太平洋、ユーラシア、そしてアフリカ、中南米へと急速に拡大させていく中で、欧米各国のみならず中国の借款の受恵国からも強い警戒感が発せられている。我が国としては、日米同盟の強化を図る一方、従来必ずしも緊密とは言えなかったEUとの関係を強化し、カナダ、オーストラリア、等の自由主義国と密接に連携していくことが肝要である。

 米国のTPP離脱後、我が国がリーダーシップを発揮してTPP11の合意に達し、更に日EU・EPAにも合意したことは日本外交の勝利である。現在TPP11にはタイ、インドネシア、英国、などが参加に意欲を示しており、メガFTAsを構築して中国の一帯一路と対峙していくことは、経済面のみならず安全保障の面においても極めて重要である。本来かかるメガFTAsの最大の受益者たりうるのは、戦後自由貿易を推進しそのルールを構築してきた米国であり、そのことは米国の経済界、農業界、等が熟知していることである。トランプ政権に対してはかかる「実利」を目に見える形で提示し、米国産品の輸入増加等により米国の貿易赤字削減に協力し、「多国間合意の方が2国間合意よりも米国にとって有利である」ことを数値をもって明示することにより、米国をメガFTAsに引き戻すことが喫緊の課題である。

 中西新経団連会長は「民間経済外交の多面的展開と国際的な発信力の強化」を訴えているが、トランプ政権に対する従来の政府間の交渉に加え、民間の経済団体、産業界、農業界レベルで米国のカウンターパート並びに上下両院に対し、EU、カナダ、オーストラリア、等と協働して働き掛けることが有効である。反故にされたとは言えG7においてトランプ大統領が「シンゾーまとめてくれ」と発言し、一度は首脳宣言合意に漕ぎ着つけたことは、日本が今後米国と欧州並びにアジア太平洋諸国との「架け橋」と成り得ることを示唆したものである。今後共より一層我が国が日米同盟を基軸としながら多国間主義を推進していくことが、日本のみならず世界の平和と繁栄に寄与するものである。

新たな外国人労働者の受け入れについて   
投稿者:船田 元 (東京都・男性・衆議院議員(自由民主党)・60-69歳)  [投稿履歴]
投稿日時:2018-06-16 14:06 [修正][削除]
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 政府は来年度の経済財政運営の指針「骨太方針」の素案に、外国人労働者の受け入れ拡大に向けた新たな在留資格の創設を盛り込んだ。少子高齢化や人口減少の影響などで、2025年ごろまでに50万人超が不足すると言われている我が国の労働力を、新制度により補充しようという目論見である。既に長年にわたる技能実習制度によって、外国人労働者を一定の条件を付けて受け入れてはいたが、職種が限定された上に、在留期間も3年に限定。家族の受け入れも出来ないなど、使い勝手が悪かった。政府はその在留期間の延長や撤廃などで急場を凌ごうとしたが、これだけでは到底将来の労働力不足を補う事ができないとして、新制度創設に踏み込んだ。

 新制度の設計は今後の検討に委ねられるが、これまでの制度よりも職種を拡大して、建設業や農業、介護などにおいて、技能をあまり必要としない分野にも受け入れること。また日本語の能力検定でもN4、すなわち日常会話が理解できる程度のレベルでも認めるようだ。将来は家族の受け入れも認めていくという。また一定の条件をクリアすれば在留期間も制限を設けないことが検討されている。

 しかしこのような新制度を創設する場合に、ドイツの失敗例をしっかりと踏まえなければならないだろう。西ドイツでは1970年代の経済成長期に、トルコ人労働者を数十万人単位で受け入れた。その際の資格審査が甘かったために、治安が極端に悪くなり、都市部にはあちこちにトルコ人「ゲットー」が出現した。我が国ではこのような失敗を、決してしてはならない。

 具体的には、外国人労働者を地域社会の中で「生活者」として、きちんと受け入れることが求められる。受け入れ企業の負担による健康保険などへの加入も義務付けなければならない。我々の生活水準を落とさないために外国人労働者を受け入れるのだから、彼らの存在を地域社会が受け入れなければならない。彼らを「ひとりにしない」ことが何よりも大切である。外国人労働者受け入れの新しい制度を導入するには、我々日本人の意識改革と、思い切った制度改革が求められる。この覚悟がなければ、安易に彼らを受け入れることはすべきではない。我々にとっても彼らにとっても、不幸を招いてはならない。

トランプの「軍事演習中止」発言の浅薄さ   
投稿者:杉浦 正章 (神奈川県・男性・政治評論家・70-79歳)  [投稿履歴]
投稿日時:2018-06-15 06:23 [修正][削除]
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 群盲象をなでるというか、百家争鳴というか。トランプと金正恩の会談をめぐって議論が百出している。その理由はトランプが「詰め」を怠った結果だ。アバウトで危うい「合意」が、混乱や困惑を世界中にまき散らしていることをトランプ自身も分かっているのだろうか。首相・安倍晋三も金正恩との首脳会談を実現し、極東の安全保障を確立させるための直接対話を実現させるべきだが、それには拉致問題の成果もある程度見通せるようになる必要がある。日米は非核化で北朝鮮から大きな譲歩を引き出せない限り、軍事的な圧力を弱めるべきでないことは言うまでもない。トランプの高揚感は、自己顕示欲もともなってすさまじい。会談後「金委員長と私はたった今、共同声明に署名した。彼はその中で『朝鮮半島の完全な非核化への揺るぎない決意』を再確認した」と、記者会見で“成果”を強調した。「われわれはまた、合意実現のためできるだけ早期にしっかりした交渉を行うことで一致した。彼(正恩氏)がそれを望んでいるのだ。今回は過去とは違う。一度もスタートすることなく、それゆえやり遂げることもなかった政権とは違う」と述べた。どうもトランプは過去の政権との比較を臆面もなく持ち出す傾向が強いが、オバマをはじめ歴代大統領なら、現状に合わせた対応は当然している。トランプこそ唯我独尊の露呈を戒めるべきだ。

 トランプと金正恩が決めた合意文書自体は「朝鮮半島の平和と繁栄に貢献する」ことを約束し、「トランプ大統領は(北朝鮮に)安全の保証を提供することを約束した」となっている。極めて大まかな合意である。金正恩の述べた「朝鮮半島の完全な非核化への揺るぎない決意」は立派だが、その非核化の時期や方法、具体的な対象についての細部は文書に存在しない。トランプは記者会見でこれを「時間がなかった」せいにした。だが、極めて重要な意味を持つのはその細部なのだ。というのも過去に米政権が細部を詰めなかった結果、北朝鮮は何度も約束をほごにしてきた。北の「やらずぶったくり」路線は、毎回成功してきたのだ。合意文書には、正恩がトランプの主張する内容を確実に実行することを示す部分はほとんどない。会談での譲歩に加えて、トランプは米韓軍事演習を「ウォーゲーム」と軽視するかのような発言をして、交渉が順調に進んでいる間は中止する意向を表明した。北が「極めて挑発的」と非難を繰り返してきた演習は、裏を返せば効果があるのであり、独断で中止してしまえるようなことではあるまい。「会談後最初の重大かつ一方的な譲歩」(ウオールストリートジャーナル)を行ったのだ。

