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(連載2)トランプ大統領は外交から手を引くべきだ ← (連載1)トランプ大統領は外交から手を引くべきだ  ツリー表示
投稿者:河村 洋 (東京都・男性・外交評論家・50-59歳)  [投稿履歴]
投稿日時:2017-07-22 10:53 [修正][削除]
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3922/3922
 これらの外交上の失敗に鑑みて、私は、トランプ氏が東アジアで同じ間違いを繰り返さないことを望む。特に日本と韓国は北朝鮮危機への対処のためにも、そうした再保証を必要としている。ヨーロッパでもそうであったように、トランプ政権の閣僚達は良い仕事をしている。しかし、トランプ氏が極東を訪問するとなれば、彼の不用意な発言によって太平洋の安全保障パートナーシップに被害が及びかねない懸念がある。現在、東アジアは19世紀的な大国の競合が最も激しい地域である。トランプ氏の思慮分別を欠いた失言によって予期せぬ緊張が引き起こされかねない。特に歴史認識での不用意な発言は日中韓の関係を複雑にしかねない。トランプ氏がマール・ア・ラーゴでの会談で習近平主席の歓心をかおうとして中国の歴史認識を受け入れた際に、韓国が激しく反論したことは記憶に新しい。またアジアでカタールのような仲間外れの同盟国を出すなどは、もっての外である。

 トランプ氏の無知かつ無配慮な失言は、マクマスター氏、ティラーソン氏、マティス氏にジョン・ケリー国土安全保障長官を加えた政権内の「大人の枢軸」にとって由々しきものである。その中ではマティス氏だけが独立した立場を維持している。また政権閣内で作成されたいかなる政策も、職業外交官によって実施され、アメリカの国益が守られている。彼らは、トランプ氏によってもたらされたダメージの軽減にあらゆる努力を惜しまず、諸外国との友好関係の維持に努めている。特に大統領がロンドンのサディク・カーン市長をテロリスト呼ばわりした際には、アメリカの外交官僚は一丸となってイギリス政界のトランプ嫌悪感を緩和し、米英両国の特別関係の維持に努めた。そうした外交官達による国家への献身にもかかわらず、それに対するトランプ氏の褒章は国務省予算の大幅削減であった。現大統領は明らかにアメリカの外交政策に関わる高官達にとってお荷物になっている。

 トランプ氏は国家安全保障に重大なリスクであるが、ロンドン・スクール・オブエコノミックスのアン・アップルボーム客員教授は『ワシントン・ポスト』紙の7月23日付の論説で「外交に関する全ての権限をトランプ氏から取り上げることはきわめて危険だ」と主張する。行政手続き上はアップルボーム氏の議論は正しい。そこで同氏が取り上げているアフガニスタンで、マティス氏が駐留米軍の最高指揮権を全面的に一任されている例を見てみよう。アメリカ国内および海外の政策形成者達は、トランプ氏の国際安全保障に関する理解には大いに疑問を抱いているので、マティス氏の主導下で戦争が取り仕切られるなら歓迎との声もある。しかしアップルボーム氏は「これには制度上の問題がある。軍事テクノクラートによる外交政策では、政治的な正当性を欠く。民主主義下では戦略の実行も議会や他の省庁の支援を得ないと、実行不可能である。とくに、軍事戦略には他省庁との政策調整が必要で、ペンタゴンが全てを取り仕切ることはできない」と述べている。

 しかし、省庁の枠を超えて問題を俯瞰し、正しい決断を下すには、トランプ氏はあまりに無能である。これが典型的に表れているのが、アメリカ外交における対外援助の価値に関する彼の無知である。実際にマティス長官、デービッド・ペトレイアス退役陸軍大将、ジョセフ・ダンフォード統合参謀本部議長といった軍事のプロの方が、戦場での経験を通じて対外援助のような非軍事的側面の重要性をトランプ氏よりはるかによく理解している。閣僚の誰かが国家安全保障を主導するとなると、省庁間の調整が問題となるだろう。その場合はマイク・ペンス副大統領が現政権の外交政策を総括すればよい。ヨーロッパ、日本、韓国への彼の歴訪は、これら諸国がアメリカとの同盟関係に抱いた懸念の払拭に一役買った。外交実務に当たる官僚達は、自分達の職務に対するトランプ氏の無理解と統治能力の低さに辟易している。トランプ氏のG20出席は、世界の中でのアメリカの孤立を印象づけただけだった。その折にプーチン大統領と会談した後で、トランプ氏はロシアとのサイバーセキュリティ協力の強化を口にしてワシントンの安全保障関係者を驚愕させた。日本国民として、私はドナルド・トランプ氏には訪日して欲しくないと思っている。彼の不用意な発言で国際安全保障のリスクが高まることは、ヨーロッパと中東の例でも明らかだからである。(おわり)

(連載1)トランプ大統領は外交から手を引くべきだ  ツリー表示
投稿者:河村 洋 (東京都・男性・外交評論家・50-59歳)  [投稿履歴]
投稿日時:2017-07-21 18:05  
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3921/3922
 非常に嘆かわしいことに、ドナルド・トランプ大統領は選挙中の公約であった「アメリカ第一主義」を変えることもないばかりか、さらに痛ましいことには、彼の中東およびヨーロッパ歴訪の前に自らの政権の閣僚達が同盟国との相互信頼を再構築しようとした努力の一つ一つをぶち壊しにしてしまった。トランプ政権の発足からほどなくしてマイク・ペンス副大統領、レックス・ティラーソン国務長官、ジェームズ・マティス国防長官らが訪欧して大西洋同盟へのアメリカの関与を再確認したことで、ヨーロッパ諸国民は安堵した。閣僚達はトランプ氏が大統領として国際舞台にデビューするお膳立てをした。しかしトランプ氏の歴訪は地域安全保障に対するアメリカの関与に疑念を抱かせるだけになった。今や我々はトランプ氏を安全保障上のリスクとして真剣に考える必要があるのは、国際安全保障でのアメリカの役割に関する彼の理解が乏しいからである。このリスクは同氏の選挙運動中から予期されていた。

 まずトランプ氏のNATO首脳会議参加について述べたい。会議の場ではトランプ氏は条約第5条の相互防衛義務に言及しなかったことで米欧双方から深刻な懸念の声が挙がったが、それは歴代のアメリカ大統領が常にこれに言及してきたからである。さらに驚くことに、「選挙中にNATOは時代遅れだと言った時には、米欧の同盟関係についてよく知らなかった」とトランプ氏が認めたことである。それなら第5条の重要性を理解していなかったのも無理はない。トランプ氏が集団防衛の中核に言及しなかったことはヨーロッパの同盟諸国を驚愕させ、政権内の外交政策スタッフを当惑させた。実際にマティス長官とティラーソン長官とともに、H・R・マクマスター国家安全保障担当補佐官はトランプ氏の演説原稿に第5条を含めるように進言した。しかしトランプ氏がそれに言及しなかったということは、彼らの専門的知識に敬意も払わぬどころか、どれほど危険であっても自分がやりたいようにやるということを意味する。それどころか、トランプ氏は夕食会でヨーロッパ同盟諸国の国防支出の少なさを非難した。さらにアメリカはヨーロッパ防衛から手を引いた方が良いとまでのたまった。ジム・タウンゼント元国務副次官補は「トランプ氏の不適切な発言は国家安全保障を担うだけの自制心が効かないことを示す」と辛辣に述べている。

 そのような無知と人格的未熟性は中東でも問題をもたらしている。サウジアラビアによるアメリカへのインフラ投資を受け入れる一方で、トランプ氏は彼らにカタールへの非難と域内での孤立化を行なうことを許した。実際にトランプ氏の中東訪問での第一の関心は商取引であって、地域安全保障の複雑な事情については自らの政策顧問に耳を傾けなかった。カタールは相対的にイランに妥協的ではあるが、中東では最大の米海軍基地を提供している国でもある。実際に専制国家のサウジアラビアとそれに同調するエジプト、アラブ首長国連邦、バーレーンと言った国々はカタールでの報道の自由を恐れ、それが「アラブの春」をもたらしたと警戒している。よってサウジアラビアはトランプ氏に好条件な投資を持ちかけて媚びへつらいと敬意を渇望する彼の気持ちをくすぐり、カタールに対する外交関係断絶と制裁を認めさせた。

 しかし、トランプ氏がサウジアラビアによるカタールへの圧力行使を認めてしまったことで、湾岸地域での対イラン同盟の強化どころか、地域大国の競合が複雑化した。トルコはカタール支援に介入してきたが、それはエルドアン政権が「アラブの春」においてエジプトでムスリム同胞団を支持しているからである。その結果、イラン、サウジアラビア、トルコの間で緊張が高まった。トランプ氏の無謀なアプローチはアメリカの中東政策をも混乱させている。議会においては共和党のボブ・コーカー上院議員はトランプ氏がツイッターでサウジアラビアとカタールの敵意を煽ることについて、外交委員長の立場から非難した。より深刻な問題は、大統領と国防総省との亀裂である。ペンタゴンと国務省はトランプ氏のサウジアラビア寄りな暴言からカタールを擁護している。 ヨーロッパと同様に、中東でも現政権の閣僚と政府官僚はダメージ・コントロールに多大な労力を投じざるを得ない。(つづく)

 トランプ、極東“金縛りの構図”に打つ手なし   
投稿者:杉浦 正章 (神奈川県・男性・政治評論家・70-79歳)  [投稿履歴]
投稿日時:2017-07-21 04:36 [修正][削除]
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3920/3922
 就任以来半年のトランプ政権における無策ぶりは極東情勢を見れば明白だ。オバマ政権のレガシー(政治的遺産)を次々と壊したトランプは、北朝鮮問題でもオバマ政権の「戦略的忍耐」と決別し、圧力強化にかじを切ったはずであった。しかし朝鮮半島を取り囲んでいた空母「カール・ビンソン」と「ロナルド・レーガン」はいつの間にか姿を消した。「もともと訓練のため」というのがその理由であるが、首をすくめていた金正恩は大喜びするかのように4日にICBM「火星14号」を発射した。そして「今後米国には大小の贈り物を贈り続ける」とトランプをなめきった方針を明らかにした。トランプは金にまるで猿の尻笑いをされているかのようである。金正恩は米国がICBMとならんでレッドラインとしてきた核実験の準備も着々と整えており、その傍若無人ぶりは佳境に達している。中国も北朝鮮を自らの「属国」で、対米防波堤であるかのような位置づけを鮮明化させ、金を野放しにしている。こうしてトランプの対北政策はデッドロックに乗り上げた形である。

 トランプは金を「この男は他にやることがないのか」とお手上げのような状態だが、金にしてみればトランプの無策ぶりをあざ笑いたいところだろう。トランプはオバマの批判など出来ない状況であろう。就任当初は勇ましかった。習近平との会談に合わせてシリアに巡航ミサイルを打ち込み、習の度肝を抜いた上で、対北制裁圧力を求めたのだ。トランプは「中国がやらなければ米国がやる」と勢いづいたものだ。習は最初のうちはトランプの強硬方針に屈するかのごとく、石炭の輸入を一年間凍結するなど、対北制裁に乗り出すかに見えた。しかし、その後は逆に北を勢いづかせるかのような貿易量の増加である。1-3月期の北からの対中貿易は37.4%も増加している。中国と北の貿易は“だだ漏れ”状態なのであり、平壌は好景気を満喫しているという。G20におけるトランプとの会談で習は「中国は対話と協議に基づく問題の解決を主張している」と言いきって、トランプの強硬姿勢を軽くいなしている。

