財団法人 日本国際フォーラム

お問合せ

   <<前の20件 | 最新次の20件>>  [ スレッド一覧 | タイトル一覧 | 投稿一覧]
民主・公明「野合」のメカニズム   
投稿者:杉浦 正章 (神奈川県・男性・政治評論家・60-69歳)  [投稿履歴]
投稿日時:2010-03-11 07:42 [修正][削除]
>>>この投稿にコメントする
1361/1361
 政党間の離合集散は毎度のことだが、余りに節操がないものを“野合”という。いわば「野合専門家」とも言うべき民主党幹事長・小沢一郎と、これに秋波を送る公明党代表・山口那津男の大接近が著しい。自ら衆院の代表質問で口を極めて攻撃の対象とした「子ども手当」、で山口は、賛成に転じたのだ。火を見るより明らかな山口の狙いは、参院選後の政権参画である。政策上の接近を積み重ね、連立にこぎ着ける。この戦略に転じたのだ。一度経験した政権の蜜の味は、魔性のごとく公明党を虜にしているのだ。理念やクリーン政党としてのイメージなど、もはやどこ吹く風の「野合」のメカニズムである。

 接近どころか、お先棒まで担ぎ始めた。公明党国対委員長・漆原良夫は、焦点の「子ども手当」と高校無償化法案、政治資金制度改正問題などで、自ら積極提案して、合意を形成し始めたのだ。修正などはメンツのための口実で、始めに賛成ありきである。「子ども手当」の場合、山口は何と衆院本会議代表質問で、その財源があやふやなことを指摘して、「子どもたちの将来背負う借金の先食いでしかない」とまで言い切って反対したのである。その舌の根も乾かぬうちに賛成とは、本当に恐れ入る。「政治とカネ」で本末転倒が指摘されている政治資金での与野党機関設置も、公明党が率先して実現に動いている。まさに山口の「政治とカネ」の追及は、単なるきれい事であり、本音は政権参画にあったのだ。“クリーン政党”を標ぼうしながら、“ダーティー政党”を支援する構図だ。永田町で「日本の政治を一番悪くしているのは公明党だ」という見方があるのが、実にもっともらしくなってきた。

 背景には、紛れもなく小沢の策略がある。小沢は公明党常任顧問に就任した市川雄一との「一・一ライン」を復活させ、2月26日には創価学会前会長の秋谷栄之助と会談、着々と参院選への布石を打ってきている。大きく見れば、当面は「政治とカネ」で孤立化した民主党を、公明党の抱き込みによって、逆に自民党を孤立化させる意図があるのだ。公明党がまんまと乗ったことで、これは達成されつつある。中期的にはできれば参院選挙での協力を得たいのだろう。それが困難な場合は、普天間問題で社民党を切り捨てざるを得なくなることを背景に、参院選後の公明党との連立で、安定政権を目指そうという戦略だ。この小沢戦略の手の上で、国対委員長・山岡賢次はもちろんのこと、山口も漆原も踊っているに過ぎない。W・ チャーチルは「ヒトラーを倒すためなら悪魔とでも手を組む」と述べたが、「政権獲得のためには悪魔とでも手を組む」のが、近来の日本のポリティックスだ。自社連立はその際たるものだし、自公連立もその範疇に入る。

 10年前公明党と手を組んだ結果、自民党の衰退が目に見えるように進んだ。もはや麻薬のように公明票なくしては生きていけない政党と化したのだ。政権に食い込む、そして自らの背後にある創価学会の諸問題を打ち消す。これが公明党最大の狙いだ。今度はどちらが「悪魔」かといえば、悪魔同志の野合かも知れない。小沢・市河・山口と役者はそろった。それにしても自民党谷垣執行部の無能さは、ここにも現れている。公明党の自民党離れに、なすすべを知らないのだ。自民党と義理人情で結ばれていた前代表・大田誠一が落選して、参院選候補にもなれぬまま、山口に完全に干されたことも作用しているのだろう。公明党対策は、小沢にじゅうりんされて、なすがままだ。このままでは山口の言う「自民党との参院選協力は白紙」のまま選挙戦となっても、おかしくない。公明党は比例区での自民党票に依存するところが大きいが、これを逆手にとるくらいの大技をつかえる政治家が自民党にはいない。
 
 

(連載)インフレ目標設定にこだわるな(2) ← (連載)インフレ目標設定にこだわるな(1)  ツリー表示
投稿者:角田 勝彦 (東京都・男性・団体役員・70-79歳)  [投稿履歴]
投稿日時:2010-03-09 09:46 [修正][削除]
>>>この投稿にコメントする
1360/1361
 国際通貨基金(IMF)の1月末見通しは、2010年の世界経済の実質成長率を3.9%(日本は1.7%)と昨年10月見通しより0.8ポイント上方修正(日本は変わらず)した。また、米欧の中銀は、2008年秋の金融危機後に導入した緊急措置の打ち切りに向かう「出口戦略」を模索している。しかし、日本は円高もあり、腰折れの危険が大きく、「出口戦略」はまだ早い。財政・金融措置拡大や規制改革などは、依然急務である。本論でデフレの是非についての神学論的論争(古くはピグー対ケインズ)に入るつもりはないが、設定する場合のインフレ目標達成の困難性については、いくつか指摘しておきたい。

 (1)物価上昇は、ふつう有効需要(投機を含む)が供給を超える場合に生じる。よって金融緩和のみでデフレを克服することは出来ない。無茶なバラまきでデフレ脱却が出来た場合、インフレ・コントロールが困難となる。現在も、世界中、かつてない低金利で、資金が市場に溢れ、一次産品価格の高騰や資産バブルが生じている(反動の危険が大きい)。

 (2)政府支出の規模は、金融危機後主要国で大幅に膨らみ、経済協力開発機構(OECD)の2009年統計によると、加盟28カ国の政府部門の総支出は、GDPの約45%に達しているが、なお市場は経済を支配している。中国を含み物価統制は困難である。グローバリゼーション(私は「世界一体化」と訳す)の下、もともと高かった日本の物価が低下に向かうのは、自然の流れである。

 (3)円高は輸入品中心に物価低落を意味する。円高是正は口先介入ではできない。

 (4)インフレ目標は、金利上昇をともなう。「国の借金」を871兆円として、1%なら9兆円近い財政負担をもたらす。(終わり)

外交問題からチョッと離れて   
投稿者:宮崎 厚 (東京都・男性・ベンチャー企業顧問・60-69歳)  [投稿履歴]
投稿日時:2010-03-09 01:22 [修正][削除]
>>>この投稿にコメントする
1359/1361
 皆さんの投稿を拝見すると、外交問題からは離れ、政治評論や、民主党はけしからんといった論調が多いような気がします。そこで私も、純粋な外交というよりも、世界を考え、日本国内の地方と都会の格差の問題に関して一言。

 私は、BS4チャンネルの月曜夜8時、「イタリアの小さな村」という番組が好きです。イタリアの地方の美しい景色と共に、そこで生き抜く人々の暮らしを、ハイビジョンでみせてくれる番組ですが、いつも何か、人間の生き様のような、古代ローマ帝国の伝統を引き継ぐような、イタリアの田舎の人々の家族愛や、家庭の伝統を引き継ぐささやかな姿を、感動してみています。

 地方と都会の格差を唱えて、わめくよりも、何よりも、自らの生活を精一杯ささやかに支え、それぞれが家族の将来を期待して、生き抜く姿に感動します。この番組は、東芝がスポンサーですが、いまどきの若者の代表のような2人の若者が、コマーシャルに出てきます。そのときいつも、足が地に着いたイタリアの小さな村の生活者との違和感、断絶を感じて、しかたがありません。

