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2008-07-22 10:37
(連載)民主党政権は槿花一朝の夢(1)
杉浦正章
政治評論家
真夏の夜の夢で見た近未来の政界小説は、次のようになる。
「もう寝よう」、テレビの衆院選挙開票速報を見ていた首相・福田康夫は、そう言い残して、午前2時過ぎ寝室へ向かった。画面では自民党の大物議員や閣僚が次々に落選、民主党の小沢一郎が満面笑みをたたえて、当選者の名前の上に赤いバラを付けていた。地滑り的大勝で実現した民主党政権の誕生である。衆参ねじれ現象は一挙に解消し、政権を獲得した首相・小沢一郎は、選挙中に打ち出したマニュフェストに基づき、次々に新政策を打ち出した。減税に次ぐ減税と補てんに次ぐ補てんで国民大衆は欣喜雀躍、首相・小沢一郎ブームが到来、支持率は80%を突破した。しかし、そのブームはわずか5か月で去り、首相支持率は何と13%にまで急落した。財源無視のばらまき政策の矛盾が国会で露呈、外交、内政上の失政が続いて、行きづまったためである。早くも新聞は「総辞職か、解散して、出直せ」と主張し始めた。小沢は心臓発作が再発しそうな体調に不安を感じ始めた・・・。
簡単に言えば、このようなパターンが誕生する民主党政権に予想される。副代表・前原誠司が指摘している致命的な弱点が、まさにここにあるのだ。前原は財源無視の同党マニフェストを「無理」と批判、政権を取っても、すぐに行きづまると警告している。
民主党の政権奪取で実現されるであろう政策はまず、後期高齢者医療制度の廃止である。悪名高い同制度の廃止は民主党政権後、まず第一に実施されるだろう。旧制度にとりあえず戻すわけだから、年金から天引きした額も当然返還されるだろう。まず全国民的に歓迎されるだろう。サラリーマンに不満の強い定率減税も復活しよう。加えて公立高校の無償化、高速道路の無料化、農業の個別所得補償、中小企業への対策、漁業者などへの燃料費補てんなど、国民のもろ手を挙げて歓迎する政策が、矢継ぎ早に打ち出されよう。(つづく)
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