 要するに、習も金もトランプの足元を見ているのである。その背景には極東に確立しつつある戦略的な構図がある。即ち、金正恩が核ミサイルに磨きをかけ、東京とソウルを人質に取って、どう喝外交を繰り返し、中国はこれを陰に陽に助長するという構図である。これに対して米国連大使のヘイリーは、「やむを得なければ軍事力を行使する用意がある」としているが、米国防長官マティスは、北朝鮮が戦争を挑発する以外、「戦争はありえない」という立場である。もちろんマティスは東京に核ミサイルが飛来して爆発すれば、北に壊滅的な報復をしても戦略的には敗北を意味することを知っているからだ。この動くに動けない「極東金縛りの構図」を、トランプは打開する策を持っていないかのようである。逆に言えば、就任半年かけてオバマの「戦略的忍耐」の意味が分かったのだろう。こうしてトランプの半年間は、環太平洋経済連携協定(TPP)からの離脱、パリ協定からの離脱だけは大統領令で実施に移したものの、その他の公約は議会の反対にあって大きく頓挫している。オバマケアに代わるる新たな医療保険制度は挫折して、内政上のつまずきをみせた。国境にメキシコの資金で壁を作る構想、法人税削減、シリア内戦の終結などは全くめどが立っていない。対メディア関係も最悪の状況であり、トランプや長男はツイッターなどを通じてCNN戦闘機撃墜やCNNとの格闘など子供だましの映像を放出している。新たにロシア疑惑で登場した長男のジュニアは「ばかの見本」 と国民の間で評判が悪い。

 政権の基盤になる議会承認人事も全く進展していない。高級官僚569人のポストのうち埋まっているのはたったの48人であり、如何にトランプ陣営の政権運営能力が欠落しているかの証拠となっている。こうした中で共和党内には「来年の中間選挙を戦えるのか」という危機感が生じている。政党支持率も民主党が上向きに転じており、共和党の苦戦は必至と予想されている。4年後の大統領選挙に向けて米政界は動き始めているが、報道によると7月14日に開催された全米知事会で会議の議長を務めたバージニア州知事のテリー・マコーリフは「2020年の大統領選挙で誰が候補になるのか大きなトピックスだったが、民主党の知事からも、共和党の知事からもトランプ大統領の名前は一度も出てこなかった。誰一人、トランプ大統領について語ろうとしなかった」と述べたという。大統領に就任して半年で早くも無視されているような状況だが、本人は全く意に介していない。それどころか何と4年後の大統領選に向けて資金集めを開始しているのだ。就任後100日で数百万ドルを集め、4-6月には800万ドルを集めている。この男の権力欲は飽くことを知らぬものがある。しかし、トランプとメディアの戦いはまだ端緒に就いたばかりだ。今後の焦点はロシアゲートを捜査している特別検察官ロバート・モラーが、どんな報告を公表するかにかかっている。場合によっては、既に議会の一部で生じている弾劾の動きが大きなうねりとなる可能性もないとは言えまい。米政局から目が離せない状況が続く。

トランプ政権発足6か月を経て   
投稿者:四方 立夫 (東京都・男性・エコノミスト・60-69歳)  [投稿履歴]
投稿日時:2017-07-19 10:34 [修正][削除]
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3919/3922
 トランプ政権が発足して早くも6カ月が経過した。既に世界中に予想を上回る大混乱を引き起こし、もはや多くの国が米国を世界のリーダーとは見做さなくなりつつあり、中国の台頭、北朝鮮の暴走、ロシアの復活を後押しすることとなった。一時期トランプは習近平との夕食時を狙ってシリアにミサイル攻撃をし、北朝鮮に空母を派遣して圧力を強める動きを見せたものの、結局その後が続かず、中国及び北朝鮮にトランプの言動は所詮「ブラフ」に過ぎないと見透かされ、中国は北朝鮮に対する経済的圧力を強めることなく、北朝鮮の「ICBM実験成功」をもたらした。

 したたかな中国はキッシンジャーを通じてクシュナーを取り込み、イヴァンカとその娘を中国大使館の「春節の宴」に招き、クシュナーの親族が経営する不動産開発会社をつうじて中国から米国への投資を呼びかけた。「利益相反」が問題視されており、トランプ政権はその発言とは裏腹に実質的には「親中」に傾きつつあるのではないかと危惧される。このまま米中の間で”Deal”が成立し、北朝鮮にICBMの開発は「断念」させるが、短距離~中距離ミサイルに関しては「黙認」することになれば、我が国にとっては最悪のシナリオとなる。北朝鮮は「極秘裏」にICBMの開発を続け、近い将来には米国本土もその標的となると共に、既に我が国に照準を合わせていると言われる100発を超える短/中距離ミサイルすべてに核弾頭が装着されれば、もはや手の打ちようがなくなる。

 一方、トランプは早々にTPPを離脱し、多国間ではなく2国間のFTAを模索すると共に、NAFTAの改訂にも着手し、「保護主義色」を強めつつある。その中で我が国がEUとのEPAに「大枠合意」し、米国抜きのTPP11の推進を開始たことは朗報である。カナダは既にEUとFTAを締結しており、日本、EU、カナダ等の自由主義陣営が自由貿易を堅持し、自由主義のルールに基くRCEP、そしてFTAAPへと繋げ、引き続き米国の自由貿易への回帰を説得し続けることが肝要である。それと同時に、自由貿易のもたらす負の側面、即ち競争に敗れた敗者に対する支援、並びに現在自由主義圏の多くで顕著な富の分配の著しい不公正さの改善が重要な課題である。本来「アメリカン・ドリーム」とは「子供の世代が親の世代よりも豊かになる」ことのはずであったが、過去20年間むしろ逆の傾向が明らかになり、ごく一部の人間が「億万長者」になる一方、大多数の国民が貧困に喘ぐようになり、大統領選挙においても「1% vs 99%」が大きな問題となった。

 「外交は内政の延長である」との言葉があるが、逆に言えば、「貿易は国内経済の延長である」。国内における富の分配の著しい不公正(その結果としての貧困と格差)が解消されない限り、自由世界の国民の間で自由貿易並びにグローバリズムに対する反対は収まることはなく、第二、第三の「トランプ」が出現することは必至である。我が国としては今後とも米国を最重要同盟国と位置付けながらも、独自に中国、北朝鮮、ロシア等との間合いを探り、オーストリア、インド等の民主主義国との連携を強化しながら、特に遅れていると言われる宇宙/サイバーなどの分野における独自技術を開発し、自主防衛能力を強化することが喫緊の課題である。合わせて、「自由貿易の旗手」として「メガFTA/EPA」の構築を目指すと共に、「不公正」の解消に努め、各国国民が自由貿易の恩恵を公平に享受できるように貢献することが、アジアの平和と安定に必要不可欠である。

安倍の安易な妥協は保守票まで失う   
投稿者:杉浦 正章 (神奈川県・男性・政治評論家・70-79歳)  [投稿履歴]
投稿日時:2017-07-19 05:09 [修正][削除]
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3918/3922
 この戦いは保守対革新のデスマッチととらえるべきだろう。安倍一強政権と左翼メディアを率いる朝日との戦いでもある。根底には左傾化メディアが秘密保護法、安保法制、テロ防止法と連続して敗北した“遺恨試合”がある。加計問題の力を借りて保守本命の安倍政権を揺さぶる戦術とみるべきだろう。これを自民党反安倍の「輩」は気付いていない。自民党はふんどしを締め直して、“左翼との戦い”に臨むべきなのだ。現状は都議選大敗のショックで安倍が軟化の気配を見せて追い込まれているように見えるが、来週24日にも行われる予算委閉会中審査で踏みとどまれるかがカギだ。首相・安倍晋三は、よもや一地方選挙の敗北くらいで自分が鷹から鳩に変貌しようとは思っていまい。変貌すれば朝日が「許してくれる」とも思ってはいまい。朝日は嵩(かさ)にかかって掃討作戦に入るだけだ。逆に安易な柔軟路線は政権維持の核である保守票喪失につながると心得た方がよい。これまでのところ安倍の考えは都議選の歴史的惨敗について「大変厳しい叱咤と深刻に受け止め、深く反省しなければならない。政権奪還した時の初心に立ち返り、全力を傾ける決意だ」として、政策の遂行で政権を立て直す考えを強調している。問題なのは、自民党が突っぱねようとした閉会中審査を、安倍自身が開催する方向に舵を切ったことだ。これが安倍の“弱気”から出ているとすれば考えが甘いが、おそらくそうではあるまい。加計疑惑を徹底的に打ち消した上で改造を断行することしか政権を立て直す方策は無いと見ているのだろう。

 しかし、安倍が閉会中審査で何を言おうと、左傾メディアは朝日がリードして、「疑惑が強まった」としか報道をしないだろう。サソリは刺すのであって、刺さない選択はないのだ。このデスマッチの根源は遠く第一次安倍政権まで遡る。朝日最大の弱点である慰安婦強制連行誤報問題の遠因は第一次安倍内閣が2007年に「政府発見の資料の中には軍や官憲によるいわゆる強制連行を示すような記述は見当たらなかった」とする答弁書を閣議決定したことにある。朝日はこれをを無視し続けたが、第二次安倍政権になって無視の継続が極めて困難となった。この結果、14年になってついに朝日は慰安婦報道をめぐり、朝鮮人女性の強制連行の虚偽報道を認め、記事を取り消した。社長以下が陳謝の記者会見に臨んだ。安倍はその後「閣議決定は批判されたが、改めて間違っていなかったことが証明されたのではないか」と強調した。さらに「報道によって多くの人たちが悲しみ苦しむことになったのだから、そうした結果を招いたことへの自覚と責任感の下、常に検証を行うことが大切ではないか」とも述べた。まさに第一次対朝日戦は安倍の圧勝に終わったかにみえた。しかし、安倍は2014年に国会答弁で「安倍政権打倒は朝日の社是」と発言している。この発言は同社の元朝日新聞主筆の故・若宮啓文が、評論家から「朝日は安倍というといたずらに叩(たた)くけど、いいところはきちんと認めるような報道はできないものなのか」と聞かれて「できません。社是だからです」と答えたことに立脚している。

 昨年11月のトランプとの初会談で、安倍はこう切り出した。「実はあなたと私には共通点がある」。怪訝な顔をするトランプを横目に安倍は続けた。「あなたはニューヨーク・タイムズ(NYT)に徹底的にたたかれた。私もNYTと提携している朝日新聞に徹底的にたたかれた。だが、私は勝った…」。これを聞いたトランプは右手の親指を突き立ててこう言った。「俺も勝った!」と。意気投合した二人だが、トランプはCNNやNYTとの戦いが佳境に入っている。安倍も朝日との戦いは白熱化している。こうした経緯の中で来週閉会中審査が開かれるが、繰り返すが朝日などは安倍が何を答弁しようと、自分の都合のよいようにしか報道しないだろう。すでに著しい先例がある。それは10日に開かれた閉会中審査における重要発言の無視だ。学校法人「加計学園」の獣医学部新設計画をめぐって前愛媛県知事加戸守行は「ゆがめられた行政が正された」と文科省の過去の対応を批判した。しかしこの発言を、朝日と毎日は無視して報じなかった。まさに報道による印象操作である。

