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2026-06-29 00:36
中国が最も恐れる米最新鋭ミサイルシステム「タイフォン」の日本配備を急げ
加藤 成一
外交評論家(元弁護士)
タイフォンは米陸軍が中距離核戦力全廃条約(INF条約)失効後に開発した最新鋭の移動式中・長距離ミサイル地上発射システムであり、敵基地攻撃可能な射程1600キロ~2500キロのトマフォーク巡航ミサイルなどが搭載可能である。これにより、地上や海上の目標に対して広範囲かつ遠距離から攻撃可能で、米海軍の艦船と同等の打撃力を持つ。2025年9月タイフォンは日本の米海兵隊岩国基地に初めて配備され、日米合同訓練に参加した。配備は一時的で訓練終了後には撤去された。2026年6月22日には鹿児島県鹿屋航空基地に再配備され、9月に予定されている陸自との合同訓練に参加する。鹿屋航空基地は九州南部に位置し、南西諸島や台湾海峡に近い。訓練終了後の10月中旬には国内の米軍基地に移動して保管される予定である。日本政府は対中抑止力強化の観点から米軍基地における保管を否定していない。
中国はタイフォンの日本配備に対して激しく反発している。地域の軍事的緊張を高めるとの理由である。しかし、中国は近年「台湾有事」を念頭に核を含む軍事力・海軍力を急速に拡大し、「空母キラー」と称される大量の中距離弾道ミサイル配備、新型空母の建造を進め、南シナ海、東シナ海のみならず西太平洋への進出を図り、米国の覇権に挑戦する「軍事大国」であることは周知のとおりである。タイフォンの日本配備は、台頭する中国の軍事的脅威に対応し「台湾有事」など緊急時に北京・上海・広州など中国本土を射程に収める中・長距離ミサイルシステムを構築することにあることは言うまでもない。
タイフォンは地上型移動式発射システムのため、敵の標的にならない。北京・上海・広州など中国の政治・経済・軍事を含む中核都市が射程圏内に入るため、中国にとって最大の脅威である。中国が配備している大量の中距離弾道ミサイルや空母の抑止力が低下しその効果が減殺される。タイフォンの配備により中国にとって「台湾有事」「尖閣有事」が一層困難になる。などの多大な軍事的利点がある。以上のとおり、タイフォンの日本配備には多大な軍事的利点があり、対中抑止力・対処力を飛躍的に高めるから、日米両政府はタイフォンの本格的な日本配備を急ぐべきである。中国政府の激しい反発はタイフォンの日本配備を中国が最も恐れ中国にとって大きな脅威であることを示しており、このことは日本の対中抑止力・対処力を飛躍的に高めることに他ならない。
なお、米ホワイトハウスは2026年3月19日に行われた日米首脳会談に関するファクトシート(概要書)で、「日米は、日本に先進的な戦力を配備し、強力な拒絶防衛体制を可能にするとの約束を確認した」と明記し、この文脈で米国の最新鋭ミサイルシステム「タイフォン」が2025年9月米海兵隊岩国基地に一時配備されたことに言及している(赤旗2026年3月21日)。これは米側においてタイフォンを日本に再配備し常駐させる意図を示すものであり、上記確認事項に基づき2026年6月22日に前記鹿児島県鹿屋航空基地に再配備された。中国による「台湾有事」「尖閣有事」の危険性を考えれば、日本にとって対中抑止力・対処力の強化は必須であるから、日本政府として再配備を歓迎こそすれ、これに反対する理由は全くない。
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