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2026-09-30 19:54

政権の生き残りを図るネタニヤフ

舛添 要一 国際政治学者
 7月17日、イスラエルの国会は解散した。10月27に総選挙となる。長期政権を維持してきたネタニヤフが勝って続投するのかどうかが最大の焦点である。2023年10月にハマスが越境攻撃し、多数の犠牲者が出た責任を追及する声は消えていない。また、イラン戦争も所期の成果を上げているとは言えない。今のネタニヤフ政権は、保守派や宗教政党との連立政権である。総選挙の結果は、連立の枠組みにも大きな影響を及ぼす。1996年5月の初めての首相公選でネタニヤフが当選し、ヨルダン川西岸へのユダヤ人の入植を増大させた。入植は進んでおり、イスラエル軍が入植するユダヤ人保護のために介入している。ネタニヤフ内閣のスモトリッチ財務相らの極右政治家は、ユダヤ人の入植を強力に支援し、パレスチナ国家構想を葬りさると公言している。
 
 この地区の総人口は380万人で、パレスチナ人が8割、イスラエル入植者が2割である。
イスラエルの強硬派は、ガザからもヨルダン川西岸からもパレスチナ人を追い出し、ユダヤ人の居住地にしようとしている。2026年6月1日の電話会談で、トランプは、レバノン攻撃を強化するネタニヤフを「狂っている。皆がお前を憎んでいる。お前は孤立する」と罵倒したが、ネタニヤフはレバノン攻撃を続けている。その姿勢をイスラエル国民も支持している。中間選挙を前にして、早期停戦を狙うトランプと、総選挙を念頭に戦争を止めないネタニヤフの思惑は異なる。強硬なネタニヤフの姿勢を支持する福音派やユダヤ・ロビーの動向を考えれば、トランプとしてもネタニヤフ叩きを続けるわけにもいかない。イランとの停戦は見通せない。
 
 最近の世論調査によると、ネタニヤフの支持率は29~34%台で低迷している。政党別でも、リクードの獲得議席予想は22~28議席程度である。イスラエルの国会(クネセット)は、一院制で全国1区の完全比例代表制である。そのため、単独過半数(61議席以上)を獲得する政党がなく、常に連立政権を組むことになる。6月中旬のヘブライ大学の世論調査では、ネタニヤフ支持率は29.4%であった。3月初旬の40.5%から大幅に下落している。イスラエルの公共放送KANが、総選挙について7月12日に公表した世論調査によれば、アイゼンコット元軍参謀総長が率いる中道政党「ヤシャル(「まっすぐ」の意味)」が24議席、ネタニヤフのリクードが23議席という結果であった。
 
 また、民法テレビ「チャンネル12」の13日の世論調査によると、支持率は、アイゼンコットが43%で、ネタニヤフは34%で劣勢である。政党別でも、リクードの獲得議席予想は22~28議席程度である。ヤシャルが23議席、リクードが22議席、ベネット元首相が率いる中道右派「ベヤハド」が16議席である。ネタニヤフの連立与党は51議席で、野党が59議席となるという。与野党が拮抗する状態であり、10月の総選挙の予測は立たない。先述したように、汚職で起訴されているネタニヤフは、何としても勝つ必要があるのである。様々な形の連立政権を組み、長期政権を維持してきた「連立の魔術師」ネタニヤフの腕の見せどころである。
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