日本国際フォーラム国際シンポジウム
「戦略的互恵関係時代における日中の戦略的コミュニケーション ―担い手となる有識者 (シンクタンク、研究者、メディア) 交流―」のご案内
公益財団法人 日本国際フォーラム
理事長 渡辺 まゆ
⽇中両国は、世界有数の経済⼤国であり、かつ国際秩序形成の担い⼿でもあり、さらには永遠の隣国同⼠でもあります。こうした両国が、良好な国家間関係を築き、政治的にも、経済、環境、エネルギーなど様々な分野においても共同歩調をとることが出来れば、世界における諸問題解決のために多⼤な貢献をすることが出来ることは明らかです。
しかしながら、国家間競争が顕著な現在の国際社会において、両国からは、中国の「中国の夢」や「中華民族の偉大な復興」、⽇本の「自由で開かれたインド太平洋」といった相対するナラティブを踏まえた「戦略的コミュニケーション」による対外政策が展開されており、決定的な相違があります。ただしこれは、両国の間に対⽴の可能性のみしか存在しないことを意味しません。両国の間で、互いの「戦略的コミュニケーション」に対する分析や対話を促進させて、相互理解を深めることも可能だからです。
そこで日本国際フォーラムは、2024年度に「戦略的互恵関係時代における日中の戦略的コミュニケーション」プロジェクトを立ち上げ、日中の研究者が、両国でどのような「戦略的コミュニケーション」を用いて政策を実施しているのか、また政府とともにその担い手となるメディア、シンクタンク、研究者がどのように相手を認識しているのかを分析し、対立を促進するとみられていた「戦略的コミュニケーション」を媒体にして、両国の相互認識の増進を図るための方策を検討してきました。
これらの成果を踏まえて当フォーラムは、国際シンポジウム「戦略的互恵関係時代における日中の戦略的コミュニケーション―担い手となる有識者(シンクタンク、研究者、メディア)交流―」を下記のとおり対面開催いたしますので、ご案内申し上げます。
※今回のシンポジウムは対面のみで開催しオンラインでの配信はありませんので、ご留意ください。
記
1.日 時:2025年3月4日(火)13時30分から16時55分まで
2.会 場:国際文化会館「講堂」(住所:東京都港区六本木5‐11‐16) >地図
3.参 加 費 :無料
4.使用言語:日中同時通訳
5.主 催:公益財団法人日本国際フォーラム
6.プログラム:
13:30~13:35 開会
菊池 誉名 日本国際フォーラム常務理事
13:35~13:40 開会挨拶
大平 真嗣 外務省中国・モンゴル第一課長
13:40-15:05 セッション1「日中間の共通利益と共通価値とはなにか」
報 告 A 加茂 具樹 日本国際フォーラム上席研究員・
慶應義塾大学総合政策学部長
報 告 B 帰 泳濤 北京大学国際関係学院副院長
コメントA 川島富士雄 神戸大学大学院法学研究科教授
コメントB 白 智立 北京大学政府管理学院教授
コメントC 渡辺 将人 慶應義塾大学准教授
コメントD 喬 林生 南開大学日本研究院教授
全体協議
15:05~15:15 休憩
15:15~16:45 セッション2「日中における戦略的コミュニケーションのあり方」
報 告 A 喬 林生 南開大学日本研究院教授
報 告 B 増田 雅之 防衛研究所地域研究部中国研究室長
報 告 C 白 智立 北京大学政府管理学院教授
コメントA 渡辺 将人 慶應義塾大学准教授
コメントB 帰 泳濤 北京大学国際関係学院副院長
コメントC 川島富士雄 神戸大学大学院法学研究科教授
全体協議
16:45~16:55 総括
加茂 具樹 日本国際フォーラム上席研究員・慶應義塾大学総合政策学部長
※モデレータ: 加茂 具樹 日本国際フォーラム上席研究員 / 慶應義塾大学総合政策学部長・教授
7.報告者紹介
【日本側】
加茂 具樹日本国際フォーラム上席研究員・慶応義塾大学総合政策学部長
1995年慶應義塾大学総合政策学部卒業、1995年復旦大学国際交流学院 普通進修生(財団法人霞山会奨学生)、1997年慶應義塾大学大学院政策・メディア研究科修士課程修了、2001駐香港日本国総領事館専門調査員、2004年慶應義塾大学大学院政策・メディア研究科博士課程修了(政策・メディア博士)。以降、慶應義塾大学法学部専任講師、同准教授、総合政策学部准教授、2015年より同教授。その間、国立台湾師範大学政治学研究所訪問研究、カリフォルニア大学バークレー校 東アジア研究所中国研究センター訪問研究員、國立政治大学国際事務学院客員准教授。2016年から2018年に外務省に転籍し、外務事務官(在香港日本国総領事館 領事)。2018年に慶應義塾大学総合政策学部教授に復籍。2021年より同学部長。最近の著作として『中国は「力」をどう使うのか: 支配と発展の持続と増大するパワー』(編著、一藝社、2023年)等。
川島 富士雄神戸大学大学院法学研究科教授
