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2006-12-02 11:23
連載投稿(1)中・韓・北朝鮮の積極的な「反日」宣伝
太田正利
元駐南アフリカ大使
昨年(2005年)末『新華社電』は、「南京虐殺」関連の英文サイトを開設し、68周年記念日を前にネットを通じた対外宣伝を開始すると報じた。これと軌を一にするかのごとく、上海の『文匯報』は、クリント・イーストウッド監督、メリル・ストリープ主演の映画『南京・クリスマス・1937』が制作され、事件70周年に世界で同時公開されると報じた。筆者は「あ、やられた!」と咄嗟に感じたものだ。(筆者好み!)の美人で知的な大女優の主演なら宣伝効果抜群で、『ザ・レイプ・オブ・南京』の著者アイリス・チャン流の思想のさらなる蔓延だと絶望的な気持ちにすらなった。幸いにして、この情報は当時流行りの「ガセネタ」だったが、この悪夢が何時再現するか知れたものでないと考えていた。ところが最近米国大手インターネット企業AOLが南京事件を題材とした映画『南京』(仮題)を制作し、これが年明け以降発表されるとの情報に接している。その史観はアイリス・チャンの作品を踏まえている由で、その場合正確な情報に接していない米国民、ひいては全世界における日本の国際的な立場に深刻な影響を与えることや必至である。「人不知不慍不亦君子乎」(論語学而第一)と言って涼しい顔をしいる時ではあるまい。
今までのところ「反日」言動の出所は概して中・韓・北朝鮮だった。それが、今では米国の一流マスコミ(「リベラル派」の『ニューヨーク・タイムズ』、『ボストン・グローブ』、『ヘラルド・トリビューン』等)が『人民日報』かと見紛う論説を繰り返している。立脚点を「東京裁判史観」におき、最近の中・韓の対日批判をも取り入れている。長い間アメリカの対日批判の中心は貿易や防衛努力など個別的かつ具体的な問題に向けられていた。これが「過去」、「歴史」、「戦争」がらみの日本糾弾・・南京事件を反省も謝罪もせず、軍国主義的傾向だなどとタワケタこと・・に移ってきている。『ボストン・グローブ』に至ってはA級戦犯が「埋葬」されている靖国神社に言及している。無知そのものだ。(つづく)
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