歴史
過去の日中の歴史については、私から、日中2000年の友好の歴史と言うが、9世紀以降は、日本側がヒエラルキー的な中華世界秩序(米国の中国研究者のフェアバンクは「The Chinese World Order」と表現した)を嫌い、天皇が中国の皇帝に朝貢をしなかったので、実は国家間関係・正式な外交関係は、日中間には1871年に明治政府がイニシャチヴをとるまではなかったと指摘した(室町時代は例外で将軍が朝貢したが天皇は朝貢しなかった)。中華世界秩序から別の秩序に移行する過程で様々な問題が発生し、日本も悲惨な戦争に突入していったことに言及した。
また私からは、過去の歴史共同研究などの取り組みに言及し、率直かつプロフェッショナルな日中間の歴史分野の対話は何らかの形で続けられるべきだとの考えを述べた。更に私からは、歴史家にとって重要な歴史的文書へのアクセスの改善、研究者が研究しやすい環境の整備などを要望した。