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2016-07-28 10:43

鳥越氏を担いだ野党4党指導部の責任の取り方

赤峰 和彦  自営業
 東京都知事選の名を借りて、安倍政権打倒を主目的とする運動を展開した野党4党は、敗戦後どのようなけじめをつけるのでしょうか。鳥越氏の落選は、代表選もあり民進党の党内抗争の火種となりそうです。民進党内では、敗因を「週刊文春」の記事のせいにしている幹部もいますが、党内の大半は欠陥や弱点だらけの鳥越氏を担ぎ出した岡田=枝野ラインに対して不満をあらわにしています。先の参議院選挙での敗北もあり、党は分裂の危険性さえはらんでいます。

 今回の都知事選挙では、候補に古賀茂明氏擁立を決めていたのですが、枝野氏や共産党の幹部が反対し、結果的に知名度のある鳥越氏を担ぎ出した経緯があります。参議院選挙の敗北と都知事候補の人選の誤りに対する責任は、決して軽いものではありません。当然のことながら岡田、枝野両氏はその責任を取り、謝罪の上で党内の役職を退くべきです。

 一方、共産党は野党共闘を優先するあまり、本筋を曲げて宇都宮氏を下ろしてしまうという致命的な判断ミスを犯しました。内部的には民進党のせいにして済ますでしょうが、それでも委員長と書記長への不信感は否応無しに高まります。党の都合で宇都宮氏の立候補を辞退させた共産党幹部は、判断ミスの責任を自らの役職辞任で果たすべきです。

 民進党、共産党は基本的に責任を取りたがらない政党です。自分たちにとって都合が悪くなると、その原因を全て他に求め、自らには甘い裁定を下します。その態度が民進党や共産党への国民の支持を下げる原因になっていることを認識しなければなりません。税金を使って活動している国会議員である以上、間違った政策や行動に対しては、それなりのけじめをつけるべきであり、責任逃れや卑劣な言い訳は許されません。野党4党は、鳥越氏を擁立したことを深く恥じ、国民に対し謝罪するとともに、潔い出所進退に臨むべきです。
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