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2014-04-03 12:40

A級戦犯の靖国神社からの分祀を求める

藤本 厚  大学講師
一国の首相や元首が、国のために命を捧げた人々に感謝の念を表すのは、米国をはじめ、どの国でも行われている至極当然なことです。しかるに、安倍首相の靖国神社参拝が中国、韓国の非難を招いたのみならず、同盟国の米国の批判までも招いたのは、靖国神社がA級戦犯を合祀していることに主因があると考えます。

 すなわち、首相の靖国神社参拝は、日本が第二次大戦の歴史を無視し、戦前の軍国主義の復活を目指しているかのような印象を、諸外国そして米国にさえ与えているのです。これは懸念されているように、日米同盟を揺るがしかねない、ゆゆしき問題です。

 米国の誤解を解き、日米同盟を確固たるものにするためには、A級戦犯を分祀することが必須と考えます。A級戦犯が合祀されたのは、1978年10月に厚生省から靖国神社にA級戦犯の名簿が提出され、靖国神社側がこれに基づいて合祀したことに由来します。その後天皇は靖国参拝をされなくなりました。85年に中曽根首相が分祀を企図しましたが、神社側と東条家の反対で頓挫しました。

 東条家以外のA級戦犯の遺族は、分祀を了承しました。靖国遺族会も「戦争開始はともかく、戦争終結を遅らせ、百万人の人命を犠牲にしたA級戦犯の合祀には反対する」(古賀誠遺族会会長)との立場です。安倍首相は国益のために靖国神社を説得して、早急に分祀を実現すべきです。なお、遊就館の展示物の一部には、日本国の考えを代表するものとしては不適切なものがあり、国益に反します。撤去を要します。
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