ロシア分割の端的な指標として、国土と人口規模の減少を確認したい。第二次大戦終結時の旧ソ連の国土面積は2,200万㎞2であったのが、現在のロシアは1,700万Km2である。人口も1991年時点の2億9,000万人から、2020年には1億4,500万人と半減している。プーチンの「大ロシア復活」という願望は、こうした国力の低下が根底にある。これを打開する一つの方策として、大陸経済圏の連携強化がある。産業の高度化を図るには課題が山積している。中露経済圏という大陸ブロック経済化の推進は、単に外延的に経済を拡張すれば良いのであるから、軍事統制経済に慣れ親しんできた国家間同士では相性が良い。他方で、中国は歴史課題として、中台統一を5年から10年のタイムスケジュール化しているとも推測されている。台湾のハイテク産業や周辺海域を国内に取り組むことは、対外膨張戦略や中華大帝国の復興には欠かせない事業という訳である。