 非核化の道筋すらおぼろげなのに、クリヤーカットに軍事演習中止の「見返り」を与えてしまうとは恐れ入った。欧米メディアは非核化の具体的な手法や期限が決められなかったことについて懸念する見方が多い。トランプは「ウオーゲームの中止で、カネを大幅に節約できる。ウオーゲームは挑発的だ」と述べている。ここでカネの節約を言うとは商売人根性丸出しで、安全保障の重要性を理解していない。まるでベニスの商人のごとく、方向性を間違っている。米韓軍事演習は北朝鮮に対する圧力のシンボルであり、これが実施され、米軍の装備が白日の下に照らされるからこそ、北が南進を思いとどまってきている現実を分かっていない。日本に関係の深い拉致問題については国務長官ポンペオが「大統領は複数回にわたって取り上げた。拉致家族の帰国のための北朝鮮の義務を明確に伝えた」と言明した。トランプに対して金正恩は「分かった」と述べたと言われる。しかし金正恩が具体的な反応をした形跡はない。トランプは安倍との電話協議で「金委員長は日朝会談にオープンだ」という趣旨の説明をしたという。

 政府は北朝鮮の動向を慎重に見極めながら交渉の機会を模索する方針であり、政府部内には早ければ7月か8月の首脳会談もありうるとの見方がある。夏がない場合、9月にロシア・ウラジオストクで開かれる「東方経済フォーラム」に金正恩が出席すれば、安倍との会談を実現させる構想もあるようだ。実現すれば2004年の小泉純一郎訪朝以来となるが、安倍は金正恩との会談について「ただ話しをすれば良いのではなく、問題解決につながる形で実現しなければならない」と、慎重な姿勢であり、情勢を見極める構えだ。拉致問題は被害者家族にとっては極めて重要だが、まずは極東安保という大事を最優先させ、その結果として拉致問題の解決につなげることが重要だろう。安倍が発言したように日本は拉致問題に関しては「主体的」に対応するしかない。

これが「初の歴史的会談」の成果か   
投稿者:鍋嶋 敬三 (神奈川県・男性・評論家・70-79歳)  [投稿履歴]
投稿日時:2018-06-13 09:55 [修正][削除]
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4175/4182
 鳴り物入りで開かれたシンガポールでの米朝首脳会談(6月12日)は北朝鮮による「完全で検証可能、不可逆的な非核化(CVID)」への具体的なプロセスを示すことのない政治的ショーに終わった。北の核は期限を定めないまま残る。米朝共同声明では、金正恩朝鮮労働党委員長が「朝鮮半島の完全な非核化への決意」を確認する一方、最も重視した「体制の安全の保証」を声明に入れることに成功、米国からさらなる軍事的圧力を受けずに行動できる実を取ったのである。秋の中間選挙を前に歴史に残る実績を誇示したいD.トランプ大統領は共同声明を「重要で包括的な文書」と自賛したが、肝心のCVIDの言葉も、非核化の検証措置や期限などの工程表も世界に示すことができなかった。これでは4月の南北首脳会談の板門店宣言の「焼き直し」である。

 米朝会談に臨む米国の基本方針について、金氏と直接交渉してきたM.ポンペイオ国務長官は前日の記者会見で、その後の難しい交渉の「枠組み(framework)」作りと位置付けていた。長官は会談に先立つテレビインタビューでも「大統領は非核化と引き替えに北朝鮮に体制の保証および政治関係を提供する用意がある」ことを明らかにしており、共同声明のエッセンスは明確になっていた。しかし、その「非核化」の対象が「北朝鮮」ではなくて「朝鮮半島」へと変わったことについて、同長官は「政策の変更ではない」と否定したものの、踏み込むことを避けた。トランプ大統領も首脳会談後の記者会見で「CVID」の文言が共同声明に入らなかったことについて問われ「時間がなかったからだ」と釈明したが、「CVID」こそが交渉の核心であったのであり、大統領の言い訳は「北朝鮮の非核化」にかける米国の真剣さに疑問を投げかけるものだ。

 米朝首脳会談を前にポンペイオ長官は大きなテーマとして、体制の保証、政治関係の設定、非核化の3段構えで望む米国の方針を明らかにしていた。しかも、非核化と将来の日韓中3カ国による対北経済援助についても「密接に関連し切り離しは困難」とまで述べている。つまり米朝間の事前交渉では非核化(内容は別として)を前提に米朝国交正常化と日中韓による経済援助までも絡めた包括的な交渉方針があることをうかがわせる。それにもかかわらず、金氏が最も欲しがっていた「体制の保証」は明文化され、CVIDは置き去りにされた。トランプ大統領は首脳会談の前に早々と伝家の宝刀の「最大限の圧力」を放棄してしまった。これが「究極の目標」(ポンペイオ長官)であるCVIDが共同声明に書き込まれなかった背景にあることは明らかだ。同長官らによる第二段階の米朝交渉は難航を極めるに違いない。

 米朝首脳会談の後に何が残ったのか。米本土、グアム、そして日本本土を射程に収める中長距離の弾道ミサイルと核兵器は温存されたまま、北朝鮮の軍事的脅威は維持され日本はもちろん北東アジア、世界に至るまで極めて不安定な安全保障の環境が残される。トランプ大統領自身が北朝鮮がいたく嫌う米韓合同軍事演習の中止や在韓米軍縮小にまで言及するようでは、北朝鮮に対して軍事的圧力を高めることはもはや政治的に困難になってしまった。最高指導者のためピョンヤンからシンガポールまで中距離の航空機を飛ばすこともできず、航空戦力の貧弱さを露呈した北朝鮮は対米戦争の軍事能力を持ち合わせていない。北朝鮮の後ろ盾になり、金氏に要人用の専用機を提供した中国は北に対する影響力をさらに強めるべく、早くも国連安全保障理事会の制裁決議を緩めようと動き出した。日本としては国連や各国独自を問わず制裁措置を緩めず、国際社会全体としての外交圧力を維持するよう日米、日米韓をはじめ東南アジアや欧州諸国にも働き掛けて、北朝鮮が完全に核兵器を放棄するまで強力な制裁継続の必要性を訴える外交努力を一層強めることが必要である。

大山鳴動ネズミ一匹の米朝未完会談   
投稿者:杉浦 正章 (神奈川県・男性・政治評論家・70-79歳)  [投稿履歴]
投稿日時:2018-06-13 07:02 [修正][削除]
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4174/4182
 トランプは口癖の「素晴らしい」を繰り返すが、どこが素晴らしいのか。会談したこと自体が素晴らしいのか。それにしては、「北の壁」ばかりが目立つた未完の会談であった。金正恩は米朝共同声明で「完全な非核化」を約束したが、具体的な非核化の範囲や工程や期限への言及はなかった。これでは、歴代北朝鮮トップによる「約束反故の歴史」を誰もが思い起こさざるをえないだろう。トランプは会談の“成果”に胸を張るが、その内容は会談したこと自体に意義がある程度にとどまりそうだ。要するに北朝鮮の核兵器廃棄への工程はほとんど示されず、非核化のタイミングや検証方法は今後の交渉に委ねられることになった。会談を受けてトランプは北朝鮮への経済的支援については、「米国が支出すべきだとは思わない」と主張し、「遠く離れている米国ではなく、日本や中国、韓国が助けるだろう」と、経済援助をたらい回ししたい口ぶりだが、会談結果から見る限り日本はおいそれと「経済カード」を切れる状態でもあるまい。

