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2008-11-02 12:50
2009年には北朝鮮消滅か?
神浦 元彰
軍事ジャーナリスト
10月30日付け『朝日新聞』朝刊によると、韓国政府関係者は、韓国政府が北朝鮮と戦争には至らないものの、北朝鮮国内が混乱する非常事態を想定し、それに備えた独自の対応策の検討に入ったことを明らかにしたという。すなわち、北朝鮮からの難民、韓国人人質事件などへの対処を検討し、省庁別のマニュアル化の作業を行う。9月に表面化した金総書記の健康悪化説がこの作業を後押ししている。今回の対応策には軍事的な措置は含まれないが、韓国は別途に米国との間で共同の軍事計画作りを進める。具体的には、両国が1999年に基本的な想定と戦略方針を定めた概念計画「5029」を「実戦」に耐える作戦計画に格上げする、などである。
この記事でもふれているが、米韓軍には北朝鮮と戦争状態を想定した共同作戦計画「5027」がある。しかしすでに米韓軍と北朝鮮軍の全面戦争は想定自体が無理である。北朝鮮軍の旧式な兵器システム、原始的な通信・指揮・情報、貧弱な補給・兵站能力、訓練・演習の未熟と、どれをとっても北朝鮮軍は米韓軍とまともに戦える相手ではない。もう「作戦計画5027」は歴史の金庫にしまい込んでもいいと思う。そこで「作戦計画5029」を今の状況に合わせ、対応を整えておくことが必須になる。しかし北からの難民対策や緊急食糧支援などのすべてに、軍事力で対応することは限界がある。そこで韓国政府は、民政部門で出来る範囲と能力の具体的な検討に入った。
同じことは、日本も検討すべきである。日本政府は、韓国政府の北朝鮮緊急支援計画について、日本の備蓄米(100万トン程度)の提供、日本に漂着した北朝鮮難民の韓国への移送などを決めているという。この他にも感染症ワクチンの準備、難民一時収容所の設置、海上警備パトロールの実施、武装難民の武装解除など、日本でも明日にも起こる可能性のある非常時への準備は必要である。
10月29日付け韓国紙『東亜日報』は、韓国政府が金総書記の容体が悪化したという情報を入手し、確認を急いでいるとして、「26日に金総書記の身辺に深刻な問題が生じたとの情報が入り、関係当局が確認作業に追われている」との韓国政府関係者の談話を伝えている。やはり中国が推測するように、末尾に9のつく年は大変動が起り、来年の2009年には朝鮮半島で北朝鮮が消滅することになるのだろうか。
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