財団法人 日本国際フォーラム

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ダボス会議、G7会議を終えて   
投稿者:宮崎 厚 (東京都・男性・ベンチャー企業顧問・60-69歳)  [投稿履歴]
投稿日時:2010-02-09 21:02 [修正][削除]
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 先般ダボス会議に出席した仙谷大臣とG7会議に出席した菅大臣の記者会見をテレビとネットでみていて、マスコミの質問と、それにに答える両大臣の発言に少しがっかりしました。

 なぜなら、こんな感じだったからです。マスコミの質問は、「日本に対する各国の意見はどんなものでしたか?」。両大臣の答えは、「日本に対しては特にありません。各国とも自国の問題に終始し、あえて言えばギリシャの問題くらい。世界経済の異常事態に対して、景気対策と財政赤字の問題に各国とも悩んでおり、金融規制に関しても意見がわかれ、今後とも意見交換と協調してゆく事を約束してきました」です。これが今後世界のオピニョンリーダーとなることを期待されている日本の指導者として、十分な対応になっているのでしょうか。疑問があります。

 もし私がマスコミであれば、「日本としてはどのようなアピールをして来たのですか?」と尋ねます。

 もし私が出席大臣ならば、次のように述べます。「世界は景気対策と財政赤字に悩んでいる国が多いので、日本の体験から色々アドバイスが出来ました。まず、財政赤字の問題は、国内に赤字国債の引き受け手がいる限り安心して大丈夫です。現にGNP比でみても、日本の例を見れば分かります。しかし赤字国債を外国に引き受けてもらう場合は気をつけましょう。なぜなら、金融市場の金利変動に翻弄され、万一モラトリウムを起こしたら、IMF管理などとなって、国家の裁量が制限され、国体の維持が出来なくなる恐れがあります。次に、金融規制の問題も単純です。マネーゲームというものは、付加価値を生まないため、ギャンブルと同様に扱えばよいのです。ギャンブラーの利益が税収増加に貢献すれば大目に見て、税収に繋がらなければ禁止すべきです。最後に、景気対策です。景気対策は経済活動の付加価値を増大するしか手立てがありません。財政政策による所得移転をどれだけ増やしても、銀行・金融機関にどれだけ増資しても、産業創造に勝る雇用対策、景気対策はありません。賃金低下の中での需要増加は、減税以外にはありません。最貧層への所得移転よりも中間層への減税こそ最大の需要喚起対策です。日本もこれから幅広い減税対策によって需要喚起が出来るはずです。日本のように、自由な民主主義を一層発展させれば、国民が国家に依存して頼ることなく、一人ひとり思い思いに経済活動を行い、付加価値としての富を創造して国家を支え、国家は弱者に手を差し伸べるような豊かな国になれます。その指針として、役立ててもらえるよう各国首脳にアドバイスをしてきました」と。

こんな感じです。 

秘書は城、秘書は石垣、秘書は堀   
投稿者:杉浦 正章 (神奈川県・男性・政治評論家・60-69歳)  [投稿履歴]
投稿日時:2010-02-09 08:05 [修正][削除]
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 江戸狂歌に「白河の清きに魚も住みかねて、もとの濁りの田沼恋しき」があるが、さしずめいまは「黒川の闇に魚も住みかねて、元の濁りの自民恋しき」か。民主党幹事長・小沢一郎と首相・鳩山由紀夫がまさに一蓮托生の開き直りに出た。小沢の記者会見は打って変わって、当たるべからざる勢いが戻った。「私自身2度事情の説明をいたしました。これ以上の説明はない」と説明責任を完全否定。世論調査にもかみついて、「不正なお金という報道がずっと続いた。不正な献金は受けとっていなかったという報道を同じように続けていただいて、その後に世論調査をしてほしい」と強圧的な態度を復活させた。この小沢の突っ張りに、突っ張りで応ずるのは大人げない。柳に風と受け流し、時事川柳で戒めるとするか。

 「子の手当、母が父がで言い逃れ」(筆者)。検察の不起訴の理由を見れば「嫌疑不十分」とある。嫌疑不十分とは、起訴して有罪に持ち込むだけの証拠が集まらなかったということだ。しかし最初に検察が「クロ」と見込んだであろうことは、十分推察できる。なぜ資金の流れを隠蔽したのか。なぜ借り入れ文書に署名したのか。なぜ巨額の資金を長期間タンス預金できたのか。結局秘書のせいにしてとん走をはかる古来の“政治慣習”を踏襲しただけだ。小沢は説明しなくても、検察側の冒頭陳述で「説明責任」は果たされるだろう。それを楽しみに待つとするか。朝日川柳の「秘書は城、秘書は石垣、秘書は堀」がすべてを言い尽くしている。谷垣の「限りなくクロに近い」不起訴なのだ。朝青龍は引退したが、読売時事川柳には「グレーでも、身を退く人と退かぬ人」。選者は「あいつのいない本場所。あの人がいる永田町。ああ」と慨嘆する。一蓮托生とは、極楽にいくことが前提だが、極楽往生できますかねぇ。小沢さん。

 託生のもう一人鳩山も「どうぞ戦ってください」に次ぐ重大発言。小沢に「ぜひ一生懸命頑張って欲しい」と宣うた。おそらく小沢は、2月8日午前の鳩山の国会答弁を聞いて、ぶったまげたに違いない。全国紙が一斉に「小沢辞任」の世論調査を書いた翌日だ。鳩山が何を言うかと、かたずをのんで見守ったのだろう。案の定予算委で鳩山は「小沢氏自身も責任は感じていると思っているし、私も、小沢氏に何らかの責任は当然あると思っている」と発言。慌てて小沢は官邸に乗り込んで13分という不自然な会談を行ったのだ。それも「この仕事を続けてよろしいか」と半ば脅しとも受け取れる発言だ。小沢と鳩山の関係が良く分かる。

 しかし二人とも民主党政権を選んだ国民の落胆、幻滅への眼差しはない。あるのは、数を頼んだ永田町マキャベリズムだ。マキャベリは「君主にとって最大の悪徳は、憎しみを買うことと軽蔑されることである」と述べている。まだ憎しみは買うまでには至らないだろうが、軽蔑を買っていることは間違いない。政権側には支持率逆転にもかかわらず、まだ高い政党支持率にすがる声があるが、鳩山と小沢の姿勢は間違いなく政党支持率の低落につながるだろう。読売川柳の「鳩だから、影や闇には目が利かぬ」が“軽蔑”の端緒だ。小沢には「政治的・道義的責任」などという言葉は通用しないのだ。「吾が辞書は、責任の二字禁止とす」(筆者)。

 党内反小沢グループの指揮者・渡部恒三は「これから30日とか50日たったら、小沢君は最終的には思い切った決断をしてくれる」と小沢辞任に期待している。黄門様にとって問題は、手足となる助さん角さんがなかなか腰が重く、今後小沢が党内を席巻しかねない点だ。「印籠を自分で出して、間の悪さ」(筆者)ということにもなりかねない。最後に読売川柳の傑作。「振り上げた拳で検察、頭掻き」。解説しないで済む川柳が一番いい川柳だ。それにしても検察首脳も説明責任があることは間違いない。
 

アフガニスタン警察を現地で支援せよ   
投稿者:伊藤 嘉彦 (非居住者ドイツ・男性・修士課程在籍・30-39歳)  [投稿履歴]
投稿日時:2010-02-09 06:44 [修正][削除]
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 日本国政府は今日、様々な形でアフガニスタン復興支援を行っています。警察機構に関する支援もその一つであり、給与の一部を負担するといった財政的支援のみならず、日本において警察官の研修を行うなどして、力をいれております。JICAによれば、今年は2月15日から28日まで20名の研修生を受け入れて、警察制度を学んだり、各所の視察を行うとのことです。しかし、共同通信によって2月4日に配信された記事によれば、昨年11月に決めた日本がインドネシアでアフガニスタンの警察官を養成するというプランは、開始の見通しは立っていないとのことです。