 まず米朝合意文書に書かれた文言は、4月に開催された韓国と北朝鮮の南北首脳会談で署名された内容をコピーしたかのようであり、北朝鮮による核・ミサイル実験の凍結に関しても明文化されなかった。米国が6カ国協議を通じて主張してきた非核化の原則である「完全かつ検証可能で不可逆的な非核化(CVID)」の文言がない。休戦から65年にわたる敵対関係と20年あまりにわたる核武装路線に終わりを告げる文言が、合意に至らなかったことを意味する。北が核武装を放棄する意思がないことを物語っている。トランプはCVIDが合意に至らなかったことを記者団から突っ込まれて「時間がなかった」と弁明したが、焦点の問題を時間のせいにするのはおかしい。合意文書は「朝鮮半島の完全な非核化」と表現しただけで、北朝鮮の非核化をいかにしていつまでに成し遂げるのかという、首脳会談最大のテーマは、盛り込まれなかった。非核化の時期と検証方法も不明のままだ。検証可能と不可逆的という言葉なしに、北の核武装に歯止めをかけようとしても無理がある。さらにトランプの主張の核心であった「朝鮮戦争終結」の宣言も合意文書にはない。朝鮮戦争で米朝が戦火を交えて以来のトップ会談であり、宣言には事実上終結している戦争を再確認する意味合いがあるが、盛り込まれなかった。さらに北朝鮮による核・ミサイル実験の中止の明文化もなかった。核・ミサイル実験場の閉鎖にも言及していない。多くの課題が、先送りされ、具体性に欠けた会談であったことを物語る。要するに大山鳴動してネズミ一匹の感が濃厚なのである。トランプにしてみれば秋の中間選挙へのプラス効果が出れば良いのだ。

 一方金正恩は、会談から多くのポイントを稼いだ。合意文書では金正恩体制をトランプはギャランティーという表現で保証した。特異な社会主義体制を敷く金王朝を、自由主義の雄であるはずの米国が体制保証するという奇妙な会談となった。今後金正恩が体制の正当性を世界に喧伝し、国際的な孤立から離脱する材料に使うことは言うまでもない。加えて米韓軍事演習の見直しや在韓米軍の削減にトランプが言及したことは、金正恩にとって大きな成果であった。しかし、ことは極東の安全保障に関する問題である。重要な同盟国である日本にろくろく相談もなく、安全保障に関する問題を軽々に発言するトランプのセンスを疑う。拉致被害者の問題については、首相安倍晋三の要望に応じて、トランプが金正恩との会談で言及したが、単なる言及にとどまったようである。もともと拉致問題は日本政府が解決すべき問題であり、安倍が「日本の責任であり、日朝間で交渉する」と述べている通りである。

 日本外交の真価が問われるのはこれからであるが、かくなる上は北との関係正常化を推し進め将来的には、国交正常化を視野に入れるべきであろう。正常化して、経済的な結びつきを強めることにより、北の暴発は抑えられる可能性が高い。拉致、核、ミサイルが国交正常化の前提条件だが、棒を飲んだような姿勢でなく、緩急自在の姿勢で日朝首脳会談の開催を視野に入れるべき時だろう。トランプはまた、国務長官マイク・ポンペオと大統領補佐官ジョン・ボルトンが来週、合意の「詳細を検討する」ため北朝鮮当局者と協議する予定だと述べている。またトランプ自身も「また会う、何度もだ」と延べ、金正恩をホワイトハウスに招待する意向も示した。「恐らく再度の首脳会談が必要になる」と語った。トランプ自身も会談の不十分さに気付いているのかも知れない。

メディアのトランプ外交の報道に疑問を感じる   
投稿者:赤峰 和彦 (東京都・男性・自営業・60-69歳)  [投稿履歴]
投稿日時:2018-06-12 19:40 [修正][削除]
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4173/4182
 メディアや評論家らは、執拗にトランプ外交を批判し、暗に失敗さえ期待する声が見受けられます。既存の政治的価値観や政治の慣習にとらわれている人たちには、トランプ大統領の外交手法が奇異に見えて仕方がないようです。しかし、彼らは、安全な場所の上に立ちながら、変化を嫌うので、彼らの思考を超えたトランプ大統領の行動を理解することは難しいように思います。トランプ批判の殆どは、自分たちの主張を受け入れてくれないトランプ大統領への怨嗟に基づくものではないでしょうか。

 その一方、米メディアがトランプ大統領を批判する理由の一つには、中国マネーで汚染された一部メディアの存在があります。彼らは、対中強硬路線をとるトランプ大統領に対して、妨害工作を行っています。人格攻撃を行い、世論を反トランプに誘導させようとしているのはそのためです。しかし、その効果は薄く、米国民の意識はトランプ大統領の独特で型破りなスタイルに戸惑いを見せているだけのように感じます。

 トランプ大統領が「型破り」と評される理由に、自分の考えを貫き通す意思の強さがあるように思います。彼の特徴は、「新しい秩序を形成するために既成の秩序を壊すこと」が自分の使命だと考えていることです。時代の潮流や人々の政治意識が大きく変わる時代の前には、必ず変革者が現れ、古い秩序を壊し、新しい秩序の構築をはかっています。そうした人物にトランプ大統領は自らを重ね合わせているのではないでしょうか。例えば、ヘレニズム文明の礎を築いたアレクサンダー大王、中国大陸を統一して中央集権国家の形態をつくった秦の始皇帝、ローマ帝政の基礎を構築したジュリアス・シーザー、そして、アンシャンレジュームを崩壊させ、政治を市民の手に届くところまでもたらせたナポレオンなどがあげられます。トランプ大統領は彼らと同じことをしています。激しい批判の中でも、ことを成し遂げようとしているのはそのためではないでしょうか。

 トランプ外交を論じるにあたっては、従来のメディア情報に加えて、トランプ大統領自身が発するツイッターにもアンテナを張り、今、トランプ大統領が何を考えているのか、その考えを知ることも大切だと思います。その際、トランプ大統領の考え方の基本には、安倍総理の「自由で開かれたインド太平洋戦略」があるので、安倍総理の外交発言を確認することも必要ではないでしょうか。

今後の日露関係の進展に必要なこと   
投稿者:飯島 一孝 (東京都・男性・ジャーナリスト・60-69歳)  [投稿履歴]
投稿日時:2018-06-09 10:45 [修正][削除]
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4172/4182
 安倍晋三首相とプーチン大統領による日露首脳会談は5月26日深夜、モスクワのクレムリンで行われたが、北方領土交渉での進展ばかりか、共同経済活動の具体化も進展がなく、無駄骨になったと言っても過言ではない。安倍首相にとってはプーチン氏と21回目の会談になるが、平和条約交渉の先行きは全く見通せないのが偽らざる現実といえよう。安倍政権はプーチン氏との個人的な信頼関係を足場に、プーチン氏が領土問題解決に踏み切ることを期待して首脳会談を重ねてきた。特に今回は、プーチン氏が大統領選で通算4選を果たした直後だけに、領土問題で思い切った政治決断を行うのではという甘い期待があったが、見事期待を裏切られた。世界を相手に強面外交を演じているロシアが、そんな甘い考えに乗るわけがなく、政権内部からも「前のめりになりすぎた」との声が出ているという。

