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2025-11-17 10:34

中国革命は示唆的です

長井 伸一 学生
 中国共産党は、民主集中制に基づいた独裁を実行した中国国民党に対して、政治的諸権利と自由を主張し、自由主義諸党派の協力を得て権力を握ることができました。1949年以降、中国において革命の障害にならないという条件をつけながらも一定の自由は存在し、現在も国民等以外の党派が存在するのも事実です。しかし、徐々に締め付けが強まりました。決定的になったのは、毛沢東が自由で多様な政治的議論を奨励した「百家争鳴」運動を、共産党に対する批判が集中した結果、突如撤回し批判者に対する弾圧(反右派闘争)を始めたことです。

 おもうに、毛沢東も一般的な意味における言論の自由の重要さは判っていただろうと思います。しかし、同時に彼は政治課題を持っていて、それを達成するためには国民の協力を得なければならなかった。その課題のうちには、国や国民に絶対に必要でありながら実行には痛みを伴うものだってあります。そういう場合、国民が容易に賛成するはずもありません。その時権力者には、国民に丁寧に説明し説得し賛成してもらおうとするのでなく、強権で従わせるという誘因がうまれます。彼が国や国民のためを思っていればいるだけ、そうなるでしょう。

 日本共産党の、自分らは国民の味方だから独裁に陥ることはないという主張は、信じてはなりません。自由や政治的権利を守るためには、自分らの政治課題達成をあきらめてもそれを守ろうという強い決意が必要なのです。日本共産党にとって、一番の目標は新しい社会を作る事であって、自由や民主主義を守ることではありません。必要に応じて自由や民主主義は犠牲になるでしょう。
 
 
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日本共産党「民主集中制」は一党独裁の危険性がある 加藤 成一 2023-03-02 07:40
中国革命は示唆的です 長井 伸一 2025-11-17 10:34
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