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2026-07-14 22:49

「国際海峡定義」含む国連海洋法条約に調印も批准無しのイランと米国

山田 禎介 国際問題ジャーナリスト
 再燃した米イラン間の、ペルシャ湾ホルムズ海峡航行を巡る対立の戦火は拡大を重ねているが、その核心は歴史的要素(イラン)に国際海峡(米)という両国が誇示する二要素に集約される。筆者は、国連海洋法条約(1982年)で、国際海峡の再定義が確立された際に来日した国連海洋法会議担当高官にインタビューした経験もあり、そのときに聞いた成立意義と現状の乖離ぶりを、ここに至って痛感する。
 
 もとより歴史的にも紛争を重ねて来た「海を巡る地勢」国際海峡の扱いは難しい。代表例が、黒海とエーゲ海を結ぶトルコのボスポラス・ダーダネルス両海峡だ。歴史的にたびたび大国艦船の通過航行で火種となった。日本の眼では内海にも見える黒海は、トルコにウクライナやロシアなどに接するだけでなく、歴史的には旧ハプスブルク帝国版図の中欧諸国を貫く大河ドナウが注いでおり、通過船舶はいまも昔も変わらずだから。  
 
 こうした各国艦船航行でのトラブルを避けるべき考えか、日本は本来国際海峡に位置付けされるべき大隅海峡、対馬海峡の東西水道、津軽海峡、宗谷海峡については先立つ国内法で特定海域に指定。この海域のみは国連海洋法条約で確定された領海12海里でなく、従来の日本の3海里にとどめ、自由航行を許すという異例とも言える措置でクッションを置いている。
 
 ところでイランは歴史的な各王朝に加え、トルコのオスマン帝国の広大な版図の時代も、ペルシャ湾・ホルムズ海峡はほぼ手中においてきた。現代ではイランも国連海洋法条約に調印したものの批准していないことから、拘束されないと主張する。米国にしても国連海洋法条約制定の言い出しっぺだが、同じく最終的には批准していない。
 
 いまやトランプ米大統領は、ホルムズ海峡を再封鎖して管理を行い、すべての通過貨物に対価を課すと言う。ホルムズ海峡は自由航行出来る国際海峡だと主張しながらも、再度の海上封鎖で「通航料を取る」というトランプ流の大国行動に説得力はあるだろうか。イランもまた当然、歴史的にも遠い域外の米国行動に反発しており、長い歴史が示す自国管理での「通航料」のみが合法だとしている。
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