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| (連載)日米は大戦略について議論すべき(2) ← (連載)日米は大戦略について議論すべき(1) | ツリー表示 |
| 投稿者:高峰 康修 (福岡県・男性・日本国際フォーラム客員主任研究員・30-39歳) [投稿履歴] 投稿日時:2012-02-03 15:03 [修正][削除] |
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| 米国の「アジア回帰」戦略を軍事面で具現化する作戦概念として、1月17日にデンプシー統合参謀本部議長が『統合接近作戦概念(JOAC)』と題する重要な文書を発表している。それによれば、A2/AD(接近阻止・領域拒否)戦略は重大な脅威であり、それに対抗するには米軍は陸海空、宇宙空間、そしてサイバー空間の各圏域に接近できなければならないとして、中国のA2/AD戦略に真正面から対抗することを明確にした。そして、米軍は各圏域を横断するような統合をしなければならないと言っている。従来、A2/AD戦略への対応としては、エアシーバトルという概念が取り沙汰されてきた。 エアシーバトルは、中国の長距離ミサイルによるA2/AD能力に対抗するに、その射程外に一旦退いた上で、海空の中国を上回る長距離打撃力を組み合わせて撃破する、というようなものであった。これと、米軍再編における原則の一つである「分散配置」が相俟って、日本のような同盟国の重要性が低下するのではないかという懸念が生じていた。しかし、JOACは、エアシーバトルは下位概念であると明確にし、そうした懸念を払拭した。JOACの意味するところは、我が国の重要性はますます高まるということである。JOACは、A2/ADへの対抗においては米軍は犠牲を覚悟しなければならないとも指摘している。これは、想定戦域に近い地域への米軍駐留を重視していると理解できる。具体的には、当然それには沖縄は筆頭に挙げられる。 このように、普天間をどうするかという問題は、日米間の戦略の問題ではないのである。普天間問題の解決が日米同盟を強化すると考えているとすれば、的外れとしか言いようがなく、JOACが示すような米軍の徹底した統合に我が国が歩調を合わせ、これを支援することこそ日米同盟の強化に繋がるのであって、我が国の安全に不可欠なことである。それにはやはり集団的自衛権の行使容認が第一歩となるであろうし、防衛力増強が必須である。普天間移設問題は、原点に立ち返ればよい。すなわち、1996年の橋本・クリントン合意である。 この場合、移設が実現するとすれば、日本側の都合による移設であるから費用は全額日本の負担ということになろう。そもそも、普天間の辺野古への移設は沖縄の負担軽減策として出てきたものであり、グアム移転とセットになっている必然性は全くないのである。さらにいえば、グアム移転自体、今や大いに再検討の余地がある。普天間移設問題は、早々に米軍再編とは切り離して、日米はJOACで示されたような大戦略について濃密な議論を始めるべき時機を迎えている。(おわり) |
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| (連載)日米は大戦略について議論すべき(1) | ツリー表示 |
| 投稿者:高峰 康修 (福岡県・男性・日本国際フォーラム客員主任研究員・30-39歳) [投稿履歴] 投稿日時:2012-02-02 11:42 |
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| 米海兵隊普天間飛行場の移設問題は、確かに鳩山政権による無責任な県外・国外移設の主張によって混乱させられ、日米関係悪化の象徴的存在となった。しかし、それへの反省からか今でも普天間移設問題が日米間の最大の懸案であるかのように捉えられているのは、いささかピントが外れているのではないか。米側の戦略的事情と財政をめぐる事情が大きく変化してきており、事態は常に動いている。 政府は、普天間の辺野古への移設に必要な沖縄県の仲井真知事への公有水面埋め立て申請を6月の沖縄県議選の後にすることで、少しでも沖縄県側の態度の硬化を防ぎたい意向だと伝えられているが、ナンセンスな話である。これに対して、日本政府が夏までに埋め立て申請を行わなければ、普天間移設を含む米海兵隊のグアム移転が実現不可能になるのではないかとの懸念が出ている。これは、米議会によって凍結された在沖海兵隊のグアム移転関連予算の再計上をめぐる、米政府と米議会の協議が春から夏にかけて本格化すると見られているためである。 米議会が昨年、2012会計年度予算からグアム移転費用を全額削除した理由の一つとして、普天間問題が進展していない点を挙げているのは事実である。しかし、米国では現在、財政赤字削減に向けた取り組みが極めて厳しく、国防費も聖域とはされず、十年間で約4870億ドル削減が決まっているのに加えて、民主・共和両党の合意ができず、予算コントロール法の規定に従って強制的削減が発動されるような事態になれば削減額は9500億ドルに上る。米軍のグアム移転の事業費は、米政府監査院(GAO)が昨年6月に上院歳出委員会に提出した報告書によれば、239億ドルに達するとの試算である。これは当然、恰好の削減対象となる。すなわち、必ずしも普天間だけが問題ではないのである。 もっと重要な点は、戦略上の変化である。オバマ政権は米国の「アジア回帰」を打ち出し、中国への対決姿勢を明確にした。そして、アジア太平洋における米軍の再編については、次の三つの原則によるとしている。すなわち、(1)地理的に配置を分散する、(2)作戦面での弾力性を高める、(3)駐留国等における米軍駐留の政治的な持続可能性に配慮する。昨年11月に発表された豪州のダーウィンへの配備も、この文脈に沿ったものである。米軍のグアム移転は、もともとグアムに米軍の司令部機能を集中させるというものであり、沖縄にある海兵隊の司令部機能はグアムに移転させるとのことであったが、司令部機能を沖縄に残すことに転換している。これは、「アジア回帰」宣言よりも前に打ち出された方針だが、結果として上記の原則に沿った内容となっている。(つづく) |
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| 大学秋入学は日本の学制を変える絶好のチャンス | |
| 投稿者:大藏 雄之助 (東京都・男性・杉並区教育委員長・80-89歳) [投稿履歴] 投稿日時:2012-02-02 11:14 [修正][削除] |
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| 大学秋入学で一番問題になるのが高校卒業から入学までと卒業後就職までのおのおの約半年の期間であろう。卒業後のことは心配いらない。まず、卒業生は成人である。それに、順調にいっても10年後のことであり、すでに官庁も企業も対策を考慮するといっている。東大卒が公務員離れを起こしたら中央省庁は成り立たないだろう。民間側はもっと楽観できる。会社の従業員全部に定年制が適用されるようになったのは戦後のことだという。それとともに一斉採用が取り入れられ、社内訓練を通じて終身雇用制度が確立した。 ところが今やグローバル化の時代、能力ある者はスカウトを受けて転職し、無用とみなされれば容赦なくリストラされる。アメリカは言うに及ばす、ヨーロッパでも初任給は1人1人違う。その後も長期勤続による忠誠心などは何の役にもたたない。出身校の偏差値に期待する大会社の4月一斉採用は遠からず消滅する運命にある。しかし、3月に高校を卒業して、入学試験には合格していながら学生の身分証明書もない未成年はどうなるか。 東大ではその半年を活用してボランティアや海外旅行などの経験をしてもらいたいと気軽に発言しているが、そうはいかない。イギリスでは「ギャップターム」と称して入学前に種々の経験を積むことがはやっている。だがそれはあくまでも自発的なものであって、日本の秋入学のように全員に強要されるのではない。東大合格者の保護者の平均所得は他大学に比べてずば抜けて高い。だから、適切に指導すれば、入学待ちの青年は効果的な準備期間とすることが可能かもしれないが、家庭に余力がなく、奨学金を当てにしている者たちは戸惑うばかりであろう。いい加減なアルバイトをしていたら、9月の入学時に学力も意欲も低下している事態になりかねない。 かといって、春入学と秋入学の大学が混在することになれば学校教育は大混乱に陥る恐れがある。この矛盾を解決するためには断固として小学校から高等学校までの新学年も9月に改め、長期の夏休み前の卒業に変更しなければならない。これはそれほど難しいことではない。発想を変えればできる。これは日本の学制を根本的に変える絶好のチャンスである。 |
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| 急がば回れ、消費税の引き上げ | |