 まだある。普段は一行も報じない時事通信の世論調査を7月15日付朝刊で「時事の調査で内閣支持率が29.9%になった」と報じた。しかし時事の調査は、各社の調査に比べて普段から全体的に低めの数字が出るのが特色であり、時には10ポイントくらい低いケースもある。時事の29.9%は報道各社の30%後半であるとみた方がよいのだ。朝日はそんなことは百も承知で、支持率が紛れもなく20%台に落ちたとの印象操作を展開したのだ。朝日および毎日、TBS、テレビ朝日は冒頭挙げた秘密保護法、安保法制、テロ防止法成立への意趣返しに何が何でも内閣支持率を低下させて保守の牙城を崩壊させようとしているのだ。左翼がよく使う陰険なる手段による報復である。正面から攻めずに加計問題のような実態のない脇筋の些細な問題から攻めるのだ。従って安倍は、“軟化”したからといって追及の手が緩むと考えたら甘い。この場をしのぐには内閣改造も重要だが、秋以降通常国会に向けてチャンスを見て解散を断行することしかない。解散を断行した場合には改憲勢力で3分の2議席を維持出来るかどうかは極めて難しいとみなければなるまい。しかし、改憲より優先すべきは政権の継続であり、来年の暮れの解散では確実に三木政権と同様の「追い込まれ解散」となる。勝負の解散で政権を維持し、来年総裁3選を実現すれば、2021年までの間に再度の解散で3分の2を獲得することも不可能ではないのだ。

パリ協定と今夏の日本の豪雨禍   
投稿者:船田 元 (東京都・男性・衆議院議員(自由民主党)・60-69歳)  [投稿履歴]
投稿日時:2017-07-17 14:24 [修正][削除]
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3917/3922
 先々週後半、九州地方北部では断続的に大雨が降り続き、福岡県朝倉市や大分県日田市などでは、河川の氾濫や土砂崩れなどで多くの犠牲者や甚大な被害が発生してしまった。心からお悔やみ、お見舞い申し上げなければならない。特に朝倉市ではわずか48時間の間に600mmという、7月1ヶ月分の雨が一度に降り続いたという。原因は「線状降水帯」という聞きなれない現象が発生したからだ。水分をたっぷり含んだ西風が、脊振山地によって二手に分かれ、また合流した風下で活発な積乱雲が相次いで発生した。

 この現象の特徴は、長時間にわたって同じところに豪雨を降らせることだ。2年前の9月、北関東で発生した線状降水帯は、栃木と茨城に長く豪雨を降らせ、鬼怒川下流の常総市で堤防が越水及び決壊し、甚大な被害が発生したことは記憶に新しい。
 
 例年梅雨の末期にはこの様な局地的な豪雨はしばしば発生するが、30年に一度起こるか起こらないほどの「異常気象」を飛び越えて、50年や100年に一度という「未だかつて経験したことのないような豪雨」を、日本中の各地で経験するようになった。なぜこの様な現象が起こるかと言えば、やはり地球温暖化の影響を考えざるを得ない。全体的な気温上昇は大気中の水分をより多く貯めることとなり、これが他の冷たい気団に触れると、大量の雨となって地上に降り注がれる。CO2をはじめとする温暖化ガスの早急な削減を求めなければならない。
 
 昨年の気候変動枠組条約・締約国会議(COP)でようやく合意に達したパリ協定では、各国は2030年までに温暖化ガス排出の何割を削減するかをプレッジしたが、肝心のアメリカがトランプ大統領の命により、離脱を決めてしまった。今後の各国の足並みの乱れが懸念される。我々協定順守国はスクラムを組んで、この度の九州地方北部の豪雨災害をはじめ、各国で発生している自然災害をまとめて、トランプ大統領に突きつけたい気持ちである。

自民に「大型倒閣議連」は出来まい   
投稿者:杉浦 正章 (神奈川県・男性・政治評論家・70-79歳)  [投稿履歴]
投稿日時:2017-07-14 04:35 [修正][削除]
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3916/3922
 大統領ドナルド・トランプの長男であるドナルド・トランプJrがTwitterでCNNのロゴを貼り付けたロシアのジェット機をトランプが攻撃する動画を公開している。トランプは「お前はクビだ!」という決めゼリフを吐き、ミサイルを発射、撃墜している。さしずめ首相・安倍晋三がやるとしたらマスコミは1社にとどまらないから、敵が多すぎる。自民党内なら主敵は石破1人だから簡単に撃墜できる。冗談はともかくとして、各派領収の中で石破の“孤立”が著しい。なぜ孤立しているかと言えば、このところ朝から晩まで口を開けば安倍批判を繰り返す“特異”な存在となっているからだ。メディアは何とかして「安倍降ろし」政局を実現したいからやんやの喝采を送るが、党内的には“浮いて”しまっているのだ。

 昔の長期政権でも浮いた人がいた。佐藤政権時代の外相三木武夫だ。佐藤は政権当初は三木への禅譲を示唆していたが、その後次第に福田赳夫と田中角栄を競わす形で“育成”をはかりだした。そして総裁選で佐藤が3選に出馬することが分かると、やっと禅譲はないことを知った三木は「男は1度勝負する」と外相を辞任して出馬した。佐藤はなんと国会で「三木君を外相に起用したことだけは不明のいたりであった」と答弁。総裁選は佐藤が圧勝して三木は以後干された。しかし結果的には首相になれたのだから、三木は「いい勝負」をしたことになる。安倍は紳士だから石破に対して「閣僚に起用して不明のいたり」などとは言わないが、不愉快であることは間違いあるまい。石破は三木のように「いい勝負」をしたいに違いない。7月13日も「負けに不思議の負けなしだ。都議選の結果をどう考えるかという機会を党全体として持たないと記憶は薄れる」と発言した。明らかに安倍の責任を問おうという構えだ。しかし、党内は「第一義的には小池にやられた」 (党幹部)という見方が支配的であり、副次的に安倍側近らの責任に言及する程度だ。それも公言する者は少ない。

 こうした中で麻生の読みは早かった。都議選開票日の7月2日夜安倍と、菅義偉、甘利明との会合で明らかに安倍支持と受け取れる姿勢を示し、その後も「安倍政権をど真ん中で支えてゆく点で一点の乱れもない」と言い切った。一方外相・岸田文男も13日の同派会合で「数字や批判に一つ一つ振り回されるのは情けない限りだ。安倍政権をしっかり支え、与党の責任を果たす」と言明して、安倍支持を鮮明にした。岸田は「安倍支持」を二度にわたって繰り返している。明らかに現段階での安倍退陣は無理と判断、“禅定路線”の追求となった。自民党幹事長・二階俊博に至っては都議選前の2月の段階から「支障がない限り3選支持は間違いのないわれわれの方針だ。国際的に見ても首相が進めている外交は今のところどれ一つ取ってみても非の打ち所がない」と述べ、いち早く支持している。都議選敗北後に発言しないのは、敗北の責任が自らにあるからにほかならない。

 こうしてこれまでに、合計すれば250人に近い議員を糾合した派閥の領袖が支持を表明するに至っている。そもそも政権を引きずり下ろそうとした場合、自民党内には議員連盟が出来て、これが核となって反政権の戦いを展開するケースが多い。「三木おろし」の挙党体制確立協議会(挙党協)が有名だし、「宮沢降ろし」も「政治改革議員連盟」が出来て、内閣不信任案の可決へと導いた。石破が吠えまくっても、不満分子は集まって気勢を上げる可能性はないではないが、大きな倒閣議員連盟が出来るような動きには発展しそうもない。むしろ党内は内閣改造へと焦点が移りつつあるように見える。党内には「石破さんは来年の総裁選に立候補しても20人の推薦人が集まるのか」という声すら聞こえる。テレビばかり見ているとまるで石破が党内をリードしているかのように見えるが、実情とは天地の差がある。

 こうした党内の空気を読み取ってか、安倍は7月13日、野党が求めている衆院予算委員会の閉会中審査に月内に出席する意向を固め、国対委員長竹下亘に伝えた。竹下は当初から審査を拒否する方針であったが、安倍の意向を尊重した。安倍は自信がなければ出来ない対応である。安倍はこれまで加計学園の今治市誘致に関連して「もし私が働き掛けて決めたならば責任を取る」と究極の発言をしており、野党の質問を突っぱねるものとみられる。その上で8月初旬に改造に踏み切るものと予想される。今回の改造ほど長期政権を維持出来るかどうかのカギを握るケースは珍しい。まず改造で支持率が上がるかどうかがポイントだ。これまで安倍は14年、15年、16年の改造で下降気味の支持率を上昇させてきた。今回の支持率下落は側近の疑惑やヒステリー女が足を引っ張ったケースであり、安倍本人を直撃するものではない。いわば指導責任が問われているだけであり、改造に成功すればおそらく読売と産経の支持率は上昇するだろう。しかし、朝日、毎日、TBS、テレビ朝日の支持率がすぐに上がるかどうかは微妙だ。もともと世論調査などはいい加減なところがある。編集方針によって恣意的に動くのだ。調査員の言葉遣いや聞き方の順序で回答者の反応が異なるからだ。これらの反安倍メディア対策も長期政権維持には欠かせない。安倍は3日に毎日とのインタビューに応じているが、あの手この手でメディアの敵を少なくしてゆくことも重要だ。

日欧の戦略的合意が世界をリードする   
投稿者:鍋嶋 敬三 (神奈川県・男性・評論家・70-79歳)  [投稿履歴]
投稿日時:2017-07-13 10:28 [修正][削除]
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3915/3922
 日本と欧州連合(EU、28カ国加盟)の首脳協議(7月6日)で経済連携協定(EPA))と戦略的パートナーシップ協定(SPA)に大枠合意した。2019年のEPA発効を目指す。日本とEU合わせて世界の国内総生産(GDP)の28.4%、貿易(輸出入)の36.8%を占める世界最大級の自由な先進経済圏が誕生する。米トランプ政権が離脱を決めた環太平洋連携協定(TPP)と同程度の高い自由化率を確保、自由貿易体制を守る強い政治的意思を示した。保護主義に立ち向かう強いメッセージを世界に向けて発したものだ。日本にとっては、米国抜きのTPP11の発効に向けての交渉の大きな推進力になるとともに、今後の対米貿易経済交渉の有力なカードになる。