 外交上の経済援助にしても、海外のそれぞれの国民生活を考える上で、人間の本来の生活や家族のあり方、人々の精一杯の生き方を良く考えて対応すべき、といつも思います。外交問題の意見ではなく、どうもすみません。

(連載)インフレ目標設定にこだわるな(1)  ツリー表示
投稿者:角田 勝彦 (東京都・男性・団体役員・70-79歳)  [投稿履歴]
投稿日時:2010-03-08 17:27  
>>>この投稿にコメントする
1358/1361
 最近、長引くデフレを経済沈滞の原因だとして「インフレ目標設定など、デフレ克服にまず力を注げ」との議論が、政府首脳発言を含んで、活発化している。これは「雇用と経済の現状から見て、日銀(金融)にも、もう一肌脱いでほしい」との政府(財政)からの要請ととれば、納得できるものはある。我が国の場合、出口戦略はまだ早い。しかし、インフレ目標設定には神学論的是非の論争があるほか、目標実現に問題が多い。こだわっていると、肝心の雇用と経済の改善に支障を来すおそれすらある。昨年末に閣議決定された新成長戦略の具体策も、20年までの「成長戦略実行計画」(工程表)とともに、6月までに策定される予定であったが、進んでいない。

 他方、日銀も、政府の要請を踏まえ4月に向けて追加金融緩和を検討し始めたようである。なお予算は、良識ある(?)国会審議の結果、危惧された遅延無く年度内に成立することになっている。政府は、この際インフレ目標設定にこだわらず、実質経済成長を目指す具体策などの策定と実施に全力を注ぐべきであろう。その際、望むべくは、民主党内や官僚機構はもちろん、経済界や出来れば野党なども含め、衆知を集めるべきである。

 2月16日に菅財務相が衆院予算委員会で、「1%程度を政策的な(インフレ)目標にすべき」と表明し、22日に鳩山首相も同委員会で、「デフレ脱却を日銀に期待する」旨表明してから、デフレ克服が新たな成長への突破口であるかのような期待が高まっている。すなわち日銀が、たとえば1%程度の物価上昇率を目標に定め、その実現に向けて金融政策を運営する手法を採択することが求められているのである。日銀は、実質的金融緩和はともかく、「デフレの根本原因は需要不足」(白川総裁)として「金融政策だけでは克服できない」と主張し、日銀が責任を負わされる「目標」設定に否定的なようである。

 幸い景気が2番底に陥る危険は薄らいだが、今春卒業予定の高校生の就職内定率が74.8%、大学生が73.1%(昨年12月現在)となったことが示すように、雇用と経済の先行きは楽観を許さない。事実、2月内閣府の上場企業アンケートによれば、今年度の実質成長率見通しは0.4%で政府見通しの1.4%を大きく下回っている。2010年度から5年間の平均成長率も1.3%で「20年度までの年平均で実質2%(名目3%)の成長を目指す」政府の目標に届いていない。デフレも長期化するとの見方が根強く、物価変動の影響を加えた名目成長率で見ると、10年度の予測値は0.1%減と3年連続のマイナスを見込んでいる。所得の地域格差も続いている。(つづく)

これでもかこれでもかと、マニフェスト無視の鳩山政権   
投稿者:杉浦 正章 (神奈川県・男性・政治評論家・60-69歳)  [投稿履歴]
投稿日時:2010-03-08 07:37 [修正][削除]
>>>この投稿にコメントする
1357/1361
 小沢・鳩山会談で参院選向けマニフェスト政策に着手することで一致したが、その前にやることがあるのではないか。首相・鳩山由紀夫が「マニフェストが守れないときは、政権の座を降りる」と公約して、総選挙を圧勝に導いたことの総括である。マニフェストは半年間の政権担当で目玉公約が次々に破たんした。とどめを刺したのが5日の国土交通相・前原誠司による高速道路値上げ発言だ。かって、これほどトリッキーな政権があったであろうか。鳩山はまず衆院選マニフェストの破たんを率直に認め、その撤回・破棄を宣言をするべきだ。

 「守れなければ、政権の座を降りる」との発言は、総選挙前の党首討論や街頭演説で鳩山が繰り返し“宣言”してきたものだ。しかし、政権担当後の政策遂行の過程は、マニフェスト断念の過程であった。大きくとらえれば7.1兆円を節約で賄うという宣言が、大向こううけを狙った事業仕分けでたったの7000億円しか節約できなかった。天下り禁止は、郵政社長人事での天下り実施に変更。暫定税率は、幹事長・小沢一郎の一声で廃止から実施に逆転変更。さらに子ども手当は、元財務相・与謝野馨の試算によると、初年度はともかく次年度からは扶養控除廃止などの増税が原因で、手取り減となる家庭がでてくる。多くの家庭で、現行児童手当に1000円から2000円上積みをする程度の結果となることは必至だ。来年度からの全額2万6千円支給の公約も、財源5.3兆円のめどは全く立たっておらず、その実現はまず困難だろう。平均で1047万円も支払われている公務員給与の2割カットも労組への選挙対策で見送りだ。

 2011年度はこれに農家個別所得保障の本格導入、基礎年金の国庫負担引き揚げなどが加わり、総額で12.6兆円の財源が必要になるが、税収は更に落ち込み36兆円と予想されるに至っている。全部のマニフェスト要素を取り入れたら、100兆を超える水膨れ予算となり、長期金利上昇の直撃を受けかねない。国債価格がコントロールを失いかねない発散寸前の状況である。鳩山は行政刷新担当に枝野幸男を据えて事業仕分けに取りかかるが、枝野の発言ほど何を言っているのか分からない発言はない。分かりやすいのは小沢批判だけで、財政・経済の本質は聞かれてもそらし、枝葉末節を語る傾向が顕著だ。マスコミが事業仕分けで虚像を作ってしまった感じだ。第2次事業仕分けで独立行政法人と公益法人に斬り込むのはよしとしても、12.6兆円の財源確保など不可能に近い。

 加えて最大の目玉の高速道路無料化は、前原の「自民党政権よりもさらに財源を使っての割引は、トータルとしては考えていない。むしろ値上げになると思う」という発言だ。本来なら重大なマニフェスト変更は鳩山が説明すべきなのに、前原がそれをこともなげに言ってのける。背景には、割引に振り向けられるはずだった財源の一部を、小沢が昨年予算で官邸に乗り込んだ際、高速道の拡幅や建設に回すことを主張、無料化などはとても不可能となったのだ。まさに小沢の路線は「コンクリートから人へ」ではなく「人からコンクリートへ」の回帰路線だ。 

 これでもかこれでもかとマニフェスト無視の政策が展開されるに至っているが、今度は参院選マニフェストに何を書こうとしているのだろうか。何を掲げても、これだけ国民をコケにしておいて、まだ信用する国民がいるとでも思っているのだろうか。読売の3月8日の紙面の世論調査は、57%が参院選での民主党過半数達成を望んでいない。要するに、財政再建に不可欠な消費税導入への道筋を示さずに、いくらマニフェストを作成しようとしても、国民欺瞞(ぎまん)のばらまき行政となることを、鳩山政権はいまだに気づいていない。新聞論調も「政治とカネ」でほおかむりした上に、マニフェスト破たん路線をひた走る姿には、ほとほと手を焼いた感じだ。朝日の編集員・星浩が民放テレビで「政権のバージョンアップが必要だ。体制見直しを政策面でも、人事の面でも、考えるべきだ」と発言したのは意味深い。先に朝日が鳩山・小沢の「同時辞任」を大きく見出しにとったことを指摘したが、3日には「民主党の暗部をえぐり出して、早く手を切れ」の社説だ。どうも朝日は民主党を生き残らせるためには、鳩山・小沢のクビを切って、体制を刷新させるしか方途はない、と判断し始めたふしが濃厚だ。

