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2006-12-06 11:11
連載投稿(4)日本人の思考方向の再検討が必要だ
太田正利
元駐南アフリカ大使
確かに国内では反日言動に対し、しかるべき反論を日本語で出しており、それなりに評価すべきものが多い。問題は、これを外国に英語・仏語等で、しかも、欧米の論理で発信することが不可欠なことだ。日本語を横にしただけではいけない。欧米人にわかる論理で訴えることだ。
もちろん「発信が英語・仏語で」はすべてではなく、「内容如何」である。基本は言うまでもなく「日本人としての『歴史認識』」であるし、真の国際人たるためには、先ず祖国の「歴史、宗教・哲学、文学・芸術」に通じていることが大切である。次に内容如何の問題だが、これには日本人の思考方向の再検討が必要である。米国の戦後の初期対日方針により、日本人の精神構造自体の変革が試みられて大成功を収めた。教育制度改悪、東京裁判、新憲法制定、教育勅語失効等々で、日本人は魂まで抜かれたと言ってよい。さらに、行き過ぎた自由主義がマルキシズムと陰に陽に結びつき一世を風靡した。ソ連は「平和」のチャンピオン、北朝鮮は「天国」。それで多くの日本人妻が「北」に渡り、あらゆる辛苦を舐めた。冷戦後、ソ連共産党崩壊によりマルキシズムの本質は暴露されたが、一部の誤れる「平和」思想としてその残滓が残っている。今でも日本が外敵に犯されなかったのは「平和憲法」の存在だとする向きもある程だ。
かくして、国内に対立があれば外敵の思うまま。左団扇で片方を煽ればよい。日本人が「東京裁判史観」を脱却するためには、歴史的事実を一次資料に基づき冷静に検証する必要がある。19世紀後半の世界史・東洋史、台湾における日本行政、朝鮮半島における歴史的事実・・いわゆる「強制連行」、「創氏改名」、「従軍慰安婦」等々。「満州事変」、「南京事件」、東南アジアにおける日本軍の功罪等々。当たり前なことだが、「すべて日本が悪い」というテーゼから出発してはいけない。これが、外からの批判に対する堂々たる反論の第一歩だ。これで国論を統一する。日本人は歴史認識を改めるべきだと言われたら、「おおいに結構、お互いにね」と言ったらよい!(おわり)
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投稿履歴
連載投稿(1)中・韓・北朝鮮の積極的な「反日」宣伝
太田正利 2006-12-02 11:23
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連載投稿(2)対欧米世論工作で負けていた日本
太田正利 2006-12-03 11:10
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連載投稿(3)対外発信不在だった日本の反論
太田正利 2006-12-04 09:54
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連載投稿(4)日本人の思考方向の再検討が必要だ
太田正利 2006-12-06 11:11
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