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2014-07-15 12:12

梅汝璈と法の支配

荒木 一郎  横浜国立大学教授
中兼和津次先生のご投稿「中国の『法治』と文化大革命」を興味深く拝読させて頂きました。「中国に『法の支配』があるか、ないか」という議論は、昔からあったようで、後に東京裁判で中国を代表して判事を務めることになる梅汝璈が、1932年10月刊行の”Pacific Affairs” 誌に「中国と法の支配」という興味ある論文をすでに書いています。

 これは「中国には法家以来の伝統があって、『法の支配』の概念は古代から確立している」と論じたものです。

 最近、「人民日報」の日本語インターネット版(2014年5月4日付け)が梅汝璈の特集をしています。そこには「江西省南昌出身で、1924年に清華学校(清華大学の前身)を卒業し、米国へ留学。スタンフォード大学とシカゴ大学法学院で法学を学び、24歳で法学博士学位を取得した。1946年、中国を代表して「東京裁判」に参加。1973年、北京で逝去した。享年68歳だった」という簡潔な履歴が紹介されています。

 ここで皆さんにご注目いただきたいのは、かれの死亡年です。彼も文化大革命に巻き込まれて殺されたのです。皮肉なものだと思います。
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中国の「法治」と文化大革命 中兼 和津次  2014-07-11 18:14
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梅汝璈と法の支配  荒木 一郎  2014-07-15 12:12
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