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2007-10-22 13:09

世界の原油輸出量がゼロになる日

近藤 哲次  公務員
 原油価格の高騰がとまらない。その要因についてはいろいろ言及されているが、根源的な原因は原油資源供給の物理的限界にあると言える。現下のトルコとクルド人の紛争も石油資源争奪戦争に他ならない。
原油輸出国の輸出量は、生産量が減る中で自国の経済成長に伴う国内需要の増加分があるため、急速に減っている。この間に世界がたどったデータをあてはめたある予測によると、2013年に世界の原油輸出量はゼロになるという(http://canada.theoildrum.com/node/3091#more)。

 最近5年間のバイオ燃料を含めた原油をはじめとする液性オイル(liquids)の輸出総量(日量) は、http://www.theoildrum.com/files/oilwatch_monthly_october_2007.pdf.pdfの情報によれば、下記のとおりである。このデータは「輸出ピーク」がすで過去のものであることを示している。

   2003年 4,360万バレル
   2004年 4,640万バレル
   2005年 4,700万バレル (←輸出ピーク)
   2006年 4,681万バレル
   2007年 4,599万バレル (1月から7月までの平均)

 今後、新たに輸出国から輸入国に転落する産油国もあれば、既存の輸入依存度をさらにあげていく産油国もあるだろう。つまり原油の供給量が急減する一方で、欲しがるところは増えていくという構図だ。
外交に押しの弱い我が日本は、石油争奪戦から真っ先に脱落し、2013年といわず、それより早い時期に 「輸入ゼロ」の日を迎える可能性がある。非産油国である日本にとって、「輸入ゼロ」はそのまま「オイルゼロ」を意味する。第一次エネルギーの6割以上をオイルに依存する我が国にとって、おこりうる事態の正確な予測としかるべき対策の立案は緊急の必要事である。
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