国際問題 外交問題 国際政治|e-論壇「百花斉放」
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2007-06-23 20:20

「核」と「原子力」はどう違う?

吉田康彦  大阪経済法科大学客員教授
 日印協力の強化に関する日本国際フォーラムの政策提言草案を審議する政策委員会で、「核」と「原子力」という日本語だけに存在する言葉の違いをめぐって、しばし議論が沸騰した。

 日本は言霊(ことだま)の国、日本人は言葉を大事にする民族。人類は、核分裂がもたらす莫大なエネルギーを、まず殺傷兵器として開...▶続きはこちら
2007-06-21 12:34

「本当の意味で知日家」グルー駐日米大使のこと

奈須田敬  並木書房取締役会長・月刊「ざっくばらん」編集長
 回想録の中で吉田茂は、グルー駐日米大使のことを「大使は本当の意味で知日家である」と言い切っている。「本当の意味で」とは、吉田にとってどんな理由にもとづくものであったか。昭和16年後半、日米関係が次第に険悪化しつつあった折柄、当時「浪々の身の上で、他人から見れば、いわゆる悠々自適の境涯」(『回想十年...▶続きはこちら
2007-06-19 09:36

再び「中国海軍が空母を保有する日」を考えよう

秋元一峰  海洋問題研究者、元海将補
 本年4月24日の本欄に、中国の空母保有を危惧する拙文を投稿した。中国の空母保有については、お隣の国でありながら、何故か日本ではあまり取り上げられないが、海外では結構様々な意見や情報が飛び交っている。センセーショナルなものとしては、本年3月に、「中国は2010年に48,000トンの在来型空母を、また...▶続きはこちら
2007-06-18 12:41

沖縄問題

大藏雄之助  評論家
 6月22日は62年前に沖縄の日本軍の組織的な戦闘が終了した日である。沖縄には私は深い思い入れがある。昭和20年の初め私は台湾南部の旧制中学の1年生だった。フィリピンがほぼアメリカ軍に制圧されたため、次は台湾だという見方が有力で、大本営も沖縄から1個師団を抜いて台湾に回し、われわれ中学生は臨時召集令...▶続きはこちら
2007-06-15 11:29

米印原子力交渉と核不拡散体制の今後

堂之脇光朗  日本紛争予防センター理事長
 一昨年7月の米印首脳会談での合意に続いて昨年3月にはインドは平和利用核関連施設を分離してIAEAの保障措置を受け入れるとの方針を発表し、昨年12月にはブッシュ大統領が米議会上下両院の承認を得た「米印原子力平和利用協力法」に署名した。同法にもとづく米印2国間交渉はインド首相も招かれたハイリゲンダムG...▶続きはこちら
2007-06-14 19:11

人材養成競争:英語での教育の是非

鈴木智弘  信州大学経営大学院教授
 中曽根内閣の留学生十万人構想を契機に、わが国の留学生が増加している。平成17年度の正規留学生(留学ビザ取得者)は、12万人強(就学、研修などは除く)となり、中国、韓国、台湾の3国(地域)出身者が80%を超え、学部・短大・高専(以下、「学部など」と記す)への留学は6万5千人程度、大学院が3万人程度で...▶続きはこちら
2007-06-13 10:10

G8温暖化対策合意、国際政治に変化も

鍋嶋敬三  評論家
 ハイリゲンダム(ドイツ)での主要国首脳会議(G8サミット)で温室効果ガス半減について合意したことは、国際政治の構造に変化をもたらした重要な出来事として将来記録されるかもしれない。G8は2050年までの地球規模での排出量を半減するという日本、欧州連合(EU)やカナダの提案を「真剣に検討する」ことで合...▶続きはこちら
2007-06-11 10:04

「普遍的価値を重視する日本」を世界に認識させよ

角田勝彦  団体役員・元大使
 最近の「百花斉放」欄には、日本外交のあり方と日本の将来像について、内容への賛否は別として、ともかく熟読玩味すべきいくつかの寄稿が寄せられている。具体的には、「外交理念としての『自由と繁栄の弧』に問題はないか(岡本幸治氏)」「日本ポイ捨ての危機(田久保忠衛氏)」「日米同盟後の武装中立の展望(四条秀雄...▶続きはこちら
2007-06-07 19:34

IWC(国際捕鯨委員会)脱退など愚の骨頂

吉田康彦  大阪経済法科大学客員教授
 5月末、アラスカのアンカレッジで開催されたIWC(国際捕鯨委員会)総会は、日本沿岸の捕鯨を認めるよう求めた日本提案を否決し、商業捕鯨の禁止を再確認する決議案を採択して閉幕した。IWCが認めたのはイヌイットなど極地の先住民の生存のための捕獲だけで、捕鯨の全面禁止に向かう国際世論の潮流は変わらなかった...▶続きはこちら
2007-06-07 17:44

アフリカに触手を伸ばす中華帝国

太田正利  元駐南アフリカ大使
 最近のアフリカに対する中国の関心には、日本としても手をこまぬいて見ていることを許さぬものがある。事実、昨年11月には北京で「中国・アフリカ協力フォーラム北京サミット」(48カ国首脳会議)が開催され、アフリカ諸国の元首・首相ら41人が出席した。テーマは「友好、平和、協力、発展」で、中国・アフリカの「...▶続きはこちら
2007-06-06 22:39

憲法はどうしても改正しなければならないのか

矢ケ崎秀則  大学教授
 国民投票法案の可決とともに、憲法改正への道筋は、大きな一歩を踏み出した。イラク戦争、北朝鮮の核の脅威、中国の軍事力の増大など、日本をとりまく国際情勢の現実は、現行憲法の理想と大きくかけはなれている。だが、憲法と現実との乖離は近年にはじまったものではない。敗戦という特殊な状況の下でつくられた現行憲法...▶続きはこちら
2007-06-06 09:34

日中の戦略的互恵関係とは?