 他方、ドイツは2002年からアフガニスタンとの協定によって警察官を派遣し、現地警察官の育成を行ってきました。その後、2007年にEUPOL Afghanistanが発足し、EUがアフガニスタン警察の教育支援にあたることになりました。ドイツは現在、この枠組みを通してアフガニスタン警察を支援しております。1月26日に首相官邸が「アフガニスタンに関する国際会議」のために発表した支援策によれば、教官を現状の123人から200人まで増員し、現地で教育にあたるとしております。

 しかしその後、2月5日にイスタンブールで開催されたNATOの会合で、ロバート・ゲーツ米国防長官は、現地でより多くの教官を必要としていると述べました。日本国政府はこの状況を踏まえ、教官を現地に派遣し、警察官教育に関する支援を行うことを検討してはいかがでしょうか。平成22年1月から外務省のサイトで配布されている資料「日本のアフガニスタンへの支援」においては、警察改革支援として先の財政援助、日本での研修の他に、車両の提供、国境警察管理施設等の建設が紹介されております。しかし、現地において警察官を育てるというプランが欠けていることがわかります。

 ドイツ外務省によれば、これまで警察教育に携わるもので犠牲者は出ていないということです。これは、治安が良くないことを理由にインドネシアで教育を行う必要が無い可能性を示唆しています。第174回国会において、岡田外務大臣はアフガニスタンの安定が重要であるとの認識を示されました。現地における警察官の育成はアフガニスタンの安定に貢献すること大と思われますので、民生支援の一つとして検討する価値はあると思われます。

(連載)ウクライナをめぐるロシアと欧米の攻防(3) ← (連載)ウクライナをめぐるロシアと欧米の攻防(2)  ツリー表示
投稿者:河村 洋 (東京都・男性・ニュー・グローバル・アメリカ代表・40-49歳)  [投稿履歴]
投稿日時:2010-02-08 09:47 [修正][削除]
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 他方で大統領候補達は、アメリカから選挙顧問を雇って対米関係の維持に努めている。親露派のヤヌーコビッチ氏さえ、ジョン・マケイン氏の下で働いた選挙参謀を雇っている (“Ukraine candidates relying on US advisers”; Washington Post; January 15, 2010)。

 どちらが勝っても、ウクライナには内政と外交の課題が山積みである。ロンドン在住のフリー・ジャーナリストのグウィン・ダイアー氏は、ウクライナのメディアに選挙後のウクライナ政治の動向に関する分析を投稿し、「NATOもEUもロシアとの対決には及び腰であり、さらにウクライナの製鉄、化学、航空産業は、ロシアの石油と天然ガスを必要としている。IMFの融資に依存しているウクライナには、自国の経済政策に関し重要な自己決定を行なうことができない」(“Whether Yanukovych or Tymoshenko, next president left with little room to maneuver”; Kyiv Post; January 21, 2010)と述べている。

 確かに仮にティモシェンコ氏が勝っても、次期政権のロシア政策は軟化するであろう。だからと言って、欧米がウクライナへの影響力行使を控えるべきだということにはならない。この記事でも述べたように、親露派のヤヌーコビッチ氏でさえ、アメリカとの関係維持を望んでいる。

 トマス・バラセク氏が述べるように、ヨーロッパ連合もウクライナの国家建設にもっと手を差し伸べるべきである。オバマ政権はロシアに対してあまりに宥和的で、これもウクライナ国民がオレンジ革命と欧米に幻滅した原因の一つである。2月7日の第2次投票の行方を見守ろう。この選挙の結果は、自由諸国とロシアや中国に代表される権威主義国家の抗争に重大な影響を及ぼすだろう。事態は、ヨーロッパ大西洋地域を超えてグローバルな性質を持つ。(おわり)

(連載)ウクライナをめぐるロシアと欧米の攻防(2) ← (連載)ウクライナをめぐるロシアと欧米の攻防(1)  ツリー表示
投稿者:河村 洋 (東京都・男性・ニュー・グローバル・アメリカ代表・40-49歳)  [投稿履歴]
投稿日時:2010-02-07 01:29  
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 これらの問題は、ウクライナ国内だけに原因があるわけではない。ヨーロッパ改革センターのトマス・バラセク外交防衛部長は、ウクライナの政治家達がブリュッセルとの関係強化に消極的になった理由は、EU加盟国の中にウクライナの加盟を望まない国があるからだと述べている。バラセク氏はEUに対して、ウクライナの統治の不手際を責め立てるよりも、その改革を支援すべきだと主張する。バラセク氏は今回の選挙はEUとウクライナの関係を考え直す良い機会だと言っている(“Ukraine and the EU: A vicious circle?”; CER Bulletin; December 2009/January 2010)。

 カナダのアルバータ大学のデービッド・マープルズ教授は、ウクライナ国民がユーシェンコ大統領とティモシェンコ首相の内部抗争に嫌気がさしていると言う。またオレンジ革命以後も続く腐敗で、現政権の支持率は下がっているという(“Ukrainians Disillusioned with President Yushchenko”; VOA News; 13 January 2010)。

 ユーシェンコ大統領は言語と文化のウクライナ化によってロシアとソビエト時代の影響を払拭しようとしたが、ロシア系住民の抵抗に遭った。アメリカは「ユーシェンコ氏に指導力がない」として、政権支持に消極的であった(“Where did Ukraine's Yushchenko go wrong?”; Reuters; January 11, 2010)。オバマ大統領は昨年の天然ガス紛争の際にクレムリンの膨張主義を阻止しようともせずに、ショー・ビジネスのスター達とドンチャン騒ぎを楽しんでいた。

 ロシアとの関係は、選挙後のウクライナ政治の主要課題である。関係改善にかけるロシアの期待は高い。王立国際問題研究所でロシア・ユーラシア部長のジェームズ・シャー氏は、ロシアの歴史がキエフへのルスの入植に始まるので、ロシアにとってウクライナは自国の歴史的アイデンティティーの一部だと指摘する。これはNATOとの地政学的な競合にも劣らず重要だとシャー氏は言う(“Will Moscow-Kiyv Ties Improve After Ukrainian Election?”; VOA News; 15 January 2010)。ロシアに媚びるかのように、ヤヌーコビッチ氏は1932年から1933年にかけてのホロドモール飢饉に関してロシアを非難するウクライナのナショナリストたちを批判した(“Ukraine must not blame neighbors for famine – Yanukovych”; RIA Novosti; 16 January 2010)。(つづく)

(連載)日米関係の将来と普天間基地移設問題(6) ← (連載)日米関係の将来と普天間基地移設問題(5)  ツリー表示
投稿者:中岡 望 (東京都・男性・ジャーナリスト、国際基督教大非常勤講師・60-69歳)  [投稿履歴]
投稿日時:2010-02-07 01:05 [修正][削除]
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 先に触れたようにベーター氏は、日米関係を「当然なものではない」と指摘している。おそらくアメリカにとって歴史的な結びつきからすれば「当然な国」はイギリスである。日本は決してイギリスにはなれないのである。むしろ日本は日米関係を考えるとき、ドイツを想起すべきであろう。冷戦終了で米独関係は大きく変わった。ドイツの雑誌『シュピーゲル』は米独関係を「フレネミーズ(frenemies)」と表現している。それは友人の「フレンド(friend)」と敵の「エネミー(enemy)」を合成した言葉である。

