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2008-10-24 07:40
小沢は健康状態を公表すべきだ
杉浦 正章
政治評論家
ここにきてどうも民主党代表・小沢一郎の元気がない。首相・麻生太郎に対する代表質問でも迫力に欠けていたし、そうこうするうちに風邪で入院。10月23日にはインド首相との会談までキャンセルして静養。かねがね首相の激務に耐えられるのかと指摘してきたが、与党から担当能力を疑問視する発言が公然と出て来た。国の命運を左右する重責を担うには、体力的、精神的に無理ではないかとの声だ。小沢は選挙に勝てば首相になると公言してきたが、それならば国民の疑心を解くことが必要ではないか。健康状態を公表すべきだ。人の病気につけ込むような発言は慎むべきだが、首相候補や大統領候補となると話は別だ。
米大統領選挙たけなわだが、米国の大統領の飛行機のタラップの乗り降りを見ると、駆け足でのぼり、駆け足で降りてくる。候補もそうだ。オバマは当然だが、71歳のマケインですら、タラップを重視して、さすがに駆けのぼりはしないが、きびきびした動作を見せる。選挙民にこれだけの健康体であることを誇示しているのだ。当然日本の首相にもそれが求められる。「太郎・一郎決戦」で、太郎の方は敗軍の将になるかも知れないのに、元気いっぱいで明るい。これに対して小沢は、自ら東北人の性格と述べているように、寡黙で、派手な表現を避ける。まさに陰と陽、静と動の戦いの様相だ。それだけならいいが、小沢には“体調不良”がつきまとう。
この小沢の体調不良に公明党幹事長の北側一雄が23日かみついた。記者会見で「一国の首相は、体力的にも、精神的にも強くないといけない。国民の生命、財産を担っているわけで、本当に体力、気力がなければ続かないポジションだ」と発言した。たしかに新聞の首相動静を読めば分かるが、分刻みの仕事が終日続く。日本でも有数の激職だ。小沢のように、本会議で質問すれば15分休憩、というわけにはいかないのである。民主党内からも「小沢さんは選挙はマニアのように選挙好きだから、あちこち遊説して回るが、首相職となると、一番苦手の部類に属するのではないか。本当に大丈夫なのだろうか」(党幹部)というつぶやきが生じ始めている。
首相の体が弱くて短命に終わった政権は、石橋湛山、鳩山一郎、病死した首相は、大平正芳が心臓病、小渕恵三が脳梗塞だが、いずれの首相も全力投球で事に当たる気迫はもっていた。残念ながら小沢には、“選挙力”だけはあるが、“体力”と“精神力”が欠けているような気がしてならない。小沢は、持病の心臓病があることは自分でも認めているが、責任政党の党首なら、この際自らの健康状態を公表すべきではないか。小沢は、政権の精神的重圧に耐えきれないで、立て続け政権を投げ出した2人の首相・安倍晋三と福田康夫の振る舞いを、「政治空白を二度にわたって作った無責任さ」と口を極めて批判している。それならば、自らが政権を取ったときに政権を途中で投げ出さないことを証明すべきだ。「麻生・小沢決戦」であればあるほど、首相として本当に適任かどうかを有権者は知った上で、投票行動に出る必要があるからだ。
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