 EPAは3月、5月に続く3回目の日EU首脳会議で合意が成立した。なぜできたのか。トランプ政権の保護主義、多国間より2国間交渉重視、英国のEU離脱という従来の国際秩序を崩す動きに危機感が高まったことが日EU双方の背中を押した。欧州にとっては日本の存在感は相対的に薄かったが、情勢は大きく変わったのである。EU側は「EUが取り決めた最も重要な2国間貿易協定」と最上級の表現で高く評価、ユンケル委員長はEPAが国際標準になるとの考えを示した。安倍晋三首相はEU首脳との共同記者会見で、「自由貿易の旗を高く掲げるという強い政治的意思を示すことができた」とし、「自由で公正なルールに基づく21世紀の経済秩序のモデルとなる」と語り、世界標準となるよう最終合意への決意を示した。「米国第一主義」を掲げるトランプ政権が保護主義へ走り出す中、中国の習国家主席が実態とかけ離れた「自由貿易の旗振り役」のポーズをひけらかしている時だけに、日EUのEPAはどちらが本物の自由貿易推進者か、はっきり示した。

 SPAは民主主義、法の支配、人権など基本的価値観を共有する日本とEUの協力の方向性を定める。日EU間の基本文書として法的拘束力を持つ協定である。海洋、サイバー、テロなど約50分野の協力を促進する。EUは「日EU間の政治的合意を新たな段階に引き上げた」と評価。モゲリーニ上級代表は「さまざまな挑戦に効果的に取り組むことができる」とその意義を強調、「日EU協力の法的枠組みとなる」と述べた。日EU間では北朝鮮の核・ミサイル開発が「国際社会共通の脅威で最優先課題」とする首脳声明を発表した。海洋安全保障でも協力を進める基盤ができた。

 安全保障でもう一つ重要な動きがあった。安倍首相と北大西洋条約機構(NATO)のストルテンベルグ事務総長との会談で、NATOからの要請に応えて日本政府代表部の開設を「真剣に検討する」と安倍首相が約束した。アジアと欧州の安全保障環境が密接に関連しているため、「同盟のネットワーク強化が重要」との認識で一致した。NATOの主要任務はロシアの脅威から欧州の諸国を守ることだ。日本がNATOと正式な関係を築けば、対ロ情報が入手しやすくなる。米国に偏らないバランスの取れた情勢判断が可能になり、防衛協力も容易になる。対米国、アジアだけでなく欧州とも提携関係を強化することによって、経済、政治、安全保障面で日本外交の幅を広げ、基盤を強化することになる意味は大きい。

記者会見記録に記者の所属・氏名を公開せよ   
投稿者:萩原 孝夫 (神奈川県・男性・無職・60-69歳)  [投稿履歴]
投稿日時:2017-07-13 09:52 [修正][削除]
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3914/3922
一部マスコミによる稲田叩きは凄まじい。稲田氏が防衛大臣に就任した最初の日の記者会見からして、こう始まります。《記者;大臣は、日中戦争から第2次世界大戦にいたる戦争は、侵略戦争だと思いますか。自衛のための戦争だと思いますか。アジア解放のための戦争だと思いますか。大臣;歴史認識に関する政府の見解は、総理、官房長官にお尋ねいただきたいと思います。防衛大臣として、私個人の歴史認識について、お答えする立場ではありません。記者;防衛大臣としての見解を伺いたい。大臣;防衛大臣として、お答えする立場にはないと考えております。〈中略〉記者;先ほどお答えいただけなかったので、もう一回聞きますけれども、軍事的組織の自衛隊のトップとしての防衛大臣に伺いますが、日中戦争から第二次世界大戦にいたる戦争は侵略戦争ですか、自衛のための戦争ですか、アジア解放のための戦争ですか、見解を教えてください。》

つい最近の会見でも同様です。《記者;「防衛省・自衛隊、防衛大臣、自民党」と言っているじゃないですか。誤解を招くところは一切ないじゃないですか。何をどう誤解するのですか。我々を馬鹿だと言っているのですか。》ここで問題なのは、記者の所属・氏名が示されることなく、匿名でなされていることです。会見の場では顔も所属も氏名も分かってはいるのでしょうが、防衛省ホームページ上では、所属・氏名は公開されていません。しかも、記者会見は記者クラブに加盟する閉鎖環境下で、外部の目が入っていない。仲間内のイケイケドンドンで、独りよがりの自説を一方的に述べ、執拗に質し、極めて行儀が悪い。子供相手なら、「お行儀よくしなさい」と叱るところです。これは記者会見もうではなく、記者の一人が言うように、「議論をふっかける」場になっています。しかも、この状態が、平成28年8月の大臣就任時から今にいたるまでの一年近く続いています。

改めて、大臣の記者会見での匿名性を調べてみますと、20名いる大臣の会見記録のうち、以下の7名、35%は、記者の所属・氏名を公開しています。(1)安倍首相、(2)高市総務相、(3)山本環境相、(4)菅官房長官、(5)松本国家公安委員会委員長、(6 )鶴保内閣府特命担当相、(7)加藤一億総活躍担当相。他に、外務省の報道官の記者会見でも記者の所属・氏名を公開。なお、総務省と外務省では、記者クラブ非加盟の記者であっても、一定の条件を満たせば、質問権を持って参加できるようです。

匿名性を無くせば、記者会見で「議論をふっかける」ことが無くなるだろう、というのは甘い期待でしょう。しかし、少なくとも読者・視聴者が、マスコミ各社を判断するときの大きな要素にはなりえます。「知る権利」をとおして、「選択の自由」を行使することができるようになります。企業に対しては株主の目[日本版スチュワードシップ・コード]があるように、また政府・与党に対してはジャーナリズムの目があるように、[社会の木鐸]を自称するマスコミの記者諸氏に対しても、読者・視聴者の目ががあってしかるべきです。内閣改造が近々行われるようです。退任される大臣は、置き土産の一つとして、記者会見記録に記者の所属・氏名を公開されるよう要望します。

「行政のゆがみ」はむしろ岩盤規制を放置した側に   
投稿者:杉浦 正章 (神奈川県・男性・政治評論家・70-79歳)  [投稿履歴]
投稿日時:2017-07-11 05:35 [修正][削除]
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3913/3922
 前文部次官前川喜平の言うように「行政をゆがめた」のか、地方創生相山本幸三が言うように「一点の曇りもない」のか。衆参両院の閉会中審査をつぶさに聞いたが、両者の主張は平行線をたどった。いったん「ある」と主張したものを「ない」と否定することは、“悪魔の証明”に似て極めて困難だが、第三者の証言があれば概ね証明できる。今回の場合前愛媛県知事と国家戦略特区諮問会議の議員による「ない」の主張が、完璧であり、前川の主張は「引かれ者の小唄」の感を否めないものであった。その主張は憶測と推測が多く、反安倍指向の強い一部新聞や民放など大向こううけを狙う魂胆が見え見えであり、次官たる者の人格を疑う様な発言に終始した。最大の問題点は、前川が次官在職中に加計学院による今治市への獣医学部新設の動きに待ったをかけないで、今になってマスコミ受けをよいことに「決着のプロセスが不透明」などと“反安倍”とみられる発言を繰り替えしていることだ。

 前川発言は都議選結果にも大きく作用して、国政に重大な影響をもたらしている。衆院でも前川は「なぜ次官時代に発言しなかったか」を質されて「内心じくじたる思いがあるし、反省をしている」と答弁した。しかし、事は今更反省して済むような話ではない。次官時代に疑問点があるなら堂々と首相に訴えるのが、その職務であったはずだ。前川は続けて「国民が知らなければ行政のゆがみを是正することが出来ないという考えから発言するようになった」と述べたが、前川の言う「国民」とは誰か。朝日、毎日やTBSやテレビ朝日のことか。勝手に国民という言葉を使われても心ある国民は憤懣やるかたないのであろう。なぜかといえば、前川の言う「行政のゆがみ」はあまりにも独善的であるからだ。むしろ行政のゆがみは、文科省が半世紀にわたって獣医学部の新設を認めず、獣医の独占を許し、「獣医ぼろもうけ」の実態を放置したことにあるのではないか。「岩盤」を死守しようとしたことの方が「ゆがみ」でなくてなんだろうか。その岩盤にドリルで穴を開けようとした安倍政権の改革に、次官在職中に待ったをかけずに、今になって一部の反政府マスコミにこびるがごとく発言を続ける前川は、人間性が疑がわれても仕方があるまい。

 「ゆがみ」発言に対して前愛媛県知事加戸守行が82歳の老体にむち打つように参院で証言に立ち、「10年間にわたり誘致を働きかけたが、熱い岩盤規制で跳ね返され、やっと国家戦略特区の枠で認められた。長年ゆがめられた行政がただされた、と言うのが正しい」と発言した。まさにその通りである。また国家戦略特区諮問会議のワーキンググループの委員を務める原英史は「『加計学園』ありきなどという指摘は全くの虚構であることは、議事録を見ればすぐにわかることだ。根本的な問題は、獣医学部の新設禁止という規制が正しいかであり、従来のゆがみをただすための取り組みを進めたものだ」と証言した。前川は公開されている諮問会議の議事録を読んだことがあるのか。ないのだろう。あれば独善発言を繰り返せなくなるはずだ。さらに前川は、文科省のあきれんばかりの天下り人事の責任をとらされて次官を退任した経緯についても、未練たらたらの発言を繰り返した。参院で官房長官・菅義偉は「昨年11月に杉田官房副長官の求めに応じて説明に来たときに、進退についての意向を示さなかった」と、あれだけの天下り問題が指摘されても、責任を取る姿勢がなかったことを明らかにした。

 さらに菅は「1月に文科省の事務局から定年延長の打診があり、杉田副長官は『難しい』と回答した」ことを明らかにした。これに対して前川は「1月4日には引責辞任を決意していた」と弁明したが、決意していたのなら一刻も早く辞任すべきであったのではないか。こうして閉会中審査は前川の特異な性格だけを浮き彫りにさせて終わったが、朝日は7月11日付朝刊でも「加計ありき疑念消えず」と、大見出しで前川・野党寄りの紙面を展開している。しかし、朝日が「疑念消えず」と、洞察力のなさを露呈するのは勝手だが、審査はこれ以上継続しても、不毛の論議を繰り返し、政権をおとしめる作用を増幅させるだけだ。安倍が出席しても全く変わらない。従って加計問題などでの閉会中審査は、これ以上は不要だ。民新、共産両党など野党もマスコミ受けを狙って空鉄砲を撃つことはいいかげんにしたほうがよい。自民党は逆に極東情勢に関する閉会中審査を要求すべきではないか。極東情勢に目を向ければ、狂ったような指導者がICBMと称するミサイル実験を断行し、核実験も行おうとしている。野党は閉会中に衆参で議員を集めながら、国民の生命を如何にして守るかの議論は素通りしていいのか。