| 投稿者:角田 勝彦 (東京都・男性・団体役員・70-79歳) [投稿履歴] 投稿日時:2012-02-01 13:40 [修正][削除] |
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| 危惧したとおり、野田政権は無理に手を広げた結果、政局に追い込まれかけている。すなわち野田首相は消費税率引き上げを含む社会保障と税の一体改革で3月の関連法案提出を目指し、与野党協議を経て1月内に大綱を閣議決定する意向だったが、野党は、とくに首相が1月30日の参院本会議で、民主党の年金抜本改革案の試算を当面公表する必要はないとの考えを示したことに反発して与野党協議に応ぜず、与党単独で法案を提出せざるを得ない可能性が現実味を帯び始めている。それは解散総選挙か内閣崩壊を導こう。内外の経済困難に加え、復興と予想される自然災害への備え(たとえば高速道路改修、帰宅困難者対策)が我が国の急務になっている現在、野党が政権交代を期待し歓迎している政局へ突入し政治に空白を生むのは愚であろう。 とくに野党(消費税率10%は自民党の公約)も国民も消費税率引き上げそのものの必要性はほぼ認めており、現時点の一体改革にこだわらなければ協議が可能と思われるから、なおさらである。まず身を切る行革(たとえば国会議員定数と国家公務員給与の削減)及び社会保障制度改革案策定など不可分の懸案に力を注げば、消費税率引き上げ、ひいては財政再建への合意の道は自然に開かれるのではなかろうか。そもそも現在の一体改革案は一時しのぎである。1月下旬明らかになった2015年度までの国の歳出と歳入の見通し(財務省試算)では、15年10月の消費税率10%への引き上げが実現しても、新規国債発行額は45.4兆円となり、12年度予算案の新規国債発行額44.2兆円より増えてしまう。とにかく社会保障給付は100兆円を超え、うち70兆円が高齢者関係なのである。 今後問題はさらに大きくなる。1月30日発表の将来人口推計では、50年後には日本の総人口は今より3割以上減少するなか人口の約4割が高齢者という超高齢化社会が到来する。1月22~23日の読売全国世論調査によれば、少子・高齢化により今の社会保障制度を維持できなくなるという不安を感じる人は93%に達し、維持のために消費税率の引き上げが「必要だ」と答えた人は63%、制度の水準を維持するために「税金や保険料が今より高くなっても構わない」との答えは37%に上って、「今より高くならないようにすべきだ」の31%を上回った(ただし「2014年4月に8%、15年10月に10%に引き上げる」との政府・与党案支持は16%)。「入るを量りて出るを制す」という通り、収入によって支出を決めるのが財政の基本である。無い袖は振れないということである。 社会保障給付のうち30兆円を占める医療給付では、適正化が遅れるなか保険料負担増が続いている。現行制度の社会保障の削減は困難だろうが、民主党は人気取りのバラマキ・マニフェストを断念すべきである。最低保障年金(満額月7万円)の創設などを盛り込んだ民主党の年金抜本改革案の導入には、将来的に消費税最大7.1%分の財源が必要と言われる。経済成長により財政状況が好転することでもない限り、導入は無理だろう。税収確保とともに一段の歳出削減が求められるべきである。モンゴル帝国の大宰相耶律楚材は「一利を興すは一害を除くにしかず、一事をふやすは一事をへらすにしかず」との言葉を残した。社会保障給付の是正協議を与野党で真剣に始めるべき時期が来たのかも知れない。 |
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| “弱い脇腹”田中を「袋叩き」の予兆 | |
| 投稿者:杉浦 正章 (神奈川県・男性・政治評論家・70-79歳) [投稿履歴] 投稿日時:2012-02-01 06:56 [修正][削除] |
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| 「普段女房の真紀子から鍛えられているから持ちこたえる」と言うジョークが永田町で飛んでいるが、防衛相・田中直紀の予算委員会答弁をつぶさに見た限りでは、とても持たないのではないか。あまりに人が良すぎる。人が良いと言うことは、永田町では蔑称の代名詞だが、ちょっと度が過ぎている。おまけに事実上自らが集中砲火を浴びるための予算委外交・安保集中審議であることを理解していない。無断で15分間も閣僚席を空けるなど、緊張感が全く足りないのである。だから委員会における野党質問も、まるで「口頭試問」のようになる。例えば山谷えり子(自民)が南スーダンに派遣された自衛隊の警護について尋ねたのが、その例だ。間違って「まだ決まっていない」と答えたが、実際にはバングラデシュ部隊が警護している。結局山谷から答弁撤回を求められて、「理解してなかったことは大変申し訳ない」と陳謝する羽目に陥る。今後予算委はあの手この手でこの「面接試験型袋叩き」が繰り返される。そして、田中の“資質”が浮き彫りにされる。 横で右往左往ぶりを眺めていた首相・野田佳彦は「田中大臣は、外務政務次官や参議院の外交防衛委員長などを務めたことも踏まえて、適材として、判断した。就任直後で、いささか緊張している向きもあるかもしれないが、しっかり職責を果たしてほしい」と、今のところは擁護している。しかし過去の閣僚辞任例における野田発言はすべて「しっかり職責を果たしてほしい」であった。この野田答弁が出始めると、“更迭”の2文字が浮遊し始めるのだ。田中は義父田中角栄について「田中の父は国会論戦の名手として有名だった。そこが私との最大の違いだ」と述べたが、もともと比較に値する政治家ではあるまい。格が違うのだ。既に難問が浮上している。共産党がやり玉に挙げた沖縄防衛局長・真部朗の進退問題だ。 防衛局は自衛隊員に対して局長の宜野湾市長選をテーマとする「講話」への出席を呼びかけたのだ。防衛省が調査した結果、真部は投票に行くように啓発したものの、特定候補への投票依頼はしていないことが分かった。しかし市長選は保守対革新の2人の候補で戦われる。局長が「講話」をするということは、「共産党の推す候補でなく、自民党の候補への投票をせよ」と言外に言っているに等しい。国家公務員の選挙運動を禁じた公職選挙法などに直接的に抵触する可能性は少ないが、実態はまぎれもない選挙運動だ。だいいち「投票に行け」などという指示は選挙管理委員会の仕事だ。局長の更迭処分は免れまい。この宜野湾市長選への自衛隊の“関与”は、氷山の一角に過ぎない。これを機会に国政選挙や地方選挙における自衛隊の動きが注目の的となることは必至だ。ネットでは元幹部自衛官がブログで、選挙関与の実態を暴露している。その内容は「自衛隊が選挙になると毎度、やっている教育。それはどこの党に投票する、そして視認情報を集めてくる教育である。その教育は部隊毎に行われ、定期秘密保全検査のため機会教育簿に教育をしたという証拠として記載する」のだという。 そして、この「機会教育簿」には「『政党を良く承知せよ』と書かれている。『投票したならば中隊本部に連絡せよ』と言っている」と暴露している。「自衛隊では投票率が、ほぼ100%なのである」とも述べて、上部の意向が隊員に100%近く徹底されることを物語っているのだ。最後に「国民のみなさん。自衛隊が、組織を利用して自民党に投票するよう教育し、投票させる行為は、公職選挙法や自衛隊法違反ですが、こんな事が許されていいのでしょうか?」と結んでいる。自衛隊が各種選挙で“活動”することは周知の事実だが、これも本省レベルからの暗黙の指示がなければ出来る話ではあるまい。今後宜野湾市長選をきっかけに過去の例が「本省ぐるみ」として暴かれてゆけば、防衛相の責任問題へと発展する。宜野湾市の例も、ハンドリングをあやまると田中を直撃することになりかねない。それに普天間移設問題をはじめ緊張する北東アジア情勢を抱えて、防衛相は国会質疑の焦点でもある。これを野田がろくろく資質を確かめもしないで任命した責任は大きい。防衛相への不信任案や問責決議案が上提されれば、可決されるケースも想定されよう。当然野党は政権の一番弱い脇腹である田中に照準を定めている。 |
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| 東南アジアへ米軍展開急ピッチ | |
| 投稿者:鍋嶋 敬三 (神奈川県・男性・評論家・70-79歳) [投稿履歴] 投稿日時:2012-01-31 11:07 [修正][削除] |
