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2012-12-03 18:50

政党の離合集散における「純化」と「妥協」のバランス

船田 元  元経済企画庁長官
 現在、民主党と自民・公明の2極はがっちり対決しているが、みんなの党や日本維新の会をはじめとする第3極は乱立しており、国会に議席のある政党だけでも14を数えている。これでは誰が党首かばかりか、政党名すらなかなか覚えられない。

 日本の政党の歴史は離合集散の歴史といっても過言ではないが、何故このような事態が起こるのか。それは昨今の政治家が自己の主義・主張にこだわりすぎているからだ。物事にこだわるのは、政治を行ううえで貴重な才能だが、あまり度が過ぎると、一匹狼になりがちだ。 政治目的を実現するためには、出来るだけ考え方一致させる「純化」が必要だが、それをやり過ぎると同調者が集まらず、少数政党になって目的達成にはほど遠くなる。

 一方政党がいくつか集まって、多数派を構成することになれば、目的達成はぐんと近づくが、妥協を繰り返さざるを得ない。正しい道はないのかも知れない。何事もそのバランスがむずかしいのである。またある人は、選挙中は自分たちの主張を繰り返し、当選したら大胆に妥協して多数派に加わり、そこで政策実現を図ればいい、と述べている。しかしこれは、有権者を愚弄したことにならないだろうか。「公約」や「マニフェスト」の意味がなくなってしまうのではないか。

 我々2極に所属するものは、決して第3極の騒ぎを対岸の火事と捉えるのではなく、政党の基本を守りつつ、どこまで彼らの主張を受け入れることができるか、柔軟な姿勢が求められている。それがまた、第2極の使命でもある。
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