得点挙げた「安倍鳥瞰図」外交   
投稿者:杉浦 正章 (神奈川県・男性・政治評論家・70-79歳)  [投稿履歴]
投稿日時:2017-07-10 04:59 [修正][削除]
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3912/3922
 なみいる各国首脳の中でもその活躍ぶりが目立ったのは、掛け値なしで首相・安倍晋三だろう。大局観に根ざした鳥瞰図外交を展開、国益を大きくプラスに導いた。まず第一に日本と欧州連合(EU)の間で、簡単に言えば「チーズと車の交換」とも言える経済連携協定(EPA)締結で大筋合意を達成。その勢いを駆ってG20の大勢を自由貿易推進・保護貿易排除でまとめ上げた。2日間の討議の成果をまとめた首脳宣言では「あらゆる不公正な貿易慣行を含む保護主義との闘いを続ける」と明記された。 さらに安倍は「北朝鮮の暴挙」をG20はもちろん2国間交渉でも取り上げ、世界世論の大勢を北朝鮮批判に誘導した。この結果日米韓首脳会談では経済制裁強化で一致。中国の習近平の心胆を寒からしめたが、同時に「一帯一路」への協力姿勢も示して、習を“くすぐり”、関係悪化を最小限にとどめた。国際舞台におけるこうした積極外交は、これまでの歴代首相が成し遂げ得なかったことであろう。カケだモリだと葦の髄から天井を覗いて、首相の足を引っ張る民放コメンテーターの「輩」も、そろそろ国益に目覚める時刻ではないか。それを言っても馬の耳に念仏か。馬耳東風か。安倍はコメンテーター原因の支持率低下など気にする必要はない。

 フランスの公共放送フランスドゥは、EUと日本のEPA成立を手放しで賞賛した。これを伝えるアナウンサーは最初から最後まで笑顔を絶やさなかった。まるで英国の離脱でつまずいたEUが、福の神に出会ったような報道ぶりであった。まず「ヨーロッパの経済を活性化させる世界最大の自由貿易圏が誕生した」 で始まり、「G20開催の直前に発表されたことは象徴的だ。EUはトランプが手放した日本市場を獲得出来ることになった。これがアメリカの保護主義への返事だ」 とトランプの保護主義を切って捨てた。EU委員長のジャン=クロード・ユンケルも「合意のインパクトは世界に広がる」と言明、トランプが阻止に動いた自由貿易の波が広がることを予言した。一方アメリカでとかく政権擁護に動くウオールストリートジャーナル紙は、社説で取り上げたが、日本批判の言葉は一切なく、トランプの無策ぶりを戒めるトーンで貫かれていた。同紙は大筋合意を「トランプへのメッセージが込められている」と前置きして「米国の農家や輸出業者は日本への販売増加を享受できたはずなのだが、そのチャンスは欧州に与えられた」と残念がった。そして「米国が取り残されるリスクがある」と警鐘を鳴らした。こうした同紙の姿勢は、多くの米国民にトランプの貿易政策の失敗を印象づけるものであり、政権にとってはボディブローとして利いてくるだろう。

 今後環太平洋経済連携協定(TPP)を米国をのぞく11か国で推進すれば、やがては「父帰る」につながるような気がする。一方北のICBMらしきミサイル発射に関連して安倍はチャンスとばかりにG20の場を活用した。もちろん習近平へのけん制を込めての言動だ。焦点の日米韓3か国首脳会議で安倍は「北朝鮮に真剣に対話する意思などないことを示すものだ。今は圧力をかけていくことが必要不可欠だ」「北の態度を変えるためにも経済制裁をさらに強める必要がある」 と主張して、トランプもこれに完全同意。文在寅も渋々ながら同調して3国首脳の見解としてまとまった。文はこれに先立つベルリンでの演説で「今が北が正しい選択の出来る最良の時期」として北との対話を改めて呼びかけているが、この姿勢ばかりは度しがたい。どちらかと言えば日米よりも中国やロシアに近い考え方であり、浅薄なる対北認識が3国の結束を乱す可能性は十分あるとみておかなければなるまい。中露と韓国の融和姿勢は金正恩を一層増長させるだけだ。

 一方習近平は北に関してはいよいよ開き直りとも受け取れる“本音”をちらつかせた。トランプが「何らかの行動を取らなければならない」 と促したのに対して習は「中国は対話と協議に基づく問題の解決を主張している。国際社会は対話を促進し、危機管理を強める努力が必要だ」とこれまでになく姿勢を鮮明にさせた。それもそうだろう。中国は北との貿易交流を抑制するどころか推進している。石炭の1年間輸入禁止表明の陰で対北貿易は拡大の一途をたどっている。北の対中貿易は1-3月期でなんと37.4%も増加しており、北は好景気の状態となってきているのだ。この中国の国際社会を欺く姿勢は国連などでも糾弾されるべきだが、習の姿勢は変わらないだろう。変わらないどころか、北の核武装によって米国を極東から追い出し、日本が中国にひれ伏すまで止めないという、長期戦略に主眼を置きつつあると見るべきであろう。

 日韓両国が北の核どう喝の人質となっている現状下においては、トランプは振り上げたこぶしの落としどころがないのが実情だ。トランプが、下手な軍事行動を取れば、日韓に核爆弾が落ち、米国が報復して北を消滅させても手遅れという構図だ。しかし軍事的な“締め付け”は不可能ではない。その一つが ジョージ・W・ブッシュ政権が提案した「拡散に対する安全保障構想」を復活させる事である。同構想とはいわゆる海上封鎖を伴った行動で、基本原則は、大量破壊兵器および弾道ミサイルの拡散を阻止するために、各国が連携し、関連物質の移送や関連技術の移転を防ぐ。各国の連携方法として、国際法・国内法の枠内で軍・警察・沿岸警備隊などによる阻止行動を断行して封鎖するのだ。さらに北の打ち上げるICBMを米軍が撃墜する事なども含まれる。こうしたいわば寸止めの軍事行動で圧力をかけてゆくことしか残された解決策はないかも知れない。折から読売と朝日の世論調査で内閣支持率が30%台に落ち込んだが、NHKの調査によると長期政権では佐藤内閣が一時は20%台に落ちたがおおむね40%代前後で推移、中曽根政権も当初は30%台だったが40%台で推移していた。40~50%で推移したのは小泉政権だけだ。うろたえることではない。これは都議選現象が継続したものだろう。大水害で安倍外交がかすんでしまったこともある。早期改造と外交・安保、経済政策で対処すればよい。

第一歩から躓いた共同経済活動   
投稿者:袴田 茂樹 (神奈川県・男性・日本国際フォーラム評議員・70-79歳)  [投稿履歴]
投稿日時:2017-07-09 02:14 [修正][削除]
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3911/3922
 昨年12月に日露首脳会談が日本で実施され、北方領土における共同経済活動と元島民等の島の訪問をやり易くすることに関する合意が、この会談の最重要の成果の如く発表された。しかし、今年4月の首脳会談で決まった共同経済活動のための合同調査も、当初は「5月にも官民合同の調査団を北方領土に派遣することで両首脳は一致」と報じられたが、ロシア側が「船の準備など調整が間に合わなかった」と述べて延期された。その後5月末に長谷川首相補佐官をトップに、民間企業関係者らも参加した調査団が、北方領土ではなくまず知事らと協議するためとしてサハリンに向かった。結局4島への69名からなる合同調査団は6月27日に出発した。7月1日までの5日間合同調査は行われている予定だ(6月30日現在)。

 しかし、北方4島での共同経済活動の実現に最も強い熱意を抱き、そのための近隣諸都市のまとめ役もしていた長谷川俊輔根室市長は、ロシア側が受け入れを拒否し、市長は26日に記者会見で、「このような結果となったことは非常に残念だ」と遺憾の意を表明した。はたしてロシアは本気で首脳間の合意を実施するつもりがあるのか。拒否された理由は明らかにされていないが、市長が北方領土問題に関してロシアに批判的な発言をしているためとも言われる。もしこれが真実なら、日本政府が北方領土問題でロシアを公式的に批判している時、市長が同様の発言をしたとの理由で調査団参加を拒否するのはまったくナンセンスだ。6月28日には根室市議会は抗議文を採択し、市議会議長らが外務省を訪問し、毛利忠敦ロシア課長に対し抗議文を手渡した。根室などの地元は、衰退している地域の活性化のために共同経済活動の発展を望んでいる。それゆえ、根室市などの立場を無視し、大企業や地域以外の企業、組織が中心となる活動は容認できないからだ。さらに、当初、日本側が視察を希望していた地熱発電所や魚の養殖場の建設予定地に関しては、ロシアの軍事施設が近くにあるため、ロシア国防省が禁止したと報じられている。

 元島民等の飛行機による訪問も、6月18日に元島民たちがチャーター便で国後、択捉島を訪問する予定となった。18日には、政府関係者や元島民など約70名が中標津空港に集合したが、天候悪化の理由で19日に延期され、それもやはり濃霧が理由で今回は結局中止となった。政府は、夏から秋にかけての天候が落ち着いた時期に訪問を実現すべく、ロシア側と再交渉する予定だと報じられている。またロシア側は、一回のチャーター便を認めただけで、その後に関してはこれも新たな交渉が必要だ。平均年齢が81歳を超えた元島民の方々は、全国から中標津空港に無理をして集まった方も多いと思われ、失望感も強いだろう。安倍首相がプーチン大統領に手渡した「元島民の手紙」に関しては、本当に元島民主導の動きだったのかとの疑念も報道されており、元島民たちの中には「政府に利用されている」と感じている者もいるのではなかろうか。

 昨年12月と今年4月の日露首脳会談の「成果」は、北方4島での共同経済活動と、高齢の元島民の飛行機による墓参など、往来の簡易化などであった。しかし、肝心のこの「成果」も、実行の段階で早速いろいろな障害にぶつかり躓いている。その最大の理由は、北方領土問題に対してロシア側が厳しい態度を崩していない、というよりむしろ強めているからだ。共同経済活動も、ロシア側に都合の良い形でのみ実施しようとしているのではないか。何とか北方領土におけるわが国のプレゼンスを強化しようという官邸の意図も理解出来ないわけではない。共同経済活動のための合同調査の結果はまだ公表されていないが、しかし、北方4島における「わが国のプレゼンスを強化」するために、万が一にも「両国の基本的立場を侵さない」という根本原則を無視した形で共同経済活動が行われるならば、すなわちロシアの法律の下でそれが行われるならば、「わが国のプレゼンスを強化」は実際には逆に「ロシアの立場の強化」になるということを忘れるべきではない。

ISの終焉か?   
投稿者:船田 元 (東京都・男性・衆議院議員(自由民主党)・60-69歳)  [投稿履歴]
投稿日時:2017-07-06 12:41 [修正][削除]
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 ここ数日の報道では、シリアやイラクの一部を支配下に置いていたIS(イスラミック・ステート)が、崩壊直前にあると言う。2014年にイラクのモスルで、イスラム過激派武装集団の指導者アブバクル・バグダディ容疑者が建国を宣言してから3年近く、アメリカ、ロシアをはじめとする有志連合60ヶ国との間で激しい戦闘が繰り返されてきた。

 既に、ISの首都とも称されるシリアのラッカが陥落し、バグダディ容疑者の死亡説まで流れる中、有志連合は彼らの象徴的な拠点であるモスルを、間もなく制圧する見込みだという。この数年パリ、ニース、ロンドン、マンチェスター、ブラッセル、ベルリンなどの主要都市で相次いだ、過激派テロに関与してきたISが崩壊することは、世界にとってこれほど有難いことはない。

 しかしながら、ISの過激思想に影響され、ジハード(聖戦)貫徹のためには命をも投げ出す覚悟の兵士たちは、世界各国に存在し、一説では3万人もいると言われる。現にフィリピンのデトゥルテ大統領の出身地ミンダナオ島では、マラウィ市でイスラム過激派集団と政府軍が衝突して、双方に300人以上の犠牲者が出ているとの情報もある。ISから遠く離れたテロに関しては、未だに油断できない状況にある。