(連載)オバマ大統領とカーター大統領の類似性(2) ← (連載)オバマ大統領とカーター大統領の類似性(1)  ツリー表示
投稿者:河村 洋 (東京都・男性・親米NGOニュー・グローバル・アメリカ代表・40-49歳)  [投稿履歴]
投稿日時:2010-03-04 09:40 [修正][削除]
>>>この投稿にコメントする
1356/1361
 ジェファソン型のバラク・オバマ氏は、前任者ジョージ・W・ブッシュ氏のジャクソン型ナショナリズムとウィルソン型介入主義へのアンチテーゼとして登場した。オバマ氏はアメリカが悪党体制とも共存が可能であり、海外関与を控えるとともに、その余力を国内改革に向けるべきだと考えている。しかしミード氏は以下のように述べている。

 「ジョファソン型の国際関与消極主義がまかり通るためには、多くの国々の協力が必要になるが、アメリカの存在感が薄れてしまうと、むしろ諸外国はアメリカに協力する動機が低下してしまう」と。

 その通りである。どの挑戦国も敵対国もアメリカに対して融和的ではない。過去にジェファソン型外交政策が通用したのは、アメリカがイギリス覇権下の世界秩序でフリー・ライダーであることが許されたからである。またオバマ政権は、アフガニスタンとパキスタンの政治改革の促進、ダライ・ラマへの支援などで、ウィルソン型のアプローチもとる必要に迫られる。カーネギー国際平和財団モスクワ・センターのリリア・シェフツォワ上級研究員は『フォーリン・ポリシー』誌1月号で「欧米がクレムリンに宥和姿勢をとると、ロシアの改革派を落胆させてしまう」と深刻な懸念を述べている。オバマ氏はメドベージェフ・プーチン政権への対応を再検討する必要がある。国内の反対派は、オバマ氏の外交をあまりに臆病だと批判している。

 ジェファソン型とウィルソン型の対応の組み合わせを間違ってしまうと、オバマ氏はカーター氏の轍を踏みかねない。ミード氏は「オバマ氏は、挑戦国や、敵対国、対テロ戦争、アメリカの介入への反感に対処するうえで、微妙なバランスをとる必要がある」と結論づけている。バラク・オバマ氏の外交が歴史的にどのような意味を持つかを理解するためにも、ウォルター・ラッセル・ミード氏が『フォーリン・ポリシー』誌に投稿した論文を是非とも推薦したい。(おわり)

(連載)オバマ大統領とカーター大統領の類似性(1)  ツリー表示
投稿者:河村 洋 (東京都・男性・親米NGOニュー・グローバル・アメリカ代表・40-49歳)  [投稿履歴]
投稿日時:2010-03-03 18:40  
>>>この投稿にコメントする
1355/1361
 昨年の大統領就任からというもの、保守派の市民団体はオバマ氏をカーターUと揶揄し続けている。しかし今回は『フォーリン・ポリシー』誌のような権威のある専門誌までがオバマ氏とカーター氏の類似性を語り、何と同誌1・2月号の表紙の写真にまでなった。このカバー記事は、外交問題評議会でヘンリー・キッシンジャー記念フェローのウォルター・ラッセル・ミード氏が、“The Carter Syndrome”という題で投稿している。

 1月のオバマ大統領就任1周年を機に、アメリカのメディアとシンクタンクはオバマ政権の実績について賛否を交えた議論をしている。アメリカ国内の保守派は、早い時期からオバマ氏に対する批判を続けている。グラスルーツの保守派はティー・パーティー運動を展開し、国家管理の健康保険制度に反対の声を挙げている。国家安全保障に関しては、ディック・チェイニー前副大統領がジョセフ・バイデン現副大統領との討論で、オバマ氏の対テロ措置が弱すぎると批判した(2月15日付け『ワシントン・ポスト』紙記事“Cheney criticizes Obama on national security policy, and Biden fires back”)。

 国内支持率の急落にもかかわらず、国外でのオバマ大統領の人気は非常に高い。かなり多くの国際市民達は、オバマ氏がただアメリカ史上初の黒人大統領だというだけで感極まって礼賛している(おやおや、大統領をアファーマティブ・アクションで選ぼうとでも?)。しかし、プリンストン大学の学内学生紙に載った記事のなかで、クリスティナ・レンフォという学生は「大統領は自分の人気の維持を究極の目的とすることはやめて、果断な決断を下すべきである。それで国際社会の中に失望する者が出るとしても」と述べている。

 ミード氏は、『フォーリン・ポリシー』誌への寄稿で、アメリカ歴代大統領の外交を(1)ハミルトン型(共和党穏健派、強い政府と強い軍、リアリスト)、(2)ウィルソン型(中道派、強い政府と強い軍、民主主義と人権の普及)、(3)ジェファソン型(民主党左派、孤立主義、小さな軍事力)、(4)
ジャクソン型(共和党右派、グラスルーツ保守派)の4つのパターンに分類している。(つづく)

泥棒が縄をなう鳩山政権の政治資金規正法改正   
投稿者:杉浦 正章 (神奈川県・男性・政治評論家・60-69歳)  [投稿履歴]
投稿日時:2010-03-03 07:39 [修正][削除]
>>>この投稿にコメントする
1354/1361
 久しぶりの首相・鳩山由紀夫と幹事長・小沢一郎の会談は、要するに“一蓮托生の頬被り”で「政治とカネ」政局を乗りきれるという判断が根底にある。強気の中央突破作戦だが、政局観、倫理観の双方において“甘さ”が目立つ。根底の“読み”が甘すぎるのである。政権は鳩山、小沢を筆頭に石川知裕、小林千代美と「進退4兄弟」を抱えて、支持率は急落傾向をたどっており、これに普天間基地移設問題と未曽有の赤字国債発行不可避の財政問題という政局直結の時限爆弾を抱えている。これらが5月には一挙に火を噴く可能性がある。選挙前に「進退4兄弟」問題に決着をつけなければ、局面転換は図れまい。政権5月危機説は依然現実味を失っていない。

 かってない水膨れ予算でも、成立のめどがつくと嬉しいと見えて、鳩山と小沢がはしゃいだ。「もっと会いましょう」と鳩山が言えば、「毎日でもいいぞ」と小沢。ここで鳩山が、小沢離れのポーズを修正して、一蓮托生路線に戻ったのは、なぜか。予算成立にめどを立てたから「政治とカネ」もやり過ごせるという判断が根底にある。予算成立で支持率回復も可能という判断だ。しかし予算成立が支持率につながった例は過去にない。数を頼んで国会運営はできても、国民の不信感という心の部分に土足で踏み込んだままで、生き延びられるかということだ。現れた「小鳩戦略」は懸案先送りだ。まず小林の進退について首相、幹事長が「本人の問題」と口裏を合わせ、事実上先送りだ。おそらく政局直撃となりかねない4月下旬の補欠選挙は避けようとしているのだろう。