1990年東京大学法学部卒業、東京大学大学院法学政治学研究科助手、金沢大学法学部助教授、名古屋大学大学院国際開発研究科准教授・同教授等を経て、2015年10月より現職。2016年10月から2017年9月まで上海交通大学凱原法学院訪問学者。専門:国際経済法、経済法。最近の業績として、「米中の戦略的競争と国際経済秩序の構造変化―価値多極化を受けたルールの再設計に向けて―」日本国際経済法学会年報31号(2022年)141-163頁、「中国知網(CNKI)に関する中国独占禁止法違反処分決定書―学術文献オンラインデータベース事業者による排除型及び搾取型濫用事件―」CISTECジャーナル (2023年5月号) 78-96頁、「中国生成AI規制における『規制と技術革新』の均衡点―中国AI戦略の把握に向けた一考察―」独立行政法人経済産業研究所ディスカッション・ペーパー・シリーズ 25-J-005(2025年2月) 1-29 頁等。日本経済法学会常務理事、日本国際経済法学会理事、経済産業省産業構造審議会通商・貿易分科会特殊貿易措置小委員会委員等を歴任。
増田 雅之防衛研究所地域研究部中国研究室長
1998年広島修道大学法学部国際政治学科卒業、2000年慶応義塾大学大学院政策 · メディア研究科修士課程修了(政策 · メディア修士)、2003年慶應義塾大学大学院政策 · メディア研究科博士課程単位取得退学、2015~2016年イースト・ウェスト・センター 客員研究員、2015~2016年ダニエル・K・イノウエ アジア太平洋安全保障研究センター客員教授などを経て現職。最近の著作として『大国間競争の新常態』(編著、インターブックス、2023年)等。
渡辺 将人慶応義塾大学総合政策学部准教授
シカゴ大学大学院国際関係論修士課程修了。早稲田大学大学院政治学研究科にて博士(政治学)。米下院議員事務所・上院選本部、テレビ東京報道局経済部、政治部記者などを経て、北海道大学大学院准教授。米国コロンビア大学、ジョージワシントン大学、ハーバード大学の各大学で客員研究員を歴任。2023年より現職。専門は米国政治。独自取材によるアジア発のオバマ大統領評伝『大統領の条件』(集英社)のほか、『アメリカ政治の壁』(岩波新書)、『混迷のアメリカを読みとく10の論点』(共著、慶應義塾大学出版会)など著訳書多数。受賞歴に大平正芳記念賞、アメリカ学会斎藤眞賞、サントリー学芸賞ほか。
【中国側】
帰 泳濤北京大学国際関係学院副院長
北京大学国際戦略研究院副院長、国際関係学院副院長、准教授。専門は東アジアの政治と国際関係。2005年早稲田大学アジア太平洋研究科博士(学術)、北京大学国際関係学院博士(法学)。北京大学国際関係学院講師を経て2008年から同准教授。最近の論文として、「日米経済安全保障同盟―集団的リジリエンス体制の構築―」2023年、「日米中関係―変容と論理―」2022年、「エコノミックステイトクラフト、経済安全保障政策と日米の対中戦略の新動向」2021年、「沖縄基地の戦略的価値の変容と日米同盟の転換」2020年、「日本と米中戦略競争―貿易戦、技術戦およびインド太平洋戦略―」2020年、「『グレーゾーン』での争い―日米の対中政策の新動向―」2019年、「TPPの政治学―日米協力の動因と苦境」2017年。
白 智立北京大学政府管理学院教授
1989年内モンゴル大学外国語学部日本語科卒業、1991年東京都立大学法学部国際政治学科研究生修了、1993年法政大学社会科学研究科政治学専攻修士課程修了、1997年法政大学社会科学研究科政治学専攻博士課程修了(政治学博士)。以降、北京大学政治学および行政管理学部専任講師、同大学政府管理学院副教授、2022年より現職。その間、法政大学、政策研究大学院大学、京都大学、皇學館大学、慶応義塾大学にて訪問研究。研究分野:行政学、比較行政論、現代公務員制。著書:『日本の行政監察・監査』(法政大学出版局)、『日本・行政改革比較研究』(国家行政学院出版社)、『改革開放以来の中国国家統治モデルとその改革』(広東人民出版社)。現在、北京大学人的資源開発と管理研究センター、日本研究センターの副長などを兼任。
喬 林生南開大学日本研究院教授
1996年内マングル師範大学歴史学部卒。1999年南開大学歴史研究所修士課程修了。1998年から2000年まで日本早稲田大学と東京大学に留学。2004年南開大学日本研究院博士号取得。2004年南開大学日本研究院講師、2006年同大学准教授、2020年同大学教授、2006年12月から2007年3月まで名古屋大学大学院国際開発研究科外国人研究員、2010年4月から2011年3月まで國學院大學法学部外国人招聘研究員、2012年4月から2013年3月まで愛知大学文学部客員研究員、2018年3月から2019年2月まで中央大学政策文化総合研究科客員研究員、2019年4月から2025年現在まで中央大学政策文化総合研究科客員研究員を兼任。
(プログラム登場順)
8.申込方法:
下記ボタンから「お申込フォーム」にお進みいただき、必要事項をご記入の上、3月3日(月)12時までにお申し込み下さい。申込を受け付けました方には、「来場券」をメールでお送りいたします。