坂本正弘  日本戦略研究フォーラム副理事長
 安倍総理の2006年10月の訪中以来、戦略的互恵関係なる言葉が日中関係を現す言葉として特に中国側から流され、4月の温家宝来日の際もwin, winの関係として強調された。しかし、戦略的という意味が不明であり、更に、互恵といえるかどうか。先日、外務省高官から、戦略的互恵関係の具体的な内容として、大型...▶続きはこちら
2007-06-04 11:25

地球温暖化?

大藏雄之助  評論家
 地球温暖化の話には眉につばをつけて聞く必要がある。

 私が60年前に学校で習った知識では、地球は何度も氷河に見舞われており、最後の氷河期は4千万年前に始まって1万年前に終わったので、現在は「第4間氷期」と呼ばれていて、少しずつ暖かくなっているものの、やがてまた氷河期を迎える、ということだった...▶続きはこちら
2007-06-01 22:06

日米同盟後の武装中立の展望

四条秀雄  不動産業
 歴史的に見れば、米国の東アジア政策は基本的に英国の対大陸政策と同じで、バランサーとしての主導権確保が目的として一貫しています。ですから、日米同盟は無条件のものではなく、本質的に米中同盟との二者択一の宿命を持っています。言い換えれば、米中関係が安定すればするほど、日米同盟は不要で邪魔な存在になります...▶続きはこちら
2007-06-01 16:55

日本ポイ捨ての危機

田久保忠衛  杏林大学客員教授
 5月30日付の「インターナショナル・ヘラルド・トリビューン」紙に載ったジョージ・ワシントン大学のデービッド・シャンボウ教授の一文は衝撃的だった。副題「アジアの将来は中国とインドにあって、日本にはない」でわかるとおり、米国のアジア政策は日米同盟を中心にした政策から中国、インド重視へと大転換すべしとい...▶続きはこちら
2007-05-30 10:59

国家戦略としての留学生拡大

鍋嶋敬三  評論家
 安倍晋三首相が議長を務めるアジア・ゲートウェイ戦略会議が5月16日まとめた最終報告で海外からの留学生を2025年までに3倍増、35万人程度にする目標を掲げた。国家戦略の一環という位置付けである。中曽根内閣が1983年に打ち出した10万人計画は20年かけて達成したが、その後は伸び悩む。報告は「主要国...▶続きはこちら
2007-05-29 16:56

外交理念としての「自由と繁栄の弧」に問題はないか

岡本幸治  大阪国際大学名誉教授
 戦後日本は長らく敗戦後遺症にとりつかれて、与えられた国際環境に従順に適応し、その中でうまく立ち回る事に専念してきた。お陰で経済発展に関する限りは見事な成功を収めたが、自らの外交理念を示しアジアや世界をリードするという畏れ多いことは極力慎んできた。21世紀に入り、ようやくこの受け身の姿勢に変化が生じ...▶続きはこちら
2007-05-28 09:56

まずはとにかくカネを出せ-日本の国際貢献

角田勝彦  団体役員・元大使
 「カネがなければ知恵を出せ。知恵がなければアセをかけ」という古言があるが、実は、その前に「まずはとにかくカネを出せ」という文句が来るらしい。日本のODA(政府開発援助)の話である。政府は、昨年7月に決定した経済財政運営の基本方針「骨太の方針2006」でODA予算を2007年度から11年度までの5年...▶続きはこちら
2007-05-25 17:36

日本にもエリート教育が必要だ

吉田康彦  大阪経済法科大学客員教授
 5月23日の平林博・前駐仏大使を招いての日本国際フォーラムの昼食会(国際政経懇話会)で、フランスのエリートの功罪が話題になった。平林氏は「フランス社会の硬直性には三つの要因がある」として、労働組合、公務員、グランゼコール出身のエリートの存在を挙げた。既得権保持に躍起となるのは弊害ではあるが、エリー...▶続きはこちら
2007-05-24 19:02

吉田茂『回想十年』について

奈須田敬  並木書房取締役会長・月刊「ざっくばらん」編集長
 名士の回想録といわれるものには、往々にして手前味噌、言い訳、責任転嫁の要素が多く、主観的・客観的に物事を観察、分析する描写力に欠けるように思われる。とくに政界、外交界において名を成した人達の回想録には、その傾向がつよくなるようだ。その理由は分らないではない。つまり、政界、外交界は他分野と異なり、虚...▶続きはこちら
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総論稿数:5662本
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