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2009-07-26 08:05
(連載)民主党の政権運営はどうなるか(2)
堀 利彦
会社経営
他方、「ピーターの法則」派に立てば、民主党政権の前途にはきびしいものがあります。そもそもなぜ「出世」できたのか、というところから検証が始まるでしょう。野党ならではの、できるわけもない矛盾だらけの政策を立ち上げて、有権者の目をくらませることに長けていただけなのに、自民党のだらしなさが追い風となり、気づいたら政権が降ってきた、などというシニカルな評価も可能です。
そうすると、民主党の野党としての「有能さ」は、政権与党で発揮されたらたまらないものとなります。内政はもとより外交関係までも滅茶苦茶にして、「自民党のほうがまだましだった」ということにもなりかねません。上述のマニフェスト原案には、「埋蔵金」頼みの財政はともかく、外国人参政権付与、国立追悼施設建設等、日本の「国のかたち」を左右しかねない機微な政策が多数盛り込まれています。
いうまでもなく、民主党を「出世」させるか否かの「人事権」を握るのは我々有権者です。一般に、会社や組織において、人事の行使が難しい仕事であることはいうまでもありません。眼に見えるパフォーマンスに加え、人事権を行使する人物自身の器量や「人を見る眼」などが総合的に問われてくるからです。政治の世界でも話は同じことです。
どの政党を政権に送り込むかには、個々の有権者の候補者を見る眼、あるいは政党を見る眼が問われることになります。民主党支持に大勢が傾きつつある今回の総選挙ですが、有権者自身が一度、自分の中で「立場が人を作る」派と「ピーターの法則」派のふたつの考えをぶつけてみたらどうでしょうか。それは、有権者の心得として、たいそう重要なことだと考えます。その結果は、「出世」するほうにも、させるほうにも、共に降りかかってくることなのです。(おわり)
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堀 利彦 2009-07-25 15:16
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