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2006-07-10 23:38
自衛隊の規模縮小は問題ではないか
大西 健
大学生
第26政策提言「新しい脅威と日本の安全保障」に関連し、私見を述べさせていただきたいと思います。
この政策提言で指摘されているように、冷戦の終結によって自国周辺に脅威のなくなったヨーロッパとは異なり、日本はアジアに残った冷戦構造による脅威に依然として曝されています。その上新顔の脅威に対応する必要が生まれ、自衛隊は非常に大きな役割を担う必要が出てきました。
このような状況にもかかわらず、近年一貫して自衛隊の規模が縮小されていることに疑問を抱かずにはいられません。もともと自衛隊は国防を担うにも規模が十分でなかったにもかかわらず、冷戦後は任務が拡大され、その上規模が縮小されるとあっては問題です。
特に人員の不足は最も心配されます。2004年に策定された新防衛大綱では、おおむね10年後を目標に、最終的に常備自衛官は14万8千人へと削減されることになっています。これは、2004年度末の15万8千人から比べれば1万人の削減となります。
国際安全保障環境が日本の安全保障に直結する以上、PKOなどの国際環境改善活動にはもっと大々的に参加するべきであり、そのためには大規模なマンパワーが必要になります。政策提言の中で繰り返し言及されているように、国防なくして海外活動はありえないことを考えれば、国防のための兵力を削減して海外に派遣することは問題外です。
また、国防という観点からしても人員の削減は問題です。大規模な侵略の可能性が低下する中、日本への攻撃の中でも最も懸念されているものの一つであるゲリコマ対処では、掃討の過程でしらみつぶしに地域を捜索する必要が生じる可能性があるため、大規模な兵員の投入が必要になりえます。これらの活動は少数精鋭でとはいかない性格のものです。
国防を疎かにせず、世界で安全保障環境の改善に寄与できるだけの規模を自衛隊は持つべきです。自衛隊のこれ以上の規模縮小は問題であると考えます。
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