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2014-11-26 06:36
金王朝3代目が怒り狂って「日本水葬」
杉浦 正章
政治評論家
中国の YouTube で金正恩登場のパロディーが爆発的な視聴率を集めている。抱腹絶倒間違いなしだ。\"金三胖版小苹果\"で「ぐぐる」とすぐに出てくる。ベストセラーの「小苹果」(小さなリンゴちゃん)という曲に乗って金三胖(金王朝3代目のデブ)の金が踊りまくるという趣向。首相・安倍晋三も出てきて空手で対戦、一発で安倍が負ける。オバマは金にパンチを食らわせ、ぶっ飛ばすといった内容で、賢いことに中国首脳は出てこない。検閲が厳しい中国が、これを認めているということは、いかに中国国家主席・習近平の「嫌金感情」が高いかを物語る。その金に対して国連が「Wanted」(お尋ね者)の決議案を採択したのだから大変だ。おそらく金が怒り狂ったのだろう、北は日本名指しで「水葬にする」と息巻いている。
北の人権侵犯批判の国連決議は過去9回行われているが、今回はとりわけ厳しい。金が国際指名手配犯になりかねない決議だからだ。国連総会第3委員会の決議は、(1)国家の最高レベルによる政策で「人道に対する罪」を犯した疑いがある、(2)国際刑事裁判所への付託と責任者への制裁について安保理への検討を促す、という内容。明らかに「最高レベル」の表現で金を特定している。決議は111か国が賛成、反対は19か国であった。決議は日本と欧州連合(EU)が主導したが、その背後に米国がいることは言うまでもない。来月本会議でも可決されるが、中国とロシアは反対に回っており、これは安保理で拒否権を使うことを意味する。従って、成立はしないが、国連外交としては勝利だ。なぜなら、想像以上に北に対する効果があった上に、中国とロシアに悪名高い拒否権を使わせる事に成功しそうだからだ。国連外交というのはそういうものだ。
北は国防委員会が11月23日声明を発表し、米国や日本、韓国などとの“未曽有の超強硬対応戦”に突入すると反応した。「国連を利用して仕立て上げた人権決議を全面的に拒否、排撃する」と反発。「人権騒動のもたらす想像を超えた破局的結果に対する責任は、全面的に米国と、その追従勢力が負うことになる」と非難した。米国に次いで日本を挙げ、「日本は近くて遠い国程度ではなく、わが方の目の前から永遠になくなる存在となることを肝に銘じるべきだ」と警告。「ひとたび聖戦を開始すれば、日本も丸ごと焦土化され、水葬されなければならない」とけん制した。
「水葬」とは穏やかでないが、どうやって水葬するのだろうか。金に聞いてみたい。金が怒り心頭に発した事が意味するものは、いかに決議案のダメージが大きかったかを物語る。将軍様が「Wanted No1」になって、逮捕される図式なのだ。成立しないから、逮捕はされないが、成立した場合は、国外に出ただけで逮捕されるのだから、誇り高い金王朝のメンツ丸つぶれだ。それは怒るだろう。北は去年春にも、韓国、ハワイ、グアム、日本を特定して核ミサイルを打ち込むと脅迫。日本に対しては軍のミサイル部隊が戦闘勤務態勢に入るとして、東京、大阪、名古屋はもちろん横須賀、三沢、沖縄のアメリカ軍基地の名前も出して、「われわれの射撃圏内にある」と威嚇した。まあ半島は日本を上回るテンション民族だから、「また狂ったか」と「一時の狂気」を気に留めないことが大事だ。ただ水葬されないように、集団的自衛権の行使や秘密保護法の必要は選挙でも訴えなければなるまい。
国全体を「水葬」するのだから、もともと生存している可能性は少ない拉致被害者を巡る日朝交渉などは一層期待が持てなくなった。北は中国からは相手にされず、日本から当面金を取れないとみたか、ロシアに急接近している。金正恩の特使として朝鮮労働党書記の崔竜海(チェ・リョンヘ)が17日から24日までロシアを訪問した。大統領・プーチンとの会談では、2国間の経済協力や朝鮮半島情勢などについて、意見を交わした。明らかに習近平が朴槿恵とばかり接触して、金正恩を無視しているのをけん制しているのだ。プーチンもシベリア鉄道や天然ガスパイプラインを伸長させ、韓国や日本への経済利益を追及したいのだろう。金は対中貿易で空いた穴を埋められるのは有り難いのだろう。ロシアもウクライナ情勢を巡って欧米との対立が深まるなかで、アジア重視の一環として北朝鮮との経済協力を進める姿勢を示そうということだろう。言ってみれば「つまはじきグループ」への結合であろう。両者は首脳会談をする可能性がある。また北が核実験に踏み切る可能性もある。
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