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| 東南アジアへの米国の軍事的プレゼンス(存在)の拡大が急ピッチで進んでいる。1月初め発表の新国防戦略で示されたアジア太平洋地域に重点を移す方針が早くも実行に移されつつある。フィリピンのデルロサリオ外相は1月27日、より強力な米軍の存在を受け入れることを言明、合同軍事訓練や輪番制で配置される米軍を増強する方針を示した。名指しはしていないが、南シナ海で領有権紛争の相手である中国を睨んだ動きであることは明らかである。ウィラード米太平洋軍司令官は同日、米国がアジア太平洋に新たな軍事基地を作るつもりは全くないと言明した。国防費の大幅削減に向かって走り出したオバマ政権にとっては、フィリピンに恒久基地を作らずに安価にその存在を拡大できるメリットは大きい。 米比間には1951年の相互防衛条約がある。しかし、民族主義の高まりでフィリピン上院が1991年に米軍基地の存在を拒否、ベトナム戦争で最大の軍事拠点となったスビック海軍基地とクラーク空軍基地の完全撤退を余儀なくされた。シンガポールのストレーツ・タイムズ紙はフィリピンが20年前に米軍を追い出したことが地域の力の空白を招き、不安定を助長する懸念があったと指摘し、東南アジアでの米軍の新たなプレゼンスは増大する中国の影響力と均衡をとるためのものだと肯定的に評価した。同国のリー・シェンロン首相は米CNNとのインタビューで米国が「(アジア太平洋)地域に強い関心を払い続けることは良いことだ」と明快な発言をしている。 米比両国は3月に外務・防衛閣僚の会議を開く予定で、南シナ海の防衛を焦点に比側は訓練のほか、F16戦闘機や最新鋭の沿岸域戦闘艦(Littoral Combat Ship=LCS)の配備などを求める見通しと外電は伝えた。シンガポールは2011年にLCSの前進配備を米国に要請している(ウィラード司令官)。米海軍省の資料によれば、LCSは高速で機動性に優れ、機雷、高速水上艦、そして低音ディーゼル潜水艦など非対称的な「接近阻止」の脅威に勝つために設計され、既に2番艦が就役した。3000トンだが40ノット以上の高速で作戦が可能、電子兵器の塊で2011年には無人偵察機の発進と回収に成功した。2010年から2015年までに10隻を建造する計画で、空母を中心とする「大艦巨砲主義」では21世紀の脅威に機動的に対応できないとの判断があると思われる。 米国は、フィリピンと南シナ海を挟んで向き合うかつての仇敵ベトナムと防衛協定を結び、タイやオーストラリア(最大2500人の海兵隊を駐留の計画)とも軍事協力を強化している。戦略的意図を明示しないまま軍事的拡大を続ける中国に対して神経をとがらす米国は、「航行の自由の原則」を掲げて北は日本、韓国からグアム島、東南アジア、さらにインド洋から中東に至る海洋の安全保障を強化する戦略を進めている。東南アジアはいまやその鎖の中央に位置する戦略的地域として脚光を浴びることになった。中国メディアはフィリピンに対する「制裁」までちらつかせている。中国を含め関係国すべての重要な海上交通路(シーレーン)に当たるのが東シナ海や南シナ海である。中国の身勝手な領土・領海権の主張や攻撃的な行動が各国の警戒心と地域全体の緊張を高め、それが米国の戦略転換とこれに呼応する東南アジアの動きにつながったことを忘れているかのようである。 |
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| サイバー戦能力を核抑止に使えないか? | |
| 投稿者:河東 哲夫 (東京都・男性・元外交官・60-69歳) [投稿履歴] 投稿日時:2012-01-29 23:47 [修正][削除] |
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| この頃「サイバー・テロ」とか「サイバー戦」いう言葉がよく聞かれるようになった。この前、日本の兵器生産企業のコンピューターに何者かがもぐりこんでデータを盗み出したが、これがサイバー・テロだ。コンピューターのことがわからない僕は、これは専門家が始末するべきことだと簡単に考えていたのだが、サイバー戦はどうやら核ミサイルの無力化にも使えそうなのだ。宇宙戦争の映画などによくある、空飛ぶ円盤が「しんしんしん」と音がする(波状の色もついていることがある)電磁波か何かを周囲に飛ばすと、それにひっかかったミサイルはそこに止まってしまう、などの例だ。 まあ、そこまで技術は進んでいないにしても、現代の核ミサイルは飛行中、内部に備え付けのジャイロにだけ頼っているのではなく、人工衛星などを経由して伝えられる電波情報で目標への弾道を常に微妙に修正しているのだそうで、だとすれば、人工衛星、または地上の施設から電波を発射し、敵ミサイルの誘導を狂わせてしまう、または「発送者あてに送り返す」こともできる、ということではないか。これは、日本の防衛にぴったりだ。 こういうことを言うのは、どうも米国もサイバー戦で自国の核ミサイルがやられてしまうことを真剣に心配し始めた兆候があるからだ。そうなると、米国が日本の上にさしかけてくれているはずの「核の傘」が破れ傘になってしまうので、日本は別の「傘」を開発しないと、北朝鮮や中国やロシアなど核ミサイルを多数保有する国々から容易に脅されてしまうことになる。 その兆候は1月12日、米国のThe National Interest のサイトに載った「米中関係の将来」と題する論文に見られる。筆者はDavid Gompertと Philip Saunders 。双方ともサイバー戦についての最高の専門家だ。彼らは、「中国が開発しているサイバー攻撃・人工衛星破壊能力は、他国の防衛能力を麻痺させ得る」と言う。つまり、中国が米国の人工衛星を破壊すると、米国は核ミサイルを誘導する手段を失う、ということだ。日本の安全保障にとっては一見、由々しき事態に見える。だが見方によっては、核の時代はいよいよ終わりを告げ、非核の技術力が防衛に大きく貢献できる時代が到来しつつあるということならば、それは日本にとって好都合のことではないか?日本は、サイバー戦をMD(対ミサイル防御)として利用する方法を開発していくべきだろう。 |
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| 日本国際フォーラムの意見広告(政策提言)にコメントする | |
| 投稿者:吉田 重信 (神奈川県・男性・日中関係研究所主幹 ・70-79歳) [投稿履歴] 投稿日時:2012-01-29 08:59 [修正][削除] |
>>>この投稿にコメントする 2206/2213 |
| 1月27日付けの主要紙に一斉に掲載された「膨張する中国と日本の対応」と題する日本国際フォーラムの意見広告(政策提言)について、中国研究究者の端くれとしてコメントする。結論から言って、本政策提言は概ね妥当であり、時宜にかなっている。目下日本が直面している最大の課題は「膨張する中国にいかに対応するか」であることは自明だからである。しかし、重大な視点が欠落している。つまり、日本の対中政策は、対米政策とも密接に関係していて、表裏一体であるので、日本の対米政策も同時に検討する必要がある。戦前、日本は軍事的に中国に進出し、これに対して米国が日本軍の中国からの全面撤退を迫った結果、日本はやむを得ずに対米戦争に踏み切った。結果は、中国を含む「連合国」に日本は無残にも屈したのである。 本政策提言は、おおむね米国の対中国政策に沿っているが、重要な事実を見逃している。つまり、米国はふたたび中国と「同盟関係」に入る恐れがあるということだ。1971年、秘密裏に訪中したキッシンジャー特使は、相手の周恩来首相が「日本の潜在的脅威」を説いたのに対し、何と答えたか。キッシンジャーは「日本は情緒不安定な国であり、信用できない。だから、米国は日米安保条約のビンのなかに日本を閉じ込めて、フタをしている」と答えたのである(「キッシンジャー秘録」)。むしろ米国は、日本にとって「信用できない同盟国」であるのだ。駐米大使であった朝海浩一郎氏は「ワシントン滞在中の悪夢は、ある日突然米国が中国を承認すると通告してくることだった」と述懐している。その悪夢は、1971年の電撃的な「米中接近」により現実化した。その後、米中関係は日本が想像する以上に密接であることを忘れてはならない。これまで米政府は駐北京大使として大統領にもっとも近い、超一流の人材(例えば、大統領就任前のブッシュ氏)を派遣している。現在の米国の駐北京大使は、なんと元閣僚で中国系アメリカ人のギャリー・フェイ・ロック(中国名:酪家輝)氏である。これに対比して、現在の駐北京日本大使は、商社マンとしては有能であったかもしれないが、外交にはド素人である。このような日本外交の手薄さを如何に補強するかについて、フォーラムは提言すべきであった。 要するに、米中両国は、第二次大戦中に「同盟国」として日独両国を相手に戦ったという記憶を共有しており、今でも事実上の同盟関係が存続しているといえる。勿論、米国は中国共産党を信用してはいない。米国の対中政策を一言で言えば「中国を友人とするか、敵とするかは、こちらの出方次第である」に尽きる。その意味するところは「米国は中国を友人とする」ということだ。これが米国の「関与政策」の中身である。言い換えれば、米国は今後の国際情勢の如何によっては、日本を裏切り、台湾を放棄し、その関連で沖縄の米軍基地を放棄することもありうるのである。このような悪夢再来の事態に備えるには、徒に米国に追随するのではなく、むしろ英国やフランスのように独自の対中国政策を練り直す必要があるのではないか。 最後に、本政策提言は、ロシアの動きを考察していない。もはや中ロ間にはかつてのような激しい対立はなく、むしろ両国はかつての「中ソ同盟」関係の復活に向かっており、将来、双方が結託して日本を攻略してくることも大いにありうる。このような事態に日本は如何に対処すべきかについて、提言は触れていない。なお、筆者の研究所では、日米中関係を動態的な「三角形関係」(dynamic triangle relationship)として捉えており、その研究成果を近く出版する予定である。 |