 ISが誕生した背景は、決してシリアにおける政府と反政府軍との内戦による混乱に乗じただけではない。ヨーロッパをはじめ先進諸国において、貧困や差別の深刻化により、若者を中心に不平不満が高まっていること。他者を理解しようとしない偏狭なナショナリズムや、文化、宗教の台頭などを背景として、若者の流入や洗脳を許してしまったことも背景にある。例え数ヶ月後にISが崩壊したとしても、テロとの戦いはなお続くことを覚悟して、手綱を緩めないことが肝要である。また一方で各国は、貧困や差別をなくすための、明確な政策立案と実行が求められる。

都議選大勝で、小池は国政進出を狙う   
投稿者:杉浦 正章 (神奈川県・男性・政治評論家・70-79歳)  [投稿履歴]
投稿日時:2017-07-05 05:13 [修正][削除]
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 「都民ファーストならぬ国民ファーストということをベースに考えてゆく必要がある」。この発言から見る限り、小池は国政進出を目指すとしか考えられない。一体“野望の女”小池百合子の戦略はどこまで広がるのだろうか。いまや国民的事業であるはずのオリンピック準備など「知ったこっちゃない」と言わんばかりだ。待ってましたとばかりに自民党を離党した小池側近の衆議院議員若狭勝が「新党を作るのならば多分今年、作らなければ来年も再来年もそのまま作らないで終わる」と民放に言い放っている。若狭が言いたいのは、国会議員5人をを年内に確保しない限り政党として認められない、ということ。簡単に言えば政党交付金をもらえないということだ。しかし、5人程度はわけもないことだと筆者は思う。今の勢いから見る限り、昔田中角栄が言った「池を飛び出る鯉」は、民進党を中心に5匹を大きく上回るだろう。すでに都議選では民進党を除籍された衆院議員長島昭久、日本維新の会を除名された参院議員渡辺喜美、無所属の参院議員松沢成文らが都民ファースト候補を応援している。いずれも二線級マイナークラスだが、実現すれば都民ファーストの国政進出が実現することになり、政界流動化の「核」 になり得るとみなければなるまい。都議選でも、民進党から公認候補16人が都民ファーストに逃げ込んだ。蓮舫率いる民進党はまさに難破船のごとき様相であり、難破船からはネズミが最初に逃げ出すといわれている。船長を交代させなければならないときなのに、蓮舫は続投宣言をしてはばからない。自民党にとっては誠にありがたいことであろう。

 しかし、小池が「オリンピック知ったこっちゃない」というなりふり構わずの国政進出の動きに出た場合、国民の批判の対象は小池に焦点が絞られる公算が大きい。ただでさえ都庁内部には「あんまり都政に身が入っておられない」と幹部が慨嘆する空気が生じている。オリンピックは国民が期待する最大の行事であり、この準備をおろそかにすれば、自民党にとっても最大の攻撃対象になり得る。他方、自民党内も問題山積だ。まず最大の失敗は政府・与党幹部が都議選でメディアと大げんかしてしまい、「ワイドショーによる敗北」を喫したことだ。幹事長二階俊博に至っては先頭に立って「新聞をお金を出して買っている。そのことを忘れては駄目だ。落とすなら落としてみろ。マスコミが左右すると思ったら大間違いだ」と抜き差しならぬ発言をした。結果はマスコミに左右されてしまった。副総理麻生太郎までが「マスコミは言っているだけで責任は何もとらない」と批判。こうした発言に「しめたと」ばかりに朝日、毎日が批判記事を書けば、これを請け売りして朝から晩までコメンテーターがしゃべりまくる。TBSやテレビ朝日の民放ワイドショーはいまや選挙の最大の判断材料と化してしまった。

 しかし、ヤクザとまともにけんかする人はいない。けんかすれば刺されることを知っているからだ。全く同じで二階がマスコミ批判をすれば、半可通コメンテーターどもに連日、倍返し三倍返しのコメント材料を提供してしまっているのだ。暇に任せてテレビを見る判断力が失せた高齢者は、コメンテーターごときの主張で選挙を判断してしまうのだ。自民党はけんかの仕方を全く知らない。こういった連中に対抗するには、放送の中立性逸脱を理由に民放の放送免許を取り消す動きに出るとか、報道番組やコメンテータ個人に対して訴訟を起して法的判断に委ねるのが一番だ。批判してもその批判を好材料にあることないことしゃべりまくって1回5万円の報酬を受け取る連中には法的な対応をして司法の判断に委ねるべきなのだ。訴訟をすれば国民もどっちが正しいかの判断材料になるが、二階や麻生流の対応は、国民の誤解をマイナスの側に増幅させるだけでリーダーに全くふさわしくない。すくなくとも改造で二階は代えなければ総選挙が持たない。

 したり顔のコメンテーターどもは、過去の例を得々としてあげつらい、今回の事例に何が何でも結びつけようとする。その最たるものが1993年と2009年の政変劇だ。93年は都議選で日本新党が2議席から20議席に増やしたのをきっかけに総選挙で宮沢喜一が大敗、非自民連立政権を許した例だ。09年は都議選で38議席に減らし民主党に第一党の座を譲った麻生が、事実上の任期満了選挙に追い込まれて大敗、民主党に政権を奪取された。しかしその結果と言えば、細川護熙は顔だけが殿様顔で立派だが中身が伴わないことが分かって、わずか9か月で退陣。民主党政権もルーピー鳩山以下無能な首相が3回政権を担当して、そのばかさ加減にあきれて、国民に絶対に2度と政権を取らせないという“決意”をさせてしまった。「衆愚の選択」が日本の政治に教訓をもたらしたのだ。宮沢も麻生も支持率10%台で、もともと断末魔であった。それぞれ曲がりなりにも受け皿があった。安倍はこの「衆愚の選択」を2度と惹起させてはならない。したがって総じて40%台を確保している支持率と、自民党の37~38%という超高支持率を背景に自信を持った政権運営を展開し、既に規制事実のようになている来年秋の解散・総選挙などにこだわらないことが肝心だ。来年秋だと、今の情勢から見れば必ず麻生の例と同じで、追い込まれ解散になりやすい。小池が態勢を整えるのを待つ必要はない。小池新党の動きも察知しつつ、今秋以降果断に解散の機会を狙うべきだ。憲法改正は重要なテーマだが、それより優先するのは解散判断となって来た。また自民党の石破茂など反安倍勢力には、北朝鮮がまたまたミサイルを排他的経済水域に撃ち込んでいる状況下で、小池旋風に踊らされているときかと言いたい。

北朝鮮核問題:政府は国民に真実を伝えよ   
投稿者:山崎 正晴 (東京都・男性・危機管理コンサルタント・60-69歳)  [投稿履歴]
投稿日時:2017-07-03 14:45 [修正][削除]
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3908/3922
 6月23日、全国の民放43局と新聞70紙で「弾道ミサイル落下時の行動」の政府広報CMが始まった。テレビCMは30秒で、全国瞬時警報システム(Jアラート)を通じて緊急情報が流れることを説明。屋外にいる人は頑丈な建物や地下に避難し、屋内にいる人はできるだけ窓から離れるよう促す内容だが、率直に言って国民をばかにしているとしか思えないし、それを批判しないメディアも壊れている。イスラエルのように各戸にシェルターの設置が義務付けられているならともかく、一般の日本家屋で窓から離れるだけで、ミサイル攻撃から命を守れるわけがない。国民全員に脅威の存在と対処方法を知らせることは重要だが、その前に北朝鮮からの攻撃を防ぐために政府がとっている対策と効果を国民に示し、賛否を問うべきではないか。

 北朝鮮核問題について、これまでに発表されている政府の基本方針は以下のようだ。(1)北朝鮮の核保有と関連の開発実験は絶対に容認しない、(2)国連安保理決議に基づく制裁に加え、米国と協調してより厳しい経済制裁を実施する、(3)トランプ米政権の「全ての選択肢がテーブルの上にある」対処方針に賛同する、(4)韓国の文在寅新大統領が打ち出した北との対話には反対する。防衛面ではイージス艦や地対空誘導弾パトリオット(PAC3)による迎撃システムが構築されているが、3月のミサイル4発同時着弾成功、5月の高度2000㌔超の弾道ミサイル発射成功などで、既存の迎撃システムでは北の脅威に太刀打ちできないことが明らかとなった。この弱点克服を目指し、現在日米共同で新型迎撃ミサイルを開発中だが、まだ実用段階には達していない。経済制裁も効果が出ているとは言い難い。韓国政府の推計によれば、北朝鮮経済は、2011年から14年まで4年連続プラス成長を遂げている。15年は1・1%のマイナス成長だったが、韓国国家情報局が16年に出した資料によると、北朝鮮国民の1%に当たる24万人が新興富裕層で、1000万㌦以上の資産家は100人を超えているとのことだ。  
 
 その背景の一つは、安保理決議に基づく経済制裁が軍事関連以外の取引を制裁対象から除外していること。もう一つは、北朝鮮の貿易取引の90%の相手方である中国が制裁に消極的なことだ。6月20日、トランプ米大統領はツイッターで「中国は北朝鮮に核開発を放棄させるため働き掛けを行っているが、これまでのところ失敗に終わっている」と失望を伝えた。これに対して、中国外務省報道官は「北朝鮮の核問題を解決する鍵は中国にはない」と切り返している。現実問題として、北朝鮮が自国の独立と安全を守るための唯一の切り札である核を放棄することは考えられない。一方で、韓国と日本で100万人を超えると推定される犠牲者を考えると、米国による対北朝鮮軍事攻撃も選択肢から外さざるを得ないだろう。

 現時点で最も可能性の高い着地点は、「北朝鮮による核とミサイルの開発凍結を前提に、米国は北朝鮮の核保有を認め、金正恩体制の存続と安全を保証する」ことだろう。もし、そのような形で米朝合意が成立した場合、米朝間には互いの核保有を前提とした抑止力が働くが、核を持たない日本には北の核攻撃を抑止する力がない。日本は、米国の核の傘に入っているとされるが、日本が北から核攻撃を受けた際、米国が反撃すれば北は間違いなく米本土に向けて核ミサイルを発射するだろう。それを承知の上で、「アメリカ・ファースト」の米国は本当に日本のために反撃してくれるのだろうか。今、日本は防衛政策を根本から見直す時期に来ていると思う。

地方選の政局影響は限定的   
投稿者:杉浦 正章 (神奈川県・男性・政治評論家・70-79歳)  [投稿履歴]
投稿日時:2017-07-03 06:10 [修正][削除]
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3907/3922
 宰相たるものこれでなければならない。1964年から72年まで2798日続いた佐藤政権は歴代第一の長期政権だが、都議会選挙でも破れ都知事選でも敗れている。そのときの佐藤栄作日記を取り出して読んだが面白い。どうしても都議選と政局を結びつけたい近頃の政治記者はおみおつけで顔を洗って読んではどうか。まず65年の都議会選は議長選挙に絡む汚職事件が明るみに出て、都議会野党の社会党が第1党に躍進した。これに対し、都知事与党の自民党は過半数61議席を大きく下回り、定数の3分の1を割り込んで第2党に転落した。しかし、翌日7月24日の佐藤日記では「わずかに38で第二党に、社(社会党)は45で第一党。残念だが仕方がない。再建を図るのみだ。ゴルフに出かける。これも芳しくない」とある。都議選結果など歯牙にもかけていないで、ゴルフに出かけている。ただし安倍はこれを真似して、ゴルフをしてはいけない。昔と変わって悪意を持った新聞、民放が幅を利かせており、叩かれるからだ。

