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2016-11-28 10:54
トランプ新大統領に「強いアメリカ」の再建を望む
加藤 成一
元弁護士
トランプ氏がアメリカの新大統領に選出された。大方の予想を覆す結果となったが、トランプ新大統領は、日本及び世界の平和と安定にとって、有益な影響をもたらす可能性がある、と考える。しかし、そのためには、アメリカが「孤立主義」に戻らず、「強いアメリカ」を取り戻すことが不可欠であろう。
率直に言って、オバマ大統領の8年間は、軍事予算を削減するなど、必ずしも「強いアメリカ」を指向するものではなかった。経済面では、金融、財政政策等によって、それなりの経済成長をもたらし、株価も史上最高値を更新し、失業率も低下した。しかし、軍事面では、この8年間に、北朝鮮は国連決議を無視して、計4回もの「原水爆実験」を行い、ミサイル発射を繰り返した。中国は、国際仲裁判決を無視して、南シナ海の軍事基地化を進め、また東シナ海尖閣諸島への侵入を繰り返した。ロシアは、軍事力によってクリミア半島を併合し、ウクライナの領土主権を侵害した。
思えば、1939年9月のナチスドイツのポーランド侵攻による第二次世界大戦の勃発は、イギリスの「宥和政策」とアメリカの「孤立主義」が最大の誘因であった。当時のドイツの軍事力や経済力では米英に対抗し得ないことを、ヒトラー自身も認識していたからである。「歴史は繰り返す」と言うが、今日のアメリカの「孤立主義」は、その軍事力・外交力の相対的低下と相まって、「力の空白」を生み、世界情勢を不安定化し、北朝鮮や中国、ロシアによる、国際法を無視した「無法行為」や「挑発行為」をさらに引き出す危険性がある。
したがって、日本が、トランプ新大統領に望むことは、アメリカが「強いアメリカ」に立ち戻って、必要とあれば、日本、韓国、オーストラリア、NATO諸国などの同盟国を守り抜く覚悟を示すことである。このことが、北朝鮮や中国、ロシアによる、国際法を無視した「無法行為」や「挑発行為」を抑止するであろう。それと同時に、日本としても、そのようなアメリカをサポートすると共に、自らの防衛力を強化して、尖閣諸島を含む自国領土の防衛に断固とした決意と覚悟を示さなければならないであろう。
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