公益財団法人日本国際フォーラム

  • メモ

    メモ

「『自由で開かれたインド太平洋』時代の チャイナ・リスクとチャイナ・オポチュニティ」研究会

当フォーラムの実施する「『自由で開かれたインド太平洋』時代のチャイナ・リスクとチャイナ・オポチュニティ」研究会内、欧州班の第2回定例研究会合が、 下記1.~4.の日時、場所、報告者、出席者にて開催されたところ、その議論概要に関しては下記5.のとおり。

  1. 日 時:令和3年6月28日(月)21時より22時30分まで
  2. 場 所:オンライン形式 (Zoom)
  3. 報告者:吉武 将吾 外務省欧州局欧州政策課長
  4. 出席者:24名
  5. 議論概要

本会合は細谷班長の挨拶より始められ、その議論概要は以下のとおり。

(1)吉武課長のご報告「インド太平洋と対EU外交」

リーマンショック後、経済低迷・中国市場への期待などから、中国・EU協力関係が拡大した。しかし、中国による先端技術企業の買収、コロナ禍や人権問題を契機に、欧州の対中警戒感が増大した。2019年3月に発表された「EU・中国の戦略的展望に関する共同文書」では、EUは中国を「体制上のライバル(systematic rival)」と表現し、偽情報、サプライチェーン、5Gに関する措置や対応を実施したほか、中国での人権問題を理由に対中制裁を実施した。

日・EU関係では、ハイレベルの協議などを通じて、以下のとおりインド太平洋に関する協力を推進していくことで一致した。

第一に、2021年1月、茂木敏充外務大臣がEU外務理事会にオンライン出席した。これは日本の外務大臣の出席としては初である。本会合では、茂木大臣から「自由で開かれたインド太平洋」に関する説明を行い、日EUにおける連結性、海洋安全保障、環境・気候変動、デジタル等の分野における一層の協力推進、米国を始めとする同志国と協力し、国際社会におけるリーダーシップを発揮することの重要性で一致した。

第二に、5月27日、菅義偉総理はミシェル欧州理事会議長及びフォン・デア・ライエン欧州委員長と日EU定期首脳協議をテレビ会議形式で開催した。同協議では、菅総理より4月にEUの公表した「インド太平洋における協力のためのEU戦略」を歓迎する旨が表明されたほか、EUによる「インド太平洋に関するASEANアウトルック」の支持が確認され、「日EUグリーン・アライアンス」の立ち上げが発表された。また中国については、一方的な現状変更の試みの継続・強化に強く反対すること、台湾海峡の平和と安定の重要性を強調し、両岸問題の平和的解決を促すことで一致した。

(2)質疑応答・意見交換

出席者より、各文書をめぐる交渉、安全保障上におけるEUの位置づけ、人権外交、ジブチの共同訓練の評価、東シナ海におけるフランスの活動への評価、地域危機におけるEUに対する期待、戦略上のリソースとハードセキュリティ、黒海情勢、人権問題、宇宙・サイバー分野における協力に関する質疑がなされたほか、上記テーマをめぐる意見交換が行われた。

以上、文責在事務局