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2021-04-13 19:05
ウイグル問題を看過してはならない
赤峰 和彦
自営業
中国国内にあるウイグル人強制労働工場で生産を委託していた80社ほどの企業の多くが取引停止などの対応を検討しはじめています。いずれも世界の有力ブランド企業です。一方、同じく強制労働工場に委託していたユニクロの柳井正社長は4月8日の記者会見で、「人権問題というよりも政治問題である」と発言しています。奇しくも4月9日には、フランスのNGOがウイグルでの人権問題を巡り、強制労働や人道に対する罪の隠匿の疑いで、ユニクロのフランス法人を含む衣料・スポーツ靴大手の4社をフランスの当局に告発したと発表しました。
この問題に対して友人から鋭い指摘があったので紹介します。「欧米では中国がウイグル族に製造させる製品の不買運動が本格化し始めています。欧米では人権問題を日本人が考えているよりもはるかに深刻に受け止めています。日本人は人の痛みを自分の痛みとして感じ取る能力を忘れたか、あるいは失ってしまったかのようです。日本人は出来事に対する感情も鈍っている上、自分自身で物事を考え判断する力も失っています。何もない時にはわかりづらいのですが、いざ緊急事態が生じたときに、国も役所もどうしてよいかわからないのです。決められた枠の中での教育を受け続けてきたせいでしょうか。考えることを教えてこなかった学校教育のせいでしょうか。子供が川に入っておぼれかけているときに、自分は泳げないのに川に飛び込んで助けようとする人はもういないのでしょうか」
ウイグル問題に「深刻な懸念」を表明するだけで、具体的な対抗策を講じない日本政府、親中派の古参議員を恐れ何も発言できない自民党議員、なかでも「(ウイグル人権弾圧は)根拠がない」と断じた公明党の山口代表の発言は、日本外交の問題点を象徴しています。チベット問題を考える議員連盟の元会長であった立憲民主党の枝野代表ですら何も語っていません。今のところ真剣に受け止めているのは国民民主党くらいです。国内問題では人権問題を取り上げる人たちもウイグル問題については何も語ろうとはしません。日本弁護士会はその代表格です。彼らにとっての人権とは反政府活動の手段にすぎないかのようです。
中国がウイグルで行っていることは紛れもないジェノサイド(民族大量虐殺)と強制労働です。ヒトラーがユダヤ人を弾圧・虐殺した以上のことを中国は国家を挙げて取り組んでいるのです。このまま看過していいのでしょうか。筆者は人権問題を決して見過ごすわけにはいかないと考えています。機会があるたびに人権問題を繰り返し訴えていくつもりです。どうか皆様も人権問題に意識を向けていただきたいと願っております。
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