 ドイツは、2008年夏にドイツを訪問したオバマ米大統領候補がブランデンブルグ門で演説するのを認めず、また2009年にホワイトハウスに招待されたとき、メルケル独首相は拒否している。また米独の間には景気政策や金融規制を巡る対立も存在している。ドイツはイラク戦争に反対し、アフガニスタンに派兵はしているものの、アメリカのアフガン政策には批判的である。しかし、2009年11月にメルケル首相は米議会でアメリカとの「強力なパートナーシップ」の必要性を訴え、「両国の間に自由と責任に対する共通の理解が存在する」と語りかけている。またドイツはヨーロッパの安全保障で重要な役割を果たしている。

 日本は長い間、「物言わぬ同盟国」であった。それは50年にわたる自民党政権の対米政策の結果でもあった。日本は「従属的な独立」に甘んじてきた。両国の政権が変わった今、日米同盟のあり方を考え直してみる良い時かもしれない。そのためには単なる言葉ではなく、明確な「対等なパートナーシップ」のイメージを語り、アメリカに伝える必要がある。そして世界と地域の安全保障に日本はどう責任を負い、どう責任を果たすべきかを明確に語る必要がある。また安全保障問題は極めて重要だが、同時に日米関係はさらに広いコンテクストの中で議論されるべきであることも忘れてはならない。(おわり)

(連載)日米関係の将来と普天間基地移設問題(5) ← (連載)日米関係の将来と普天間基地移設問題(4)  ツリー表示
投稿者:中岡 望 (東京都・男性・ジャーナリスト、国際基督教大非常勤講師・60-69歳)  [投稿履歴]
投稿日時:2010-02-06 02:19  
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 東アジアの安全保障にとって最大の脅威は、中国の台頭である。中国の軍事費は、毎年20%前後の伸び率を記録している。将来は空母を保有することになると見られている。しかも、まだ国内の民主化が十分に進んでいないことも、大きな潜在的脅威の要因となりうる。しかし、その一方で米中関係は大きく発展している。ポールソン前財務長官の肝いりで始まった「米中戦略経済対話」を通して、米中両国は閣僚級レベルでのコミュニケーションのチャンネルを確立している。また米中の経済関係は急速に相互依存関係を強めている。通商問題を巡る対立は頻繁に起こっているが、それは必ずしも安全保障上の問題とはいえないし、逆にそうした摩擦は、両国の経済関係が不可分なものになっている証左とも言える。

 中国は、2010年にGDPの規模で日本を追い抜くと予想され、国際社会での責任も強まっている。ブッシュ政権の時、ゼーリック国務副長官(現世銀総裁)は、中国を国際社会の“ステークホールダー”と呼び、国際社会での責任を果たすことを求めた。今後も中国の民主化問題、通商摩擦、台湾海峡問題などで、米中間に緊張が発生する可能性は否定できないが、中国がアメリカや日本などの周辺国と全面的な対立に入る可能性は低い、と考えるのが現実的であろう。この点で注目すべき動きとして、米中軍事交流がある。2009年10月に徐才厚国家中央軍事委員会副主席がアメリカを訪問したが、この訪米について、11月17日のオバマ大統領と胡錦濤主席の共同声明は、「持続的かつ信頼可能な軍事的関係の促進に向かって、具体的な一歩が踏み出された」「両国は交流のレベルと頻度を高めることも含め、両国の軍事関係者の積極的な交流と協力のプログラムを実施する」と述べている。

 おそらくアメリカと中国の間には一種の“親和力”のようなものが存在するのであろう。筆者はそういう印象をもつ。もちろん朝鮮半島の安全保障問題は残るが、東アジアでも冷戦構造は大きく変わりつつあることは間違いない。事実、アメリカはそうした安全保障の状況の変化に対応して、米軍の再編成を進めている。日米安全保障条約の前提も間違いなく変わりつつある。

 アメリカの戦略的な判断に任せるのではなく、日本も積極的に発言し、新しい地域の安全保障のあり方を説くべき時にきている。それは鳩山首相のいう「より対等な日米パートナーシップ」が目指すところではないのだろうか。そうした中で本当にどの程度の在日米軍が必要なのか、沖縄の役割は何なのかを問い直す時期かもしれない。もちろん対等なパートナーシップを求めることは、地域の安全保障に対して応分な責任を担うことも意味する。日本が世界や地域の安全保障にどう関わっていくかという明確なビジョンが必要になる。それなくして日米の「対等なパートナーシップ」は存在しえないし、アメリカを説得することもできないだろう。(つづく)

(連載)ウクライナをめぐるロシアと欧米の攻防(1)  ツリー表示
投稿者:河村 洋 (東京都・男性・ニュー・グローバル・アメリカ代表・40-49歳)  [投稿履歴]
投稿日時:2010-02-05 21:51  
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1月17日に実施されたウクライナの大統領選挙は、ヨーロッパ大西洋地域の安全保障に重大な試練を与えている。予想された通り、過半数の票を得た候補者はなく、2月7日にユリア・ティモシェンコ首相と野党のビクトル・ヤヌーコビッチ氏の間で第二次選挙が開催される。国民は5年前のオレンジ革命に幻滅しており、国民全体の気持ちをつかめる候補者がいない。そのことを理解することが、きわめて重要である。さらに、ロシアと欧米の攻防は見逃せない問題である。オレンジ革命はブッシュ政権の外交政策の輝かしい勝利であった。また、ジョン・マケイン上院議員も民主化を求めるウクライナ市民への支援で多大な役割を果たした。ウクライナへの対応を誤れば、現在下降中のオバマ政権の支持率はさらに低下しかねない。

 この選挙について述べる前に、ウクライナ政治と欧米対ロシアの力の駆け引きに言及したい。選挙前にカーネギー国際平和財団のマーク・メデッシュ客員研究員は、ウクライナ政治での民族と地域利害の複雑な絡み合いについて語っている。ウラジーミル・プーチン氏からジョージ・W・ブッシュ氏への一言を引用しながら、メディッシュ氏は「ウクライナが国としての統一性を欠く人造国家である」ことを指摘している。西部にはハプスブルグ家の領土だった地域もある一方で、クリミアを含めた南東部はソ連時代にロシア共和国から移譲された(“The Difficulty of Being Ukraine”; International Herald Tribune; December 22, 2009)。そうした民族・地域的な相克は、両候補の支持率に反映されている。

 英国『エコノミスト』誌は、ソ連崩壊後のウクライナ史の全体像を語りながら、オレンジ革命以降のこの国の統治が、失敗を重ねてきた理由を模索している。ウクライナ国民は、レオニード・クチュマ氏がビクトル・ヤヌーコビッチ氏に不透明な権力移譲を行なったことに憤慨して、革命を起こした。怒りの矛先は、ヤヌーコビッチ氏自身に直接向けられたものではない。ユーシェンコ政権は国民の期待に応えられなかった。ロシアやポーランドと違ってウクライナでは、自由主義経済学者が指導力を発揮することなく、経済は腐敗した新興財閥に支配された。ユーシェンコ氏は、官僚機構に蔓延する腐敗も撲滅できなかった。ウクライナ語の普及と歴史修正といったナショナリスト政策は、東部のロシア系住民に反感を抱かれた(“Five years in Kiev”; Economist; January 21, 2010)。オレンジ革命政府はウクライナ国民の高い期待に沿えなかった(つづく)。