 鳩山が小沢に促した国民への説明責任の問題もうやむやのまま先送り。鳩山を「ピヨピヨ鳩」と言うそうだが、3歩歩いて前言を忘れる習癖を、まさに言い当てている。このままでは参院選挙で過半数などとてもおぼつかないが、小沢戦略は擦り寄ってきた公明党を抱き込んで、連立を組み替えることを視野に入れはじめたようだ。政治テクニックで当面を糊塗し続けようというのが、「小鳩戦略」の基本であるように見える。両者が合意した政治資金規正法改正で、与野党協議機関の設置も、泥棒を見て縄をなうのではなく、泥棒自身が縄をなうようなものだ。方向感覚を疑う。自民党総裁・谷垣禎一が「発想が逆立ちしている」と言うのももっともだ。現行規正法も守れないで、同法を改正して、守れるのか。

 自民党は国会運営の無力を悟り、国会戦術を練り直す方針のようだが、これも方向感覚がおかしい。圧倒的な数の前に蟷螂(とうろう)の斧を振りかざしても限界がある。問題は国会戦術ではなく、追及の方向性だ。その面では「政治とカネ」を粘り強く追及してゆくしか方策はない。現に野党による国会の追及と新聞の論調は、珍しく呼吸が合っている。3月3日付の朝日新聞の見出しも、鳩山と小沢が「最大の不安要因」であり、「続投に強い意欲を示すが、『同時辞任』ささやかれ」とある。小鳩の甘い政局の読みに冷水を差すものにほかならない。自民党にとってみれば、追及の長期化こそが願ってもない国会戦略なのだ。なぜなら政権の支持率低下を招いているではないか。できれば小沢に得意の「辞任カード」など切らせずに、また朝日の見出しのように「同時辞任」などさせずに、フィーバーの去った現政権のまま参院選挙に臨むのが、自民党にとって党勢回復の唯一の道と心得てもおかしくない。

 

鳩山首相が問われる指導者の資質   
投稿者:鍋嶋 敬三 (神奈川県・男性・評論家・60-69歳)  [投稿履歴]
投稿日時:2010-03-01 14:38 [修正][削除]
>>>この投稿にコメントする
1353/1361
 鳩山由紀夫首相が就任して3月で半年を迎える。首相自身と民主党を支配する小沢一郎幹事長の「政治とカネ」の問題、国会での政権公約違反の追及、普天間基地移設問題の迷走などで、内閣支持率は急落、各種世論調査で不支持が支持を上回り、民主党支持層の政権離れも顕著になっている。短期間での凋落ぶりの最大の要因は、「首相に指導力なし」である。国家の根幹にかかわる外交・安全保障政策の混乱は、国益の観点から憂慮に堪えない。就任早々、温室効果ガスの1990年比25%削減を宣言したが、経済や国民生活への影響など国内対策も示さず、国内外に不信感を生み出した。首相が提唱した東アジア共同体構想は、その中国傾斜姿勢や「駐留なき日米安保」論と相まって、同盟国米国から真意に疑念を持たれている。

 1月にはインド洋の給油活動から自衛隊を撤収させ、テロ対策で国際社会の重要な一員としての責任を果たすという意思が希薄なことを内外に示した。普天間問題の迷走は、日米同盟堅持による抑止力保持の観点を欠いたところから生まれている。この問題で鳩山内閣が半年間やってきたことは、(1)首相自身を含め閣僚の足並みが乱れ、(2)政権としての方向性が定まらず、(3)米国の対日不信が増幅したという流れである。首相は「日米合意、衆院選で訴えたこと、そして沖縄の心を一番尊重しなければならない」と述べた(2009年10月)。しかし、県外・国外移設を強硬に主張する連立与党の社民党に振り回され、「八方美人の八方ふさがり」に自らを追い込んでしまった。

 日米安全保障条約改定50周年の首相談話(1月19日)で「日米同盟を21世紀にふさわしい形で深化させる」と決意を述べたものの、そのため日本が何をするかの方向性も示さない。首相は5月末と期限を自ら切った普天間問題の解決策について、「ゼロベースで検討」と言いながら、岡田克也外相が日米合意案の可能性を指摘すると、これを否定するなど、同盟深化の信念があるのか、甚だ疑わしいものがある。政治指導者に求められる資質とは何か。ドイツの社会学者マックス・ウェーバーは『職業としての政治』の中で、政治家にとって重要な資質として情熱、責任感、判断力を挙げた。「情熱は、仕事への奉仕として、責任性に結び付き、その責任性が行為の決定的な規準となった時に、初めて政治家を作り出す。そのためには、政治家の決定的な心理的資質である判断力が必要である」と。事物と人間に対して「距離を失ってしまう」ことが、政治家として失格であることも指摘した。

 首相がしばしば口にする「沖縄の思い」と連立与党のくびき、米国の厳しい視線の中で、自らの軸足がどこにあるのかさっぱり見えてこない。「情熱」はあっても理念先行で空回りしている。「判断力」を鈍らせているのは、「普天間」では米国、カネの問題では世論に対する「甘え」である。その背景にあるのは、総選挙での圧勝という「おごり」、そこからくる国民全体と国家に対する「責任感」の欠如であろう。まさに指導者としての資質が厳しく問われているのである。世論はそのことを見抜いているのだ。

日本外交は2つの地域を重点志向せよ   
投稿者:宮崎 厚 (東京都・男性・ベンチャー企業顧問・60-69歳)  [投稿履歴]
投稿日時:2010-02-27 01:33 [修正][削除]
>>>この投稿にコメントする
1352/1361
 「日米同盟が日本外交の基本である」とか、「中国、アジアを重視しなければならない」とか、「米国が日本の頭越しに中国と親密になったら、日本はどうするか」などという議論には、私は興味がありません。日本が現在までそれなりの友好関係が出来ている国はさておき、今後のグローバル経済化や世界経済と地球上の全人類の平和的発展を考えると、私は、日本の外交政策の優先度を高めるべき地域として2つを掲げたいと思います。

 一つは、モンゴル、カザフスタン、ウズベキスタン、グルジア、ウクライナ、ベラルーシ、リトアニア、ラトビア、エストニアといった旧ソ連圏の各国です。彼らのユーロ圏やNATOへの接近とそれにいらつくロシアとの関係は、見ちゃ居られません。日本が出て行って、もっと彼らの経済発展に貢献できれば、彼らとの友好関係も築け、軍事覇権主義でない日本に関して中国やロシアに文句を言わせないやり方は取れるのではないだろうか。

 二つ目に揚げるのは、パレスチナ地域への経済協力です。戦後の国際紛争や現在のイラン問題、かつてのイラク戦争等は、よく考えれば全てイスラエル問題に原因があります。現在パレスチナ地区とイスラエルとの間には甚だしい経済格差があり、これでは本当の和平など出来そうもありません。だからパレスチナの経済発展を支援する事が、中東地区のみならず、イスラム圏全体と米国の問題解決にも役立つはずです。現在のイスラエルに日本が何か言っても、ユダヤ人がすぐに受け入れるとは思えません。しかし中東に真の共存や和平ができれば、ユダヤ人も日本に感謝するだろう。

 以上の2つは、ロシアと日本の関係にも影響し、北方領土返還交渉にも役立ち、ユダヤ人の影響で米国経済のジャパンバッシングの風潮や、金融資本主義の日本たたきも防げるかもしれない。近代歴史上の地政学的見方からしても、中央アジアからバルト3国へかけての問題とパレスチナ等の中東問題は、これからのグローバル化した世界の平和外交、経済外交、資源外交などの鍵を握る問題です。あらゆる面で、日本が世界をリードしてゆくには、ユーラシア大陸から信頼される日本にまずなりましょう。民族的にも日本に近い国々もあります。何しろ日本は、それらの地域と歴史上一度も戦争をしたことがないのだから、相手側各国から信頼を得る上で大変な強みを持っています。