 もっともさすがに佐藤も知事選はちょっとこたえたようだ。1967年佐藤は内務官僚出身の鈴木俊一を推し、共産・社会両党は共産党系の美濃部亮吉を推す選挙だった。6月17日の日記には佐藤は「朝刊は美濃部勝利を大見出しで取り扱う。一寸不愉快なり。幹事長は九時過ぎにやってくる。見るも無惨。ほんとに気の毒。小生以上に気落ちした様だ。然し『勝敗は戦いの常』、悲観することもよろこぶこともない。要は如何に戦ったか、次の戦を如何にすべきかのみ」 とある。傑作なのは幹事長福田赳夫を「気の毒」とまるで他人事のような書きっぷりであることだ。確かに国政選挙と違って地方選挙などの第一の責任は幹事長にあるという認識なのであろう。佐藤の強みは「勝敗は戦いの常」と達観し、「次の戦を如何にすべきかのみ」と割り切っていることであろう。常に前向きなのだ。これが長期政権のコツだ。うれしそうに朝日が「首相の求心力低下」とか「安倍一強に大打撃」と見出しを躍らせているが、たかが地方選挙で、この見出しは意図的であり、希望的な観測だ。社是の公正中立な報道などかなぐり捨てている。

 確かに自民党は過去最低の38議席を下回る23議席と歴史的な大敗を喫したが、安倍はトラウマを引きずらないことが重要だ。長期政権への正念場と解して、まず最初の反転攻勢は早期に内閣改造を断行、「心的外傷」を取り除くことだ。NHKの調査で安倍内閣の支持率は48%で堅調であり、自民党支持率も36.4%と高止まりしている。これは共産党系候補やお笑いタレントを知事に選ぶ東京都民の「伝統的な特殊性行」というか、「民度の低さ」が地方に伝染していない証拠であろう。まず人事では幹事長を交代させることだ。このテンポの速い時代にブツブツと説得力のない発言を続ける二階俊博はどうもテンポが合わないし、訴求力がない。票を稼ぐタイプではない。この調子では衆院選でも負ける。むしろ二階は自ら都議選大敗の責任をとって進退伺いを出すべきだろう。加えて“側近”を重用しないことだ。今回の選挙で一番安倍の足を引っ張ったのは「加計疑惑」がとりざたされた防衛相稲田朋美と、こともあろうに東京都連会長の下村博文。そして萩生田光一ら側近であり、下村は「責任を取って都連の会長を辞任したい」と発言しているが当然だろう。また陣笠だが豊田真由子のヒステリー的な暴言、暴行も大きなマイナスだった。

 今度の改造ばかりは閣僚や党役員経験者で「疑惑」が生じていない人物を登用した「重厚実務型」内閣とする必要がある。今回ほど求心力確保が求められるケースは無い。従って派閥順送りで聞いたこともない陣笠を登用して、スキャンダルが発覚、またまた閣僚辞任を引き起こしてはならない。選挙結果を見れば地域政党「都民ファーストの会」が49議席を獲得し圧勝、第1党に躍進したことが全てに波及した。小池が生んだ「都民ファ」は、小池の人気低下と共に消滅するだろうが、それまで都議会自民党は艱難辛苦の時代に入った。捲土重来を期するしかない。加えて自民党が19議席と過去最低となったのは、朝日、毎日、TBS、テレビ朝日の「4大政敵」に攻撃の口実を与えてしまったことが最大の原因だ。高年齢層が大きく都民ファーストに傾いたのは、暇に任せてワイドショーをみれば、朝から晩まで加計疑惑と反安倍の報道に徹しており、選挙妨害もいいところであった。これに爺さん婆さんも“洗脳”されたのだろう。保守的であった高齢者層も判断力を低級コメンテーターの発言に委ねてしまったのだ。

 哀れをとどめたのは民進党だ。蓮舫は「演説を重ねるたびに立ち止まってくれる人が増えた」と述べていたが、立ち止まった人は首を傾げていたのではないか。あれだけ安倍批判を展開したのに効き目は全くなく7議席から5議席に減少した。逆に共闘した共産党は17議席から19議席に増えた。これは国政選挙でも共闘は共産党を利するだけであることを物語る。蓮舫のリーダーシップの欠如は大問題だが、自民党への打撃が大きすぎて、責任問題がかすむ可能性がある。留任してくれた方が自民党にとっては総選挙に向けてありがたい。公明党は、素早く小池人気に乗り換えて1議席増やした。“巾着切り”のような対応で、自民党を裏切った。いかに信用出来ない政党かが白日の下にさらされたが、自民党は国政選挙での共闘は嫌でも推進しなければなるまい。そのうちに裏切り政党は“仏罰”が下るから見ていればよい。自民党内は反安倍色を強めている元幹事長・石破茂らが手放しで喜んでいる。「負けたことを総括しないと、次も負ける」そうだが、だからといって人望のない石破に議員らがなびくかと言えば、とてもその状況にはない。もう1人端倪すべからざるのが小池百合子。国政への進出を否定しているが、これは勝ちすぎの反動が恐ろしいからではないか。ほとぼりが冷めて機が熟したとみれば国政進出も考えないとは言えまい。身の程を知っていたら政治家にはなるまい。もっとも都議会の小池チルドレンの愚論愚行がやり玉に挙がるのはそう遠いことでもあるまい。とても国政へとつなげられる立派な集団とはほど遠く、いずれは馬脚が現れる。 

「日・ASEAN対話」に出席して   
投稿者:池尾 愛子 (東京都・女性・早稲田大学教授・60-69歳)  [投稿履歴]
投稿日時:2017-07-01 10:48 [修正][削除]
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3906/3922
 6月30日午後、日・ASEAN対話が「変容するアジア太平洋地域秩序と日・ASEAN協力」をテーマとして、日本国際フォーラムとグローバル・フォーラムの主催、シンガポール南洋理工大学S.ラジャラトナム国際関係研究所とベトナム国家大学人文社会科学院の共催、国際交流基金アジアセンターの助成により、都内で開催された。日本国際フォーラムとしては、10回目の日・ASEAN対話になると紹介された。10回のうち、2000年以降、私は数回出席したと思うが、ずいぶん大きな変化を感じた。

 海外からは順に、シンガポール、フィリピン、マレーシア、ベトナム、インドネシア、タイを代表する形で発表があり、日本人報告者6人がASEANからの各報告のすぐ後に1人ずつ続いた。ベトナム以外の5ヶ国はASEAN(東南アジア諸国連合)の原加盟国、つまり創設国である。ASEANはベトナム戦争の最中の1967年に創設され、同5ヶ国とブルネイ(1984年加盟)が1992年にASEAN自由貿易地域(AFTA)を構築することを決議した後、ベトナムは1995年にASEANに加盟したのである。1997年にラオスとミャンマー、1999年にカンボジアがそれに続いて10ヶ国がそろう。ASEAN6ヶ国がAFTAの構築に踏み切った主要理由は、中国が政府開発援助(ODA)受入の競争相手として現れたので、ASEAN経済の魅力を増す必要があると考えたからだ、とASEANの研究者からは聞いている。よりわかりやすくいえば、ODA、関連して海外直接投資(FDI)の受入れをより積極的に目指したのだといえる。

 2004年になると、中国経済の成長が顕著になり、エネルギー資源などの大口需要者として注目されるようになる。そして中国は今や、ODAやFDIの提供者として、アジアインフラ投資銀行(AIIB)の本部を有する国として、注目されるようになっている。本対話では出なかったが、2016年には、経済成長がさらに予想されるASEANが、エネルギー資源の大口需要者として注目されるようになっている。過去の予想を上回るペースでの技術進歩によりエネルギー問題は緩和されてきた。しかし、これまで通りの技術進歩のペースでは、ASEANの経済成長は「持続可能である」とは言えなさそうである。経済成長を支えるためには、これまで以上のペースでの技術進歩が要請されているようである。

 今回の日・ASEAN対話に出席して、政治や経済についての専門家のより多くに、現在の東アジアの諸問題に関心を持って研究・考察していただく必要があるのではないかとの感想をもった。この地域の安定性を目指すためには、変容するアジアに対応する人材が、ASEANにも日本にもより多く必要になっていることに間違いなさそうである。ASEANについて語るためには、ASEANのグローバルな位置づけをふまえなくてはならない。地域の安定性をめざす努力が緩むと、ASEAN内で衝突が起きかねない危惧があることは対話の中で何度か表明された。「イスラム国」兵士の流入も懸念材料である。共産主義を価値とするということが、国有企業の多さにつながるのであれば、民間の生産者の活動を基本とする市場経済とは異質であることを意味する。経済成長に伴って諸問題(challenges)が表面化するのは常であるが、諸問題には地域や時代が異なっても共通するもの(エネルギー・環境問題等)と、各地・各時代で様相がかなり異なるものの両方があるといえる。

国民投票の難しさ   
投稿者:船田 元 (東京都・男性・衆議院議員(自由民主党)・60-69歳)  [投稿履歴]
投稿日時:2017-06-30 10:32 [修正][削除]
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3905/3922
 憲法改正の手続きとは、その96条が示す通り、まず衆参両院議員のそれぞれ3分の2以上の賛成により国会が発議し、国民投票において有効投票の過半数を得て、ようやく改正が実現する。しかしこれまでの改正に関する議論の中では、とにかく国会の3分の2以上の獲得が最大の主眼で、国民投票は後からついてくるといった考えが蔓延している。しかし改正手続きのクライマックスは国民投票であり、かつ不確定要素が一杯あって、なかなか容易ではない。最短で60日、最長で180日も続く国民投票運動は公職選挙法の適用を受けず、特定公務員の運動禁止、地位利用の禁止、大規模な買収などを除いては、ほぼ自由に行われる。その運動のやり方によっては、国会の多数と違う結果が生じることも十分あり得る。
 
 現に昨年のイギリスのEU離脱をめぐる国民投票では、事前の残留優勢を覆して離脱が過半数を獲得したことに全世界が驚いた。未だにその混乱は尾を引いている。アメリカの大統領選挙も国民投票ではないが、大方のクリントン優勢に反して、トランプが勝利を納めた。国民世論がどう動くのか、予測がつかなくなっているのが現代の特徴だ。日本国憲法の改正に当たっても、9条の改正であれ、教育の無償化であれ、とにかく改憲勢力が国会の3分の2を占めている時に、早く発議してしまおうという考えは、国民投票でしっぺ返しを食らうかもしれない。むしろその可能性が大きい。
 
