渡辺まゆ上席研究員が「多極時代のG7の重要性と日本の役割」(2021年12月20日付、e-論壇「百花斉放」)のなかで言及した現下の国際情勢を見据えた日本の役割は示唆に富むものである。私は本論壇に新しい国際的枠組みとして「G11」を設立すべきと提唱した(「今こそ、新しい国際的枠組み『G11』を設立すべきだ」2018年6月27日付、e-論壇「百花斉放」)。国連のような大所帯では迅速な決定はできず、また超大国である中ロを外したG7では国際的に意味のある決定はできないので、G7に更に中ロ豪印の4か国を加えて新たにG11を設立するとの提案であった。
それ以降世界は新たな2極構造(米欧の中心と中ロの中心)に収斂してきている。日本の役割は新2極構造の対立を激化させるのではなく、主要国リーダーが国際的に重要な経済政治の諸問題に関し意見交換する場を作ることに努力することではなかろうか。ここで改めて、日本がD11ではなくG11(米、英、独、仏、伊、加、日、中、露、豪、印)設立にイニシアチブをとることを提案する。