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2006-06-08 17:19
とても受け入れることはできない野原氏の暴論
高野 裕子
大学院生
野原豊氏の投稿記事「中国の民主化は日本や世界にとって望ましくない」を読みました。「(民主的な中国になれば、)中国の統一は損なわれ、東北部、沿岸部、内陸部に分裂した中国になりかねません。そのような中国の政治は不安定になり、経済は格差が拡大して経済難民が発生するでしょう。日本や世界にとってそれが『望ましい中国』であるはずはありません」という主張ですが、「民主的な中国は必ず分裂し、不安定になり、経済難民が発生する」との結論がなんの説明もなく、当然のことにように主張されています。とても受け入れられる論理ではありません。ちなみに、この主張は中国共産党が民主化を拒否し、人権の抑圧をするときの自己正当化の常套句です。
民主的な中国は必ず混乱、破産するが、独裁的な中国は必ず安定、繁栄するかのごとき主張は、実際にはまったく根拠の無いデマゴギーです。逆のケースがむしろ真実だと主張することが可能なほどです。客観的な言い方をすれば、民主化の過程が順序を踏んだ漸進的なものであれば、それが一番政治を安定させ、経済を発展させるのではないでしょうか。ソ連や東欧の共産党の独裁体制はすべて崩壊しましたが、その結果はどうなったでしょうか。北朝鮮は金正日の独裁体制下にありますが、あれはあのほうがよいのでしょうか。野原豊氏の投稿記事「中国の民主化は日本や世界にとって望ましくない」は、あまりな暴論だと思います。とても受け入れることはできません。
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投稿履歴
中国の民主化は日本や世界にとって望ましくない
野原 豊 2006-06-06 11:12
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とても受け入れることはできない野原氏の暴論
高野 裕子 2006-06-08 17:19
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