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2013-06-28 11:47
「死の谷」とは?
船田 元
元経済企画庁長官
先日のテレビ朝日「報道ステーション」で、古館キャスターとノーベル賞山中伸弥教授が、「死の谷」について語り合っていた。とはいってもアメリカのカリフォルニア州にあるデスバレー(死の谷)のことではない。
基礎研究とその応用、あるいは製品開発・販売の間に、なかなか越えられないハードル、いわゆる「死の谷」が存在するということだ。我が国は基礎研究では先進各国の中でも引けをとらないが、それを応用したり、製品化する過程で、時間がかかったり、規制に引っ掛かったり、資金が続かないケースが多いのである。
例えば新薬を販売する場合、効能の確認や副作用の有無を調べるため、相当長期間の治験を実施しなければならない。アメリカでは1年とか1年半ほどで済むところ、日本では3年も4年もかかる場合がある。これでは折角のハイレベルの研究も、結果として実を結ばないことになる。安全性を最優先することは大切だが、もう少し時間短縮を図るべきではないだろうか。
また総合科学技術会議という、政府の司令塔があるが、基礎研究のなかで将来ものになりそうな研究については、「死の谷」を越えるまで、とことん資金援助をし続けるマインドが是非とも必要である。アベノミクスの「第三の矢」を成功させる秘訣のひとつが、ここに隠されている。
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