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2010-06-22 09:50
(連載)若者の眼を世界に向けさせるための富くじを(2)
角田 勝彦
団体役員
振り返れば、かつての江戸時代の富くじは、幕府の許可を得た寺社により勧進のために発行された。第2次大戦後でも中学校を義務教育にした六・三制導入の際、いくつかの自治体で学校建設や備品の購入などに収益金を充てる教育宝くじが発行されたことがある。他方、さきの事業仕分け(宝くじの売上金の一部で別の公益法人や地方自治体などを助成する事業について、「廃止」と結論)を受けて、6月、政府の行政刷新会議(議長・菅直人首相)は宝くじ関連団体について、早期の改善に取り組む意向を表明した。
現在、宝くじは、都道府県と政令指定都市が総務相の許可を得て、銀行に委託して販売している。売り上げは2008年度1兆420億円、2009年度9875億円で、ピークの2005年度は1兆1047億円だった。売上高20兆円余のパチンコに比べれば少ないが、大変な額である。2008年度の売り上げの40.1%(4178億円)は、販売元の都道府県と指定都市に入り、公共事業などに使われている。
鳩山前首相が、5月の第16回国際交流会議「アジアの未来」で発言したように、「肩書なしに同じ学生という立場で共に学び、活動した友人」を持つこと、「人と人との血の通った交流」を持つことは、国際交流のためのみならず、若者の活性化に有益であろう。「日本の若者がアジアに渡り、友情を育むチャンスを与えること」も必要であろう。友愛だけでなく、心を鍛える意味もある。可愛い子には旅をさせろである。
しかし、経済の現状から見て、このために、政府支出に占める教育費の割合を引き上げることも、個人負担の教育費の増加を図ることも、容易ではあるまい。そこで、ウルグアイの例にならい、国際青年交流強化のための富くじを発行してはどうか、と思うのである。一部で主張されているカジノ特区などに比べても、国民の社会的・経済的負担は少なく、社会が裨益するところは遙かに大きいだろう。「何でもみてやろう」の時代ではないが、しっかりしたお膳立てをしてやれば、外国で有益な結果を得る若者たちはまだまだ多いと思われるからである。(おわり)
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(連載)若者の眼を世界に向けさせるための富くじを(1)
角田 勝彦 2010-06-21 19:15
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(連載)若者の眼を世界に向けさせるための富くじを(2)
角田 勝彦 2010-06-22 09:50
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