(連載)経済成長戦略の一つに「賢い規制緩和」を(2) ← (連載)経済成長戦略の一つに「賢い規制緩和」を(1)  ツリー表示
投稿者:角田 勝彦 (東京都・男性・団体役員・70-79歳)  [投稿履歴]
投稿日時:2010-02-05 11:03 [修正][削除]
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 さて、G7では、金融危機の再発を防止するためオバマ米大統領が打ち出した、銀行の業務範囲の制限と金融機関の規模拡大に歯止めをかける金融規制の新方針も討議されよう。この案は、経済危機後の新たな国際秩序のあり方について討議した2010年1月末のダボス会議でも討議された。1980年代以来の金融自由化の流れを逆転させる、大衆迎合主義的な過剰規制案との批判もあったが、条件付賛成が優勢だった。銀行バッシングになった。

 実は、その根底には、自由放任による経済成長か、政府の関与・規制による公正の確保か、という思想的対立がある。オバマは、昨年の就任演説で、政府の役割の重要性と行き過ぎた市場を制御する必要性を訴えていたのである。医療保険改革もその一環である。もとより、経済成長、すなわち富の創造がなければ分配が無理なことは明らかである。さらに雇用確保の問題がある。今年は失業対策がとくに重要な年である。

 この関連で、我が国では、日本企業の国際競争力を維持し、外資導入をうながすために、世界で最高水準の法人税率を引き下げよとの主張もある。郵政民営化の中断を遺憾とする声もある。しかし、民主党鳩山政権は「ダムから人へ」や「いのちを守りたい」のスローガンの下、民間企業へのてこ入れに消極的である。また製造業派遣の原則禁止など、企業に負担を強いる規制強化も訴えている。他方、民間企業の活性化なくして経済成長は期待できない。

 この矛盾を解決するためには、智恵を絞って、業界の利益保護などのために行われてきた過剰な規制を緩和することが考えられる。とくに経済活動別GDP構成比(名目、2006年)で72%を占める第3次産業の規制緩和が必要である。たとえば総医療費の対GDP比は8%と大きく、さらに増加が見込まれている。規制緩和により、医療・介護・健康産業が成長すればGDP成長に貢献するところ大である。「賢い規制緩和」の早急な実現が望まれるゆえんである。(おわり)

(連載)日米関係の将来と普天間基地移設問題(4) ← (連載)日米関係の将来と普天間基地移設問題(3)  ツリー表示
投稿者:中岡 望 (東京都・男性・ジャーナリスト、国際基督教大非常勤講師・60-69歳)  [投稿履歴]
投稿日時:2010-02-05 09:47  
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 普天間基地移設問題がどのような決着を見るのか、予想はできない。結局、当初通りの移設が行われるのか、なんらかの妥協が成立し、微調整が行われるのか、分からない。ただ、普天間基地移設問題が将来の日米関係の大きな分岐点になることは間違いない。さらにオバマ政権を神経質にさせている問題がある。それは核を巡る日米密約問題である。アメリカにとってこの問題は普天間基地移設以上に重要な問題である。アメリカはオーストラリア、ニュージーランドと軍事同盟アンザス条約を締結しているが、1985年、ニュージーランドが米海軍の核兵器搭載軍艦の寄港を拒否したため、アメリカはニュージーランドの防衛義務を停止し、現在、アンザス条約は実質的に米豪の二カ国条約となっている。アメリカは核兵器搭載軍艦の同盟国への寄港問題で、核の存在につき「確認も否定もしない政策」を取っている。

 日本では、核密約問題の調査が行われ、佐藤・ニクソンの密約書簡が発見されるなど、この問題が大きな問題となっている。仮に日本政府が密約の存在を確認し、非核三原則をどのように取り扱うのかで、日米安全保障関係は大きく変わってくる可能性がある。ニュージーランドは、核持ち込みを拒否したことで、アメリカとの安全保障関係が断ち切られてしまった。もちろん、国際情勢から言えば、日米安全保障関係とアメリカとニュージーランドの安全保障関係の状況は同じではない。しかし、核問題が日米安全保障関係の核心に触れることは間違いない。ゲーツ国防長官は、北沢防衛大臣との会談で「核密約問題が核抑止力と日米関係にマイナスの影響を及ぼさないようにすることを希望する」と語っている。この問題は安全保障のパンドラの箱を開けることになるかもしれない。

 普天間基地移設問題、核密約問題ともに、解決の道を探るのは容易ではない。いずれも国内問題であると同時に日米問題でもあり、国内問題の側面を重視すれば、日米関係にダメージを与えかねない。鳩山政権にとって極めて高いハードルであることは間違いない。

 ただ、日米安全保障関係を再検討することは、極めて重要である。東西冷戦は終わったが、東アジアでは依然として冷戦構造が残っている。改めて日米で東アジアにおける安全保障の脅威に対する評価をし直してみる必要がある。その中から新しい日米安全保障の姿が浮かび上がってくるだろう。それこそが鳩山首相の主張する「対等なパートナーシップ」への第一歩になるだろう。(つづく)

(連載)経済成長戦略の一つに「賢い規制緩和」を(1)  ツリー表示
投稿者:角田 勝彦 (東京都・男性・団体役員・70-79歳)  [投稿履歴]
投稿日時:2010-02-04 11:08  
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 景気の2番底は、世界経済の予測以上の回復もあって、なんとか回避されそうである。いまこそ、雇用確保及び将来の財政再建のためにも不可欠な「経済成長戦略」の具体化のため、与野党、官民の総力を挙げて智恵を絞るべき時である。政府は、昨年末閣議決定した経済成長戦略の基本方針「輝きのある日本へ」の具体策のとりまとめを2010年6月までに行うとしているが、1月29日の鳩山総理初の施政方針演説及び菅直人副総理・財務相の経済・財政演説は、抽象的・情緒的で具体性に乏しかった。

 政府が財政演説で表明したように、「公共事業に頼るのでも、行き過ぎた市場原理主義に訴えるのでもない」第三の道を模索しようとするのなら、一つの方法は、とくに第三次産業分野における「賢い規制緩和」である。これは、民間企業の活性化のみならず、鳩山総理が施政方針演説で期待した「新しい公共」の担い手拡大にもつながろう。ただし、このためには、日本最大のシンクタンクであり実務経験豊かな官僚機構の活用が不可欠である。鳩山総理が施政方針演説で力説した「政治主導による行政体制の見直し」は、角をためて牛を殺すの域に近づいている。士気を低下させるなど実害も生じている。この際「戦後行政の大掃除」と称する破壊は、より慎重に行うようにすべきだろう。
 
 IMF(国際通貨基金)は、1月26日発表した最新の経済見通しで、2010年の実質成長率を、世界3.9%、米国2.7%と、前回(昨年10月)見通しより、かなり上方修正し、世界経済は「当初の予測以上に力強く回復している」とした。日本は1.7%で、前回と同じ見通しである。実質成長率は、2009年7〜9月期に前期比年率1.3%と、アジア中心の輸出主導で改善している。また国会は「政治とカネ」で紛糾しているが、感心なことに、1月28日には、新たな経済対策を柱とする総額7兆2013億円の2009年度第2次補正予算を成立させた。次は、2010年度予算案の出来る限り早い成立に期待したい。金融政策の協調もあり、これで景気の2番底(マイナス成長への転落)はなんとか免れられそうである。

 問題は、国の債務超過が2008年度で317.4兆円(1月26日財務省公表)と膨らむなか、デフレが長引いていることである。デフレの根本要因は、GDPの7%に達する需給ギャップにあるとされ、短期の財政金融政策を越えた長期的是正方針の確立が必要である。たとえば昨年12月30日に閣議決定された新しい経済成長戦略の基本方針「輝きのある日本へ」及び1月28日の鳩山首相施政方針演説に盛られた「グリーン・イノベーション」や医療・介護・健康産業の質的充実の早急な具体化策が望まれる。
世界経済との関係もある。2月5日からカナダで開かれるG7(先進7カ国財務相・中央銀行総裁会議)に出席する菅直人財務相らは、中長期的な成長戦略及び財政再建(国と地方を合わせた長期債務残高は2010年度末に862兆円に達する)に向けた道筋などについて説明する必要があろう。(つづく)

