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2010-08-31 10:00
断固として円高阻止のため為替介入せよ
塚崎 公義
大学教授
欧米の景気に一時期の勢いが無くなり、大幅な円高が進み、日本経済の先行きにも黄信号が灯りはじめている。輸出が伸びない一方で、安値の輸入品が国内市場に流れ込んで、国内産業を圧迫するからである。こうした中で、政府と日銀は相次いで対策を打ち出したが、いずれもインパクトに欠けており、市場の反応も今ひとつである。
内需振興策は重要であり、中長期的に日本経済を内需主導型に転換していく必要がある事は当然であるが、今ここにある不況と失業の問題を短期的に解決するためには、円高を是正し、リーマン・ショックで激減した輸出を回復させるしかない。こうした中で、最善の対策である為替介入が行なわれていない事は残念である。介入しない理由は、米国政府の同意が得られないから、という事のようである。「米国自身がドル安で輸出を伸ばして景気を回復させようとしている時に、日本が円高(=ドル安)阻止の介入をする事は認められない」というのである。しかし、これはおかしい。
そもそも今回の諸問題の発端は、米国発の金融危機である。米国のせいで世界経済が「100年に一度」の惨事に見舞われている時に、「加害者」である米国自身がドル安政策で輸出を伸ばして、「被害者」である他国を踏み台にして、自分だけ景気を回復させよう、といった事が許される筈はない。日本政府の苦しい立場も理解できる。本来であれば、協調して対米批判を行なうはずの欧州各国が、ギリシャ危機を契機としてユーロ安となり、期せずして目的を達成してしまい、対米批判のインセンティブを失ってしまったからである。こうした中、日本政府は単独で米国政府と対峙しなければならないこととなったが、それでもここは是非とも踏ん張って、筋を通して欲しい。
やや唐突だが、小泉政権と菅政権を比べてみよう。小泉政権は、公共投資を減らし、銀行の不良債権を処理し、景気の事など考慮していないように見えたが、実は巨額の介入をして円高を阻止し、景気の底割れを防いだのである。「市場原理主義」と言われる小泉政権でさえも、断固として市場に介入したのである。一方で、菅総理は円安論者であると言われている。対米関係に関しても、民主党政権は「対等な日米関係」を模索していると聞く。そうであれば、小泉政権と同様の、あるいはそれを上回る決意を持って、断固とした介入を行ない、円高を阻止すべきであろう。決断に期待する。
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新内閣に、円安政策を望む
塚崎 公義 2010-06-11 14:48
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断固として円高阻止のため為替介入せよ
塚崎 公義 2010-08-31 10:00
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