自民執行部、方向音痴の迷走   
投稿者:杉浦 正章 (神奈川県・男性・政治評論家・60-69歳)  [投稿履歴]
投稿日時:2010-02-26 07:35 [修正][削除]
>>>この投稿にコメントする
1351/1361
 自民党の“春眠”が3日で終わった。完敗の国会戦術である。「一言で言えば、野党慣れしていない」と民主党参院議員会長・輿石東あたりから言われては、どうしようもない。自民党総裁・谷垣禎一は「残念無念。憤まんやるかたなし」と慨嘆しているが、自ら「いまをおいて、他にない」と大見得を切って突撃の誤判断をしたのだから、救いようがない。「貧すれば、鈍する」というが、政調会長・石破茂の時季外れの派閥解消論といい、自民党執行部の迷走も極まった。民主党国対委員長・山岡賢次は鼻高々だが、居座りを決めこんだ幹事長・小沢一郎が采配する「独裁的な国会運営」が白日の下に照らし出されたことは、必ずボディブローとして利いてくる。民心を甘く見てはいけない。

 今回の自民党の「国対敗北」の原因が、谷垣の誤判断にあることは言うまでもない。長崎県知事選挙に勝ったからと言って、しぶとい小沢が証人喚問拒否の突っ張りを外すわけがない。腹心山岡に「絶対譲歩するな」と言い続けたのに加えて、「一・一ライン」を通じて、これ見よがしに公明党代表・山口那津男と首相・鳩山由紀夫の会談を実現するなど、野党分断作戦を展開。自民党は完全に孤立した。政治家は危急存亡のやっちゃ場での判断が一番重要だが、党首討論で退陣を求め損ねたことといい、谷垣は乱世のリーダーとしての素質に問題があるのかも知れない。

 一方、何をとち狂ったか、普段は冷徹な判断を下す石破が、突如の派閥解消論である。これにタレント系の舛添要一と山本一太が乗ったが、しょせんは民放テレビ向けのポーズだろう。2月25日に各派領袖から“ぼこぼこ”に叩かれて、これも春の淡雪のように消える運命となった。町村信孝が「今自民党の派閥に何か弊害があるのだろうか」と疑問を呈したように、いまや自民党の派閥には“弊害”を出せるようなエネルギーもない。昨年の総裁選挙で各派ばらばらの対応が目立ったことから見ても、かつての鉄の団結はなく、派閥に目くじら立てるほどの問題は顕在化していない。派閥問題で“内紛”している場合だろうか。他にすることがあるだろうと言いたい。

 民主党側は「勝った勝った」とばかりに山岡以下鼻高々だが、これも自民党以上に判断が甘い。勝ったのではなくて、自民党がずっこけて、転んだのだ。山岡は小沢の手のひらで踊っているだけだから、事実上の「小沢国対」と見るのが本筋だが、小沢の国会運営の手法は、過去に例のない独善性を秘めている。野党のツートップ関連の証人喚問や参考人招致をことごとくはねつけ、問題のある「子ども手当」など重要法案の審議に次々に入っている。自民党が300議席あったころにも見られない、いわば「小沢独裁国会」の現出である。自民党時代には“疑惑の主”は国会招致に応じていた。明らかに「小鳩」ラインの政治とカネの疑惑にふたをして、自己防衛を数を頼みに展開しているのだ。公私混同も甚だしいが、民主党内から、これはという反発が生じない。国民の政治への憤まんはますます募る一方だ。マスコミも国会招致問題では強い不満を抱いている。このマグマがやがて世論調査や選挙結果となって現れることは言をまたない。そうなれば自民党は肉を斬らせて骨を断ったことになるのだが、弱体執行部の体たらくが問題だ。 

トヨタ問題は、日米間の貿易摩擦である   
投稿者:塚崎 公義 (東京都・男性・久留米大学准教授・50-59歳)  [投稿履歴]
投稿日時:2010-02-24 13:52 [修正][削除]
>>>この投稿にコメントする
1350/1361
 トヨタの大規模リコールは、トヨタの失策の結果である。しかし、トヨタに対するバッシングは、貿易摩擦の色合いが強い。そう考える根拠は、リコールを実施した各国で、米国の動きだけが目立っていること、米国内でもトヨタの工場のある地域とそれ以外で大きな温度差があること、などである。

 過去十余年にわたり、米国経済は比較的好調であり、目立った貿易摩擦は見られなかった。しかし、リーマン・ショックにより、米国内の貿易摩擦へのマグマは溜まっていた。米国経済のかつての象徴であったGMが破綻し、最近の花形であった金融業が崩壊し、失業率も上昇し、米国民の米国経済に対する誇りが大いに傷つき、米国民のフラストレーションが大いに高まったからである。これが実際の摩擦に直結しなかったのは、リーマン・ショックもGMの破綻も「自損事故」であり、対外的な摩擦に結びつけることが憚られたということであろう。

 そうした状況下、マグマが噴出すための地表の割れ目を提供したのがトヨタの失策であった。選挙を控えた米国の政治家に格好のパフォーマンスの場を提供したのである。従来の貿易摩擦は、短期的には日本企業に打撃であったが、長期的にみれば日本製品の優秀さを印象付ける効果も期待出来るものであった。

 それに対し今回は、日本製品に対する信頼性を低下させるという意味で、従来型のものよりも深刻な影響を日本経済に与える可能性がある。トヨタが安全性を強調すればするほど、「反省が足りない」という印象を与え、かえって批判を強めてしまいかねない点も、問題を複雑化している。日本のマクロ経済が長期低迷に喘ぐ中で、トヨタは日本経済の希望の星であった。一刻も早くトヨタが信頼を回復し、日本国民の日本経済に対する自信を回復させてくれることを切に望む次第である。

陸自連隊長の「同盟」発言処分は不当   
投稿者:高峰 康修 (福岡県・男性・岡崎研究所特別研究員・30-39歳)  [投稿履歴]
投稿日時:2010-02-23 16:34 [修正][削除]
>>>この投稿にコメントする
1349/1361
 陸自第6師団の中沢剛連隊長(1等陸佐)が、宮城県の陸上自衛隊王城寺原演習場で2月10日に開かれた米陸軍との共同訓練の開始式で、鳩山首相の「トラスト・ミー」発言を批判したとして、注意処分を受けた。報道によれば、中沢連隊長は「同盟というものは、外交や政治的な美辞麗句で維持されるものではなく、ましてや『信頼してくれ』などという言葉だけで維持されるものではない」と訓示したとのことである。しかし、これは全く処分される筋合いのものではなく、実に簡潔にして要を得た同盟の本質論である。同盟とは、利害関係の共有を基盤として、契約(日米同盟で言えば日米安保条約)、信頼関係、同盟を維持しようとする相互の信念、その信念を具現化する行動の繰り返し、同盟を維持するための軍事的能力の確保、によって重層的に維持されるものである。

 したがって、中沢連隊長の発言は、まさに正鵠を射ているとしか言いようがないのである。しかも、鳩山政権発足以来の「反米的」政策や発言の連続により日米関係が悪化しているこの時期に、米軍との共同訓練の開始式で「口だけではなく、行動でもって、同盟を強化していこうではないか」という意味に当たる発言をしたことは、時宜にもかなっている。ところが、この発言の揚げ足をとるような形で、北沢防衛相は、12日の記者会見で、この発言に対して「現場の指揮官が政治や外交という高度な国家意思に言及している部分もある」と述べ、中沢連隊長に何らかの処分を下すことを表明し、驚かされるような素早さで実行されてしまった。中沢連隊長の発言は、褒められるに値しこそすれ、処分されるなど到底理解に苦しむ。仮に中沢連隊長が日米同盟のあり方について重大な変更を迫るような発言をしたというのであれば、確かに問題だが、そうではないことは明白である。