 こうした結末は、5月25日に外国通信社代表団と会見したプーチン大統領の発言から十分予想できたはずだ。日露平和条約締結の見通しを質問した記者に対し、最初は「我々は相互に受け入れ可能な譲歩を見つけられるよう試みてゆく」と切り出しながら、具体的な解決策に触れると「どのようになるかは現時点では述べられない。それを話せるのなら、もう(平和条約に)署名しているだろう」と突き放した言い方をした。もはや、問題解決への意欲も期待も持っていないことを暗示した発言とも受け取れる。

 現に安倍政権が平和条約締結の突破口と位置付けている、北方領土での経済共同活動の前提になる「特別な制度」導入問題が一歩も進んでいないことからも明らかだ。このため、活動の重点5項目に挙げられたウニ養殖やイチゴ栽培の事業化も具体化までには至らなかった。記者会見で安倍首相はこの問題について「新しいアプローチのもと、平和条約に向け着実に前進する決意をした」と述べたが、単なる日本側の期待にすぎない。こうした期待をいつまでも国民の前にぶら下げて、世論をミスリードしていく手法はもうやめたほうがいいだろう。むしろ、いま日露の首脳が真剣に討議すべきは北朝鮮を中心とするアジア・太平洋の安全保障をどうするかだろう。こちらの問題についても両首脳は話し合ったというが、これまでの双方の立場を述べ合っただけといえなくもない。

 今安倍首相が問われているのは、誠実な言葉で政治・経済などの状況を国民に説明することだ。それをせずに、口先だけで誤魔化す発言をしているから、森友・加計問題などが沈静化するどころか、国民の不満が高まるばかりなのではないか。少なくとも「(我々は)一点の曇りもない」「政治を捻じ曲げるようなことは一切していない」などという無責任な発言は、今後一切して欲しくない。

シンガポール会談はプロセスの出発点   
投稿者:杉浦 正章 (神奈川県・男性・政治評論家・70-79歳)  [投稿履歴]
投稿日時:2018-06-09 06:36 [修正][削除]
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 12日の米朝首脳会談で最優先となるのは、安全保障と引き換えに、北朝鮮の朝鮮労働党委員長金正恩に核兵器開発を放棄する用意があるという確約をとりつけることだろう。事態は戦争勃発以来70年ぶりの「朝鮮戦争の終結宣言」に向かう。拉致問題はトランプが取り上げる方向だが環境整備にとどまるだろう。安倍自身が金正恩との直接会談で話し合うしかない。トランプはシンガポール会談を、「複数の首脳会談へのプロセスの出発点」と位置づけており、解決は長期化するだろう。シンガポール会談では終戦宣言を発出することで一致するだろう。しかし、具体的には当事国が米朝に加えて中国、韓国の4か国による調印となる必要があるから、早くても秋以降となる可能性が高い。トランプも「シンガポールでは戦争終結に関する合意で署名できる」と述べている。1950年に始まった朝鮮戦争は53年に米国と北朝鮮、中国によって休戦協定が結ばれたが、平和協定が締結されていないため、現在も法的には戦争が継続状態となっている。

 4月27日の韓国と北との板門店宣言では「今年中に終戦を宣言、休戦協定を平和協定に転換して恒久的で堅固な平和体制の構築に向けた南北米の3者または南北米中の四者会談を開催する」方針が確認されている。北の非核化で米国が理想とするのは南アフリカの例だ。南アは1989年のF・W・デクラーク大統領の就任後、自主的に6つの核兵器を解体。核不拡散条約(NPT)に加盟し、自国施設に国際原子力機関(IAEA)の査察団を受け入れた。北朝鮮の場合には、兵器や技術が隠されている可能性があり、北が申告した施設だけでなく大々的な査察が必要になる。ただ金正恩は「段階的かつ同時的」アプローチを呼び掛けており、そこに北のトリックがあるという見方もある。北朝鮮が核兵器放棄を正直に進めるのか、可能な限り非核化を先延ばしする“策略”なのかは分からないからだ。過去の例から見れば信用出来ない最たるものなのだ。

 トランプは秋の米中間選挙に北朝鮮問題を結びつけようとしていることが歴然としており、そのための象徴となるのが「朝鮮戦争の終結宣言」となることは間違いない。まさにこれといった成果のないトランプにとって、北朝鮮問題はアピールするにうってつけの材料だが、事実上終結している戦争終結を改めて宣言しても、米国のマスコミが成果として認めるか疑問だ。日本にとって核問題と並んで重要なのは拉致問題だが、トランプと金正恩との会談での優先順位はどうしても非核化に置かれるだろう。おそらく金正恩もそれを見抜いており、従来の「解決済み」との方針から離脱するのは難しいかも知れない。4月29日に韓国大統領文在寅は安倍に電話で「金正恩委員長は日本と対話の用意がある」と伝えてきたが、北との融和の過程としての日朝首脳会談は極めて重要なものとなることは確かだ。なぜならトランプがたとえ拉致問題を取り上げても、それは「交渉」にはなりにくいからだ。交渉はあくまで日朝間で行うことになる。トランプは「拉致問題が解決すれば日朝関係が劇的に変わる」と述べているが、これは3人の米国人の解放と米国の変化を重ね合わせたものだろう。安倍もその辺は認識しており、「最終的には金正恩委員長との間で解決しなければならないと決意している」と述べている。

 一方経済問題が密接な関わり合いを持つが、国務長官ポンペオは、「経済支援は北朝鮮が真の行動と変化を起こすまであり得ない。日本による経済支援も同じだ」と述べており、一挙に経済支援に結びつける方針は示していない。安倍も「国交正常化の上で経済協力を行う用意がある」とクギを刺している。しかし、最終的には日本の経済支援を、北朝鮮ばかりか米国も当てにしていることは間違いないことだ。総書記金正日が日本人拉致を認めた2002年には、首相小泉純一郎が、北朝鮮に100億ドルを支払う構想があったが、実現していない。気をつけなければならないのは北による“やらずぶったくり” であろう。

米、インド太平洋の安保網構築目指す   
投稿者:鍋嶋 敬三 (神奈川県・男性・評論家・70-79歳)  [投稿履歴]
投稿日時:2018-06-07 12:22 [修正][削除]
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 アジアの二大緊張要因は北朝鮮の核・ミサイル脅威と中国による南シナ海の軍事化である。シンガポールで6月1日から開かれたアジア安全保障会議(シャングリラ対話)の主要テーマは当然ながらこの二つに集中した。インド洋と太平洋に挟まれた東南アジアの要衝であるこの都市国家は奇しくも6月12日、初の米朝首脳会談の開催地に選ばれ、世界の耳目が集まっている。「米朝」の行方はアジアの安全保障の将来に大きな影響を与える歴史的な意味を持つことになった。米国のD.トランプ政権はインド太平洋地域の安全保障網(ネットワーク)構築に積極的に乗り出した。これを象徴するのがハワイに司令部を置く4軍統合の太平洋軍の名称を6月1日に「インド太平洋軍」と改称したことである。