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| 秋入学実施しても、留学生拡大は夢物語 | |
| 投稿者:大藏 雄之助 (東京都・男性・杉並区教育委員長・80-89歳) [投稿履歴] 投稿日時:2012-01-27 14:37 [修正][削除] |
>>>この投稿にコメントする 2205/2213 |
| 東大が秋入学を真剣に考慮することになった動機が留学の低迷にあることは間違いない。日本人学生の海外留学は年々減少傾向にあり、去年日本からハーヴァード大学に入学した学生は、なんとたった1人だという。もともと日本における留学志向は強くない。最近は、東大をはじめとする一流校に合格する自信のある学生は外国に出ようとはしない。 入学期のズレとそのために卒業が遅れる恐れ、学費(欧米の大学はいずれも外国籍の学生に対する学費を急激に上げたので、円高のメリットも効かない)や渡航費等の負担増、英語力不安、帰国後の就職の問題など理由は沢山あるが、それらの隘路を乗り越えて、1960-70年代にはアメリカの大学で少なからぬ日本人の優等生が存在感を示していたのである。これが秋入学で変化するとは到底考えられない。それ以上に、外国から留学生を呼び入れることは難しい。アメリカの有力大学では学部学生の1割が外国人留学生で占められている。 東大はその比率がわずかに2パーセント足らずにとどまっている。それは無理もない。中国や韓国ではアメリカの大学を出るのが出世の早道と信じられていて、IQトップクラスが太平洋を越えている。そして、その残りが国費留学生として日本に来る。それでも東大・京大・慶応・早稲田は規模も大きく、名前も知られているからまだマシだ。一橋大学はこれらに伍するために北京に事務所を開いて、数こそ少ないながらも中国で重要なポストに就いている卒業生を組織して優秀な後輩を送り込んでもらおうとしている。 それでも漢字文化圏の若者は比較的短時間で日本語をマスターする。だが、欧米の学生が日本語の授業を聴き取れるようになるまでには数年を要するであろう。彼らを受け入れるには大学の講義の半分くらいを英語で行わなければなるまい。教授たちがその負担に耐えられるだろうか。また、日本人の学生がそれを消化できるだろうか。さらに、日本は奨学金制度が外国に比して貧弱だ。特に、成績優秀者に対する返済不要のインセンティヴが無い。秋入学実施だけでの留学生招致拡大は夢物語である。 |
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| 「強弁谷垣」対「詭弁野田」は、大局観で野田の勝ち | |
| 投稿者:杉浦 正章 (神奈川県・男性・政治評論家・70-79歳) [投稿履歴] 投稿日時:2012-01-27 06:49 [修正][削除] |
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| 消費税国会は抜き差しならぬ与野党党首のガチンコ勝負で幕を開けた。代表質問での応酬は「強弁谷垣」対「詭弁野田(きべん)」の戦いであった。もっとも、何が何でも「解散・総選挙」に結びつけようとする自民党総裁・谷垣禎一が、大局を理路整然と見誤っている分だけ、首相・野田佳彦に歩があった。7対3で野田が勝った感じだ。総じて谷垣の質問は大局観に欠け、重箱の隅を突っつく枝葉末節型に終始した。谷垣は約40分間の質問のほとんどを「社会保障と税の一体改革」に費やし、民主党の「マニフェスト違反」の指摘を9回も繰り返した。議会の同意がない国王の課税を禁じた英国の大憲章・マグナカルタまで持ち出して追及。「マニフェスト違反でないという弁明を真に受け止める有権者は皆無」と決めつけた。明らかに政局化を意識して、はやりにはやる姿勢だった。谷垣のマニフェスト違反の指摘は、確かにもっともだが、もっともすぎて食傷気味になることも否定出来ない。もう国民は民主党のマニフェストが破たんしていることは十分承知であり、谷垣のように石を見て「これは石だ」と指摘されても、「またか」と思うだけだ。マニフェスト違反は有権者の選挙判断に委ねてしかるべきであろう。 そしてなぜ谷垣が理路整然と間違っているかといえば、消費増税問題の根幹を見れば、歴代自民党政権が1000兆円にものぼる借金を作ったことに大半の責任がある。それゆえに先の参院選挙で10%増税への選挙公約を掲げたのは自民党自身ではなかったか。むしろ自民党は自ら消費増税法案を議員立法で国会に提出して、国民にその是非を問うくらいの姿勢があってもおかしくない。自分が主張すれば正しくて、現政権が主張すれば「マニフェスト違反」と非難する。この矛盾の“急所”がある限り谷垣は何を言っても、「政局化」のそしりを受けて当然なのだ。マグナカルタも国王の恣意的な課税を禁じたのであり、むしろ議会が課税権を獲得したのだ。増税不可避の認識では議会が事実上一致しているのだから、ここを推進のチャンスととらえるべきなのだ。いくら「マニフェスト違反は明らかだ。民主党政権に提出の権限は与えられていない」と谷垣が声高に断定しても、うつろに響くだけだ。手続き論にこだわり過ぎて、決定打に欠けた代表質問だった。 一方野田の答弁も重要ポイントで矛盾撞着が見られる。「マニフェスト違反でない」とする根拠について「消費税の第一段の引き上げは、2014年4月であり、これは現在の衆院議員の任期終了後であり、国民に対する裏切りという指摘は当たらない」とした。任期は2013年8月29日だから「任期中は引き上げを行わない」と言う公約に違反しないというのである。しかし、これはまぎれもない詭弁だ。有権者は「4年の任期中に引き上げない」を実施時期と受け取っただろうか。そうではあるまい。むしろ言葉通りに民主党が4年間は引き上げる「行動に出ない」と受け取ったはずだ。あきらかに有権者に対する裏切りだ。野田はこの場面では率直に公約違反を認め、陳謝した上で、増税の必要を説く謙虚さが必要だった。 初戦から激突の火花が散った形だが、なりふり構わぬ谷垣の解散追い込み路線は揺らぐことはあるまい。党内的にも落選組に突き上げられて、ここで解散を勝ち取らなければ、自らの立場を危うくする。一方で野田の「やり抜くべきことをやり抜いたうえで国民の判断を仰ぎたい」という姿勢は、解散・総選挙を消費増税の関連法案成立後に設定していることになる。このままでは消費増税法案どころか、予算関連法案の成立も危惧(きぐ)される事態だ。内閣不信任案や問責決議案も俎上(そじょう)に上るだろう。こうしてまさに「視界ゼロ」の激突から何が生まれるかだが、焦点は舞台裏がどう動くかに絞られてくるだろう。自民党側は元首相・森喜朗、副総裁・大島理森、民主党側は政策調査会長代行・仙谷由人、副総理・岡田克也ら表だって目立っていない面々が、その人脈を通じて落としどころを「話し合い解散」に置いて動くであろうことは、十分に予想されるところだ。 |
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| ますます高まる「民主国家台湾」の戦略的重要性 | |
| 投稿者:高峰 康修 (福岡県・男性・日本国際フォーラム客員主任研究員・30-39歳) [投稿履歴] 投稿日時:2012-01-25 10:18 [修正][削除] |
>>>この投稿にコメントする 2203/2213 |
