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2010-06-06 02:33
(連載)雨降って地固まる?(1)
角田 勝彦
団体役員
民主党の鳩山首相・小沢幹事長の二枚看板が下野し、菅直人首相の新体制が発足したことにより、「コップの中」にせよ、7月参院選を前に、政界に強風が吹き出したように見える。しかし、参院選や9月の任期満了による民主党代表選の結果如何によるが、これらの混乱は、日本にとり「雨降って地固まる」の安定効果をもたらすかも知れない。
すなわち、現在、参院選の行方が予断を許さない上、基本的経済社会政策の変更、重要法案の審議未了(会期延長?)や政治とカネに関する新しい展開の可能性などが出てきた。民主党内では小沢陣営に対する反小沢陣営の包囲網という面白い構図もある。修羅場好きのマスコミなどは、しばらく、要人の一挙手一投足(鳩山前首相の親指サインの例)を巡って、政局第2幕の報道に狂奔しよう。民主支持回復(鳩山退陣表明後の読売緊急世論調査では、5月末の20%から29%へ。自民は20%から18%へ)が示すように、マスコミにあおられて国民の右往左往も激しくなろう。
つまり、ダブル選挙が考えられない以上、民主党が衆議院で300余の議席を保持する基本的安定状態があるのに、おそらく民主党内人事を中心材料に、混乱を「嵐」と強調する流れが続きそうなのである。しかし、客観的には、鳩山政権8ヶ月余のごたごたは、日本にとって「雨降って地固まる」の効果を持つのかもしれない。日本が目指す方向について、基本的に国論の統一がもたらされるかも知れないからである。もちろん一部には、大多数派(事実上の大連合)への反対があるだろうが、それは民主国家では当然のことである。
第1は、外交である。菅直人副首相・財務相は、6月3日の記者会見で「日本外交の基軸が日米関係にある大原則はその通りだ。米国との信頼関係を維持しながら、中国との関係も重視することが、日本の将来にとっての正しい方向だ」旨述べた。日米同盟、とくに普天間移設問題について、首相に選出された後の4日の記者会見で「日米合意は、政府と政府の合意だ。合意をしっかりと踏まえるのが、鳩山首相を引き継いだわれわれの責任だ」と明言した。微調整はともかく、鳩山前首相がやっと決定した辺野古案への原則回帰が揺らぐことはもはやあるまい。これ以外の案がないことが、国民多数の眼にも明らかになった以上、時間は必要であろうが、結論は定まったと見て良いだろう。(つづく)
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角田 勝彦 2010-06-06 02:33
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角田 勝彦 2010-06-07 09:31
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