 太平洋軍は米大陸西海岸の太平洋からインド洋まで広大な地域を守備範囲としており、改称後も作戦範囲に変化はない。しかし、「インド」を付けることによって米国の戦略的意図がより明確にされた。二国間同盟だけでなく3カ国、4カ国間の協力、さらに多国間の安保協力関係を築きつつある。米国は日本、韓国、オーストラリアなどとの軍事同盟強化はもちろん、かつては対戦国だったベトナムとも友好関係を回復した。J.マティス米国防長官はゴ・スアン・リック越国防相と会談(6月2日)したが、米側はベトナム戦争後初の空母寄港を歴史的進展ととらえ、米越防衛関係の強化で合意した。これに先立つインドネシアのリャミザルド国防相との会談(5月29日、ハワイ)では同国とマレーシア、フィリピン3カ国による海洋、航空パトロールをマティス氏が賞賛した。この背景にはもちろん、東南アジア諸国が中国と領有権を争う南シナ海情勢の軍事情勢の悪化がある。

 南シナ海のほぼ全域を「九段線」で囲い込み、「自国の領土主権」とする中国の主張はハーグの国際仲裁裁判所の判決で全面否定された。しかし、中国はこれを完全に無視、スプラトリー(南沙)諸島、パラセル(西沙)諸島の岩礁を埋め立てた人工島に長距離の滑走路や格納庫を建設、軍事基地化した。最近では地対空、地対艦ミサイルの配備、戦略爆撃機の離着陸訓練を実施した。中国の戦略的な狙いは第一列島線(南西諸島からフィリピン)、次いで第二列島線(伊豆諸島から米領グアム島)へと進出して西太平洋から米軍を追い出すことだ。南シナ海においては「領土」の「実効支配」に向けて着々と実績を積み重ねている。米国はこれに対して「航行と飛行の自由作戦」を実施、最近もミサイル駆逐艦2隻を領海にあたる12カイリ以内の航行を実施(5月27日)、さらにグアム島からB52戦略爆撃機を派遣した(6月4日)ものの後手に回っている感は否めない。

 米国は東南アジア諸国連合(ASEAN)との安保関係強化に力を入れてきた。マティス米国防長官はシンガポールのリー・シェン・ロン首相やウン・エン・ヘン国防相との会談で同国空軍のグアム島での訓練の検討を約束した。米本土での訓練は既に長年の実績があるが、第二列島線のグアムでの訓練は中国をにらんだ時に意味がある。日米豪の3カ国国防相会談(6月3日、シンガポール)ではASEANへの強力な支援で一致した。3カ国はインド太平洋地域における協力で長期的な視野での戦略的行動方針の策定について合意した(米国防総省)。米国の安全保障問題専門家のP.クロ-ニン氏らは「ASEANは自由で開かれたインド太平洋の支柱」と位置付けて、急速に変化するアジア情勢の下、「米国が安全保障、外交、経済政策を含めた総合的な関与を深める最も重要な時だ」と訴えている(シンガポールのストレーツ・タイムズ紙)。これも日米豪の合意と軌を一にするものである。

トランプが北と文在寅の“術中”にはまる危険   
投稿者:杉浦 正章 (神奈川県・男性・政治評論家・70-79歳)  [投稿履歴]
投稿日時:2018-06-05 05:52 [修正][削除]
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4169/4182
 今朝の朝日の森友文書の扱いにはあきれた。一面から5面までを使って狂ったように報道している。なんとしてでも政局化して、倒閣に結びつけたい思惑を露骨に見せる異常さだ。極東情勢が緊迫化していることなどまるで眼中にない。平衡の感覚があるジャーナリストは朝日にはいないのだろうか。政府・与党はバランスを欠いた朝日の術中にはまってはならない。同じ術中でも、12日の米朝会談に向けてトランプが北朝鮮の術中にはまりそうな気配を見せ始めている。焦点の非核化をめぐって1回目の会談だけでは説得が困難との見地から、トランプは「12日が素晴らしいスタートになる」などと発言しはじめたのだ。韓国大統領文在寅も唱える北の段階的な核廃棄の対応に応じそうなのである。米大統領が最初から妥協に傾斜し、腰折れ気味ではその先が案じられる状態だ。そもそも米大統領が金正恩と度々会談するなどと言うことは、自らを安売りすることにほかならない。首相・安倍晋三は7日の日米首脳会談で、北朝鮮問題の現状をトランプに再認知させる必要が出てきた。
 
 米朝会談の焦点は日米が既に確認している「完全かつ検証可能で不可逆的な核廃棄」(CVID)へ、金正恩を説得出来るかどうかにかかっている。トランプは当初からこの方針維持を基本としてきたが、文在寅との会談から方針があやふやになりつつある。文在寅は金正恩との二度にわたる会談を通じて、北の「段階的な措置で合意すべきだ」との立場を受け入れている。段階的措置とは、非核化を一挙に進めず、いつでも核・ミサイル実験が可能な状態を維持することにほかならない。文在寅はもともと左派の大統領であり、加えて北と同一民族としての感情に流され、極東安保情勢という大局を見失っているのだ。文に吹き込まれたトランプも「段階的な措置」とは、北が米国との会談に向けて仕組んだ“罠”であることを知るべきなのだが、トランプはそれが分かっていないかのように唯々諾々と北の戦術を受け入れ兼ねない危うさがある。米大統領がだまされるとすればまさに3度目となる。米国は既に1990年代と2000年代の交渉で北から同様の提案を受け、これに応じたが、金一族は臆面もなく合意を反故にして裏で核・ミサイル開発を推し進め、ついに大陸間弾道弾とこれに積載する核爆弾の開発に成功しつつあるのだ。それに歯止めをかけなくてはならない時に、トランプは米国に届く核ミサイルだけにストップをかけ、日本を狙う200発の中距離ミサイル・ノドンについては言及しないままだ。トランプは国連による北朝鮮制裁決議が機能する前に、制裁の影響力を弱めてしまっているのが実情だ。

 金正恩が自らの体制が崩壊することを一番恐れている事は言うまでもない。体制維持のためには何でもするのが基本方針であり、その体制維持に不可欠なのは核ミサイルなのだ。核ミサイルがあってこそ、大国と肩を並べられるという小国の誇大妄想が、一貫して北の政策には流れているのだ。金正恩は、非核化を小出しにして、見返りの経済援助を得ようとしているのが実態だ。文在寅はこれにまんまとはめられているのだ。一方、もともと北を「緩衝国家」と位置づけている中国は、金正恩を“鼓舞激励”こそすれ、ブレーキをかけることなどしない。国際的にはきれい事を言っても、その実態は深層でつながっているのだ。ロシアも中国に同調している。南アフリカを訪れた中国の王毅、ロシアのラブロフ両外相は3日の会談で、朝鮮半島情勢をめぐり「引き続き協調を強化する」ことで一致している。中露は「段階的な非核化」など北朝鮮の主張をバックアップしており、北問題で結束を固めた。こうしたトランプの浅慮と中露の思惑を最大限活用して北は、三度(みたび)国際社会を欺こうとしていると受け取るべきだろう。こうした中でCVIDへの適切なる対応が何と言っても焦点となる。CVIDへの対応が不十分なままであれば北朝鮮が外交上の有利なポジションを得てしまう。CVIDは全面的な制裁実施が困難な事態を避けるための唯一の方法でもある。
 