| 1月14日に行われた台湾の総統選では、周知の通り国民党の馬英九総統が再選された。馬英九党政権が継続することは必ずしも悪い話ではない。ただ、その理由は馬英九政権の対中政策が両国の経済連携強化を目指すことを主眼とし、中国を刺激することが少なく台中関係が緊張しないからということではない。逆説的だが、対中宥和的とみなされる馬英九政権であっても、台湾が中国によって政治的・経済的に取り込まれることはないということが明確になる点に意義がある。政治的・経済的に取り込めないとなると、あとは軍事的手段によるしかない。中国が台湾を併合しようとすれば必然的に軍事的衝突に繋がるということが明確になるのは、戦略を考える上で曖昧さが小さくなることに他ならない。経済関係というものは、最終的に国家の帰趨が問題となる場合に決定的な要素となることはまずあり得ない。そもそも、互いに利益があるから経済関係が成り立つのであって、台中経済協力枠組み協定(ECFA)を結んだから台湾が中国に取り込まれるというのは短絡的である。 台湾人がそのようには考えていないのは、民進党の対立候補である蔡英文氏が台中間の経済関係強化を否定できなかった点から明確である。馬英九氏は選挙前、昨年11月ごろに両国の平和協定を視野に入れた政治的対話の開始を示唆したところ支持率が急落し、撤回に追い込まれた。中国との政治的対話に踏み込むことを台湾人民の民意は許さないということである。細かいことを言えば、本来、平和協定というものは国家間において結ばれるものであるからむしろ、これを議題とすることは台中が別の国であることをより明らかにしてくれるはずだが、国民党政権は「中国は一つだが、それが中華人民共和国であるか中華民国であるかは、両岸がそれぞれの解釈を唱える」という「92年合意」があったとしており、この場合、叛徒と正統政府の間の平和協定ということになってしまう。それは当然、台中統一という話にならざるを得ず、台湾人民の「本能的」ともいえる拒否反応は極めて適切であった。そして、その民意が通ったということであるから台湾の民主主義はいよいよ成熟してきたといえる。 もとより、台湾は地政学的に極めて重要であるが、それに加えて自由・人権・民主主義といった価値観の共有がより明らかになれば、台湾を支援する大義名分が強くなる。台湾人民のアイデンティティは、素朴なナショナリズムである「台湾人意識」から、「民主国家台湾の人民」へと発展している。政策理念のレベルでも、台湾は民主国家ということを前面に打ち出すようになってきている。例えば、2008年から2010年まで台湾の国家安全会議秘書長(事務総長)を務めた国民党の蘇起氏は、総統選の直前に当たる1月12日にニューヨークタイムズ紙に寄稿して、台湾は民主国家であり、中国の将来の民主化の手本となる存在であり、台湾は南シナ海問題などといった国際問題でも責任ある役割を果たすべきである、と主張している。台湾自身がこうしたことを明言することになったのは極めて重要である。 台湾が民主国家として自己主張を強めることは、台湾が日米などにとって地政学的に重要という受動的な立場から、能動的なプレイヤーになることを意味する。当然、これは大いに歓迎すべきことである。そして、これは台湾の戦略的重要性がますます高まるということに他ならない。我が国は米国と連携して、台湾を国際的に孤立させないようにしなければならない。もちろん、さしあたって我が国が直接軍事的な援助を供与するということは想定しがたい。まずは、早期に日台FTA交渉を開始し、実現を目指すべきである。また、台湾は環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)への関心を示しているので、情報を出来る限り提供してはどうか。さらに、台湾の国際機関へのオブザーバー参加を積極的に支持すべきである。軍事的な面に関しては、我が国の軍事力強化は間接的に台湾を助けることにも繋がる。 |
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| 教員の切磋琢磨なき東大の内部改革は困難 | |
| 投稿者:大藏 雄之助 (東京都・男性・評論家・80-89歳) [投稿履歴] 投稿日時:2012-01-25 09:55 [修正][削除] |
>>>この投稿にコメントする 2202/2213 |
| 今回の東京大学の秋入学発案には地盤沈下の危惧も作用しているらしい。ロンドン・タイムズの順位付けによれば、東大は世界で30位に位置するという。これは主として各大学の論文が引用された数を基本にしているのであって、別に気にする必要はない。まず、論文の引用は理系に偏っている。日本の大学でも理科系の論文の多くは英語で発表されている上に、数式や記号が主体になっていれば理解しやすいから、外国の研究者の目に触れる機会が少なくない。 一方で、日本の経済学者や国際政治学者でも英語で論文を発表する例は限られているし、その表現そのものが魅力的でなければ引用の対象になることはあまりない。だから。一橋大学のような文系だけの研究機関は世界のランキングの上位に登場することは絶対にない。さらに、日本語や日本文学、日本史、ないしは日本の伝統芸能などに関する論文の引用はきわめてまれである。東大を初めとする日本の総合大学のランクが低いのは当然である。 だが、では東大がトップグループに移行するかといえば、そうはいかない。やはり30位ぐらいが相当ではないだろうか。それは、入学は難しいが卒業は易しく就職にも恵まれているという制度のために学生が真剣に勉強しないこと、教授陣が研究の美名に隠れて学生の教育の手を抜いていること、「一流の」大学は教授陣を自校の出身者で固める傾向があること、などによる。 3番目の問題をもう少し詳しく見てみよう。東大では、18歳で入学してからそのまま大学に残り、定年までの40数年間、東大だけに在籍する人がかなりいる。最近は外部から採用される者もふえているが、多くの場合同質の学者が集められている。アメリカでは学士・修士・博士の学位を同一の大学で取得したときは評価されない。また、ハーヴァード大学は卒業後少なくとも1度他の大学で教員をして実績を認められなければ自校に迎え入れないのを慣例としている。教員どうしの切磋琢磨がなく、安易にタレント同様に政府の審議委員などに任命されて甘やかされていては、東大の内部改革は困難である。 |
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| 北朝鮮とミャンマーの関係解明に努めよ | |
| 投稿者:高峰 康修 (福岡県・男性・日本国際フォーラム客員主任研究員・30-39歳) [投稿履歴] 投稿日時:2012-01-24 12:11 [修正][削除] |
>>>この投稿にコメントする 2201/2213 |
| 米国とミャンマーの関係改善は、いよいよ揺るぎない流れとなってきた。1月13日に、オバマ大統領はミャンマー政府が500人以上にのぼる政治犯を釈放したことを歓迎する声明を発表し、両国の関係正常化に向けた新たな措置をとるよう指示した。クリントン国務長官は、政治犯釈放に加えて連邦議会補選を4月1日に実施するとの決定、カレン族などの少数民族との関係改善を評価し、ミャンマーに大使を派遣する手続きを開始すると発表した。米国はミャンマーの軍事政権による人権弾圧を理由に、1988年に両国の外交関係を臨時代理大使級に格下げし、さらに1990年には召還している。 一方、ミャンマーの人権問題に対して一貫して強硬な姿勢をとり、対ミャンマー経済制裁で議会をリードしてきた共和党のマコーネル院内総務が、1月15日からミャンマーを訪問し、17日にはミャンマー政府高官と会談した後、ミャンマーの改革は本物であると高く評価し、改革が進めば米国の対ミャンマー経済制裁を見直すべきであると述べた。クリントン長官は対ミャンマー経済制裁解除について、ミャンマーの民主化改革のさらなる前進が必要であるという立場を示していたが、それとほぼ歩調を合わせた形となる。そして、対ミャンマー強硬派であったマコーネル氏が制裁解除について言及したことの意味は極めて大きい。 米国がその国是である自由・人権・民主主義にこだわって対ミャンマー制裁を実施してきたことは、理解できなくはないが(とは言うものの、対ミャンマーだけ過剰に厳しいというダブルスタンダードはいただけない)その結果、地政学的に重要なミャンマーを対中依存に追いやってしまったのは、やはり愚策であったと言わざるを得ない。それが正しい方向に急速に転換されつつあることは、歓迎すべきことである。しかも、昨今の米=ミャンマー関係改善の前提たるミャンマーの民主化改革は自発的なものであり、経済制裁の解除を通じて外国からの投資を増やして対中依存を転換したいというのも、これまたミャンマー自身の選択である。それゆえ、単にミャンマーを対中包囲網のコマの一つとして利用するというのとは異なり、確固たる基盤に基づいたものである。 ただ、クリントン長官も指摘していたことだが、ミャンマーには北朝鮮との不透明な軍事協力や、国連の核不拡散体制への非協力的な態度という問題が残っている。制裁解除の過程でこれらを解明していかなければならず、制裁解除一辺倒というわけにはいかないことも間違いない。我が国にとっては、北朝鮮の核開発に加えて、北朝鮮による邦人拉致事件という重大な案件があり、ミャンマーと北朝鮮の不透明な関係を明らかにしていく過程で情報収集に努める必要がある。安倍晋三元総理はミャンマーを訪問してテインセイン大統領と会談したが、その際に、北朝鮮問題についてミャンマーの協力を求めた。その発想は悪くないが、こちらは経済支援を強化する立場にあるのだから、協力要請ではなく注文をつけるというスタンスで臨んでもよかったのではないかとも思う。いずれにせよ、ミャンマーと北朝鮮の関係解明という点において、我が国は独自に対処するのはもちろんのこと、米国との連携も重視し、情報交換していくことが肝要である。 |
