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2009-04-20 14:51
(連載)北朝鮮問題について(1)
河村 洋
NEW GEAR代表
イラク・ギャップは、北朝鮮危機でも解決されなかった。中国とロシアは、このならず者体制に拘束力のある宣言を行なうことに消極的である。イラク戦争の最中、国際メディアは、ブッシュ政権の一国中心主義を厳しく批判し、国連による平和強制を強く求めた。
オバマ政権は、西側に対して挑戦的な相手に融和的な態度を示した。ロンドンで開催されたG20サミットを前に、バラク・オバマ大統領はロシアのドミトリー・メドベージェフ大統領と核兵器の削減について会談し、両首脳はアメリカとロシアの間に「冷戦の再来はない」という共通の認識にいたった。
イラクとは異なり、北朝鮮でアメリカは、中国とロシアの関与を必要としている。ピョンヤンとの二国間協議はどのようなものであれ、アメリカが北朝鮮を新たな核保有国と認めたと解釈されてしまう。さらに中国とロシアは、冷戦初期から北朝鮮に強い影響力を持ち続けている。ヘンリー・キッシンジャー氏の国家安全保障政策スタッフも歴任したK・T・マクファーランド元国防次官補は、FOXニュースとのインタビューに応じ、「食料とエネルギーの供給国である中国だけが北朝鮮を説得できる」と述べている。
きわめて重要なことに、マクファーランド氏は、軍拡競争が激化する中東でイラン、サウジアラビア、シリア、エジプトへの核拡散に非常に危機感を抱いているが、北朝鮮によるアラスカへの核攻撃についてあまり懸念はしていない。(つづく)
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