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2007-02-01 10:42
連載投稿(1)安倍政権に望む「新保守改革」路線
小沢一彦
桜美林大学・国際学部教授
安倍政権は「アジア外交」復活優先で順調なスタートを切ったが、その後の閣僚の失言や不祥事、「郵政民営化反対派」復党問題などで大きくつまづき、「あいまい戦略」の誤算もあって、宮崎県知事選では惨敗した。「安倍総理の姿が見えない」、「大企業と官僚だけに受けが良い」、そして世論調査での支持率は下がる一方というのは、前任者の小泉純一郎氏とは異なり、人柄は良いのだが、経験不足、弱いリーダーシップ、岸信介氏の呪縛などに、最大の要因があるように思われる。
良い悪いの価値判断・評価はともかく、無党派層は、「強者・勝ち組」の味方、「政治腐敗」に嫌気がさして、政府や与野党に不信感を強め、「しがらみのない、強い個性・リーダーシップ」に期待しているのではないか。
内政で最大の課題は、まずは現状の存在条件の正確な分析に基づいた「21世紀国家ビジョン」の策定である。安倍氏も小泉氏同様、「新保守主義」、「新自由主義」的であることは間違いないので、むしろ、「あいまい」戦略でごまかさずに、そうした「新保守改革」を推進した方が、支持率は上向いたのではないか。大きな法案も、2006年末に国会を通過・成立させたが、当初に心配されたほどの極端な弊害があるとは思えない規模での軌道修正だった。
「方向性があいまい」なため、かつての支持者の安倍政権離れも多いように思われる。改革路線を維持したままで、経済競争力の回復と、できれば財政均衡主義の復活、さらには都市と農村の格差、首都圏と地方の格差などの是正、そして「弱者」へのセーフティネット確立と「再チャレンジ社会」への転換を明確にすれば、よいであろう。「社会の閉塞感」がいまだに解消されていない。まだまだ、オープンではない封建的な階層固定化路線が、根強くはびこっているのではないか。(つづく)
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小沢一彦 2007-02-01 11:10
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