 中沢連隊長は、鳩山首相批判の意図を否定している。これ対して、北沢防衛相は、「意図がなくても、国家意思にかかわることを、指揮官として公式にいうことに対する規律の問題など、シビリアン・コントロールの観点から、きちっと整理する必要がある」と、シビリアン・コントロールを持ち出して来た。しかし、中沢連隊長の発言は、シビリアン・コントロールとは何の関係のないことである。同盟に関してのごく常識的な一般論を訓示しただけの話ではないか。北沢防衛大臣の発言は、シビリアン・コントロールを全く理解していないとしか言いようがない。シビリアン・コントロールの要諦は、民主的に選出された首相なり大統領が、軍事に関する最終決定を下し、最終責任を負うということである。したがって、そもそも「鳩山首相の発言を引き合いに出したわけではない」などという弁解すら、全く不要のことであって、本来は、堂々と批判して全く構わないのである。

 米軍の幹部などは、政権に対してずけずけと物を言っている。それを採用するか否かは国防長官なり大統領が決めることであり、あまりに政権の方針と異なることばかり言えば、更迭される。シビリアン・コントロールとはそういうものである。シビリアン・コントロールを曲解して処分を下せば、悪しき前例を残すことになる。「軍人」としての本分を全く逸脱していない正論を唱えた自衛官に対する言論封殺は、自衛官の志気を著しく低下させるおそれがある。それは、ひいては我が国の安全にも関わることである。したがって、鳩山政権の対応には強く異を唱える。また、今回の件により、我が国でシビリアン・コントロールについての正確な認識が広まる必要性が、改めて浮き彫りになったと言える。 

自民の国会審議拒否は、ピント外れだ   
投稿者:杉浦 正章 (神奈川県・男性・政治評論家・60-69歳)  [投稿履歴]
投稿日時:2010-02-23 07:42 [修正][削除]
>>>この投稿にコメントする
1348/1361
 自民党は、せっかくの「長崎版政治とカネ」追及のチャンスを予算委審議拒否で見送るとは、どういう判断なのだろうか。長崎知事選は、閣僚・党幹部そろって“利益誘導”発言を繰り返し、公職選挙法違反の疑いが濃厚である。二の矢、三の矢の絶好のチャンスを見逃して、穴に閉じこもる。上目づかいで世論の動向を見ているのだろうが、審議拒否が長期化すれば、世論は確実に矛先を自民党に向ける。審議拒否は両刃の剣なのだ。自民党はせっかく「政治とカネ」で盛り上がった世論に、方向違いのだめ押しをしている。それでは逆効果であることに気づくべきだ。

 2月22日の役員会で自民党総裁・谷垣禎一が珍しく「予算案の審議日程を考えると、政府・与党と対決するのは、今をおいてほかにない」と“宣戦布告”の号令を掛けたが、ちょっとピントがずれているのではないか。審議拒否は世論に対するアピールの方法が限られている野党にとって、使いようによっては“伝家の宝刀”になり得る。しかし、小沢の証人喚問で審議拒否しては、絶好の好材料と“相打ち”をしてしまうことにならないか。証人喚問も、参考人招致も、主張し続けるところに意味がある側面を見逃してはならない。朝日新聞が早くも社説で「民意をはき違えている」と指摘しており、新聞論調は時がたつにつれて、谷垣の「今をおいてほかにない」という判断の誤りを気づかせる方向に向かうだろう。野党の審議拒否がマスコミに褒められた例はまずない。議会制民主主義に逆行しかねないからだ。

 この場は、政調会長・石破茂の「選挙に勝った勢いで、更なる追及を続けるべきだ」という判断が正しいのではないか。政府・与党の長崎知事選における利益誘導のひどさは、眼に余るものがあった。まず幹事長・小沢一郎が先頭に立って「知事に選んでいただければ、自主財源となる交付金も皆さんの要望通りできる。高速道路をほしいということであれば、高速道路を造ることもできる」と、自ら否定してきた“コンクリート”そのものを集票の対象にした。農水相・赤松広隆は、地元の要望の強いミカン選別機への補助金について、民主党候補への投票を前提条件として、「10億円くらい補助するよう、私の責任で約束する」と述べ、国交相・前原誠司も島原の道路建設を約束した。選対委員長・石井一に至っては、支持候補を選ばなければ「民主党政権は長崎に対してそれなりの姿勢を示す」と、まさにやくざのどう喝のような発言をしている。一連の発言は公職選挙法の利害誘導罪の疑いがある。更に閣僚という公職の立場にあるものが、明らかに利益誘導をしたことは、政治的・道義的責任を問われてもおかしくない。

 まさにツートップの「政治とカネ」の体質が、何のことはない閣僚にまで染み込んでおり、かっての自民党政権時代と全く違わないことを証明しているのだ。自民党政権時代でも、赤松のような露骨な利益誘導は聞いたことがない。要するに、県民の民度を低く見た“卑しい”選挙を展開したのだ。小沢の選挙神話の原点を改めてみる思いだ。この露呈した「長崎版政治とカネ」を機を見るに敏な指導者なら追及するのだが、自民党は何を間違えたか、時季外れの“春の冬眠”に入ろうとしている。忘れているのは長崎知事選勝利は、これまでの自民党の国会追及が大きく作用していることだ。せっかくのチャンスをみすみす逃すのが、自民党執行部の審議拒否だ。証人喚問も、参考人招致も、マスコミは支持しているが、審議拒否は支持しない傾向があり、これを見据えた対応をすべきだろう。野党の立場で孤立した審議拒否をするなどの対応は、早々に方針転換すべきだ。

国債は利子つきで返ってくる税金だと思えば   
投稿者:河東 哲夫 (東京都・男性・研究員・60-69歳)  [投稿履歴]
投稿日時:2010-02-21 23:58 [修正][削除]
>>>この投稿にコメントする
1347/1361
 みんな「国債は子孫に借金を残すことになる」とか言って、「バイキンマンのように汚らわしい」と言っているが、本当にそうなのか?

