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2026-10-11 15:56
ガソリンより高価な米欧の軽油 馬車交通経験無い日本は理解し難い
山田 禎介
国際問題ジャーナリスト
米トランプ大統領がロシアのプーチン大統領と合意したとする世界へのロシア産の軽油供給にウクライナが即反発したのは当然だが、高騰する米軽油価格を止める思惑の中間選挙対策が主題であることも明らかだ。でも日本では実に意外なことだが、根底に米欧ともにガソリンより軽油価格が高い例がほとんど、という事実に気が付かない。
歴史的に馬車交通の社会を経験していない日本に比べ、ユーラシア大陸に地中海沿岸は、古代の馬が引く二輪戦車(シャリオット)に始まる馬車輸送手段の時代が長く続き、道路網も充実した。鉄道時代到来を経て、現代の流通は高速超大型ディーゼルトラックの時代。それも米欧は2連結に3連結が当たり前。日本では産業界向けともども税で軽油優遇だが、軽油大量消費のディーゼル車両が大勢のあちらは、環境問題もからみ、軽油の税を多くする政策だ。
その代わりとも言うべきか、米欧では高速道路は無料がフツーで、かつてフランスに1カ所有料が出来て話題になった。米東部には、コインをネットに投げ入れる歴史文化的な「トールロード」がある程度。また高速道路網にさかのぼる馬車交通網の名残りがあちこちにある。ベルギーからオランダに入る際の高速道路のインターチェンジは、まるで路面が競技場で空から見る英国旗「ユニオンジャック」のごとく、驚くべき平面交差だ。さらに高速道路の「進入と出口」が至近でセットになって、日本人が戸惑う「進入の方が先の場合」がある。
また英国系を除き道路は右側運転の欧州だが、「逆L字形左折」が歴史的に優先と言う場所もある。日本では第二次大戦後に、連合国軍最高司令官総司令部(GHQ/SCAP)により、困惑の日本国民をよそに、全国の主要地点にロータリーを作った。パリの凱旋門ロータリーのあの形式だ。交通信号もよく故障する欧州だが「右側進入優先」でさばかれ、大した渋滞もないことが多い。これらいずれも馬車交通管理手法から来ている。
いささか世界のガソリン、軽油価格問題から外れてしまったが、米欧軽油の高価格には、両大陸の排気量と輸送量の大きさと、馬車交通の歴史に遠因があるのを指摘した次第。かたや日本のわずかな車社会の歴史には、平安朝の優美な「牛車」。貴族特権階級の、それも儀式のものだったことを思い出す。
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