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2014-07-08 10:25
(連載1)通常国会を振り返って
船田 元
元経済企画庁長官
去る1月24日から始まった今回の通常国会は、久しぶりに延長なしで6月20日に事実上閉幕した。今国会の第一の使命は、アベノミクスをより強く、全国津々浦々に及ぼすことである。そのため女性の活力が経済活動に活かされやすい環境作りや、働き方の多様化を促す制度改善、地域の創意工夫が発揮しやすい国の支援策など、きめ細かい「3本目の矢」を用意した。
また成長の切り札とされる、科学技術イノベーションや規制改革にも力を注いでいる。特に私は、再生医療を実際の医療現場にいち早く導入するため、治験承認や保険搭載の迅速化など、環境整備に力を入れた。
そうした中での理化学研究所のSTAP細胞騒動は、大変困った事態である。神戸先端医療クラスターの中核組織である理研のCDB(発生・再生研究所)が「解体」される危機が訪れている。理研のガバナンスを強化したり大幅見直しをして、何とか最先端研究が続けられるよう、全力を尽くしたい。
一方私は、党の電力システム改革小委員長として、成長戦略の一つである電力小売りの自由化にも取り組んだ。安定供給を大前提として、この自由化は国民に多様な選択肢を提供し、電力料金の逓減をもたらすと期待される。またエネルギー基本計画の策定にも関与したが、原発事故の後遺症も強く影響して、「原発は重要なベースロード電源」と表現することに大変苦労した。(つづく)
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