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2022-07-22 22:29
参院選の結果から考えるべきこと
赤峰 和彦
自営業
参議院議員選挙が終わり、自民党圧勝という結果に終わりました。これはひとえに凶弾に倒れた安倍元総理のご遺志を有権者が継いでいかねばならないと考えた結果であると思います。全体を俯瞰して気が付くことは、立憲民主党は改選23議席をマイナス6の17議席に減らし、日本共産党は改選6議席をマイナス2の4議席減らしたことです。一方、日本維新の会は、改選6議席を2倍の12議席にのばし、れいわ新選組が改選0を3議席にのばしました。これを単純に考えれば、リベラル右派が立憲民主党から日本維新の会に移動し、ノイジー・マイノリティが共産党かられいわ新選組に乗り換えたからだといえます。
まず、立憲民主党は、国防を軽視し憲法改正を阻止したいとの思いが強い分、リベラル右派が逃げ出してしまったことを理解する必要があると思います。なかでも立憲民主党の最大の問題点は、ロシアによるウクライナ侵略行為が日本の危機と同質であることを理解していない点にあります。だから、ロシアの侵略行為を非難することはできても、国防問題や憲法改正に消極的なのです。当選したのは、地方区では知名度の高い蓮舫氏、小西洋之氏、杉尾秀哉氏、福山哲郎氏などの知名度が高い人が中心で、比例区は、衆議院から鞍替えした有名人の辻元清美氏とタレント出身の青木愛氏を除いては、自治労、日教組、JR労組、基幹労連といった労働組合との深い関係で組織票を固めた人が当選しています。ちなみに、党内でも極左の有田芳生氏、森ゆうこ氏、白眞勲氏は落選していますので、これで党内の左ばねが弱くなると思います。それに加えて、小沢一郎チルドレンがおひざ元の岩手と新潟でとりこぼし、小沢一郎氏の衰えが鮮明となりました。これらから考えられることは、有権者の厳しい目と左派勢力の退潮により、国会審議のストップなどがしにくくなり、国会の外でのパフォーマンスに頼らざるを得なくなっていくことを意味しています。長い目で見れば、立憲民主党は、今の社民党のような衰退の一途をたどるのではないかと思っています。
日本共産党も深刻だと思います。志位委員長は選挙の敗亡を野党共闘ができなかったことを理由に挙げていますが、かつてのように選挙区ごとに候補者を立てることすらできなくなった共産党自身本当の理由はわかっているはずです。支持層が高齢化している日本共産党はこれから確実にますます先細りしていきます。「いつも自分の主張こそが正しく、他は間違っている」とする物言いでは支持者は広まりませんし、パフォーマンスだけが取り柄のれいわ新選組に本来日本共産党にシンパシーを感じるような若者たちを奪われています。
そのようななかで、岸田総理は重要課題である憲法改正にどう取り組むのか。メディアは、改憲勢力が三分の二を超え、しかも衆議院の解散がなければ今後三年間は選挙がないということから、改憲の動きが必ずあると報じています。ですが、実際には公明党が足を引っ張るのは確実で、改憲に至るかどうかは不透明です。そもそも、今夏の参議院選の前も衆参ともに改憲発議に必要な三分の二は確保していていました。それにもかかわらず、岸田政権は憲法審査会を開くので精一杯でした。岸田総理が本気にならない限り、改憲への道筋は遠いように思います。憲法改正のためには、岸田総理が本気を出すように、私たちが国民世論に改憲を働きかけていかなければなりません。そのとき、護憲論者はノイジー・マイノリティを煽り、改憲阻止の構えを見せてきます。したがって、私たちはノイジー・マイノリティ以上の大きな声を、理性的にしかも国民の理解を得られるように出さなくてはなりません。それゆえに、改憲運動は広範な国民運動として取り組まねばならないでしょう。言い方を変えれば、改憲とは私たち改憲論者の覚悟こそが問われるものだということなのです。
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