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| 国政に3度目の劇場型政治は不要だ | |
| 投稿者:杉浦 正章 (神奈川県・男性・政治評論家・70-79歳) [投稿履歴] 投稿日時:2012-01-24 06:55 [修正][削除] |
>>>この投稿にコメントする 2200/2213 |
| 「東京で生まれた男やさかい、大阪にはようついていかん」と名歌をもじらせてもらう。「大阪都構想」なるものをひっさげて圧勝した市長・橋下徹の鼻息が荒い。維新の会で全国規模の衆院選候補を擁立、国政を動かすのだそうだ。果たして衆院の過半数を制して、大政党へと躍進できるのだろうか。全国規模ではとてもとてもその勢いはない。出来ると思うお方は“誇大妄想”とでも申そうか。燃えているのは大阪のマスコミにはやされて舞い上がったご本人だけではないか。もう日本に「劇場型政治」は不要だ。「大阪都構想がゴールではない。大阪がこのように動き始めているのなら、次なる目標として日本国も動かしていこう」と、橋下は国政への党勢拡大を宣言。「本年勝負させてください」と言い切った。府知事と市長選で圧勝した“鼻息”を継続させている。しかし問題は「最初のうまさが持続する」かどうかだ。折から政局は消費増税をめぐって、与野党が激突不可避の形勢であり、それを大阪から批判して、既成政党の体たらくを突く効果は確かにあるかも知れない。自民党政権が飽きられ、民主党政権が“あきれられた”現状を見れば絶好のチャンスと映るかも知れない。 過去の新党ブームの中では1976年の新自由クラブに似たようなムードが起きるかも知れない。新自クは、折からロッキード事件批判に乗って清新さを売り出し、同年暮れの総選挙で躍進した。それでもたったの18議席だ。結局消滅したが、そこまで果たしてゆけるか。ゆければ立派なものだが、無理がある。まず第一に、大阪が騒いでいるだけという状況がある。元官房長官・野中広務は「日本は、大阪のような雰囲気は出てこない。あれはマスコミが煽って作り出したもの」と手厳しい。浮動票は動く可能性があるが、全国で地滑りが生じるほどにはなるまい。さらに橋下のタレント首長特有の政治手法に問題がある。テレビ向けに一つのテーマを決め、イエスかノーかの判断を求めて論破する。弁護士の経験も相まって、口から先に生まれたような論陣をはり、相手を追い詰める。裁判に勝つなら何でも利用する弁護士型劇場政治だ。元首相・小泉純一郎のように敵を作ってたたくような手法が、今の国政に通用するだろうか。例えば最近の橋下発言で「消費税をたった5%上げるだけで、日本が再生するわけがない」があるが、論旨をすり替えている。「日本の再生」などという大それたことを言っている政党はない。「財政再建」が焦点なのだ。それを大きなテーマに置き換えて、聴衆の関心を呼ぶ。すぐに「浅薄さ」の馬脚が現れるのだ。「たった5%」が国政最大の命題であることも知らない。小泉によるワンフレーズ・ポリティックのまねだろう。 大阪都構想なるものが全国規模で関心を呼ぶだろうか。確かに二重行政の解消は自治体行政の重要ポイントだが、まず「隗(かい)より始めよ」と言いたい。国政に向けて、“盛り”がついたようになって、足元がおろそかになっていないかということだ。維新の会で府知事と市長を獲得したのだから、二重行政解消の絶好のチャンスではないか。国に制度改革を求める前に、自分の足元で出来ることから手をつけることが誠実な行政というものではないのか。加えて大阪都構想は重要ポイントに矛盾がある。大阪、堺両市を解体し、広域行政を担う「都」と福祉など身近な行政サービスを受け持つ10~12の「特別自治区」に再編する制度改革だが、これが二重行政どころか“十二重行政”を生む恐れがある。公選区長と区議会を置くことにより、コストの増大は避けられず、手続きも煩雑化するだけではないだろうか。 要するに、国政レベルから冷静に見れば、橋下政治はタレント型の劇場型パフォーマンス政治に尽きる。過去に劇場型政治がこの国にプラスをもたらしたことがあったか。小泉は所得格差を拡大し、この国の社会にぎすぎすした不公平感のみをもたらした。政党レベルでの劇場型政治の最たるものが民主党政権の2代にわたる暗愚首相が行ったものだが、国民に根強い政治不信だけをもたらした。三度目の正直でまた劇場政治かと思うと、もううんざりだ。遅れてきた劇場政治に国民は3度もだまされることはあるまい。首相・野田佳彦は橋下政治について「若干、劇場型になっている。府民が1人のスターを仰ぎ見ているだけでは良くない」と、野田にしては最大限の表現で警鐘を鳴らした。維新の会は民主党とは相容れない部分も大きく、むしろ自民党、公明党との接近が言われている。既成政党側は維新の会を利用できるなら利用しようという魂胆が見え見えであり、だれも「橋下独断専行政治」を諫めようとはしない。そこに「危うい政治」をのさばらせる危険が内包されているのだ。いずれにせよ解散は間近に迫り、選挙は既に終盤戦とささやかれる。二大政党激突のはざまに維新の会が全国規模で割り込める余地は少ない。 |
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| 秋入学の前にセメスター制の採択を | |
| 投稿者:大藏 雄之助 (東京都・男性・評論家・80-89歳) [投稿履歴] 投稿日時:2012-01-23 12:06 [修正][削除] |
>>>この投稿にコメントする 2199/2213 |
| 東京大学が秋入学に移行すると発表し、有力大学がこれに追随する意向を示している。世界の大多数の大学の入学時期を合わせることによって相互の留学を容易にするというのが最も大きな理由であり、これで外国の優秀な学生を呼び込もうという狙いであろう。だが、新聞報道によるかぎり、こんなに簡単に5年後の実施を決めてよいものか疑問であり、それ以前に、わが国の大学制度全般の見直しをすべきではないか。 例えば「アメリカのハーヴァード大学も9月前期、2月後期としている」のを参考にするということのようであるが、予算と教授陣移動こそ9月を区切りとしているものの、学生に対する講義は、日本が1年間を単位としているのに対して、半年で完了するセメスター制である。したがって、秋学期にも春学期にも同じ講義がある。つまり、秋春2回の入学を前提としているのである。 東大は、春秋2回の入学は教授陣の負担過重として否定しているが、1年間の講義を半年2回にするのがそれほど負担であろうか。多くの大学で行われている通年の講義を半年に縮約することは可能であるし、私の経験からして、現在のアメリカの半年の講義の方が程度が低いとは思えない。セメスター制は学生にとってメリットが大きい。万一単位を落とすと、日本では同じ課目をまた1年履修しなければならないが、セメスター制なら半年の遅れですむ。大学間の国際交流を活発にするためにはセメスター制は避けて通れない。 もう一つの問題は授業料である。日本では仮に卒業に1課目不足していても1年分の学費を納入しなければならないが、アメリカやカナダのほとんどの大学では取得する単位ごとに授業料が決まっており、同じ課目数を1セメスターでとっても、2セメスターに分けても負担は同じである。アメリカの学生は経済的に自立するというのが基本であるから、この制度によって、資金を貯めてから、あるいは働きながら、またはじっくり勉強する考えで長めに在学する計画を立てることも可能である。秋入学に先立ってセメスター制を採択すべきだろう。 |
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| イラン・シリア問題と「新冷戦」 | |
| 投稿者:水口 章 (東京都・男性・敬愛大学国際学部教授・50-59歳) [投稿履歴] 投稿日時:2012-01-20 16:05 [修正][削除] |
>>>この投稿にコメントする 2198/2213 |
| 「アラブの春」から1年という特集がメディアで組まれる中で、イラン・シリア両国の政治情勢も緊張を増している。この両国への対応に関し、国際社会において温度差が生じている。それは「新冷戦」とも言われはじめた一党独裁的国家の中国・ロシアと米国・EU諸国の間の対立構図の一コマとして現れているようだ。対立の焦点は「主権国家」への内政干渉のあり方である。それは国連憲章に謳われている主権国家を守る憲章の第2章と、国際的な脅威への集団防衛権を認めた第7章の間の矛盾という問題を再び思い出させるものでもある。 では、中国とロシアはシリアおよびイランの問題についてどのような認識をして政策立案を行っているのだろう。端的に言えば「国益」重視である。中国の対イラン政策は(1)エネルギー資源の確保にとって重要な国(2)武器輸出先(3)インフラ整備事業の発注国という認識のもとで形成されているといえそうだ。また、ロシアも原子力発電プラントの輸出先という認識といえる。そして、シリア政策については中国もロシアもともに大きな経済権益は持っていないが、ロシアは対シリアへの軍事援助を行っており、ロシア海軍の寄港先も有している。 さらに、ロシアと中国は欧米が人権問題でシリアへの内政干渉を行えば、それが人権問題に関する国際社会の対応の前例となることを恐れていると考えられる。つまり、両国は内政干渉を受けるリスクを重視する問題設定をしていると言える。これに対し、米国・EUはもちろん国益重視ではあるが「国際益」「地球益」という観点から「保護する責任」「核兵器の拡散問題」に重きを置く問題設定を行っている。 したがって、国連安保理での政策合意を見る場合は、両者のフレーム調整が欠かせなくなる。しかし、この調整は現実的に難しい上に、今後も中国の国力が増す中で両陣営がリフレーミングすることはほぼ絶望的のように思う。その意味で、イラン・シリアに関する両陣営の政策対立は「新冷戦」のプロローグともいえそうだ。なお、イラン問題に関する国連での解決の蓋然性は低く、イランの出方次第では米英を中心とした国際社会の対応がエスカレートすることも十分考えられる。 |
