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2006-06-11 20:13
連載投稿(2)日本が取り上げるべき問題は教科書と情報公開
山崎養世
シンクタンク代表
いま、歴史問題に関連し外交戦略として日本が取り上げるべき問題は、教科書と情報公開ではないでしょうか。経済では改革開放が進む中国でも、政治の根幹では言論の自由は著しく制限されています。とくに、国民の目から隠してきたのが、毛沢東が支配した時代の中国共産党の歴史です。戦後の大躍進という名の飢餓政策や文化大革命という名の権力闘争と恐怖政治の歴史は中国の教科書ではほとんど扱われていません。ここにきて、日中戦争時代の毛沢東指揮下の共産党が、スターリンの強い影響下にあり、粛清と弾圧を中国国民に繰り返していたこと、さらに日本軍の中国侵略をライバルの国民党たたきのために利用し、日中戦争を拡大したことが、中国の外ではクローズアップされてきました。
そのきっかけは、櫻井よしこさんも勧めておられますが、ユン・チアンという中国女性がジョン・ハリデイと共に書き、世界でベストセラーとなった中国では発禁の『マオ-誰も知らなかった毛沢東』という本です。この女性はかつて『ワイルド・スワン』という題名の文化大革命時代の中国のドキュメンタリーを書いた人です。『マオ』では徹底的な調査に基づき、毛沢東の一生と共産党と中国の歴史を描いています。毛沢東が、ヒトラーやスターリン以上に人間を迫害し、日中戦争よりはるかに多くの国民を死に追いやったさまは戦慄を覚えます。100年にわたって群雄割拠と動乱が続いた中国を統一し支配するために、毛沢東は手段を選びませんでした。(つづく)
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投稿履歴
連載投稿(1)靖国参拝を続けることは国際的な孤立を招くだけ
山崎養世 2006-06-09 17:44
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連載投稿(2)日本が取り上げるべき問題は教科書と情報公開
山崎養世 2006-06-11 20:13
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連載投稿(3)そろそろ日中双方が冷静に歴史に向き合うときです
山崎養世 2006-06-12 13:32
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連載投稿(4)いまの靖国神社は、日本の総理大臣が不戦の誓いをするのに不適切な場所です
山崎養世 2006-06-13 15:06
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