 国債は数年で返金されるではないか。みんな増税が嫌だから、政府は歳入が不足する。そこで政府は、国民が溜めこんだ金を銀行を通じて利子つきで数年借りて運用し、また返済する。

 そこで景気が良くなって税収が増えれば、これは国民が政府の事業に融資をしたようなことになる。つまり政府の民営化のようなものであり、「税金に代わるものとしての国債」ということだ。

 ギリシャなどで問題になっている債務問題と違って、日本の場合は国内だけで資金がぐるぐる回る。まだ回せるのでないか? 早すぎる増税論は景気を冷やす。あまり締めることばかり考えると、ジリ貧になる。緩め過ぎればインフレになるが、みんな貧乏神になったみたいに、財政バランスのことばかり心配し過ぎていないか? 日本の経済は、国債なしには回らないだろう。野放図な国債発行には反対だが。

(連載)予想されていたウクライナの混乱(2) ← (連載)予想されていたウクライナの混乱(1)  ツリー表示
投稿者:河村 洋 (東京都・男性・親米NGOニュー・グローバル・アメリカ代表・40-49歳)  [投稿履歴]
投稿日時:2010-02-19 09:47 [修正][削除]
>>>この投稿にコメントする
1346/1361
 ウクライナは政治的な一体性を欠くつぎはぎだらけの国である。民族と地域の分裂は、選挙後の混乱した紛争の原因の一つである。またウクライナは主権国家としての充分な歴史的な体験がない。ここで選挙後の混乱を理解するために、モルチャノフ氏の論文を振り返ってみたい。ナショナリストのブロガーによる「私は、ティモシェンコ氏に投票して、親露派の犯罪人が我々の大統領となるのを阻止するか、敗れるにしても、大接戦となって法廷闘争に持ち込むことを期待している。そうなれば、現大統領によって両候補とも大統領に就任する資格が停止され、緊急統治によって流血が回避されるだろう」という発言を引用し、モルチャノフ氏は2つのシナリオを想定している。

 第一は、ティモシェンコ氏がヤヌコビッチ氏の当選を受け入れないために、緊急統治が行なわれるというシナリオである。第二はウクライナ人のナショナリストとクリミア・タタール人のような少数民族が決起して、退任するユーシェンコ大統領と選挙結果を認めないティモシェンコ氏の共闘を支持するというものである。私は、ウクライナの不安定化によって、ロシアと欧米の対決は激化し、オバマ・ラスムッセン対話路線は頓挫すると見ている。

 ヤヌコビッチ氏は「自分の政権では、ユーシェンコ政権が署名した2017年のロシア黒海艦隊の撤退期限を延長して、セバストポリ基地への駐留継続を認める」と述べたと伝えられる(“Yanukovich says ready for Russian fleet, gas deals”; Reuters; February 13, 2010)。ウクライナ人のナショナリスト達は、ウクライナ領内へのロシア軍の駐留継続に激しく抵抗するであろう。

 また、ルーマニアとブルガリアにあるアメリカ軍基地とウクライナにあるロシア軍基地の間の緊張も高まると思われる。たとえ、ティモシェンコ氏が敗北を認めたとしても、キエフ周辺と北西部のウクライナ人ナショナリストを宥めることは難しい。そのため注意深い観測が必要である。(おわり)

(連載)予想されていたウクライナの混乱(1)  ツリー表示
投稿者:河村 洋 (東京都・男性・親米NGOニュー・グローバル・アメリカ代表・40-49歳)  [投稿履歴]
投稿日時:2010-02-18 13:00  
>>>この投稿にコメントする
1345/1361
 ウクライナの大統領選挙を前に、カナダのモントリオールにあるグローバル化研究センターのセルゲイ・モルチャノフ氏が「選挙の結果に関わらず、ウクライナが混乱に陥る」と警告しているが(“Ukraine: Elections or Emergency Rule?”; Global Research; February 1, 2010)、 事態はその通りに動いている。

 ユリア・ティモシェンコ首相は、ついに対立候補ビクトル・ヤヌコビッチ氏の勝利に異議を唱えて、選挙結果の不正を法廷で争うことになった。よってヤヌコビッチ氏の当選は、一時的に棚上げされるが、ティモシェンコ氏は「100万票以上の不正票によって、ヤヌコビッチ氏がこの選挙に勝利した」と主張している。ティモシェンコ氏は、支持者に対して「街頭デモに繰り出さないように」と訴えているが、ヤヌコビッチ氏に対して再び「オレンジ革命」さながらの抵抗を行なおうとしている。OSCEの選挙監視員の中には法廷闘争を支持する者もいる、とティモシェンコ氏は言う。

 そのような動向を他所に、ヨーロッパからの選挙監視団体は、選挙の公正さ賞賛し、バラク・オバマ米大統領、アナス・フォー・ラスムッセンNATO事務総長、ヘルマン・バン・ロンピュイEU大統領をはじめ、アメリカとヨーロッパの指導者達は、ヤヌコビッチ氏の当選を祝福している。ラスムッセン氏が言うように、欧米諸国の指導者達は、東方への「過剰拡大」よりも、ロシア・旧ソ連諸国との戦略的提携を模索しているのだ(“NATO, EU follow U.S., welcome Ukraine's Yanukovich”; Washington Post; February 12, 2010)。

 にもかかわらず、ティモシェンコ氏はこの選挙の不正を訴え続けている。カーネギー国際平和財団のマーク・メディッシュ客員研究員は、「ウクライナは、政治的な一体性を欠く、つぎはぎだらけの国である。民族と地域の分裂は、選挙後の混乱した紛争の原因の一つである。またウクライナは主権国家としての充分な歴史的な体験がない」と論評している。(つづく)

党首討論は喧嘩苦手の谷垣の勝ち   
投稿者:杉浦正章 (神奈川県・男性・政治評論家・60-69歳)  [投稿履歴]
投稿日時:2010-02-18 07:41 [修正][削除]
>>>この投稿にコメントする
1344/1361
 自民党総裁・谷垣禎一は「残る道は退陣だと、はっきり言えばよかった」と、党首討論で言わなくて、後から記者団に言ったが、それでは「出し遅れの証文」だ。おおむねの新聞論調は「どっちも、どっち」と、引き分けが多い。しかし、筆者は首相・鳩山由紀夫と谷垣の党首討論は、6対4で谷垣の勝ちとみる。なぜなら、今回の党首討論の最重要ポイントは、“平成の脱税王”の姿を浮き彫りに出来たかどうかだからだ。プロが新味がないと見るのは当然だが、5カ月ぶりにやっと応じた討論への国民の関心は高い。茶の間に向けて点数を稼げたか、ということから見れば、自らの献金疑惑に平身低頭して守りに徹した首相を見て、「可哀想だ。支持率を高めてあげたい」という国民は皆無だろう。紛れもなく支持率降下作用をもたらすだろう。

 確かに、谷垣は人柄を反映してか、鋭さに欠ける質問を続けた。鳩山が企業団体献金の廃止を提唱したのに、回答はなく、鳩山から「返事がなくて残念」と突っ込まれる始末だ。ここは、ツートップの政治資金疑惑に加えて、日教組からの違法献金など、ひしめく民主党不祥事を指摘して、「現行法も守れないのに、法改正して守れるのか」と切り返し、「説明責任を果たしてから、それを言え」と諫(いさ)めるのが正解だった。前財務相・与謝野馨が暴露した母親への度重なる“無心”問題にしても、鳩山に「全くのねつ造」と言わせたままで、矛を収めてしまった。要するに谷垣は、インテリで喧嘩が苦手なのだ。

 新聞論調は、連日の予算委員会論議をフォローしているから、必然的に「新味なし」となるが、この論調は大局を見ていない。いかに政権にダメージを与えられるかの尺度からみれば、天の時は谷垣にあったのだ。と言うのも、国民の徴税に対する不満が毎年うっ積する確定申告の時期と重なったことだ。母親からの膨大な“子ども手当”を、首相なら「知らなかった」で済ませ、発覚して初めて納税するパターンが許されるのか、という問題を白日の下に照らし出したからである。多くの国民は、鳩山の「納税がばかばかしいという気持ちが、国民に起きているのは申し訳ない」という陳謝に、「謝ってすむ話か」と言いたいに違いない。口ぐせの「身を粉にして働く」も「働いていただかなくて結構」だろう。加えて谷垣は、鳩山の幹事長・小沢一郎離れを裏付ける発言も引き出した。国会への小沢招致要求に対して「私からの進言は十分あろうかと思う」と、前向き発言を取り付けた。鳩山は、自分の疑惑で精一杯となり、小沢までかばいきれない構図が鮮明になってきた。小鳩分断に成功すれば、第一段階としての「小沢辞任」達成が容易になる。

