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2026-04-19 14:39
トランプの誤算
舛添 要一
国際政治学者
イスラエル軍と米軍の停戦交渉はまとまるか。イランを攻撃したトランプには、誤算続きだ。
(1) 体制の転覆
トランプは、ハメネイを殺害すれば、国民が立ち上がって革命を起こし、民主的な体制に移行すると信じていたようだ。昨年末に、生活苦から国民が街頭で抗議デモを行ったが、それを見て、好機到来と勘違いしたようだ。イラン国民の多くは、今の体制に不満を抱いている。しかし、厳しい弾圧と監視の下で、反体制組織を作ることなど不可能であり、そのことをトランプは分かっていなかった。アメリカの諜報機関は、そのことを的確に指摘していたが、トランプは無視したのであろう。自分の気に入らない情報は受け入れないという「裸の王様」状態になっている。
(2)短期決戦
トランプは、確かに軍事的にはイランに大きな打撃を与えた。トランプは、「もう戦争は終わった」とすら自慢した。しかし、イランの抵抗は続いている。高価なミサイルではなく、安価なドローンで反撃しており、それはイスラエルのみならず、湾岸諸国の石油施設にも大きな被害を与えている。これが、ホルムズ海峡の閉鎖とともに世界にエネルギー危機をもたらしている。軍事的には負けても、石油戦略で抵抗するという戦略を予想していなかったようである。
(3)ガソリン価格の上昇
石油価格の高騰は、石油関連製品の不足にもつながり、世界中の経済を大混乱に陥れている。とくにアジア諸国への打撃は大きく、とくに備蓄の少ない諸国は休日を増やすなど、厳しい対応を迫られている。アメリカは産油国であるが、ガソリン価格が上昇しており、国民の不満は高まり、トランプ支持率も低下している。
3月24日には、トランプの邸宅のあるフロリダ州南部で州議会の補欠選挙が行われたが、民主党の新人エミリー・グレゴリー候補が共和党の元町会議員ジョン・メープルズ候補に勝っている。これもトランプの不人気を象徴している結果である。以上のような不人気は、秋の中間選挙に黃信号が灯り始めたことを意味する。戦争が長引けば長引くほど、トランプ支持率は下がっていく。トランプは、この事態に焦って、戦争を早期に終結させる方向に動き始めている。
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