 これに対して安倍政権の対応は、クリアーカットで適切である。安倍は「核武装した北朝鮮を日本は容認するわけにはいかない。圧力を高めて抜け道を許さない」と言明。官房長官菅義偉も「拉致、核、ミサイルといった諸懸案の包括的な解決なしに、北朝鮮との国交を正常化することはあり得ないし、経済協力も行わない」と断言している。安倍はこうした姿勢をトランプとの会談で繰り返し強調し、CVID堅持を中心にトランプの事態への認識を確たるものとさせねばならない。トランプは安倍とは盟友関係にあり、安倍の友情ある説得には耳を傾けるだろう。またトランプが、北が説得に応じた場合の見返りとなる経済援助について「韓国と日本には北への支援を準備すべきだと伝えた。支援は隣国の日中韓3か国が行うべき」と、ばか丸出しの論法を展開しているが、ことはそう簡単ではない。日本には拉致問題という重要課題が未解決のまま残っており、これを残したままの援助など極めて困難だ。トランプにはこのイロハを教えておく必要がある。国連を中心に援助をする状態が生ずれば米国も参加すべきことは言うまでもない。金を出さずに口を出すのはいただけない。 

人工知能と人間のあるべき関係とは   
投稿者:船田 元 (東京都・男性・衆議院議員(自由民主党)・60-69歳)  [投稿履歴]
投稿日時:2018-06-04 11:34 [修正][削除]
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 日本が生んだ世界の漫画家・手塚治虫さんの『火の鳥』を読んだ時、子ども心にもとても感動したことを覚えている。巨大な人工知能(AI)が支配する国家同士が戦争を引き起こし、人類滅亡直前まで行ってしまった話。AI搭載のロボットが人間社会にサボタージュし、集団自殺してしまった話など、当時は絵空事と思っていたが、昨今はあり得ない話ではないように思う。

 AIに関する技術開発は著しく、世界各国が競い合っている。AI自身が学んでいくディープラーニング、ビッグデータの分析による高度な処理技術、自動運転のレベルアップなど多岐にわたるが、我が国における課題は、AI人材の不足や社会実装に向けての制度的制約である。中国では北京郊外のある都市を、丸々自動運転技術の実験場とするなど、思い切った開発普及の手段を進めている。我が国でもAI特区や「サンドバッグ」と言われる手法を駆使しなければならない。またAI人材の育成には、文化系・理科系の垣根を乗り越えなければならない。

 一方、AIの開発と普及においては、必ずしもプラス面だけではないことにも、注意を払う必要がある。AIの進展に伴う技術的特異点(シンギュラリティ)が2045年頃に出現し、その時には今の仕事の半分がAIに取って代わられると言われている。労働力のスムーズな移動のための制度改善や、再教育の充実が不可欠となるだろう。さらに先ほど述べた『火の鳥』に描かれたような、AIと人間との関係を本気で心配しなければならないだろう。AIが学習することによって、自らが価値判断をしたり価値を創造することもあり得る。その際それらの価値と人間が作り出した価値のいずれを優先するのか、両者の衝突をどうすれば防げるか、ややSFの世界に踏み込むようだが、社会学、哲学、倫理学などの力を動員して、ルールを作っておく必要があるだろう。

 さらに深刻なのは、AIを搭載した新しい兵器が開発されることも考えられ、圧倒的な破壊力を持ってしまうかもしれない。世界の安全保障のために、AI兵器の禁止に関する国際的取り決めが必要となる時が必ず来るはずだ。人類がいつの時でも、AIをコントロール出来る状況を保つことが、極めて重要なことになりつつある。

迷走する米朝首脳会談   
投稿者:四方 立夫 (東京都・男性・エコノミスト・60-69歳)  [投稿履歴]
投稿日時:2018-06-01 11:36 [修正][削除]
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4167/4182
 米朝首脳会談が開催→中止→開催と迷走を続けている。中間選挙→大統領選挙→ノーベル賞を睨み是が非でも「歴史的快挙」を成し遂げたいトランプ大統領と、米国から「体制保障」を取り付け中国の後ろ盾を得て経済改革に邁進したい金正恩委員長の利害が、表面的には「一致」しているように見える。このままでは両氏が「朝鮮半島非核化という偉業」に合意したとされる「一大政治ショー」が展開され、国連を始め各国が「核戦争回避」を一時的にせよ歓迎することになり、既にトランプ大統領の支持率は42%余りに上昇し、早くも中国は「制裁緩和」に動き丹東では積極的な投資すら開始されている。

 過去約25年間に亘り同様の合意は幾度となく達成されては破棄されており、今や北朝鮮問題の専門家すら不十分なトランプ政権が結果的に再び「いつか来た道」を歩むことになり、たとえ米国本土を射程に入れたとされる未完成のICBMの開発が「中止/破棄」されたとしても、我が国を射程に入れた短中距離核ミサイルはそのまま残り、北朝鮮の経済が「発展」するとすれば、その分我が国の安全保障環境は悪化することになる。

 5月30日付の日経新聞にモゲリーニEU外交安全保障上級代表が寄稿している通り、今やEUとアジアは経済、文化、のみならず安全保障に関しても共通の利害関係を有しており、たとえ北朝鮮の核ミサイルが直接欧州に到達しなくても、その短中距離核ミサイルは中東を始めとするテロ組織乃至はその支援国家に輸出され、欧州にとっても直接の脅威である。

 トランプ大統領当選以来培ってきた「シンゾー・ドナルド」の関係に加え、広くEU、オーストラリア、カナダ、等との連携を強化し、北朝鮮がCVID(Complete, Verifiable, and Irreversible Dismantlement)を遅くとも2020年までに達成し、且つこれをIAEAが検証するまでは、同国に対する一切の制裁をいささかも緩めることが無いよう、再三に亘り確認しそれを公式に発表し続けることが肝要である。70余年に亘る日米関係に加え、新たにEU、オーストラリア、カナダ、等を始めとする自由主義世界の多国間主義が真価を発揮すべき時である。

野党質問は“冷め切ったピザ”だ   
投稿者:杉浦 正章 (神奈川県・男性・政治評論家・70-79歳)  [投稿履歴]
投稿日時:2018-05-31 06:29 [修正][削除]
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 イギリス議会における二大政党のクエスチョンタイムをモデルにして、日本でも1999年7月に党首討論が開始された。内閣総理大臣小渕恵三に対して民主党代表鳩山由紀夫が行った質疑が草分けだ。鳩山は「きょう総理は朝何を召し上がったでしょうか。私は、けさはピザを食べてまいりました」と質問。小渕は「いつものとおり日本食の食事をいたしてまいりました。温かいピザを食べられたということでありますが、アメリカのオルブライト国務長官から以前、冷たいピザもまたおいしいと言われたことがあります」と皮肉った。ニューヨーク・タイムズが取り上げて小渕を「冷めたピザ」と評したことから有名になった。30日の首相安倍晋三と野党の質疑を聞いたが、野党の質問は既に出た話しの繰り返しで「冷め切ったピザだ」やめた方がよい。とりわけ立憲民主党代表の枝野幸男の質問は、何ら進展のないモリカケ論争に終始した。従来と同じ質問を繰り返す枝野の姿勢には、「もういいかげんにした方がよい」という茶の間の声が聞こえるようであった。片山虎之助が「もう党首討論のあり方を全面的に見直した方がいい」と述べているがもっともだ。