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投稿者:中岡 望 (東京都・男性・ジャーナリスト、国際基督教大非常勤講師・60-69歳)  [投稿履歴]
投稿日時:2010-02-04 10:19  
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 ベーター発言はオバマ政権の立場を説明しているものと理解しても間違いではないだろう。オバマ政権の対日担当者は、恐らく以下のような状況判断をしていたと思われる。「鳩山政権は、日本で初めての本格的な政権交代であり、自民党政権の政策を見直そうとするのは当然である。普天間基地問題もマニフェストに掲げられているが、それは選挙用の主張であり、いろいろと現実の中で学習して行けば、最終的にはその見直しも行われるであろう。また、普天間基地移設問題は、基本的に日本政府と沖縄県民の間の国内問題である。したがって紆余曲折はあっても、最終的には鳩山政権は当初の合意通り普天間基地の移設を行うだろう」との見方である。したがってオバマ政権の立場は、当面「ウエイト・アンド・シー」で、状況の推移を見守るというものであった。

 だが、日米両政府の間に大きな認識ギャップがあった。鳩山政権の中で普天間基地移設を巡って意見は分かれていたようだが、少なくとも鳩山首相は普天間基地移設に関してマニフェストを変更する気持ちはなかった。さらに普天間基地移設問題は国内問題であるという認識以上に、日米安全保障のあり方を巡る問題であるとの認識が強かった、のではないかと思われる。鳩山政権が明確なメッセージをオバマ政権に伝えなかったことも、さらに状況を複雑化させてしまった。日米両国で政府が同時に変わったために、緊密な意見交換を図るルートが確立されておらず、その結果として情報がお互いのメディアを通して伝えられることになったからである。

 鳩山首相は「日米の対等なパートナーシップ」を主張していたが、その具体的なイメージは明確に語られることもなく、また当然のことながらアメリカ側に伝えられることもなかった。その結果、オバマ政権からすれば、鳩山政権は何をしたがっているのかが理解できない状況が続き、相当苛立ちが高まっているのは間違いない。

 東京で行われた鳩山・オバマ会談で普天間基地移設問題を検討する作業部会の設置が決まったが、ここでも同床異夢の状況であった。鳩山首相は抜本的に普天間基地移設問題を見直すことをイメージしていたのに対して、オバマ大統領は協定をどう実施に移すかを議論する場として理解していた。同じようなコミュニケーションの問題は、コペンハーゲンでも起こったと推測される。鳩山首相はクリントン国務長官と短時間会談した後、「クリントン長官は普天間基地移設問題の決定の先送りに理解を示した」と発言している。だが、12月21日、クリントン長官は藤崎駐米大使を国務省に招き、「2006年の普天間基地移設合意の早急な実施を日本に求める」ことを表明するという異例の行動に出た。これは明かに鳩山首相のコペンハーゲンでの発言を否定する意味があったと理解される。鳩山・オバマ会談と同様に鳩山・クリントン会談でも非常に深刻なコミュニケーション問題が発生している。(つづく)

検事総長は「小沢不起訴」の説明責任を果たせ   
投稿者:杉浦正章 (神奈川県・男性・政治評論家・60-69歳)  [投稿履歴]
投稿日時:2010-02-04 07:55 [修正][削除]
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 東京地検特捜部にとって、“主敵”は民主党幹事長・小沢一郎ではなく、内部にいたことになる。地検がぎりぎりまで小沢を追い詰めて逃げられたのは、一にかかって最高検・東京高検など検察官僚上層部の消極姿勢にあるからだ。首相・鳩山由紀夫は2月3日「至極自然」とうそぶいて小沢を続投させる方針を表明した。これで“小沢独裁”は、事実上の野放しとなる。検察首脳は、誰が見ても“巨悪”を見逃したことになる。社会的影響の大きな問題だ。検事総長・樋渡利秋は記者会見で不起訴に至った経緯を詳細に説明する責任がある。国民には強い欲求不満と公憤のマグマがうっ積した。いちるの望みは、検察審査会が「不起訴不当」や「起訴相当」の議決を行い、裁判に持ち込むことだ。

 検察上層部は新聞やテレビに「100%有罪でないと、起訴できない」と述べているが、焦点は水谷建設の供述した疑惑の資金提供5000万円の賄賂性を立証できなかったことにあるのだろう。小沢も秘書らもこれを最後の砦として死守して、完全否定、結局“落ち”なかったのだ。検察首脳は、おそらく地検が突き止めたマネーロンダリングのための銀行融資の書類に小沢本人が署名していたことなどの共謀の可能性について、証拠不十分の判断を下したのだろう。そこには時の政権に対する“政治配慮”の影すら感じられるのは、筆者だけであろうか。署名は動かぬ物証ではないのか。読売新聞が「例え原資が完全に特定できなかったとしても、政治資金規正法違反は成立する。刑事責任を追及すべきだったのではないか」と主張しているのは、世論の偽らざる本音だ。大山鳴動させて、ネズミが2、3匹では、「いったい検察は何をやっているのだ」ということになるのが、平均的国民感情だ。上層部は、地検を二階に上げておきながら、はしごを外したことになる。その説明責任は早急に果たすべきだ。

 鳩山は、小沢が総選挙を共に戦って有権者の支持を得た同志であることを理由に、小沢擁護の姿勢に徹している。3日も「この時点において、幹事長として仕事をやってもらいたい。今この段階で(続投と)思っているのは、至極自然だ」と述べている。しかし私人としての判断なら、勝手にすればよいが、鳩山は公人のトップの立場だ。総選挙の有権者の審判をねじ曲げて判断すべきではない。小沢の偽装献金も、自分自身の子ども手当も、全く総選挙の争点にはなっていなかった。首相は、新聞の世論調査で7、8割が「幹事長は辞任すべきだ」としていることに、目が向かないのだろうか。倫理観に欠ける首相を頂く国民ほど不幸なものは無い。小沢および側近は不起訴で勢いづくだろう。小沢は鳩山が礼賛するくらいだから、今後とも一極支配の“独裁体制”を強めるだろう。反小沢側も、これまですごんでいた前原誠司が、「小沢留任」を言い、真っ先にとん走をはかった。京男というのは、こんなものか。しかし渡部恒三は「法に触れないからいいとは言えない。国民の指導者なのだから、道義的責任はある」と立場を変えていない。反小沢側は“世論”待ちだ。

 しかし、例え2、3匹のネズミでも、起訴されれば政治的な信頼失墜は絶大だ。国会議員を含む秘書が2、3人も起訴されて、政党の首脳がその職に居座った事例は、戦後においてない。帳簿に載らない簿外資金が空前絶後の20億円もあって、政治家本人が立件できないのは、どう見てもおかしい。国民には小沢がクロなのに立件されなかったとする印象は強まる一方だ。自民党政調会長・石破茂が「クロと断ぜられないことであってもシロですということにはならない」と述べているが、その通りだ。小沢側近はほおかむりのまま沈静化を狙うだろうが、世論がおさまるとでも思っているのだろうか。この状態での留任を“至極自然”と見なすのは、鳩山と小沢側近だけだろう。秘書起訴を契機に、新聞テレビが行う世論調査の結果を待つがよい。国民の憤りの高さが如実に反映されたものになるだろう。民主党は限りなくクロに近い幹事長と、限りなく脱税に近い首相を抱えて、無明の闇をさまよい歩くことになる。小沢は選挙遊説をする度に「こんなはずではなかった」と身に染みて、国民の反応を受け止めなければなるまい。世論の反発は止まらない。参院選をにらんで小沢の終着駅は、かねて指摘したように辞任しかあるまい。