 我々が目指すべきは、国会の発議において、できる限り野党第一党である民進党まで巻き込んで、賛成してくれれば上出来だが、そうでなくても、最低限反対しない、反対しても了解の上で採決するところまで持ってこないと、安心は出来ない。国論を二分する9条においては尚更である。さらに憲法改正国民投票を国政選挙と同時に行うべきとの声も聞かれるが、これは邪道である。そもそも政権や政党を選択する国政選挙と、国民全体が関わる基本的な政策選択を同時に行うことは、国民の混乱を招くばかりだ。選挙運動と国民投票運動が同時に行われれば、「かこつけた」選挙違反が横行しかねない。

 百歩譲って、国民投票期日が決まった後、衆議院が解散になってたまたま同時になることは止むを得ないとしても、最初から同時投票を目指すとしたら、国民の冷静な判断を妨げるものであり、決して許されるものではない。国会の発議を目指すもの、改憲を目指すものは、もっと国民投票の重要さと難しさを学ぶべきである。

安倍は早期改造で局面転換を図れ   
投稿者:杉浦 正章 (神奈川県・男性・政治評論家・70-79歳)  [投稿履歴]
投稿日時:2017-06-29 06:20 [修正][削除]
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3904/3922
 こればかりはいかんともしがたい。安倍は早期の内閣改造に踏み切り、悪い流れにストップをかけるしかあるまい。それにつけても何度も書くが、日本の女は政治家には向かない。自民党の女性総理候補は小池百合子、野田聖子、稲田朋美と続いたが 小池はポピュリズム一辺倒で党内的に嫌われて脱落。せいぜい大衆迎合がまかり通る都知事がいいところで、とても都議選の余勢を駆って首相になるような政治情勢にはなるまい。野田はあらぬ時に総裁選に出馬しようとするなど焦りすぎて、党内情勢を見誤り失敗。今度は稲田が失言の山を築いて「死に体」になってしまった。長年政治記者をやっていると政治家を見る目だけは肥えてくるが、稲田は最初から無理だと思っていた。しかし、野党も蓮舫が居丈高になって勝ちどきを上げるケースでもあるまい。民進党への“逆風”も自民党に勝るとも劣らない。蓮舫自身も自らの2重国籍問題を巻き起こし、都議選も不調では、選挙後自分の首が危うくなりかねない情勢だ。だから、しめたとばかりに稲田を追及しているが、ブーメラン返しがそこに見えている。日本の女は、知的には極めて優秀で、家事や育児にも秀でているが、政治家としては英国首相メイやドイツ首相メルケル、米大統領候補クリントンなどと比べると、あまりに低レベルである。長い封建社会で植え付けられた男を立てる遺伝子が、まだ取り切れずに作用しているのだろう。

 どうも首相・安倍晋三は昭恵夫人を選ぶのには成功したが、それ以外は女性を見る目がないようだ。前の内閣では女性閣僚が二人も辞めている。そもそも稲田は、安倍の秘蔵っ子だ。安倍が副幹事長の頃稲田のスピーチを聞いて、スカウトして、12年前に初当選させた。安倍とともに靖国参拝をしたこともある。2014年に政調会長に抜擢、今度は防衛相という重要閣僚にした。安倍はかつて「将来の総理候補として頑張ってもらいたい」と激励したことすらある。しかしとりわけ防衛相になってからがハチャメチャだ。資質を問われる発言が相次いでいる。陸上自衛隊が参加する南スーダンの国連平和維持活動(PKO)では、派遣部隊の日報をめぐる大臣報告が約1カ月もかかり、省内を掌握していない状況が浮き彫りになった。この答弁もちぐはぐで、不必要に野党の攻撃を集中させた。スーダンにおける陸自の日報問題でまるで幼稚園児のような答弁をしている。「憲法9条上の問題になる言葉を使うべきではないから、戦闘という言葉を使わず、武力衝突という言葉を使っている」と答弁してしまった。部下が大臣に内々にご進講したとおりの内容を答弁してしまったのだ。

 「森友問題」の訴訟に原告側の代理人として出廷していた問題も、コロッと忘れて、「虚偽だ」と答弁。その後事実であることが判明した。一連の稲田発言に対して感ずるのは、答弁が下手なのに加えて、思い違えが激しいことだ。年増の女性に多いど忘れ現象が頻繁なのだ。今回の場合も仮にも防衛相であるならば、発言していいことと悪いことのけじめを付けなければならないが、事もあろうに憲法違反そのものの発言をしてしまった。都議選候補の応援演説で「防衛省、自衛隊、防衛相、自民党としてもお願いしたいと思っている」だ。これは公務員の地位を規定した「すべて公務員は、全体の奉仕者であって、一部の奉仕者ではない」という憲法15条に紛れもなく違反している。そもそも戦後の自衛隊員教育の根幹は、戦前の軍部独走の愚を繰り返さないため「政治的行為を慎め」と徹底して教えてきたのであり、稲田発言は大臣そのものが率先してその禁を破ったことになる。組織としての自衛隊を率いるトップの発言として、あるまじき事は言を待たない。

 まさに安倍にとっては弱り目に祟り目の事態だが、この悪い流れを断ち切るためには、内閣改造による人事刷新しかあるまい。今度ばかりは熟考して、憲法改正という重大テーマに対処し、衆院選挙にも対応できる人事をする必要がある。派閥順送りは無視して、ベテランを起用して重厚な政権に脱皮しなければなるまい。稲田の後任には経験者で手堅い小野寺五典が適役ではないか。官房長官・菅義偉はよく働いたから、幹事長に抜擢すべきではないか。今のところよく育っていて国民的人気も出てきた小泉進次郎を起用することもよいかも知れない。奇策となるから絶対によいとは言い切れないが、盟友の前大阪市長橋下徹などを起用する手もあるかもしれない。いずれにしても8月中と言われる改造を7月下旬にも断行する必要があるのではないか。局面転換には早ければ早いほどいいのではないか。まだ安倍本体への打撃は少ない。改造して再出発すれば支持率も回復基調に入る。

「木に竹を接ぐ」マスコミの都議選認識   
投稿者:杉浦 正章 (神奈川県・男性・政治評論家・70-79歳)  [投稿履歴]
投稿日時:2017-06-27 05:33 [修正][削除]
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3903/3922
 「一犬虚に吠ゆれば、万犬実を伝う」とは、一人がいいかげんな ことを言うと、世間の多くの人はそれを真実のこととして広めてしまうということのたとえだ。近頃の政治記事の風潮はまさにこの様相である。日経、毎日、時事の順で、今回の都議選が1989年や2009年のケースとそっくりで、都議選に敗れれば政局につながると言いはやしている。過去2回の都議選が先行指標になるというのだ。民放などはオウムのようにこの論調を繰り返しているが、本当にそうだろうか。筆者は「木に竹を接ぐ論法」だと思う。当時の状況は24年前はもちろん、8年前もつぶさに覚えているが、全く政治状況が現在と異なっている。まだ編集局内に当時を知る幹部や記者がいるだろうに、「とろい記事」を書かせて黙認しているのはどういうことか。最初に書いた日経は、6月23日付で「1989年は消費税導入とリクルート事件の直後で、都議会自民党は20議席減の43議席に終わった。続く参院選で自民党は33議席を減らす惨敗。宇野宗佑首相が退陣に追い込まれた。2009年は自民党が都議選で10議席減らし38議席に落ち込み、都議会第1党から転落した。その後の衆院選は181議席減の119議席となり、民主党に政権交代を許した」と書いて、安倍の置かれた状況につなげている。毎日は24日、時事は25日に似たり寄ったりの記事を書いて追いかけている。

 まず1989年の例と現在の政治状況を比較すれば、似て非なるものであることが分かる。首相の置かれた状況が異なる。竹下登のあとを継いだ宇野宗佑は芸者に「3本指でどうだ」と月30万円で囲う話を持ちかけたスキャンダルが明るみに出て、与野党から総スカン。国民もあきれ果てて支持率は10%まで落ち込んだ。安倍の場合は宇野のような薄汚いスキャンダルはゼロであり、歴代首相と比べても外交・安保や経済上の実績は最高の部類である。加計問題なども民新、共産両党と朝日など一部マスコミが大袈裟に騒いでいるだけで、疑獄事件にはほど遠い実態である。都議選は、小池の「都民ファーストの会」などというど素人集団が、都民の民度の低さをバネにして小池の名前だけで一定の数を確保しそうである。自民党が第一党の座を確保出来るかどうかは予断を許さない。しかし小池の支持率も豊洲移転問題の失敗で馬脚が現れ、陰りが生じ始めている。都議選の勢いを駆って国政選挙に多数の候補を擁立する勢いが出るかどうかは疑わしい。都民と違って他府県は民度が高く、小池のタヌキ的な“化かしのポピュリズム”は見抜かれる。一方でこれだけマスコミから叩かれても安倍の支持率は40%台ある。毎日だけが36%だが、これはいかに毎日の調査がいい加減であるかを如実に物語るものだ。

 もう1人支持率10%台で2009年に退陣したのが麻生太郎だ。まず麻生個人の首相としての資質の問題があった。しょせん器ではなかったのである。加えてかつてない早さで悪化する経済情勢、ねじれ国会における野党の審議拒否・審議引き延ばしの結果、迅速な景気対策もとれなかった。日本郵政をめぐる人事問題での総務大臣鳩山邦夫更迭などで支持率は急降下をたどった。この結果総選挙に大敗して民主党との政権交代となり、以来3年にわたる民主党政権の暗黒時代をもたらしたのだ。1989年も09年も都議選が国政選挙の惨敗につながったが、今度の場合都議選と直結する国政選挙はない。したがって国政で民新、共産が大幅に議席を伸ばす可能性はない。ましてや民進党が政権交代できるほど躍進する気配などゼロだ。その上両党は都議選でも不振である。都議選は「都議会第1党」の維持を目指す自民党と、一過性の「つむじ風」になりそうな都民ファーストによる「一騎打ち」の色彩を濃厚にしている。この結果民進、共産両党が弾き飛ばされる流れが各種世論調査でも生じている。まさに両党埋没の危機である。早くも蓮舫は選挙後に代表辞任せざるを得なくなるとの観測すら生まれているのだ。

 こうした中で首相・安倍晋三が都議選の選挙応援を街頭に立って行うかどうかが注目される。民放テレビでは反安倍のバリバリの慶応大学教授片山善博らが、安倍が都議選公示後街頭に立たなかったことをあげつらい、鬼の首を取ったように勝ち誇った解説をしている。落ち目の蓮舫までが26日、「総理は表に出て堂々と話をすればいいのに、しないのは都合の悪いことがあるからではないか」と、かみついた。加えて「国会では語らず、街頭で演説に立たない。しかし自分のシンパが多い講演では、べらべら話をする。説明もできず、逃げている姿勢は、絶対に許してはならない」と挑発している。こうしたムードを打ち破るには安倍が機を見て堂々と街頭に立つしかあるまい。26日も自民党都議選候補者の演説会に出席し、応援演説をしているが街頭には立っていない。街頭演説も支持率40%以上なら十分過ぎるほどであり、戦える。風林火山ではないが「疾如風、徐如林、侵掠如火、不動如山」のうち「不動如山」から一挙に「侵掠如火」に転ずるべきだろう。たとえ負けても闘うのが安倍政治の真骨頂であるはずだ。街頭演説も自民党がフル動員して、人種のレベルが高い銀座のど真ん中で盛り上げればよい。選挙戦の常識だ。

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