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2013-03-21 20:17
「安倍談話」2015年発表への評価と注文
佐藤 敏光
団体職員
3月19日の各紙によれば、安倍首相が韓国紙『月刊朝鮮』とのインタビューの中で、戦後70年目の節目の年である2015年に「安倍談話」を発表する意向を語ったとされる。同談話を発表することについては、昨年末以降、様々な機会で安倍首相自らあるいは官房長官の口から示唆されてきたが、小生が知る限り、発表の具体的時期が提示されたのはこれが初めてではなかろうか。戦後70年という節目に、同談話を発表するという意向については高く評価したい。
戦後70年という節目が今より2年後に迫っているという時期に、第二次安倍内閣が発足したことは偶然かもしれないが、「2年後」の談話発表というのが絶妙である。日本国内の一部の世論には、強い右傾化が見られることも確かであり、彼らは安倍首相にすぐにでも「河野談話」や「村山談話」の見直しを期待していたと思われるが、2年という期間を置くことで、安倍内閣がこれを慎重にかつ様々な議論を通して検討し、発表するという意向が示唆されていると思われるからである。
また、日本の「右傾化」が、米国をはじめ中国や韓国でも注視されている中で、政権発足後すぐのタイミングで、談話を発表することは賢明でない。談話の内容が、安倍首相が言うように「過去」よりも「未来」を志向したものであったとしてもである。まずは、米国や近隣諸国との信頼関係を再形成し、直面する幾多の外交問題にじっくりと取り組むべきであろう。
一方、戦後70年という節目での談話の発表が、韓国誌へのインタビューの中で初めて語られるという状況は、由々しきことである。小生の取り違いであり、既に談話発表の時期については、何らかの形で公表されていることを願うばかりであるが、このようなきわめて大切なことを他国メディアを通して知るということは受け入れ難い。まずは、国内社会そして有権者へとしっかりと伝えるべき内容ではなかったか。今後の賢明なる報道・広報調整を期待したい。
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