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2020-11-17 20:53
(連載1)コロナの「波」という概念の「物象化」について
篠田 英朗
東京外国語大学大学院教授
11月9日、尾身茂・分科会会長の記者会見が久しぶりに開かれた。感染拡大傾向に入っているので、警戒心を持って取り組みたい、ということで、政府に行った対策提言の細かな説明がなされた。これに対して、質疑応答では、いつものように、生産的ではないやり取りが繰り返された。記者から「第2波と同じ波が来るのか」「...
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2020-11-14 19:45
五中全会で示された習政権の本質
宇田川 敬介
作家・ジャーナリスト
中国共産党第19期中央委員会第5回全体会議(五中全会)が2020年10月26日から29日まで北京で開催された。会議は中央政治局の委託を受けて習近平総書記の行った活動報告を聴取・議論し、「国民経済・社会発展第14次五カ年計画と2035年までの長期目標の策定に関する中共中央の提議」を審議・採択した。 ...
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2020-11-12 16:31
米大統領選挙制度の特殊性
船田 元
衆議院議員
現地時間で去る11月3日に投票されたアメリカ大統領選挙は、8日にようやく結論が見え、菅義偉首相が本日12日、米大統領選で勝利を確実にした民主党のバイデン候補に祝意を伝えた。バイデン候補が「錆びついた工業地帯(ラストベルト)」と言われるミシガン州、ウィスコンシン州を制すなど、バイデンの勝利は確実だ。...
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2020-11-11 11:07
(連載2)「任命拒否」日本学術会議は行政訴訟で勝てるか
加藤 成一
元弁護士
次に、仮に学術会議側ないし任命を拒否された当事者側に「原告適格」が認められた場合に、本件「行政訴訟」の最大の争点は、特別職国家公務員である学術会議会員の任命につき、政府側に「裁量権」があるかどうかの問題であろう。この点については、公務員等の任免に関する多数の下級審判例並びに最高裁判例によると、公務...
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2020-11-10 12:37
(連載1)「任命拒否」日本学術会議は行政訴訟で勝てるか
加藤 成一
元弁護士
日本学術会議問題では、菅内閣は「日本学術会議法をはじめ、法令に則り適切に任命権を行使した」と主張し、学術会議会員が特別職国家公務員であることから、憲法15条1項に基づく公務員の任免権や、会員任命における幅広い総合的俯瞰的観点、日本学術会議法等に関する内閣法制局の法解釈などを「任命拒否」の理由に挙げ...
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2020-11-09 11:07
米国の政権交代と国際国家・日本の責任
鍋嶋 敬三
評論家
熾烈な争いの結果、米大統領選挙は民主党のジョー・バイデン氏が7日夜(日本時間8日午前)勝利を宣言した。特別な異変がない限り同氏は2021年1月20日に78歳と米史上最高齢の第46代大統領に就任する。勝利宣言でバイデン氏は「分裂ではなく結束を目指す」と国民の融和を訴え、「世界で再び尊敬される」アメリ...
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2020-11-06 15:38
(連載2)続・香港の動向予測
山崎 正晴
危機管理コンサルタント
① 香港を長期間機能不全に陥れた過激派による破壊行為を、香港政府が独力で鎮圧することに失敗した状況下で、秩序回復のための国安法導入はやむを得なかった。
② 治安維持は国の当然の義務であり、人権擁護名目での外国からの干渉は、香港社会を分断し、仕事と生活を妨害するものであり、非常に迷惑だ。
③ ...
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2020-11-05 21:05
(連載1)続・香港の動向予測
山崎 正晴
危機管理コンサルタント
10月19日、ジェトロ(日本貿易振興機構)が、在香港日系企業296社を対象として10月5日~9日に実施されたアンケート調査結果を発表した。それによると、対象企業の67%が香港国家安全維持法(国安法)に懸念を示し、8.5%が投資意欲の減退など「マイナスの影響が生じている」と回答、34%が香港拠点の縮...
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2020-11-04 04:47
米大統領選挙と日本の外交方針
河村 洋
外交評論家
毎回のように、アメリカの大統領選挙の際には日本の有識者から一般の人々の間では「日本にとって有利なのはどちらの候補か?」という議論が繰り広げられる。そして全世界に広がる同盟国の中で、ヨーロッパ諸国などの「他国を押し退けてでも」アメリカの注意を日本に引き付けたいという意見も散見する。しかし日本という国...
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2020-11-03 12:05
(連載2)「隠れトランプ支持者」と米世論の乖離
古村 治彦
愛知大学国際問題研究所客員研究員
だから、専門家たちは前回の大どんでん返しで痛い目に遭ったので、バイデンが勝利確実とは言わない。「バイデン氏が有利だと思いますが、何が起きるか分かりませんのでねぇ」とお茶を濁す。本当に誠実な態度ならば、「私には判断できません、世論調査の数字も当てになりませんので、そうなると判断基準がないので」と答え...