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| 民主、「80削減」で公明に“逆秋波” | |
| 投稿者:杉浦 正章 (神奈川県・男性・政治評論家・70-79歳) [投稿履歴] 投稿日時:2012-01-19 06:54 [修正][削除] |
>>>この投稿にコメントする 2197/2213 |
| 衆院比例区80議席削減案に一番影響を受ける中小政党が激怒しているが、あえて反発を承知で民主党が打ち出した狙いはどこにあるか。おそらく公明党抱き込みにあるとみた。公明党が一番嫌がる80議席削減を打ち出しながら、途中で妥協して野党を揺さぶり、消費増税協議に引き込む。それが不可能なら、不成立は野党のせいにして、解散・総選挙になだれ込む。よく考えた定数是正問題の“活用”だが、パフォーマンスの馬脚を現すようでは、鳴り物入りで国対委員長に就任した城島光力もたいしたことはない。とにかく現行小選挙区比例代表並立制のまま80議席を減らせば、比例区当選が公明、共産両党は半減。社民党に至ってはゼロになる。怒るのはもっともだが、城島国対の狙いは別にある。まず野党分断だ。自公両党はいまや解散・総選挙で足並みを揃えて蜜月状態にあるが、公明党は体質的に“きれいごと”へと流れる傾向があって、度々自民党を裏切ってきた。 今回も民主党から社会保障と税の一体改革で与野党協議を持ちかけられれば、よろめきかねない。現に1月18日の自公幹事長会談でも井上義久が「協議に応じてもいい」となびき、慌てて石原伸晃が口止めする場面があったと言う。民主党はそこを見極めて、公明党に一番きつい球をまず投げたのだ。もちろん城島も、公明党が怒り心頭に発する事を計算に入れてのことだ。と言うのも、このままでは与野党協議に入るめどなど全く立たない。消費増税という大魚を網にかけるために、水面を叩いて底にへばりついている魚を浮上させようとしているのだ。案の定公明党は、代表・山口那津男が「あまりにも独断が過ぎる。協議の土俵を自ら壊すような強引な進め方はするべきではない」と憤っている。しかし民主党にとっては、これで終わっては元も子もない。その「妥協策」は公明党の主張する小選挙区比例代表連用性の導入だ。 今のところの民主党案は、現行制度のまま80議席減らす方針だが、これは圧倒的に民主、自民の2大政党に有利となる。これに対して連用性は、比例の議席を割り振る際に小選挙区で獲得議席が少ない政党に優先的に配分する方式だ。試算によると、公明、共産両党はかえって議席増につながるのだ。民主党幹部は「連用性が切り札になる」と漏らしている。“切り札”をほのめかされたら、公明党が“浮気の虫”を押さえられなくなって、自民党に「ちょっとだけね」とばかりに、民主党に会いに行くことも予想される。国民新党代表の亀井静香も「小政党に優先的に議席を配分する連用性に変えるべきだ」と主張しており、前向きだ。しかし、本格的な選挙制度改革がこの“急場”で成し遂げられるかどうかは微妙な上に、周知期間が必要となるから、次の衆院選挙には間に合わないだろう。従って公明党を引き込む道具とはなっても、実現性は乏しいとみなければなるまい。 そこで民主党が考えている最終作戦が、数を頼みに衆院で合計85人削減法案を可決させる強行突破策だ。参院に送付すれば、参院は野党が多数で成立は不可能と言ってもよい。そのままたなざらしで、解散・総選挙になだれ込み、選挙で「定数削減にまじめな民主党。削減をしない悪い野党」を訴えて、有利に導こうという魂胆だ。誰が描いたか知らないが、巧みな硬軟両様のシナリオだが、ここでも事業仕分けと全く同じパフォーマンスがまたまた露呈している。「定数是正だ。公務員給与削減だ」とかしましい「自らの身を切れ論」に迎合しての“演技”だが、1000兆円に達する赤字や、消費税5%アップの巨額な歳入に比べれば、いずれも雀の涙ほどの効果でしかない。「身を切れ論」は本質的には消費増税へのアリバイ作りなのだ。身についたパフォーマンス体質は、民主党政権から死ぬまではがれないのだろう。いずれにしても、80議席削減の裏を読まれるような国対では、国会運営も行き詰まりが不可避だ。それにこれほど国民を馬鹿にした国会対策も珍しい。もともと実現不能と分かり切っているからだ。 |
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| 野田内閣は財政再建より復興と日本再生に集中せよ | |
| 投稿者:角田 勝彦 (東京都・男性・団体役員・70-79歳) [投稿履歴] 投稿日時:2012-01-16 19:05 [修正][削除] |
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| 1月13日野田内閣の改造直後の各紙世論調査によれば、内閣支持率は横ばいか下落で、不支持率は5割前後に増えた。1月6日、政府は消費税を2014年4月に8%、15年10月に10%へ引き上げる税と社会保障の一体改革の素案を決めたが、同じ世論調査を見ると反対が賛成を大きく上回っている。野田首相は改造による支持率回復で政権運営に弾みをつける狙いだったが、効果は得られなかったわけである。首相は一体改革の成否によっては「いろんな判断があるかもしれない」と衆院解散・総選挙にも含みを持たせているが、実際その可能性が高まっている。野田内閣の使命は、一に復興とこれをさきがけとする経済再生であり、財政再建はその先である。無理に手を広げて政局に追い込まれ復興に水を差すより、野田内閣発足時の国民の期待に応え復興に全力を注ぐことが望ましい。 東日本大震災の発生から半年を迎えるのに合わせ朝日新聞が行った全国調査では、政府の半年間の復興取り組みを「評価する」が18%、「評価しない」が67%だった(政府の復興構想会議も昨年11月10日「復興が率直に言って遅すぎる」と苦言を呈している)。原発事故への対応も「評価する」は11%にとどまった。それが野田内閣に対しては、復興に51%が「期待できる」と回答し、原発事故への対応でも、「期待できる」45%が「できない」30%を上回った。昨年9月発足時の朝日新聞世論調査では内閣支持率は53%、不支持率は18%だった。それが内閣改造直後の本年1月には支持率は29%、不支持率は47%になったのである。読売調査でも支持率は9月の65%から1月の37%へ、不支持率は19%から51%へと同じ傾向である。とくに注目すべきは昨年1月菅内閣再改造の時(朝日によれば2010年12月の21%から26%へ上昇)と違い改造によっても昨年12月の31%から本年1月の29%へ下落していることである。読売でも42%から37%への下落である。 一体改革は菅内閣以来の公約であり、野田首相も昨年11月のG20カンヌ・サミットで財政健全化の決意を示し、一体改革を実現するための所要の法律案を2011年度内に国会に提出することを説明しているが、今や意気は上がれど力足らずの感である。それに野田首相が同サミットで全力で取り組んでいると述べた復興について、第3次補正予算と復興増税まで目途を付けたのは評価するが、先は長い。復興庁は発足待ちであるし、昨年12月に政府の国家戦略会議が決めた「日本再生の基本戦略」も、復興を日本再生のさきがけと位置づけ、経済連携の強化や新産業の創出をテコに、新たな成長分野を開拓するとして2020年度まで平均で実質2%、名目3%の高い経済成長目標を掲げたものの具体的内容に乏しく、このままでは看板倒れになりかねない。 一体改革の素案、具体的には政府が通常国会への提出を目指す消費増税法案については、提出にこぎつけても自民党が求めたように国会に設置する特別委員会で検討されることになりそうで、不可分の社会保障制度改革案は早急にまとまりそうにない。消費税引き上げ前に国会議員定数と国家公務員給与の削減を行うべしとの要求もある。要するに消費税率引き上げだけの問題ではないのである。野田首相は1月14日のテレビで、消費税増税を柱とした社会保障と税の一体改革に関し「政治生命を懸けてやり抜く」と強調した。「一体改革と併せ(行政、政治両)改革に結論を出して実現していく。それができるかできないかの暁にはいろんな判断があるかもしれない」と述べ、衆院解散・総選挙にも含みを持たせた。しかし一内閣一課題ともいう。野田内閣は復興と経済再生に一応の目途を付ければ後世から高く評価されよう。財政再建に取り組む力はないことを自覚して玉砕を避けるのが賢明である。理想と現実のバランスをとる政治家としての力量が問われている。 |
