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2006-06-13 17:48

連載投稿(2)東條英機を弁護して、得られるのは世界の敵意だけである

山崎 進  予備校講師
 (2)はそのとおり。(3)も当たり前の話。国家間の利害はいろいろの局面でぶつかりあっている。一つの局面が解決したからといって、他のすべての局面も解決すると期待するほうがおかしい。靖国問題の解決はそれで他の問題も解決することを期待して取り組むのではない。それ自体として、日本に不利な(東條英機を弁護して、得られるのは世界の敵意だけである)問題だから早く解決すべきだというだけのことである。

 (4)日中平和友好条約は、「日本側は、過去において日本国が戦争を通じて中国国民に重大な損害を与えたことについての責任を痛感し、深く反省する」と述べた1972年の日中共同声明を引用し、それが両国関係の基礎になると認めている。リセットすればすべてちゃらになるという話ではない。リセットの条件というのがあることを知るべきである。
 
 (5)はそのとおりだが、だからと言って過去の解釈はどうでもよいということにはなるまい。過去をどう捉えるかによって現在と将来の語り方が決まる。東條英機を支持すると言っておいて、近隣アジア諸国と友好関係をつくりたいと言っても相手にされないのは、当然ではないか。

 (6)については、どこの国も隣国に友好的な政権ができることを望み、そのために努力していることを指摘したい。問題はどのような手段、方法で努力しているかだ。武力を行使するのなら問題だということだ。ソ連はハンガリーやチェコに対し戦車を動員した。いまの中国を同列に論ずるのは無理がある。

 (7)については、首脳会談をやること自体に何の意味もないというのは言いすぎだと思うが、かりにそうだとしても、困るのは日中双方である。これはゼロサムではなく、マイナスサムの愚かな外交になっている。そのことをこそ、屋山氏には指摘してほしかった。(おわり)
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連載投稿(1)だから中国とは喧嘩せよと言うのなら、賛成できない 山崎 進  2006-06-12 14:22
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連載投稿(2)東條英機を弁護して、得られるのは世界の敵意だけである  山崎 進  2006-06-13 17:48
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