 マスコミ論調は、新聞も、テレビも、「政治とカネに集中しすぎた」と批判しているが、自らの報道ぶりを顧みてはどうか。民放テレビなどは、朝から晩まで政治とカネの話ばかりだ。きれい事を言っているときではない。首相と幹事長のツートップの疑惑にけりをつけないかぎり、日本の民主政治は前進しないのだ。問題は党首討論を逃げまくる鳩山の政治姿勢にある。当初の予定通り、毎週でも党首討論をやれば、おのずと内政、外交にも目が行くだろう。それにつけても、初登場した公明党代表・山口那津男の鳩山に対する“秋波”はどうだ。筆者は、ひょっとしたら出来レースではないかと思う。山口が連座制を厳しくした政治資金規正法改正に向けた与野党協議機関を提案、鳩山が喜々として飛びついた構図は、事前の根回しがあった臭いがする。公明党は昔から野党時代はこの手をよく使ったものだ。1人だけいい子になるわけだ。どうも日本の政治を良くしている政党のようには見えない。根底にポリティクス(政治駆け引き)が見え見えだ。

マイマイガ問題と日本外交への不安   
投稿者:水口 章 (東京都・男性・敬愛大学国際学部准教授・50-59歳)  [投稿履歴]
投稿日時:2010-02-16 09:43 [修正][削除]
>>>この投稿にコメントする
1343/1361
 深海や地中からも新種が発見されており、どれほどの数の種が存在するのかはまだ定かではない生物界であるが、現在分かっている生物のおよそ70%は昆虫であるという。その昆虫が、国際問題の主役になることが時にある。最近注目されているのは、マイマイガ(Lymantria didpar)である。このガは、一定の周期(約10年)で大量発生し、その幼虫は旺盛な食欲で植物を食い尽くすことで知られている。2009年5月には岩手県で大量発生している。

 国際問題となっている背景には、このガの天敵である寄生バチやウィルスが北米大陸にいないことがある。船荷にまぎれてマイマイガが北米大陸に移入され、大量発生すると、人的駆除だけでは対処しきれない状況になる。このため、米国とカナダは、マイマイガが大量発生している地域に近い港からの積荷を運ぶ船舶に対し、入港条件として害虫駆除証明を要求している。この証明には、1隻につき約10万円のコストがかかる。

 日本の港では、これまで神戸など数港がその対象とされていた。しかし、2月に入り米国とカナダは、その対象を日本全国の港に拡大した。日本各地でマイマイガが大量発生しているのだろうか。どうも米国とカナダのこの処置には、日本製品に対するソフトな輸入障壁という面があるように思う。日本で民主党政権が誕生して以降、トヨタ問題に関する米メディアでの過熱報道や米政府の対応ぶりなど、日米間に隙間風が吹いている。また、米国は、対中関係においても、ステイクホルダーという見方から対立的対応へと立ち位置を動かしているように見える。

 米政府の政策効果が思うように上がっていない失業問題や景気回復の遅れから、米国内産業の立ち直りを第一義とする愛国主義が広がっていることが懸念される。マイマイガに関する今回の対日処置が、純粋に防虫対策であることを願う。それにしても、日本の民主党政権の対米政策は、幹事長の訪米しかないのだろうか。マイマイガ問題は、まだまだ先行き不安から脱することができない日本外交を象徴しているように思えてならない。

いま「みんなの党」が面白い   
投稿者:杉浦 正章 (神奈川県・男性・政治評論家・60-69歳)  [投稿履歴]
投稿日時:2010-02-15 07:35 [修正][削除]
>>>この投稿にコメントする
1342/1361
 最近の永田町の会合で最大の話題が「みんなの党」(渡辺喜美代表)の“躍進”だ。躍進といっても一部世論調査の動向だが、民主、自民両党に次いで第3位につけるものも出て来た。特殊な調査では、何と1位になるものまである。この傾向は一体何を意味するのか。簡単に言えば、「民主支持への反省」が自民党を通り越してみんなの党に落ちているのである。ひとえに自民党のふがいなさがなせる業だが、この調子でゆけば、みんなの党が参院でキャスチングボートを握る可能性も否定できない。まず目立ったのが、日経新聞の調査だ。みんなの党の支持率が前回の2%から5%に上昇し、共産党や公明党を上回って3位になった。参院選の投票先でも8%で、やはり3番手につけた。毎日新聞の世論調査も、2ポイント増の6%となり、09年8月の結党後、初めて公明党(5%)を抜いて3位だ。株価情報を提供している日経系の短波放送による個人投資家対象のインターネット調査では、政党支持率が46%で1位となったほどだ。

 この傾向を分析してみよう。まずみんなの党の一連の発言が分かりやすく、説得力があることだろう。小泉路線を堂々と引き継いでいる渡辺喜美をはじめ、幹事長・江田憲司、政調会長・浅尾慶一郎らのテレビの対談、国会質問などを聞くと、実によく勉強していることが分かる。同じ小党でも、社民党や国民新党幹部の発言は、ワンパターンであり、メモを取る気も起こらないが、みんなの党はメモに値する。例えば、渡辺の「法人税減税して、強い企業をもっと強くすれば、みんなが豊かになる」「CO2問題でも、やりすぎでは、国力を損なう。そんなことも理解できない民主党は、売国奴にちがいない」「失業率を高めているのは、 民主党だ。またその救済に税金を使う。全く労働組合あがりの愚かな集団が、民主党だ」などは、すっと国民や経営者の気持ちに入り込み、うっぷんを軽減する傾向を持つ。別に自民党がこの発言をしても、全くおかしくないが、みんなの党だから大衆は湧く。

 なぜだろうか。多くの有権者が、長年の自民党政治にアレルギーを抱き、それがなかなか払拭できないからであろう。民主党は小鳩疑惑で信用ならぬが、自民党もやはりその次に信用ならぬという感覚に、どうしても陥るのだ。そして政界を見渡せば、元気のいい党が理路整然と民主党を突いている。「新鮮だ」と感ずるのだろう。しかし問題は、この新鮮さが持続するかどうかだ。過去に新自由クラブ、新党さきがけなど、小人数でスタートして政権の中枢に参画したケースはある。幹事長・浅尾は「参院10議席を目指す」としているが、2大政党激突のはざまで、それが可能か。過去のミニ政党は中選挙区を土台として勢力を拡大したが、小選挙区では大政党に割り込むのは至難の業であろう。しかし比例区で伸びる可能性は否定できない。

 さらに、みんなの党のマイナス要因は、民主党に“変事”が生じた場合、離反した支持率が民主党に戻る可能性も否定できないことだ。“変事”とは、民主党が疑惑の小鳩の切り離し、もしくは小沢だけの切り離しに成功した場合だ。これは、風向きが変わる可能性がある。みんなの党に流れた支持率が、やはり昨年自ら選択した民主党を支持して、「もう少し様子を見よう」という気持ちにさせるかも知れない。昨年の総選挙前と同じ展開である。旗印「自由と活力」のみんなの党がどこまで票を伸ばすか、新たな政界流動化の要素となることは間違いない。もしキャスチングボートを握った場合、どちらに付くかだが、いまのところ民主党批判で支持率を拡大している要素が大きく、自民党に付くとみられている。しかし政権参画は“蜜の味”。こればかりはふたを開けないと分かるまい。


   <<前の20件 | 最新次の20件>>  [ スレッド一覧 | タイトル一覧 | 投稿一覧]