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2007-11-16 09:15
小沢氏を含め与野党議員の喚問を
杉浦正章
政治評論家
守屋証言で山田洋行元専務の宴席に同席したのは元防衛庁長官の久間章生氏と額賀福志郎・財務相であることが判明した。折りから参院に送付された新テロ法案への影響は必至だが、この際民主党の菅直人代表代行が主張するように証人喚問の場でもよい、両氏の説明を聞く必要であることは確かだ。ただし、宴会出席で喚問するわけだから、政治資金の授受などが行われた小沢一郎民主党代表と、「山田洋行」との密接な関係が指摘されている田村秀昭前参院議員も証人喚問されるべきであろう。与野党議員の喚問が早期に行われるべきだ。
防衛利権をめぐる政界人脈は、ロッキード事件を持ち出すまでもなく田中系人脈が圧倒的だ。歴代防衛庁長官も田中系が多く、額賀、久間両氏とも旧田中派系議員である。両者とも宴席への出席を「記憶がない」としているが、守屋武昌前次官が証人喚問という公式の場で名前を出したと言うことは重いと見なければなるまい。ただ両氏とも、これまでのところ宴会に出席したことが疑惑として問われているに過ぎない。この程度の疑惑で証人喚問するとなれば、民主党側にも喚問対象の議員、前議員がいることを忘れてはならない。野党議員でも斡旋収賄で立件されるケースは多い。
山田洋行は金丸信防衛庁長官時代に防衛庁との関係が出来たと言われている。金丸氏の愛弟子は小沢氏であり、小沢氏と関係の深いのは田村氏であることは周知の事実だ。小沢氏は政治資金600万円を山田洋行から受け取り返却しているが、16日の朝日新聞とのインタビューでは「何の関係もない。担当者を何代さかのぼっても分からない。全然知らない。わけがわからん」と述べている。野党ならば「わけがわからん」で済む問題であるだろうか。
一方航空自衛隊出身で装備畑に絶大な影響力を誇っていた田村氏も、山田洋行によるテニス旅行丸抱え問題をはじめ政治資金関係があると報じられている。この疑惑を受けて政府は3日付で発令した秋の叙勲で、旭日重光章の受章が内定していた田村氏への叙勲を見送っている。小沢、田村の両氏のいわゆる「金丸ルート」は「宴会出席」より、より具体的であり、疑問点も多い。国会はこの際、疑惑の徹底的な解明をするべきであり、衆院で絶対多数を有する与党は、額賀、久間両氏に加えて、小沢、田村両氏の証人喚問を早期に議決すべきであろう。疑惑の早期解明が新テロ法案の審議促進につながる。
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