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投稿者:中岡 望 (東京都・男性・ジャーナリスト、国際基督教大非常勤講師・60-69歳)  [投稿履歴]
投稿日時:2010-02-03 09:29  
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 逆に言えば、この10年、日米の間に深刻な政治的、経済的な問題はなく、ブッシュ・小泉関係に象徴されるように極めて友好的な関係が続いていた。日米関係は無風状態といっても良かった。さらに言えば、自民党政権は対米関係最重視の政策を取り、「アメリカとの関係が良好であれば、日本の安全保障の問題は心配ない」との立場を取ってきた。いかに日米間で波風を立てないかが、自民党政権の政策の最大の焦点であった、と言っても過言ではない。

 普天間基地移転問題は、そうした日米関係に大きな課題を突き付けた。鳩山政権が「マニフェストに従って普天間基地移設問題を再検討する」との立場を明らかにしたことで、この問題は日米間の喫緊の問題として浮上してきた。2009年10月20日、ゲーツ国防長官が来日し、極めて厳しい口調で日本政府に協定の履行を要求し、「合意内容に関して妥協の余地はない」とアメリカ政府の立場を明かにした。アメリカのメディアは、ゲーツ発言を“最後通告(ultimatum)”と表現するほど、ある意味では傲慢なものであった。

 日本のメディアは、ゲーツ長官の強硬発言のみに過剰に反応した。各メディアは、「普天間基地移転問題で日米関係は危機的な状況に陥る」と、連日報道し始めた。確かにゲーツ長官の発言や訪日中のやや無礼ともいえる態度が一気にテンションを高めたことは間違いない。しかし、同時にゲーツ長官は「日本の新政権が移転計画を見直したいと思っていることは極めて理解できる。私たちは“タイムリミット”という点から話をしているのではなく、できるだけ迅速に事態を前進させる必要があると主張しているのだ」と、極めて冷静なコメントもしている。

 こうした当初の認識は、オバマ政権に共通したものであった。日本のメディアは大げさに危機を煽っていたが、オバマ政権は比較的冷静に対応しようとしていたことは間違いない。オバマ大統領のアジア歴訪の前の2009年11月6日に民主党系のシンクタンク・ブルッキングス研究所で行われたシンポジュームで、国家安全保障会議のアジア担当部長で大統領の特別補佐官であるジェフリー・ベーダー氏が講演を行っている。なお同氏は、オバマ大統領のアジア歴訪の随員として大統領と行動を共にし、オバマ大統領に直接アドバイスを行っている。講演の中で同氏は、「アメリカはアジア太平洋の国家である。東アジアの国はアメリカとの同盟関係を支持しているが、同時にアメリカの軍事的な存在を軽減し、より対等な関係を望んでいる。それが日本と韓国で米軍を再編成している理由である」と語り、日米関係に関しては、日本は東アジアのアメリカの安全保障の要石であり、今後もそのことに変わりはないと指摘する一方、「日米関係は当たり前だと考えるようなものではない(the relationship with Japan is not one which we can take for granted)」と語っている。さらに「日米安全保障条約を結んで50年経ち、世界は変わった。アメリカは変わった。日本は変わった。鳩山首相の日米関係を見直そうという主張は、日米同盟を新たなものにする重要な一歩として、私たちは歓迎する」と述べている。(つづく)

(連載)日米関係の将来と普天間基地移設問題(1)  ツリー表示
投稿者:中岡 望 (東京都・男性・ジャーナリスト、国際基督教大非常勤講師・60-69歳)  [投稿履歴]
投稿日時:2010-02-02 09:54  
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 日米関係が大きな岐路に立っている。『ニューヨーク・タイムズ』に掲載された鳩山由紀夫首相の論文記事は、新しい日米関係のあり方を論じたものであった。論文は日米関係の「イコール・パートナーシップ」を主張し、同時に「東アジア共同体」の設立を呼びかけるものであった。同時に、アメリカの市場至上主義政策の限界を指摘するものでもあった。そうした議論は特に珍しいものではなかった。ただ日本の新政権の方向性が見えない時に、新首相が行った問題提起は、アメリカ政府の関係者に不安感を抱かせたことは間違いない。

 さらに「東アジア共同体からアメリカを除外する」という発言は、アメリカ政府を苛立たせたことは間違いない。途中で鳩山首相はアメリカを排除するという主張を取り下げ、「日米同盟は日本の安全保障の基本であり、新しい時代に向けてさらに深化させる必要がある」と訴えた。日米関係の最初のスタートは、ある意味では最悪のものであったかもしれない。しかし、それはあくまでも議論の段階での話に過ぎない。具体的な政策での対立ではなかった。

 普天間基地移設の問題は、極めて具体的な問題であり、具体的な結論を出さなければならない問題であった。2009年2月、クリントン国務長官が来日した際、外務省の飯倉別館で当時の中曽根外務大臣との間で「在日沖縄海兵隊のグアム移転協定」の調印が行われた。1996年に「沖縄に関する特別行動委員会」が沖縄の海兵隊をグアムに移転すべきであるという勧告を行った。それを受けて、2002年7月に日米政府は普天間基地をキャンプシュワッブの沖に移設することを確認。さらに2006年5月に日米政府は共同声明で普天間基地移転に関連する19項目の再編プログラムを明かにした。同時にアメリカ政府は8000名の海兵隊をグアムに移転することを正式に合意し、総費用100億ドルのうち日本が60億ドル負担することも決まった。2009年2月の協定調印は、普天間基地の移設と海兵隊のグアム移転に関する最終的な合意書であり、アメリカ政府はこの協定を「法的な拘束力のある政府合意である」と解釈していた。

 2009年2月16日、寒風が吹きさらす羽田空港に降り立ったクリントン長官が羽田の迎賓館で行った演説の最初の言葉は「日本はアメリカのアジア外交のコーナーストーン(要石)である」というものであった。最近のアメリカのアジア外交の焦点が中国に移りつつあるのは間違いなく、誰の目にもアメリカ外交の中で日本の存在が希薄になりつつあるのは明かであった。日本経済の相対的な地位の低下もあり、「日本パッシング」という言葉が日米関係を表現する言葉として頻繁に使われていた。さらに1988年にクリントン大統領が訪中をした際に日本に立ち寄らなかったことで、その言葉はさらに現実味を帯びていた。クリントン国務長官の発言は、そうした日本の雰囲気を察した上でのものであることは間違いなかった。オバマ政権としては最大限に配慮した言葉であった。(つづく)

美辞麗句に世論の拒絶反応:鳩山演説   
投稿者:杉浦 正章 (神奈川県・男性・政治評論家・60-69歳)  [投稿履歴]
投稿日時:2010-02-01 07:37 [修正][削除]
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1322/1337
 「こんなに優しい人が何でこんなにいじめられるのか、悔しい」と民主党参院議員会長・輿石東が泣き言を漏らしたが、これで政治家が務まるのか。首相・鳩山由紀夫の施政方針演説にすべての全国紙が社説や記事で“拒絶反応”を示したのを、“いじめ”などという情緒的な言葉で片付けるべき事柄ではない。早速自民党幹事長・大島理森が1月31日、「あまりにも国民の意識を存じ上げない言い方だ」とかみついたのは、もっともだ。政治家の真の優しさとは、リーダーシップと具体的な政策目標の中に存在すべきであり、鳥肌の立つ美辞麗句を並べる中にはない。鳩山政治への信頼性が問われているのだ。24回も“いのち”という言葉を使って“守る”と述べるが、紛れもなく民主党政権ではない戦後政治が作り上げた世界一の長寿国の国民に、いまさら仰々しく使う言葉であろうか。鳩山はいつ新興宗教の教祖になったのか。

