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2012-02-13 17:06
国際交流促進には真のセメスター制導入を目指すべき
大藏 雄之助
杉並区教育委員長
『読売新聞』2月2日の「東大秋入学論点スペシャル」で中嶋峯雄・冨田勝・池田幸雄の3氏が発言しており、国際交流を促進するには大学秋入学を実施するまでもなく、セメスター制で十分だということが明らかである。日本でもセメスター制をうたっている大学がふえている。しかしながら、その大部分は2学期制のことをいう疑似セメスター制であって、同じ講義を前期と後期と続けてとって1年間で終了するものである。それは別として、せっかく東大から秋入学という大きな提案があったのだから、これを機会に日本の学制の大改革を目指すべきであろう。
アメリカでは大学の学部は広い意味での教養教育であって、専門教育は、経営大学院、法科大学院、医科大学院という具合に、ポスト・グラデュエートにゆだねられている。その一方で小学校入学前の教育が重視されていて、イギリスにならって5歳入学にする国が増加しつつある。わが国でも教育基本法の改正で、それまで小・中・高・大のあとに、付けたしのように記述されていた幼稚園の規定を小学校の前にもってきた。だが5歳入学に繰り上げる議論はほとんどなされていない。これを克服するために、わが国の場合、6歳入学のままで、事実上の半年繰り上げを実現するのがよい。
現在、4月1日に満6歳に達していない子供は1年生になれない。そのうち9月1日に満6歳になるものを同じ年に新1年生として受け入れる。すでに在籍している6年生までの児童も中学校の生徒も原則として同じ基準で仕分けするが、習熟度と本人・保護者の希望とに応じて調整を可能とする。その際、世界のすべての先進国と同様に高校も義務教育に繰り入れて、同じ措置を執る。民主党政権が高校の授業料国庫負担を実施しているのだから無理ではない。
ついでながら、フランスはバカロレア、ドイツはアビトゥア、イギリスはGCES、アメリカはSAT、その他中国・韓国でも同様の大学進学適性試験を全員に義務づけており、これが事実上の高校卒業資格とされていて、就職にも必要である。ここでは詳述を避けるが、受験する科目は自由に選択できる。TOEICやTOEFLのように1年に数回実施され、その中で最も得点の高いものを登録する。これこそグローバル化の始まりだろう。
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