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2020-11-02 21:48
(連載1)「隠れトランプ支持者」と米世論の乖離
古村 治彦
愛知大学国際問題研究所客員研究員
前回、2016年のアメリカ大統領選挙の投開票日の特集番組での専門家たちの様子を覚えておられる方も多いだろう。アメリカは国内時差の関係で、東部から順に投票が締め切られ、開票作業が始まる。カリフォルニア州では投票が続いていても、ニューヨーク州では開票作業が始まるという具合だ。それで、東部の各州から順々...
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2020-10-30 05:47
核兵器禁止条約発効と日本のあるべき方策
加藤 成一
元弁護士
あらゆる核兵器の開発や実験、生産、保有、使用を許さず、核で威嚇することも禁じる「核兵器禁止条約」の批准国・地域が10月24日発効条件の50に達した。90日後に当たる来年1月22日に発効する。同条約は、国連加盟国の6割に相当する122か国の賛成で2017年7月に採択された。「核不拡散条約」(NPT)...
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2020-10-30 04:02
(連載2)党派的運動集団としての「憲法学者」
篠田 英朗
東京外国語大学大学院教授
百歩譲って憲法学者であれば必ず100%そのように信じている人以外には存在していないのだとしても、一切何ら異論を唱える議論の余地がなく、それを認める機運も絶対にない、のだとしたら、本来であれば議論を尊重するはずの学術専門家の集団として、相当に異常である。
第二に、全体主義カルチャーが非...
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2020-10-29 16:58
(連載1)党派的運動集団としての「憲法学者」
篠田 英朗
東京外国語大学大学院教授
日本学術会議の問題をめぐり、日本の恥部がいくつか露呈したように感じている。その一つが、「憲法学者」なるものの存在だ。日本学術会議は、文系学者が会員の3分の1を占めているだけでも不思議なのだが、そのうちの2割以上が法学者にあてられてきたことも不思議である。さらにその法学者のうちの少なくとも3分の1程...
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2020-10-27 09:20
五大湖周辺州が最終決戦場となる
古村 治彦
愛知大学国際問題研究所客員研究員
五大湖は東側からオンタリオ湖、エリー湖、ヒューロン湖、ミシガン湖、スペリオル湖から成り立っている。この五大湖周辺に接しているのは、東側からニューヨーク州、ペンシルヴァニア州、オハイオ州、ミシガン州、インディアナ州、イリノイ州、ウィスコンシン州、ミネソタ州である。これらの州はアメリカの勃興期に製鉄業...
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2020-10-26 20:53
菅初外交、対米追随で大丈夫か
伊藤 洋
山梨大学名誉教授
アメリカの大統領選挙は最早秒読み段階に入ってきたが、ホームストレッチでの双方が発する悪罵は、目を覆いたくなるほどのひどさである。トランプ氏は米FOXニュースの電話インタビューに応えて、「あなたたちの大統領には免疫がある。だから今、あなたたちの大統領はその対立候補のように地下室に隠れる必要がない」と...
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2020-10-23 08:40
「インド太平洋」にASEAN包み込む菅外交
鍋嶋 敬三
評論家
菅義偉首相の首脳外交は順調に滑り出した。10月18日-21日のベトナム、インドネシア歴訪では、日本が主導してきた「自由で開かれたインド太平洋(FOIP)」構想の真ん中に東南アジア諸国連合(ASEAN)との「緊密な連携」を据えた。既に10月6日、東京での日米豪印4ヶ国(QUAD)外相会合でASEAN...
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2020-10-21 16:15
日本人はなぜ「親トランプ」か
河村 洋
外交評論家
主要先進国の中では、日本人の「親トランプ」ぶりは際立っています。ヨーロッパ諸国でのトランプ氏の評価の低さを考えれば、これはやや異様とも言えます。そして本欄10月3日付けの寄稿で山梨大学の伊藤洋名誉教授が記された、国連に対する日本人の冷淡な見方にはトランプ政権の姿勢が影響しているとの見解は興味深いも...
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2020-10-21 12:51
(連載2)菅首相の対露政策への提言――継承ではなく独自性を
袴田 茂樹
日本国際フォーラム評議員/青学・新潟県立大学名誉教授
2018年11月14日、安倍、プーチン首脳会談がシンガポールで行われた。その後安倍氏は記者団に対して「信頼の積み重ねの上に領土問題を解決し、平和条約を締結する。戦後70年以上、残された課題を次の世代に先送りせず、わたしとプーチン大統領で必ずや終止符を打つ強い意思を完全に共有した」と述べた。安倍、プ...
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2020-10-20 13:36
(連載1)菅首相の対露政策への提言――継承ではなく独自性を
袴田 茂樹
日本国際フォーラム評議員/青学・新潟県立大学名誉教授
先の論説において安倍総理の外交政策を総括した。今回は、基本的に安倍政策を引き継ぐとしている菅義偉新首相の対露政策について考えたい。私は、安倍外交全般は高く評価し敬意を抱いている。また、対露政策に関し、他のどの首相よりも熱意を示したことも高く評価してきた。しかし、プーチン大統領との信頼関係を深め、双...
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