 会社でも自治体でも資質のない者がトップに座ると、高揚感が強く前面に出すぎて、平常心を外す。政治家ではもっとも必要な「平衡の感覚」(sense of proportion)に欠けることになる。側近も側近だ。ゴーストライターで官房副長官の松井孝治が、閣議で施政方針演説を涙を流して読み上げたと言うが、政府の最重要演説に陳腐な情緒は不要だ。一知半解の演出家による“演出”も不要だ。情緒や演出にこだわるのは、ポピュリズムの原点だ。ゴーストライターを選定するピントを外せば、行き当たるところは「バカの壁」であろう。「人間というものは、結局自分の脳に入ることしか理解できない」(養老孟司)のだ。鳩山演説は、歴代首相演説の中でももっとも真摯(しんし)さに欠け、言葉の遊びによる欺瞞(ぎまん)性が強いものとなった。鳩山の心中を分析すると、国民に対する見当外れの“慈しみ”の高揚感が極まって、何か自分が“神”か“仏”になったような心理状態に立ち至っているに違いない。“鳩山観音”など国民にとっては薄気味悪いだけの何物でもない。

  ガンジーの「七つの社会的大罪」を例えに挙げたが、すべてが鳩山にはね返る。「理念なき政治」は史上最大の赤字国債垂れ流し予算、郵政社長の天下り人事、暫定税率継続など憶面なきマニフェスト破棄。「労働なき富」は母親献金と“同志”小沢一郎の違法献金疑惑。「良心なき快楽」は若きころの不倫と略奪結婚。「人格なき教育」は政権の中核日教組の教育方針そのものだ。「道徳なき商業」はどこかの党の国対委員長のマルチ商法疑惑。「人間性なき科学」は雪女のような参院議員・蓮舫による事業仕分け。「犠牲なき宗教」は施政方針で打ち出した鳩山宗教“いのち教”そのものだ。各社社説は、朝日新聞が「演説の美辞に酔う暇なし」の見出しで、「マニフェストにせよ、資金の問題にせよ、逃げていては、政権を率いる首相の覚悟に疑問を覚えざるをえない」と不信感を表明している。読売が「危機打開の決意が足りない」の見出しで「今、いのちを言うなら、景気の二番底を心配したり、解雇の不安に苦しめられたりしている人々に、十分目配りする必要があった」と指摘し、「言葉だけが走って、政策内容に明確さを欠く」と手厳しいものとなっている。

 施政方針演説で重要なのは目標を掲げて国民に希望とやる気を与える牽引力だ。その点最近支持率が下がっているものの、鳩山の前日に米大統領・オバマが行った一般教書演説ははっきりした目標を掲げ、少なくとも誠実だ。「私は米国が2番手になるのを受け入れない」と大目標を掲げ、「5年間での輸出倍増」など、目標値を多く提示した。これに比べて鳩山は不況脱出への処方箋、財政再建策など忘れ去ったかのようだ。元財務相・与謝野馨による「国債発行残高をサラ金地獄に陥らせてはいけない」といった危機感などゼロだ。政権ツートップの「政治とカネ」の問題にどう責任を取るのかなど誠実さがみられない。この首相は通常人が持つ倫理観があるのだろうか。マニフェスト破たんへの弁解すらない。こじれた日米同盟関係修復への工程もない。まるで首相としての責任を放棄して、無責任な猿芝居の脚本をそのまま読み上げたような施政方針演説であった。今日からの国会代表質問に格好の材料を提供しただけだ。
 
 

テロとの戦いでイエメンは重要   
投稿者:伊藤 嘉彦 (非居住者ドイツ・男性・修士課程在籍・30-39歳)  [投稿履歴]
投稿日時:2010-01-31 23:39 [修正][削除]
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 1月28日にロンドンで開催された「アフガニスタンに関する国際会議」によってすっかり影が薄くなってしまった感がありますが、前日の27日に「イエメンに関する国際会議」が開催され、日本からは福山外務副大臣が出席されました。

 イエメンでは、政府軍がテロ組織「アラビア半島のアル・カーイダ」(AQAP)の掃討作戦を行っております。一方で昨年12月25日におきたノースウエスト航空機爆破未遂事件の容疑者は、イエメンのイスラム系武装組織とのつながりが疑われておりイエメン情勢はまだまだ予断を許しません。このような状況において「イエメンに関する国際会議」では、イエメンがテロの温床とならぬよう国際社会が一致して支援していくことが確認されました。

 日本国政府は巡視艇の供与、警察部門に関係する支援そして財政支援を表明しています。これら支援策の詳細は、2月27、28日にリヤドで開催されるイエメン支援国会合でさらに話合われます。巡視艇供与、警察部門への支援も非常に重要ですが、アフガニスタン会議でも提唱された、テロ組織から転向した人に仕事を与えて、生活を安定させ、テロ組織との決別を促進するプランをイエメンでも行うこと提案し、このようなプランに対して積極的に財政援助を行っていただきたいです。

 日本においてイエメン情勢はまだ、それほど耳目を集めていないかもしれませんが、アメリカ・ヨーロッパ諸国は同地の安定がテロ拡散を防ぐために非常に重要だと考えています。イエメンを支援する意味をしっかりと確認した上で、日本もテロとの戦いにおける役割を果たしていただきたいです。このような支援形態は現政権にも受け入れやすいものではないでしょうか。

米国、アジアで主導権目指す   
投稿者:鍋嶋 敬三 (神奈川県・男性・評論家・60-69歳)  [投稿履歴]
投稿日時:2010-01-29 10:00 [修正][削除]
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 米国のオバマ政権がアジア太平洋外交の再構築をはっきり打ち出してきた。ブッシュ前政権時代の単独行動主義(ユニラテラリズム)に決別、多国間枠組みを重視して国益を実現するため、「米国の戦略的関与と指導的役割の強化と深化を目指す」(キャンベル国務次官補の上院外交委員会証言)ことを明確に示した。オバマ大統領が昨年11月、東京での演説で「アジア回帰」を宣言、東アジア・サミット(EAS)への正式参加に名乗りを上げ、クリントン国務長官は1月12日ハワイでの外交演説で以下の5原則を挙げた。(1)同盟関係が地域関与の要石、(2)地域協力の強化、(3)効果的で結果重視の枠組み、(4)6カ国協議、日米中、日米印3カ国など柔軟性に富んだ多国間協力、(5)枠組み作りに米国を含む主要国の参加。クリントン長官は「米国はアジアに戻ってきた」と述べたうえで、「(アジアに)とどまる」と並々ならぬ決意を示した。

 米国のアジア回帰で自由貿易協定(FTA)を軸にアジアへの影響力を強めてきた中国を含め大国の主導権争いが活発になるだろう。資源獲得がからんだ紛争も地域の不安定要因になる。日本にとっては多国間枠組みの基礎となる米国との同盟関係の重要性がさらに高まる。基地問題を含め同盟管理が極めて重要な転換点に立たされているという認識を、新たにしなければならない。米国は2011年に主催するアジア太平洋経済協力機構(APEC)首脳会議を地域への関与を示すまたとない機会ととらえている。経済統合を推進することが米国の国益にかなうからだ。

 アジアでの多国間枠組みの中心は東南アジア諸国連合(ASEAN)である。米国はASEANと友好協力条約(TAC)や貿易・投資枠組み協定を締結、初の首脳会議も開いた。安全保障をテーマに北朝鮮も参加するASEAN地域フォーラム(ARF)の強化も目指す。鳩山由紀夫首相は東アジア共同体構想を提唱しているが、その枠組みを定かにしていない。これに対して米国ははっきり東アジア・サミットへの参加を打ち出し、米国抜きの枠組みを明確に否定した。米国は「地域の多国間組織(複数)の形成に参加するため関係国と協議するつもりである」(キャンベル氏)と強い意欲を見せている。