 枝野は安倍が「贈収賄では全くない」と答弁したのをとらえて、「急に贈収賄に限定したのはひきょうな振る舞いだ」とくってかかったが、贈収賄でなければなぜ追及するのか。安倍も夫人も潔白が証明済みであり、贈収賄でもない事柄を性懲りもなく過去1年半にわたって繰り返し追及する方が、重要な国会論議という資源の無駄遣いをしているのではないか。枝野は「金品の流れがあったかどうか。森友問題の本質とはそういうことだ」と断定したが、大阪地検の捜査からも政界を直撃する問題は、何も出てきそうもないではないか。贈収賄があるがごとく国会で発言する以上、金品の流れの証拠を提示すべきだろう。

 枝野に比較すれば外交問題を取り上げた国民民主党共同代表の玉木雄一郎のほうが聞き応えのある質問をした。安倍からプーチンとの個別会談について「テタテでは平和条約の話ししかしていない」との答弁を引き出したのは1歩前進であった。総じて論戦は野党の焦点が定まらないため深まらず、開催意義そのものが問われる結果となった。当初は英国議会の例にならって2大政党の党首による政策論争を想定したが、現状は少数野党の分裂で、質問時間も立憲民主党19分、国民民主党15分、共産党6分、日本維新の会5分と細分化された。野党は自己宣伝が精一杯であり、まともな質問をしにくい傾向を示している。枝野は「追及から逃げるひきょうな姿勢」と「ひきょう」という言葉を何度も繰り返すが、こういう質疑の構図が生じたのはひとえに野党の議席減という自ら招いた結果であることを忘れるべきではあるまい。終了後、枝野はただ一ついいことを言った。「党首討論は歴史的意味を終えた」である。確かに与野党党首の真剣勝負の場は形骸化した。野党も分かっているなら開催要求をすべきではない。国会にはちゃんと予算委員会という総合質疑の場があるではないか。あれもこれもと要求しても、あぶはち取らずが関の山だ。

米朝会談へ向け動き急   
投稿者:杉浦 正章 (神奈川県・男性・政治評論家・70-79歳)  [投稿履歴]
投稿日時:2018-05-30 08:22 [修正][削除]
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 6月12日の米朝首脳会談に向けて鼎(かなえ)が煮えたぎってきた。ニューヨーク、板門店、シンガポールの3個所で接触が進展、大詰めの協議が展開されている。焦点は北が「非核化」にどの程度応ずるかにかかっている。米朝ともあきらかに首脳会談前に重要ポイントでの合意を目指しており、一連の会談の焦点は米国で開かれることが予想される労働党副委員長の金英哲と国務長官ポンペオの会談に絞られそうだ。まさに北朝鮮の金正恩は自らの体制維持、しいては国家の命運をかけた、選択を迫られつつある。 一連の会談を通じて米国は北に対して「核兵器の国外への搬出とともに、完全かつ検証可能で不可逆的な非核化(CVID)を完了すれば北の体制を保証する」との立場を伝達するものとみられる。さらに「北朝鮮のすべての核関連施設に対する国際機関による自由な査察を認め、全ての核を廃棄する」ことを要求。これに対して北は「米国が望むレベルの非核化を実現するには、米国の確実で実質的な体制の保証が必要だ」と金正恩体制の継続を要求するもようだ。また北は非核化に合わせた制裁緩和や国交の正常化などを要求しており、対立は解けていない模様だが、一方で融和の流れがあることは無視できない。金正恩の外交を補佐してきた金英哲は、おそらくニューヨークでポンペオと会談することになろう。北朝鮮の高官が米国を訪れ政府要人と会談するのは2000年に国防委員会第1副委員長趙明禄がクリントンと会談して以来のことだ。トランプが金英哲の訪米を明らかにしており、おそらく表敬訪問を受けることになるかもしれない。板門店では駐フィリピン米大使のソン・キムが外務次官崔善姫と会談して、首脳会談の議題を詰めた模様だ。

 こうした中で韓国大統領文在寅は「早期終戦宣言」の構想をトランプに伝えたようだ。同構想は米朝首脳会談後に韓国、北朝鮮、米国の3国で現在「休戦」状態にある現状を「終戦宣言」に持ち込もうと言うものだ。文在寅は「米朝会談が成功すれば南北米3か国首脳の会談を通じて終戦宣言を採択すれば良い。期待している」と言明した。文にしてみれば非核化をめぐって駆け引きが激化している米朝双方を説得するためのカードとして宣言を使いたいのだろう。文在寅がこうした軟化姿勢を取る背景には26日に予告なしで行われた南北首脳会談がある。この席で金正恩は「韓半島の完全な非核化の意思を明確にして、米朝会談を通じて戦争と対立の歴史を清算したい。我が国は平和と繁栄に向けて協力するつもりだ」と述べたという。仲介役の文に対してトランプは「金正恩氏が完全な非核化を決断して実践する場合、米国は敵対関係の終息と経済協力に対する確固たる意思がある」旨伝えているようだ。

 こうして米国は当面北朝鮮に対する制裁強化を見送る方針を固めた。米国はこれまでロシアや中国を含む約30の標的に対して大規模な制裁をする方針を固めていたといわれる。米当局者によれば、ホワイトハウスは当初29日にも北朝鮮に対する追加制裁を発表する予定だったが、首脳会談をめぐる協議が続く間は実施を延期することが前日になり決まった。こうした米朝和解ムードの中で米政界では慎重論が台頭している。前国家情報長官ジェイムズ・クラッパーは「北朝鮮は彼らの典型的な『二歩前進一歩後退』の行動様式を見せている。北朝鮮が考える『非核化』が太平洋での米軍戦略兵器の縮小を意味するということが心配だ」と懸念を表明した。また共和党上院議員のマルコ・ルビオは「金正恩朝鮮労働党委員長は、核兵器に病的に執着してきた。核兵器が正恩氏に今の国際的地位を与えた。これが北朝鮮の非核化を期待できない理由だ」と強調。元中央情報局(CIA)長官マイケル、ヘイデンは、「首脳会談の結果で北朝鮮のすべての核兵器をなくすことは不可能だ。トランプ氏は会談で不利益を被ることになるだろう」と見通しを述べている。さらに注目すべきは元在韓米軍司令官バーウェル・ベルは、「在韓米軍の撤収を目的に北朝鮮と平和協定を締結することは、『韓国死刑』文書に署名することと同じだ」と強く警告した。そして、「強大な北朝鮮軍兵力が非武装地帯のすぐ前にいる状況で米軍が去るなら、北朝鮮は直ちに軍事攻撃を通じて韓国を占領するだろう」と予測している。韓国大統領府は文在寅の金正恩との会談やトランプとの会談で、極東情勢が大きく前進したと判断し、和解への道筋が立った段階で米朝間の相互不可侵条約と平和条約の締結へと事態を進めたい気持ちのようだ。これが実現すれば極東情勢は大きく緊張緩和へと進展するが、北が狡猾にも世界を欺いてきた歴史は歴然としており、楽観は禁物だ。

