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2014-08-24 09:11
(連載2)朝日大誤報に触発されて、皆さんに問題提起です
西尾 亘
会社役員
そういえば、かつて日本が戦争に負けて米国の占領下におかれていた時期のこと、GHQが我が国の言論統制をおこなったことがありました。ある時には、GHQによって目をつけられた朝日新聞が、2日間の業務停止命令を下されたということもありました。この処分を目の当たりにした日本の他の報道各社は、明日は我が身と震え上がり、以後、GHQの気に入らないような記事は自己検閲をもって封じたといわれています。つまりこの時期、GHQは、文字通り我が国のマスメディアの「生殺与奪の権限」を持っていたわけです。むろん、このようなことは今日の日本ではありえないし、また、あってはならないことでもあります。我が国が民主国家である以上、報道の自由は、それとして守られねばなりません。国家があらゆる情報をその統制下に置くといった時代は終わったのです。今日の我が国では、マスメディアの「生殺与奪の権限」を持つ公的な制度は皆無となっております。それはそれ自体として正しいことと言わねばならないでしょう。
とはいえ、他方で、マスメディアというかなりの公共性を有する存在が、その報道に関して結果責任を取る公的な制度がなんら用意されていないとすれば、それはそれで問題ではないでしょうか。今回の朝日新聞の大誤報のような問題が発生しても、その結果責任を追及する社外的な手段がないとすれば、今後、同様の問題は繰り返し発生すると思われます。
一部のジャーナリストなどが、今回の朝日大誤報の結果責任を追及するべく、朝日新聞の廃刊を要求するなどしていますが、朝日新聞が廃刊の道を選ぶことはないでしょう。なぜならそのような外部の声には、なんら強制力がないからです。あくまで朝日新聞に対する勧告であり、参考意見なのです。では、われわれはどうすればよいのでしょうか。さしあたり、私は議論のためにあえて以下のような問題提起をしてみたいと思います。みなさんのご意見を頂戴できればと思います。
「高度の公共性を有するマスメディアが、特定の報道によって故意または過失により明らかに国益ないしは公益を損ねたと認められる場合には、その事実関係を調査し、必要に応じて結果責任を追及し、かつ、なんらかの懲戒手段を下すことのできる第三者機関を設置することは必要ではないか」。(おわり)
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(連載1)朝日大誤報に触発されて、皆さんに問題提起です
西尾 亘 2014-08-23 20:41
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(連載2)朝日大誤報に触発されて、皆さんに問題提起です
西尾 亘 2014-08-24 09:11
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