 日米関係は海兵隊の普天間飛行場移設問題でぎくしゃくしているが、日米安全保障条約改定50周年の年を迎え1月12日のハワイでの日米外相会談で「日米同盟の深化」のための協議を事実上スタートさせた。オバマ政権は普天間問題をとりあえず脇に置いて、基本的には日本との同盟関係が米国のアジアへの戦略的関与の要石であり、多国間枠組みにおける日本の役割を評価する立場をとっている。キャンベル氏はアフガニスタンへの50億ドルの支援策、気候変動問題、海賊対策、メコン川流域開発などを日本の貢献の例として挙げた。そのことを念頭に同氏は「日本の世界における指導的役割を実現するようなより永続的で前向きの同盟のビジョン」を作る作業をしていると指摘した。日本としては日米間の同盟深化の協議に当たって、アジア太平洋だけでなく日本の原油輸入の大半を依存して死活的な国益がかかる中東まで視野を広げた外交のグランドデザインが欠かせない。

小沢一極支配で民主主義が危うい   
投稿者:杉浦 正章 (神奈川県・男性・政治評論家・60-69歳)  [投稿履歴]
投稿日時:2010-01-27 07:59 [修正][削除]
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 国会論議を聞いていると、自民党など野党から「大政翼賛会」「民主主義の危機」という発言が相次ぐが、鳩山政権で本当に民主主義は危ういのだろうか。筆者は危ういとみる。一番の理由は選挙ですべての免罪符が与えられたとする首相・鳩山由紀夫と幹事長・小沢一郎の思想にある。ナチスの横暴は、ワイマール憲法下でまさに“民主主義的”な手続きによって始まっている。“小沢権力の暴走”がそれと二重写しになるのだ。もっと寒気がするのは400人余の民主党国会議員が「議員としての仮死」状態にあることだ。それどころが言論規制の動きまで見せ始めた。外国人参政権など立法・政策面でも専制的な動きが出ている。危機は芽のうちから指摘しておく必要がある。

 先の党大会で演壇に立った小沢の検察批判と闘争宣言は、古くはヒトラー、会場の礼賛・拍手は将軍様・金正日の演説をほうふつとさせた。もはや鳩山・小沢疑獄ともいえる金銭スキャンダルに、骨のある批判は台頭しない。それどころか、連日予算委員会にはヒトラー・ユーゲントのような小沢チルドレンが数十人も出席して、野党質問者をやじり倒そうとする。予算委員長に質問が聞こえないほどだ。善悪の判断を通り越した、小沢礼賛である。まさに自民党総裁・谷垣禎一のいう大政翼賛会的な雰囲気があることは否めない。小沢権力の暴走とこれを押さえるどころか礼賛する鳩山の姿は、「検察権力と戦う」「戦ってください」発言に象徴される。国会、マスコミ挙げての批判があっても鳩山は取り下げていない。検察に対する指揮権行使への危惧が絶えないのは、ツートップのこの政治姿勢にある。加えて歴代法相が全面否定してきた指揮権発動を、ただ一人千葉景子だけが「一般論として指揮権はある」と含みを持たせている。不気味な雰囲気をもつ老婆・千葉は、何をやるか分からないという危惧感が常につきまとう。現に検事総長を民間から起用するという奇想天外の構想がささやかれているのだ。

 正義と邪悪の区別がつかなくなっている兆候は「捜査情報の漏洩(ろうえい)問題対策チーム」の発足を見れば火を見るより明らかだ。責任者を務める元検事の参院議員・小川敏夫が、26日の朝日とのインタビュー記事で「内容的に捜査側がしゃべったとしか考えられない記事や、その可能性が高いものを抜き出して、国民に公表する」と“検閲”の方針を表明。小沢が参考人として検察に呼ばれたことが外に漏れること自体についても、「我々は捜査方針の漏洩とみる」と荒唐無稽(むけい)かつ危険な主張をしている。“ヤメ検”(検事退職者)というのはテレビに出てきて検察批判するのもそうだが、どうも度し難い者が多い。電波行政を所管する総務相・原口一博の「関係者」というマスコミの表現がけしからんと言う発言と合わせれば、検察への圧力と同時に言論規制のにおいが濃厚となってくる。

 政策面でも危うい。まず陳情の幹事長室への一元化である。陳情とは情報である。これを一手に小沢が握ってしまっている。自民党のように他の議員には渡さない。その情報を握った上で自民党への報復予算を指示する。例えば農業基盤土地改良事業予算の大幅削減である。自民党支持団体への見せしめであり、参院選をにらんだ布石だ。国論を2分する外国人参政権法案の政府提出も、総選挙の際はマニフェストから外したものを独断で決定する。加えて憲法抵触の官僚の答弁禁止など国会改革法案、天皇の政治利用など危険な「兆候」どころではない政権の姿が見えてきている。

 その背後には、総選挙圧勝ですべてに免罪符が与えられるという発想である。鳩山も小沢も、疑惑が選挙前からあったのに「勝たせてもらえた」と、圧勝を盾にしている。総選挙における投票行動の本質は自民党批判票にある。NHKの世論調査でも「鳩山への期待」での投票はわずか3%だった。朝日新聞も20日付の「暗い民主主義はいらない」と題する社説で「総選挙での圧倒的な民意の支持をはき違えている」と断じている。選挙に勝てば何でもできるでは、ヒトラーそのものだ。いまに選挙に熱中する小沢がヒトラーのように「大衆の意志は議場の神学論争ではなく、コロシアムの大歓声にある」と言い出さないかと心配である。

(連載)アメリカに大統領はいない:アバターとしてのオバマ大統領(2) ← (連載)アメリカに大統領はいない:アバターとしてのオバマ大統領(1)  ツリー表示
投稿者:藤井 厳喜 (東京都・男性・ケンブリッジ・フォーキャスト・グループ・オブ・ジャパン代表取締役・50-59歳)  [投稿履歴]
投稿日時:2010-01-26 09:34 [修正][削除]
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 大事な政策は、全て集団指導体制により決定され、オバマはそのメッセージを国民に伝える伝達役に過ぎない。彼は「大統領」の役職を演じている人物に過ぎないのである。

 「アバター」という映画が大ヒットしているが、アバター(avatar)とは、「化身」という意味である。本物が存在し、それに対する偽物、代理としてのアバターが存在する。ネット上では、既に電子上のアイコンとしての「アバター」という用語が使われて久しい。また、最新のアメリカ映画のタイトルに、「サロゲート」というのがある(日本では1月22日公開)。このサロゲート(surrogate)というのは、「代理人」という意味である。

 インターネットの世界は、アバターであり、サロゲートの時代なのであろう。映画でいえば、「マトリックス」以来、現実の世界よりも、バーチャル・リアリズムの世界が優位にあるという倒錯した世界観がしばしばテーマになってきている。インターネット社会が現実から引き離された仮想空間を創っている事への人間の恐怖感の表れであろう。この点でも、オバマ大統領は初代のインターネット大統領であり、アバター大統領なのでもある。

 英語のアクティング・Actingという言葉には、主に2つの意味がある。「俳優として、ある役を演ずる」という意味(だから俳優の事をActor、Actoressという)と、「代理役を務める」という意味である。どちらの場合も、自分が本来そうではないものの役割を演ずるという意味である。オバマ氏は、「大統領の役を演じている」、そして「大統領の代理役を務めている」人物に他ならない。彼が、重大な争点の最終的な決断者でない事は確かである。(おわり)


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