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2009-04-19 23:03
(連載)最強レーダーの使用を認めず(1)
神浦 元彰
軍事ジャーナリスト
米紙『ワシントン・タイムス』が4月15日付けで、北朝鮮の弾道ミサイル発射に際し、米国が保有する最新鋭のミサイル追尾レーダーである「海上配備Xバンド・レーダー(SBX)」の使用が、北方軍の展開要請にもかかわらず、ゲーツ国防長官によって却下されていたことを、軍高官の話として報じた。
米軍高官が同紙に語ったところでは、北方軍のレヌアート司令官は、北のミサイルが米国や同盟国に向けて発射されることを懸念し、SBXの使用を求めた。しかし、オバマ政権の文民高官らは、「人工衛星の打ち上げ」との北朝鮮の主張を受け入れて、この要請を認めなかったという。北方軍も宇宙空間への発射が明確になったとして、その後SBXの使用要請を取り下げた。
アラスカ州アダック島を母港とするSBXは、総額9億ドル(約900億円)をかけて2005年に配備された。石油掘削用の建築物リグに改造を加え、上部にXバンドの大型レーダーを搭載している。必要に応じて稼働させる。5000キロ近く離れた場所からミサイルを探知できる。オベリング前国防総省ミサイル防衛局長は、同紙に対して、青森県(空自・車力基地)に配備されている地上型Xバンドレーダーと比べ、SBXは3~4倍の探知能力があると指摘している。
今回、仮にSBXが使用されていたら、弾道ミサイルの航跡などについて、より詳細な情報を入手出来ていたとして、元軍当局者は、ゲーツ国防長官らの決定に疑問を投げかけているという。これに対しては、ミサイル発射に備えてSBXを展開させれば、北朝鮮を刺激し、6カ国協議再開に向けた交渉に悪影響を与える、という懸念が政権内にあったという。(つづく)
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