米朝首脳会談の本質は対中戦略   
投稿者:赤峰 和彦 (東京都・男性・自営業・60-69歳)  [投稿履歴]
投稿日時:2018-05-29 16:01 [修正][削除]
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 6月12日の米朝会談の中止が発表されましたが、米朝首脳会談はさまざまな紆余曲折があろうとも開催されるのは明らかです。アメリカのトランプ大統領は力づくでも北朝鮮の非核化を実現しようとするし、北朝鮮の金委員長にとってはアメリカから「経済制裁の解除と体制維持の保障」の確約をしてもらうことが目的だからです。しかも、両国に共通しているのは、「目障りな中国の存在」です。アメリカにとってはパクス・アメリカーナを脅かす存在であり、北朝鮮にとってはいつまでも宗主国ぶる中国が邪魔で仕方がありません。反中は共通の利益なのです。

 さまざまな思惑があるなかで、アメリカは会談とその後で起きるであろうさまざまな局面を想定しています。5月16日に太平洋軍司令官のハリス海軍大将を韓国駐在大使に指名し、22日には、13隻中7隻が弾道ミサイルに対応できる最新のミサイル防衛能力を備えたイージス艦の横須賀基地への追加配備に注目すべきです。これらの意味するところは、米朝会談が決裂した場合の対北朝鮮戦略と、米朝合意がなされた場合の対韓、対中戦略の両方を考慮に入れているということです。すなわち、北朝鮮との話が上手く行かなければいつでも北朝鮮への攻撃体制に入ることを示し、米朝合意がなされれば、韓国の駐留米軍を縮小しつつ、中国への睨みを強化するシステムを構築しているということなのです。アメリカにとっての米朝会談は一つの通過点に過ぎず、その後に起きる東アジア情勢の変化を見越した上で、対中戦略を練っているのです。

 中国にとっては、北朝鮮の核弾頭が北京を狙っている以上、北朝鮮の非核化を強く望んでいます。しかし同時に、中国にとっては、米朝合意がアメリカ主導の下で達成され、北朝鮮がアメリカ側につくことになることは避けなければなりません。そのため表向きは、大国としての面子を保ち賛成のポーズを示していますが、裏では北朝鮮に食料や石油の援助をチラつかせては、米朝会談の妨害を図っています。現在、米朝会談の有無が取り沙汰されはじめたのはこのためです。ただ、早急な援助が求めている北朝鮮にとっては、中国の意図を承知の上で中国に同調するそぶりを見せていますが、米朝会談が実施されれば、瞬時に手の平を返すと思われます。

 アメリカが北朝鮮との対話を検討しはじめたのはトランプ政権になってからです。トランプ大統領は「民主主義や人権の尊重などを共有する国家との関係強化」という安倍総理の外交姿勢を基本的な外交基準にしています。そのためトランプ大統領は日米豪印によるインド太平洋戦略の構築を急いでいる最中です。一方、中国としては、一帯一路計画が包囲されるわけだから承服できないのは明らかです。したがって、中国は各種メディアを通じてトランプ叩きや安倍叩きをやらせて、米朝会談が不調に終るよう言論操作を画策しているのです。しかし、冒頭で述べたように米朝は共通の利益を優先させるので、米朝会談は必ず実施され、中国が最も恐れる米朝の友好関係が実現する可能性が高いと思われます。今後、国際社会の相関図は激変すると考えられます。私たちは、思惑だらけのメディアや評論に惑わされず、推移を冷静に見守っていく必要があると思います。

米朝交渉、大局観が肝要だ   
投稿者:鍋嶋 敬三 (神奈川県・男性・評論家・70-79歳)  [投稿履歴]
投稿日時:2018-05-28 15:10 [修正][削除]
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 D.トランプ米大統領が6月12日に設定した金正恩朝鮮労働党委員長との史上初の首脳会談の中止を発表(5月24日)、世界は騒然となった。最近の北朝鮮高官による対米強硬発言でトランプ氏が硬化、文在寅韓国大統領との会談(同22日)の直後に中止を宣言した。慌てた金氏は25日に文氏に2回目の南北首脳会談を申し入れ、26日の板門店会談で改めて「非核化」の意思を表明、米朝会談への「強い意欲」を明らかにした。これを受けた形でトランプ氏が直ちに予定通りのシンガポール会談への期待を示し、27日には米朝実務者協議に入るという実に目まぐるしい展開である。しかし、25年間に及ぶ北朝鮮の核問題が簡単に解決するわけではない。紆余(うよ)曲折は当然のことで、一喜一憂せずアジアの安全保障を大局的に見る構えが肝要である。

 北朝鮮の強硬姿勢の背景には中国の影響があったとトランプ大統領は述べている。5月7、8日の中国・大連での習近平国家主席と金氏との第2回会談後に北朝鮮に変化が現れた。そもそも3月8日にトランプ氏が即決で受け入れを決めた首脳会談に準備のできていなかった北朝鮮は大いに戸惑ったに違いない。3月下旬には関係が悪化していた中国に初めて「駆け込み訪問」した後、わずか1ヶ月半で再訪中という異例の動きである。日米韓が突き付けている「完全で検証可能、不可逆的な非核化(CVID)」の高い要求に直面して中国に助けを求めたのであろう。2回目の訪中後に「軟」から「硬」に転じた。中国の後ろ盾があれば乗り切れると過信したかもしれない。そうだとすれば誤算だ。トランプ氏はそれを許さなかった。2回目の中朝首脳会談後についてトランプ氏は「態度が少し変わった」と指摘、「それが気に入らない(I don’t like that.)」と3回も繰り返した。

 米朝交渉は正に「現在進行形」で進んでいる。丁々発止の渡り合いは国際交渉では珍しくもないが、国家の最高指導者がかかわるあからさまなせめぎ合いは異例だ。交渉の核心である「非核化」の定義すら北朝鮮の言う「朝鮮半島」と米国の主張する「北朝鮮」という対象地域ですら異なる。その道筋についても、米国が「一気に」または「極めて短期間に」(トランプ氏)に対して北朝鮮は「段階的、同時並行的な措置」と見返りを前提にしており、終着駅は見えない。これまでの北朝鮮を相手にした終わりのない交渉になるのか、まずは首脳会談のスタート時点での合意が占うことになる。ことは米朝、中朝、米中、南北関係を巡る駆け引きであるが、21世紀アジアの勢力圏の行方を左右する重要な意味を持つ交渉である。

 日本がこれに無関心、無関係ではあり得ない。第一に北朝鮮の核・弾道ミサイルの配備は日本の安全保障に直接かかわる軍事戦略上の危機である。第二に朝鮮半島の将来の政治体制がどうなるかは重大な問題であり、明治以来、150年間の近代日本の政治、外交に深い関わりがある。日清、日露戦争の原因とそれがもたらした結果、および第二次大戦後の南北分割と朝鮮戦争を見れば一目瞭然だ。第三に半島を巡る大国間の覇権争いがその都度戦争に結びついてきた。米朝交渉の歴史的意味もそこにある。寒心に堪えないのは、ことの重大さに対する国民的認識の希薄さである。国家、国民の安全に対する責任は行政府(内閣)だけにあるのではない。国権の最高機関である国会の責任はとてつもなく大きい。しかし、その国会は「モリ・カケ」問題に終始して国家の危機に目をつぶってきた。日本独自の影響力を発揮しようという気概も意欲もない国が発言力を持ち得ないことは1兆円以上の負担をしたが、感謝もされなかった湾岸戦争で証明済みだ。トランプ氏は早くも「韓国、中国、日本は非常に多額の資金を投じて北朝鮮を助ける意向だと信じる」(5月22日)と国名を挙げて予告している。

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