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| 防衛費10年前の水準に回復を | |
| 投稿者:鍋嶋 敬三 (神奈川県・男性・評論家・70-79歳) [投稿履歴] 投稿日時:2012-01-16 10:27 [修正][削除] |
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| 米国が1月5日発表した新国防戦略は国防予算の大幅削減のため、戦略態勢の再調整をしつつ、重点をアジア太平洋に移すという「歴史的転換」(パネッタ国防長官)を目指すものであり、特に中国とイランを意識した内容である。オバマ大統領は10年間で4870億ドルの国防費削減に当たっても「アジア太平洋を犠牲にしない」と保証する一方、同盟国と友好国の能力の増大で「負担分担の新たな機会が生じる」ことを明言した。米国一国で世界の安全保障をまかなえる力がなくなった現在、同盟関係の強化を軸に役割・任務の負担を求める強い姿勢を示したものだ。中国の軍事力増強に伴う脅威の増大、ロシアの軍事力の強化、現実の脅威となっている北朝鮮の核・ミサイル開発に直面する日本は減少の一途をたどる防衛費を10年前の水準に回復させるべきである。それが日本自身が領土・領海、経済水域を護る強い決意を対外的にも示し、また米国の求める同盟強化にこたえる道である。 日本の防衛費(当初予算)は平成14年度(4兆9395億円)から同23年度(4兆6625億円)まで一貫して減り続け、10年間で5.6%減少した。一般会計予算に占める割合も平成18年度の6%から同23年度は5%に下がった。主要国の1人当たり国防費(2009年度、ドル換算でOECD公表の購買力平価で比較)は米国2023ドル(対GDP比4.5%)、英国1031ドル(2.8%)、フランス684ドル(2.0%)、ドイツ470ドル(1.3%)に対して日本は321ドル(0.9%)である(以上、平成23度版防衛白書)。欧州はソ連の崩壊で最大の脅威が去った後も多額の国防費を国民が負担しているが、日本は「対GDP比1%」の壁が立ちふさがってドイツ以下にとどまっている。民主党政権は2011年12月、「基盤的防衛力構想」を改め、即応性や機動性を高めた「動的防衛力」を構築する新たな防衛計画大綱を策定、日米同盟の深化・発展、アジア太平洋地域の安全保障環境の一層の安定化を重視した。東シナ海に接する南西諸島への早急な自衛隊の配備など機敏な防衛体制の構築が必要である。 米国の新戦略の第一の課題は「アジア太平洋の安全保障と繁栄」(オバマ大統領)であり、同盟とパートナーシップの強化を通じてそれを確保しようとする。本文8ページの短い新戦略文書の中で、同盟国や友好国との連携や協力について少なくとも10回言及しているのが特徴である。同盟国としての日本、韓国、オーストラリア、友好国としてフィリピン、ベトナム、インドが協力強化の対象としてある。新戦略は米国の経済的、安全保障上の死活的利益が「西太平洋から東アジア、インド洋そして南アジアに至る弧(arc)に密接につながっている」(パネッタ長官)という認識のもとに、米軍兵力配置の再調整を行うものだ。 米軍の主要任務の中でも「接近阻止・領域拒否(A2/AD)」への対応が大きな課題である。中国、イランを名指しして「米国の戦力投射能力を阻止する非対称的な手段の追求を続けている」と批判し、自由な作戦能力を確保するのに必要な投資を続ける決意を示した。イランがホルムズ海峡の封鎖を公言して米欧との緊張が一気に高まり、中国も南シナ海、東シナ海での制海権、制空権を確保しようと狙い、日米、アジア諸国の懸念を強めている。オバマ大統領は米海軍の空母11隻体制を10隻に減らすことに個人的に反対したと米紙は伝えた。中国に対する確固たる意思表示だ。米海軍制服トップのグリナート作戦部長が1月10日、西太平洋50隻、中東30隻体制の維持を表明したのも大統領の決意を踏まえたものだろう。 |
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| 野田は新聞論調と“同期”戦術 | |
| 投稿者:杉浦 正章 (神奈川県・男性・政治評論家・70-79歳) [投稿履歴] 投稿日時:2012-01-16 06:54 [修正][削除] |
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| 消費増税に「政治生命を賭ける」という首相・野田佳彦の姿勢は、その弁舌と相まって極めて説得力が出てきた。消費税推進論のマスコミがはやしている。これに比べるとばかの一つ覚えのように「マニフェスト違反」を繰り返す自民党総裁・谷垣禎一の主張の何と精彩に欠けることか。ここは長年政権を担当した政党として「器量・風格」を示すべき時だが、そのかけらもない。しかし、各社の世論調査による内閣支持率は、横ばいか下落。やはり一般大衆は古今東西を問わず、増税で懐に手を突っ込もうとする為政者を理屈抜きで受け入れ難いのだ。最近の野田の発言は、新聞の社説と“同期”している。顕著な例が、朝日が1月11日付で「捨て身で野党呼び込め」との見出しで「言葉にいくら力を込めても、現実は動かない。衆参ねじれのもと、政権与党は、国民の支持を求めて捨て身の対応をするしかない」と主張したのに答えるかのような、14日の“捨て身”発言。 「私の政治生命をかける。民主党政権がうんぬんではない。この国を守るため、未来を残すために、一体改革は貫いていく」と力んで見せた。最近の大新聞の社説は、マニフェスト違反一点張りの自公両党に批判的なものが多い。読売も5日付で「消費税を政争の具にするな」と、小沢一郎と野党の両方を叩いている。野党と党内小沢グループの挟撃にあっている野田にしてみれば、地獄に仏のように見えるのだろう。野田はこの新聞論調に気づいているだけ立派だが、野党に至ってはどこ吹く風のなりふり構わぬ主張を繰り返している。谷垣が税と社会保障の与野党協議について「嘘の片棒を担ぎ、事前の談合で解決することなど受け入れられない」と門前払いをすれば、みんなの党代表の渡辺善美に至っては「増税に狂う増税暴走内閣」と口汚くののしっている。そこには、大局的な判断などはかけらもない。むしろ解散・総選挙を目指した政局への思惑が露骨であり、野党がこれほど卑しげに見える時期もめづらしい。 しかし、野田にとっての問題は、社説が“支持率”を稼いでくれないし、国会対策もやってくれないことだ。改造後の世論調査では、とても政権浮揚などとはほど遠い結果が出た。朝日が前回の31%から29%とついに20%台に割り込んだ。読売も42%から5ポイント下がって37%となった。共同通信も横ばいだ。何故かと分析すれば、おそらく消費増税が足を引っ張っているのだろうと推察できる。朝日の調査では賛成は34%で、反対の57%を大きく下回っている。消費税は次の選挙で争点となるが、このままの比率でいけば民主党は大敗だ。加えて改造への評判がぱっとしないのは、防衛相に田中直紀を起用したことだろう。「素人の次に素人」と永田町で驚きをもって迎えられている評価が、国民レベルまで伝搬した。読売の調査によると、岡田克也の副総理起用は52%が評価したが、田中は19%の評価にとどまっている。 野田は「輿石命」の田中を幹事長・輿石東が「ういやつじゃ」とばかりに推薦したのを、そのまま受け入れざるを得なかったのだろうが、どうも野田は、人事でポイントを外しがちだ。 いずれにせよ野田は、いまのところ新聞論調だけを頼りにせざるを得ないようである。新聞論調が消費税協議に乗ってこない野党に、もっと強力な矛先を向けるようひたすら念じているにちがいない。しかし、いくら批判されても、解散の好機とばかりに、はやりにはやってしまっている野党を、新聞論調が叩いても限界があるだろう。野田は14日のテレビで解散を聞かれて「衆院解散以前に、まず一体改革と、自分たちが身を削る行政改革、政治改革を実現していく。それができるか、できない暁には、いろんな判断があるかもしれないが、まずは野党に呼びかけることからスタート」と微妙な発言をしている。「いろいろな判断」とは解散の決断か、話し合い解散の決断が考えられるが、結局問題の落ち着く先が分かってきたようでもある。野田の好きな新聞論調も、与野党激突を経れば、話し合い解散による決着に傾斜するだろうと予測する。 |
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